煌めく音楽が綴る美しき恋と別れの物語。新国立劇場オペラ『ばらの騎士』4月に上演!
ウィーン上流社会を舞台に、過ぎゆく時への思いや、若い新しい愛を、優美かつ豊麗な音楽で描いた絢爛たる傑作『ばらの騎士』が、4月3日~12日に新国立劇場オペラパレスで上演される。
劇作家ホフマンスタールとR.シュトラウスの名コンビの最高傑作で、あらゆるオペラの中でも最も贅沢で美しく、なかでも、第2幕の銀のばらの献呈シーン、終幕の三重唱は、観る者を陶酔の世界へ引き込む決定的な名場面。
細やかな人物描写に優れたジョナサン・ミラーの演出は、時代を18世紀から世界初演の1年後の1912年に移し、当時の聴衆が感じていた「時代の移ろい」をも作品から引き出している。視覚的にも美しい舞台で、諦念と未来への希望が成熟したタッチで見事に描かれ、新国立劇場の数あるレパートリーの中でも抜群の人気を誇る。
元帥夫人には、世界のトップソプラノとして活躍するアンネッテ・ダッシュが、08年以来待望の新国立劇場出演となる。指揮は来日も多いウィーン出身の指揮者サッシャ・ゲッツェルが新国立劇場デビューを飾る。
【ものがたり】
第1幕/陸軍元帥夫人マリー・テレーズは、夫が不在の館で、若い恋人オクタヴィアンと甘いまどろみのなか朝を迎える。そこに元帥夫人の従兄オックス男爵がやってくる。新興貴族ファーニナルの娘ゾフィーと婚約するというオックスは、婚約者に銀のばらを贈る儀式の使者”ばらの騎士”を誰にしたらいいか相談しに来たのだ。逢瀬の現場を見られてはまずいと大慌ての2人だが、もう逃げられず、オクタヴィアンはかわいらしい小間使いマリアンデルに変装。女たらしのオックスは元帥夫人に相談しながらも小間使いが気になる様子。元帥夫人はオクタヴィアンを”ばらの騎士”に推薦する。その後、元帥夫人はひとり思いにふけり、年齢を重ねることの無常を思う。
第2幕/”ばらの騎士”としてゾフィーに銀のばらを届けに来たオクタヴィアンは、一目で彼女と恋に落ちてしまう。オックス男爵が現れるが、彼のあまりにも無作法な態度にゾフィーは結婚を嫌がり、オクタヴィアンは婚約を取り消すようオックスに申し出る。しかしオックスが相手にしないため、オクタヴィアンは剣を抜く。オックスも剣を手に取るが、すぐにオクタヴィアンの剣の先が腕に当たる。負った傷はほんのかすり傷だが、オックスは泣きわめいて大騒ぎ。そこにマリアンデルから逢引の誘いの手紙が来て、オックスはすっかりご機嫌に。
第3幕/逢引の場の安宿の一室には、オックスを懲らしめるための罠を仕込み、オクタヴィアンはマリアンデルに変装して準備万端。何も知らないオックスは浮足立ってやってきて”彼女”を口説こうとするが、いい雰囲気になろうというとき、幽霊が現れ、「彼の子」と称する子を連れた女や、警官が来て大騒動。すっかり追い詰められたオックスは婚約を破談にすることを了承する。そして元帥夫人は身を引き、オクタヴィアンとゾフィーを祝福する。
※新型コロナウイルス感染症拡大予防対策を講じた新時代の生活様式に基づき、演出の一部を変更して上演。
また、U25/U39には優待割引あり。
【公演情報】
リヒャルト・シュトラウス『ばらの騎士』
Der Rosenkavalier/Richard Strauss
全3幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉
約4時間(休憩含む)
指揮:サッシャ・ゲッツェル
演出:ジョナサン・ミラー
美術・衣裳:イザベラ・バイウォーター
照明:磯野 睦
再演演出:三浦安浩
舞台監督:髙橋尚史
出演:
元帥夫人:アンネッテ・ダッシュ
オックス男爵:妻屋秀和
オクタヴィアン:小林由佳
ファーニナル:与那城 敬
ゾフィー:安井陽子
マリアンネ:森谷真理
ヴァルツァッキ:内山信吾
アンニーナ:加納悦子
警部:大塚博章
元帥夫人の執事:升島唯博
ファーニナル家の執事:濱松孝行
公証人:晴 雅彦
料理屋の主人:青地英幸
テノール歌手:宮里直樹
帽子屋:佐藤路子
動物商:土崎 譲
合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:多摩ファミリーシンガーズ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
●4月3日、4月6日、4月9日、4月12日◎新国立劇場オペラパレス
〈料金〉S席24,200円 A席19,800円 B席13,200円 C席7,700円 D席4,400円 Z席1,620円(全席指定・税込)
※U25/U39優待チケット:S席5,000円/11,000円で販売
新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10~18時)
https://www.nntt.jac.go.jp/opera/derrosenkavalier/
【舞台写真:新国立劇場「ばらの騎士」2017年公演より 撮影:寺司正彦】
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