【粟根まことの「未確認ヒコー舞台:UFB」】第110回「サンシャイン劇場の機構」
残念ながら公演中止となってしまった夏秋公演「神州無頼街」ですが、何と! 2022年春に延期開催されることが発表されました! そして、ヴィレッヂプロデュース2020 Series Another Style「浦島さん」「カチカチ山」の上演も発表されましたね。こちらは今年の秋です。三密を避けるために少人数構成の舞台ですが、私も出演いたします。どちらもどうぞよろしくお願い致します。詳細は公式HPをご覧下さい。
さて、去る8/1にはWOWOWさんの連続企画である「劇場の灯を消すな!」の第二弾である、サンシャイン劇場×劇団☆新感線による「サンシャイン劇場編 劇団☆新感線40周年!~勝手に?われら青春のサンシャイン!」がオンエアされましたね。
座談会や聞き放談や朗読劇など、様々な趣向でお届けしましたが、私も「勝手に劇場案内」として普段皆さんが目にすることのない場所も含めて劇場をめぐりながら解説を致しました。
再放送は9/23の夜11:30にあります。また、WOWOWメンバーズオンデマンドならいつでもご覧頂けます。WOWOW未加入の方には申し訳ありませんが、コレを機会に入会されてみるのは如何でしょうか。映画やライブも数多くオンエアされておりますし、新感線の公演もよく放送されております。
ご覧頂けない皆様には申し訳ありませんが、今回はその補足などをしながら劇場の機構についてご説明をしてみたいと思います。実は、どの部分が使われるか判らなかったので、放送された分の二倍以上は喋っていました。放送時間にも限りがありますので、使いやすい部分だけ使って頂いたのです。
ロビーについては特に付け足すことはないのですが、「犬顔家の一族の陰謀」の時、勝地涼くん演じる玉男を木野花さん演じる太郎子が半狂乱でロビーから楽屋へと追い回すのですが、毎回その様子をライブカメラで追うという演出がありました。その際、ロビーに大物ゲストがサプライズでいたことがありましたねえ。
ピンスポットが納められたセンタールームが二階席後方にある劇場は他にもありますが、お客様が立ってしまうとピンスポットを遮ってしまう高さなのはなかなかありません。遮られてしまうと困ってしまうのはもちろんですが、それよりもお客様が熱いと思うんだよね。相当な光量なので。
また、客席には至る所に音響や照明用の配線口が隠されています。客席後方に操作席を設置したり、客席通路に照明を仕込んだりすることもありますので。
舞台上ではサンシャイン劇場の最大の特徴である「双子盆(二枚盆)」をご紹介することができ、さらには乗せて回して頂けて大興奮でした。しかも迫りにまで乗せて頂きましたからね。劇場の方に伺ったところ、この双子盆を使用した演出というのはかなり例が少ないらしいですよ。特殊な構造なので有効に使うのが難しいだけでなく、旅公演がある演目だと他の劇場で使い回しができませんからね。
来年、劇場機構の大改修があるそうなのですが、この双子盆が残るのか無くなるのかは気になるトコロですね。
また、舞台上手側(客席から見て右側)のソデがとても狭くて出入りが難しいとか、上手ソデにスタンバイする時には壁際に一列に並ぶとか、逆木圭一郎さんが舞台から落ちたことがあるとか、そのような話をしておりました。
舞台の真下にある奈落というスペースには先ほどの双子盆や迫りを動かすための巨大な機構があって危険だとか、上手と下手を移動するための通路にもなるとか、着替えるスペースがあるとか、新感線では膨大な小道具があるので奈落には所狭しと小道具が並んでいるとか、そんなことを話しました。本当は奈落の模様をもっと見て頂きたかったですね。なにしろなかなか見るコトができない場所ですので。
後は楽屋をご案内して終わったのは見て頂いた通りです。楽屋には飲み物の自動販売機が一台あるのですが、舞台に近くて音が響いてしまうために本番中は使用禁止だとか、楽屋ロビーのカベは一面ホワイトボードになっていて、ペンで書き込んだりマグネットで掲示物を貼り出したりできるとか。
様々な思い出と共に様々な場所を見て頂きました。こういう機会でもなければ入れない場所もありました。久しぶりにサンシャイン劇場の舞台に立ってみるとそれはそれは色んな記憶が蘇ってきましたよ。収録の日には改めて、早く舞台で芝居がしたいなあ、と思ったのですが、意外に早くその時がやってきそうです。「浦島さん」と「カチカチ山」は10月に上演&全ステージオンライン配信ですので、どうぞよろしくお願い致します。
先日、仕事で虎ノ門辺りに行って、初めて虎ノ門ヒルズに入ってみたのですが、そこにはトラのもんバージョンのドラえもんがいました。
【著者プロフィール】
粟根まこと
あわねまこと○64年生まれ、大阪府出身。85年から劇団☆新感線へ参加し、以降ほとんどの公演に出演。劇団外でも、ミュージカル、コメディ、時代劇など、多様な作品への客演歴を誇る。えんぶコラム「粟根まことの人物ウォッチング」でもお馴染み。
【出演予定】
ヴィレッヂプロデュース 2020 Series Another Style
『浦島さん』『カチカチ山』 太宰 治著「お伽草紙」より
原作: 太宰 治「お伽草紙」(新潮文庫版)
脚色:『浦島さん』倉持 裕/『カチカチ山』青木 豪
演出: いのうえひでのり
出演:
『浦島さん』 福士蒼汰 羽野晶紀 粟根まこと
『カチカチ山』宮野真守 井上小百合
●10/4~17◎東京建物Brillia HALL
上演時間:約70分予定・休憩なし
〈料金〉S席8,000円 A席7,000円(全席指定・税込)
※枚数制限 お1人様1公演1枚まで
〈チケット発売日〉2020年9月5日(土)午前10:00~
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京
0570-00-3337(平日12:00~15:00)
〈公式サイト〉http://www.vi-shinkansen.co.jp/ura-kachi/
【配信情報】
★全ステージのLIVE配信を予定。
配信サービス PIA LIVE STREAM
〈配信料金〉 2,500円(税込)
〈配信チケット購入〉チケットぴあ
※配信チケットの発売日や配信の詳細は公式サイトにて後日発表。
〈公式サイト〉http://www.vi-shinkansen.co.jp/ura-kachi/
◇コラム「粟根まことの人物ウォッチング」掲載の「えんぶ10月号」は9/9全国書店で発売予定!
▼▼▼今回より前の連載はこちらよりご覧ください。▼▼▼
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