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【粟根まことの「未確認ヒコー舞台:UFB」】第108回「取材と文字起こしと赤入れ」

緊急事態宣言は解除されても外には出づらい日々。東京アラートが発せられそうな日々。なにしろこちとら仕事もありませんからね。時々買い物に出る以外はステイホームです。お陰で通販の回数が増えまして、ほぼ毎日何かが届きます。日に二回届いたりもします。

さて、そんな日々ではありますが、ちょっとずつ仕事も増えてきました。メインは「新感線SSP」関係なのですが、たまには別の仕事もあります。先日は久しぶりに某雑誌のインタビューを受けたりしました。(まあ正直に言いますとご存じ「えんぶ」さんのインタビューなんですけどね。なので次号には私のインタビューが掲載されるはずです)

取材。そう、この用語こそ今回ご紹介したい用語なのですが、意味としては皆さんもご存じだと思うので、取材にまつわる用語などを解説致しましょう。

人生において取材されることなんか中々ありません。とはいえ、皆様も学生時代とか会社の広報紙とか、なんらかの取材を受けられた方も多いのではないでしょうか。いやあ、緊張しますよね取材って。

我々の取材の場合、大きく分けて文字媒体と動画媒体の二種類があります。文字媒体というのは雑誌やパンフレットなどの場合で、動画媒体というのはテレビ番組やメイキング映像などの場合です。

文字媒体の取材の場合は比較的に気が楽です。間違えてしまっても言い直したり、話の順序が入れ替わったりしても修整ができます。その場で補足説明もできますし、大抵の場合は掲載される前に「赤入れ」というチェックの機会が用意されますから。赤入れというのは、「文字起こし」されたインタビュー原稿を赤ペンで(いや今では実際には赤ペンは使いませんが、文書データ上で問題の文字を赤色にして)修整するコトです。

「文字起こし」というのは文字通り、インタビューで喋った内容を文字に書き起こすコトです。インタビュアーさんが、取材時に録音した会話を聞きながら、それを文字に書き起こしていくのですね。

私も昔、劇団のファンクラブ会報の編集の折などに何度も文字起こしをしました。今のようにICレコーダーやスマホでの録音ではなく、小型のカセットテープレコーダでやっておりました。手のひらにギリギリ収まるくらいの大きさで、スピーカーの付いているヤツ。それを耳に当てながら、何度も巻き戻しと再生を繰り返して聞き取っていくのですね。

再生スピードを変えられるダイアルが付いておりまして、聞き取りにくい時には早くしたり遅くしたりして聞いておりました。遅くした方が聞き取りやすそうな気がするでしょ。でも、声が低くなりすぎて聞き取りにくいのよ。意外なことに、ちょっと早くした方が声が高くなって聞き取りやすかったりするんですよ。なんともアナログな時代でした。

そして、難しいのが動画媒体のインタビュー。文字よりも言葉のニュアンスが伝わりやすくて良いのですが、何しろ動画ですから言い間違いができません。噛んだりろれつが回らなかったりするのもよろしくないですからね。話があっちこっちに行ってしまったら修整しにくいですし。

あとね、気になるのが目線の位置。インタビュアーさんを見るのかカメラを見るのか。ジッとしているのも絵面が面白くないのでちょっと手を動かしてみたりね。とにかく、動画でのインタビューは色々な面で緊張するのですよ。

取材される場合にも様々な状況があります。あらかじめ訊かれる内容を教えて頂いている場合もあれば、全くのフリートークになる場合もあります。いずれにせよ、取材の前にはある程度の準備はしていきます。その流れでキャッチーなフレーズを思いつくこともあるのですが、得てして上手くハマらないんですよね。用意していたフレーズを使うのを忘れたり、使うキッカケがなかったり。結果としてそういった準備したコメントよりも、その場の流れで思いついた言葉の方が面白かったりするんですよね。

いずれの場合にせよ、話す時には明快に滑舌良く喋ることを心がけています。聞き取りやすいですし、自分も文字起こしをすることがあるので判るのですが、聞き取りやすくした方が文字起こしの際に楽なのです。また、できるだけ倒置法や主語のない文を避けるようにします。友人との会話ではこのような話法は普通ですが、文字に起こすと不自然になるのです。まあでも、使っちゃうけどね。

取材したりされたり。よく考えれば、えんぶ本誌の人物ウォッチングでも毎回取材しています。テープを回したりはしませんが、メモを取りながら取材しております。二ヶ月に一回とはいえ、中々に大変なのですよ。次回の取材も終えました。次回は誰を描くんでしょうか。ええと正直に言いますと、次回はえんぶ編集長の坂口真人さんです。こんな機会でもないと描けないと思いましてね。

そんなこんなの取材事情。宣伝のためとはいいながら、そこそこ考えながらやっているんだとだけでもご理解頂ければ幸いです。

自粛期間中に新宿に行く用事があったのですが、ヨドバシカメラ本店が臨時閉店中でした。いや、当然なのですが、ちょっと驚いた。

【著者プロフィール】
粟根まこと
あわねまこと○64年生まれ、大阪府出身。85年から劇団☆新感線へ参加し、以降ほとんどの公演に出演。劇団外でも、ミュージカル、コメディ、時代劇など、多様な作品への客演歴を誇る。えんぶコラム「粟根まことの人物ウォッチング」でもお馴染み。

 

 

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