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サファリ・Pが『透き間』を愛知と大阪で上演!

京都を拠点に活動する劇団 サファリ・Pは、第9回公演『透き間』を、5月に愛知と大阪の二都市で上演する。

本作は、アルバニア文学を代表する作家イスマイル・カダレの小説『砕かれた四月』を下敷きに、サファリ・Pで劇作・演出を務める山口茜のオリジナル作品として書き下ろされ、サファリ・P固有のスタイルを駆使して構築される、声、身体、音、光、美術、身振りのアンサンブル作品で、2022年3月、第8回公演『透き間』として、京都府立文化芸術会館と東京芸術劇場 シアターイーストにて初演を迎えた。

また、劇作家・演出家として多数の受賞歴を持つ山口は、2023年4月に名古屋に開館する劇場メニコン シアターAoiの芸術監督にも就任した。

初演から1年あまりでの再演となる今回は、山口が『砕かれた四月』の登場人物たちのジェンダーと各々の内面にフォーカスした新たな切り口で、脚本・演出を大幅に練り直す。主人公を女性に置き換え、その世界観を相対化することで、カダレ作品が持つ、現代日本にも通じる普遍性をさらに色濃く描き出す。キャスト・スタッフの顔ぶれも一新し、初演から生まれ変わった“リクリエーション版”としての上演となる。

初演時舞台写真・撮影/松本成弘

《あらすじ》
透き間が、口を開けて、私たちを飲み込もうとしている
母に遊びを禁じられて育ったネリネは、透き間風の吹きすさぶ荒涼とした心を隠して生きてきた。有名な小説家の恋人の座を得た彼女は、とある“しきたり”に縛られた山岳地帯への取材旅行に同伴する。山の権力者たちはネリネの正体を本能的に察して恐れ、排除しようと躍起になるが、その抑圧をバネに次々に山人たちの心を掌握し、しきたりをも操る座を手に入れるネリネ。しかし彼女がそこで観たものは、彼女自身も気がついていなかった原風景だった――。

初演時舞台写真・撮影/松本成弘

【コメント】
上演台本・演出:山口茜
今回の作品のモチーフはヒップホップです。劣悪な環境で育った若者たちの間で発祥したヒップホップは、暴力ではなく表現で勝ち負けをつけようとするものです。
世界では実際に今も戦争が起き、多くの人が暴力を振るわれています。同じ地球に生きる私たちも、大なり小なり影響を受けているし、実際に多くの人が、身体的にも精神的にも、他者を傷つけることで自らの主張をせざるを得ない状況に追い込まれています。いつの時代も、劣悪な環境に置かれると、暴力という手段に出てしまう人間の本性を、なんとか表現に逃せないか。そういう祈りを作品に込めました。
ちなみに下敷きとなった小説『砕かれた四月』(イスマイル・カダレ)には、3 年を費やしてきました。これまでのどの作品とも違う、完全なる新作ではありますが、これまで作った3 作品なくしてはたどり着けない境地に至った感覚があります。
アルバニアに今も残る復讐の掟とそれにまつわる人間模様から、本質的な課題を取り出し、現代の私たちに手触りのある世界を立ち上げます。

初演時舞台写真・撮影/松本成弘

【公演情報】
サファリ・P第9回公演『透き間』
上演台本・演出:山口茜
作曲:増田真結
出演:芦谷康介、佐々木ヤス子、達矢(以上 サファリ・P)
F.ジャパン(劇団衛星)、森裕子(Monochrome Circus)、山田蟲男(突劇金魚)
●5/14◎愛知 メニコン シアターAoi〈トライアルイベント〉
〈料金〉一般・学生 1,000 円 障がい者割引800 円(全席自由席・前売当日同料金・未就学児童入場不可)
※アフタートーク実施 (本公演のチケットをお持ちの方限定)
出演:山口茜(演出家・劇作家、メニコン シアターAoi 芸術監督)& 金平茂紀(ジャーナリスト)
〈お問い合わせ〉メニコン シアターAoi 052-938-5537(受付時間:10:00~17:00)
●5/20~22◎インディペンデントシアター2nd
〈料金〉一般3,800 円 30歳以下2,500 円 学生 1,000 円 障がい者とそのその介助者2,000 円(全席自由席・前売当日同料金・未就学児童入場不可)
〈チケット問い合わせ〉Peatix sukima2023.peatix.com
〈劇団公式サイト〉https://stamp-llc.com/

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