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【ノゾエ征爾の「桜の島の野添酒店」】No.109「ゴールドな日」

おじいちゃんおばあちゃんたちの公演を観てきました。
その名も「G T C」。

「1万人のゴールド・シアター」から「ゴールド・アーツ・クラブ」となり、
ここまでは、さいたま芸術劇場主催のもと、私が脚本・演出としてやらせていただいていた、千人規模の高齢者大群衆演劇活動であった。
しかしそれも、コロナ禍の中、会うことすらできないまま解散となってしまったわけですが、「G T C」は一切止まっていなかった!
あ、G T Cとは、上記のゴールド・アーツ・クラブと並行して、その一部の有志により立ち上げられた演劇集団「G T C(ゴールド・シアター・クラブ)」です。

これまでも、ワークショップや公演をされていたのだが観れていなかった。
先日ようやく、与野本町の産業文化センターでの公演を拝見できた。
スタッフワーク、音響や照明なども全て、ご自分たちでされていて、まあすごいこと。
脚本も演出も、彼らの中から担当されて、まあすごいこと。
皆さんの「生きる」がそのまま、会場にも舞台上にも充満していて、演劇ってこういうことだよなって、ジンと染みて感激。
終演後は、久々に取り囲まれる。
「あの日々は本当に青春だったと、生きがいだったと、終わってから気づきました!
また是非やって!やってやってノゾエ先生!」
「そうですね、一回くらいは稽古に顔出さないとですね」と言うと、
「任せてくださいですって!」となり、大騒ぎに。
そしてふと、電話を渡される。電話の向こうには、最高齢97歳のおじいちゃま。
「いやあ、先生、昨日ね、雨の中無理して下北沢行ったら、ちょっと風邪っぽくなっちゃって、今日行きたかったんだけど行けなくなっちゃって。会いたかったですわ。
がはは」
いや、もう、お元気すぎて怖いんですけど。
皆さんから最高に元気をいただいた最高の観劇でした。
そうそう。ゴールドでの日々は、
最高に元気をいただく分、最高に元気を吸われるので、トントンな毎日だったのを思い出した。
それでも、私こそ。と思った。
私こそ、あれは、他のどこにもない、世界にも類を見ない、素晴らしすぎる演劇現場だったと、終わってから身に染みました。
明日、用もなくシモキタ行ってみっか。

 

【著者プロフィール】

ノゾエ征爾
のぞえせいじ○1975年生。脚本家、演出家、俳優。はえぎわ主宰。青山学院大学在学中の1999年に「はえぎわ」を始動。以降全作品の作・演出を手がける。2011年の『○○トアル風景』にて第56回岸田國士戯曲賞を受賞。2014年には初の主演映画『TOKYOてやんでぃ』が公開された。

【今後の予定】
・さいたま芸術劇場で、世界的演劇名作の創作ワークショップをやっています。今回は内部発表会だけですが。
・5月7日(土)よる10時~放送スタートのN H K土曜ドラマ「17才の帝国」に出演。

 

▼▼前回の連載はこちら▼▼

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