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騎士タンホイザーの苦悩と救済を描く『タンホイザー』1月末から上演!

新国立劇場ではワーグナーの人気オペラ『タンホイザー』を1月28日から2月11日まで上演する。

本作は中世のタンホイザー伝説をもとに官能の愛と精神的な愛の間で揺れる騎士タンホイザーの苦闘と救済を描く、ワーグナー中期の人気作。有名な序曲や官能的なバレエ、敬虔な調べを奏でる巡礼の合唱、雄大壮麗な大行進曲、高らかな歌合戦の場など、オペラならではのスペクタクルの詰まった祝祭的作品。エリーザベトの「歌の殿堂」、ヴォルフラムの「夕星の歌」、タンホイザーの「ローマ語り」など、歌手の力量を存分に味わえる聴きどころにも枚挙に暇がないほどで、ワーグナーの中でも広く人気を獲得している。

2007年に新国立劇場開場10周年記念シーズンの開幕作品として新制作上演したレーマン演出のプロダクションは、幻想と現実を効果的に行き来する美しい舞台で、ワーグナーの世界を堪能できると好評を博したもの。ワーグナーにふさわしいスケールの壮麗な舞台となっている。

タイトルロールには、世界最高峰のヘルデンテノールで日本でも圧倒的人気のステファン・グールドが、得意のタンホイザー役で約5年ぶりに新国立劇場へ登場する。バイロイト音楽祭やウィーン国立歌劇場など著名劇場で活躍するグールドは、新国立劇場にコンスタントに登場し、トリスタンや「指環」四部作、フィデリオなどの名演で絶大な人気を博している。タンホイザーは近年バイロイトをはじめザクセン州立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラなどに立て続けに出演、最も歌い込んでいる役柄となる。

 

エリーザベトにはドラマティックな役柄で欧米の劇場で活躍中のソプラノ、サビーナ・ツヴィラク。ヴェーヌスにはリトアニアの若手メゾ、エグレ・シドラウスカイテが出演する。日本からも、領主ヘルマンに新国立劇場で大活躍のバス妻屋秀和、騎士たちには鈴木准、青山貴、今尾滋、後藤春馬と実力派歌手が揃った。

指揮に、フランダース歌劇場音楽監督を務めるなどヨーロッパの歌劇場で活躍し、来日も多く日本のファンも多い俊英アレホ・ペレスが登場するのも話題となっている。絶大な信頼を誇る新国立劇場のワーグナー上演を堪能できる機会だ。

【Story】


[第1幕]
中世のドイツ。騎士タンホイザーは、禁断の地ヴェーヌスベルクで愛欲の女神ヴェーヌスの虜となっていた。やがてこの歓楽の日々にも飽き、引き止めようとする女神の誘惑を振り切って人間世界に戻る。通りかかった巡礼一行の歌声に心を動かされタンホイザーは贖罪を誓う。そこで狩りに向かうかつての仲間に出会い、「エリーザベトのもとにとどまれ」の一言でヴァルトブルク城へ共に帰って行く。

[第2幕]
ヴァルトブルク城、歌の殿堂の大広間でタンホイザーはエリーザベトとの再会を喜び、歌合戦に参加することとなる。領主ヘルマンからの歌合戦の課題は「愛の本質」を明らかにすること。かつての同僚ヴォルフラムは愛を清らかな“奇跡の泉”にたとえ、他の騎士たちも精神的な愛を讃える歌を歌う。タンホイザーはこれに反論し、愛の本質は官能の愛であると〈ヴェーヌス賛歌〉を歌い上げたため、ヴェーヌスベルクにいたことが人々に露見してしまう。騎士たちはタンホイザーを殺そうとするが、エリーザベトは「信仰の勇気が、この人にも与えられますように」と願う。このとりなしによって領主ヘルマンは、タンホイザーにローマ法王のもとへ贖罪の巡礼に出るよう命じるのだった。

[第3幕]
エリーザベトはタンホイザーの救済を祈っているが、ローマからの巡礼の中に彼の姿はない。エリーザベトは自らの命と引き換えにタンホイザーの救済を聖母に願う。そこに現れたタンホイザーは、ローマで自分だけ許しを与えられなかった様子を語る。自暴自棄になったタンホイザーはヴェーヌスベルクへの誘惑に今一度身を任せようとするが、エリーザベトの死によってその魂は救済される。「エリーザベトよ、わがために祈れ」と叫んで息絶えるタンホイザーに、神の恩寵をたたえる合唱が響く。

 

【公演情報】
新国立劇場 2022/2023シーズン オペラ
リヒャルト・ワーグナー『タンホイザー』
Richrad WAGNER / Tannhäuser
●1/28、1/31、2/4、2/8、2/11◎新国立劇場オペラパレス
予定上演時間:約4 時間5 分(休憩含む)
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉

指揮:アレホ・ペレス
演出:ハンス=ペーター・レーマン
美術・衣裳:オラフ・ツォンベック
再演演出:澤田康子
出演
領主ヘルマン:妻屋秀和
タンホイザー:ステファン・グールド
ヴォルフラム:デイヴィッド・スタウト
ヴァルター:鈴木 准
ビーテロルフ:青山 貴
ハインリヒ:今尾 滋
ラインマル:後藤春馬
エリーザベト:サビーナ・ツヴィラク
ヴェーヌス:エグレ・シドラウスカイテ
牧童:前川依子
4人の小姓:和田しほり 込山由貴子 花房英里子 長澤美希
合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団
バレエ:東京シティ・バレエ団
管弦楽:東京交響楽団
〈料金〉S席27,500 円 A席22,000 円 B席15,400 円 C席8,800 円 D席5,500 円 Z席1,650 円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
※Z席:公演当日朝10 時より、新国立劇場Web ボックスオフィスほかで販売。1人1枚。電話予約不可。
※ 当日学生割引(50%)、ジュニア割引(20%)、高齢者割引、障害者割引、学生割引、当日学生割引(50%)など各種割引あり。
〈チケット問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10~18時)
〈公式サイト〉https://www.nntt.jac.go.jp/opera/tannhauser/

 

【舞台写真/新国立劇場「タンホイザー」2019年公演より 撮影:寺司正彦】

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