杉原邦生演出、南沢奈央・濱田龍臣の出演でKUNIO10『更地』10月~11月に上演!
演出家・杉原邦生が大学時代の恩師でもある劇作家・演出家、太田省吾の代表作のひとつ『更地』を上演する。公演は10月~11月、京都劇場、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館、世田谷パブリックシアターにて行われる。
杉原邦生は、自身が主宰するプロデュース公演カンパニーKUNIOでの活動を軸に、木ノ下歌舞伎の演出では数々の代表作を生み出し、東京・神奈川・埼玉・松本など各公共劇場のプロデュース公演のみならず、新橋演舞場でスーパー歌舞伎IIの演出を手がけるなど、小劇場空間からダイナミックな中・大劇場空間までを自在に行き来し、扱う題材もギリシア悲劇や歌舞伎などの骨太な古典演目から新作現代劇までヴァラエティに富み、八面六臂の活躍をしている。2020年1・2月シアタートラムにて唐十郎の名作『少女仮面』に取り組み、同年11・12月にはKAAT神奈川芸術劇場にて新たなギリシャ悲劇の創造と銘打ち『オレステスとピュラデス』を演出し、21年2・3月には新生PARCO劇場オープニング・シリーズ『藪原検校』にて井上ひさしの傑作戯曲を現代の物語として大胆に甦せた。
今回手がけるバブル経済崩壊期の1992年、太田自身の演出によって初演された『更地』は、阪神・淡路大震災の翌96年に再演。家の解体を終えた更地で過去の記憶を辿る夫婦の姿が観客の胸を打ち、大きな話題となった。杉原は自身のカンパニーKUNIOにて、東日本大震災の翌2012年に上演。戯曲の設定と異なる若い俳優をキャスティングし、二人の男女が「未来」の希望へと向かう新たな物語として再創造し、京都のみの公演でありながら、大きな注目を集めた。
今回の出演者も戯曲の指定とは異なる世代の俳優をキャスティングし、未来の演劇界を担う若き二人とともに、新たな『更地』を創造する。
太田版初演で岸田今日子が魅力たっぷりに演じた「女」役には、安定した演技力で舞台での活躍が目覚ましい南沢奈央。南沢はこれまで数多くの舞台に出演・主演しているが、二人芝居には初挑戦となる。
対する「男」役を演じるのは濱田龍臣。昨夏、三谷幸喜作・演出『大地』で初舞台を踏み、昨冬には杉原演出による『オレステスとピュラデス』でタイトル・ロールのピュラデス役を見事に演じ切り、杉原との二度目のタッグに闘志を燃やしている。
【演出ノート】
『更地』はある夜、かつて自分たちの家があった場所へとやってきた初老の夫婦の物語です。二人は屋根のなくなったその場所に立ってふと、頭上に浮かぶ月に気がつきます。それまでは見えていなかった、もしくは見ようとしてこなかった、けれど、屋根の上にいつも当たり前にあった月。僕たちはいつの時も、このことを忘れてしまっているのかもしれません。〈屋根〉がなくならないと気がつけなかった〈月〉の光を。
いま僕たちは、ふたたび〈月〉の存在に気付かされ、〈屋根〉の意味を考え直さなければならない時代を生きています。でも、もっと大切なのは、〈月〉の存在そのものだけでなく、〈月〉を輝かせる光のみなもとが別のところに在るという事実です。そのみなもとに立ち返ることでしか、僕たちがつくるべき〈屋根〉の本当のかたちは見えてこないと思うからです。
だからこそ、僕にとっての演劇の原点でもある『更地』をいま、もう一度演りたい、そう思っています。 杉原邦生
【公演情報】
りゅーとぴあ×杉原邦生
KUNIO10『更地』
作:太田省吾
演出・美術:杉原邦生
出演:南沢奈央 濱田龍臣
●11/7~14◎東京 世田谷パブリックシアター
〈料金〉東京公演 SS席6,500円 S席6,000円 A席5,000円 B席3,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
※SS席は最前列・2列目エリア
〈一般発売日〉東京公演 2021年9月25日(土)
〈お問い合わせ〉世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515(10:00〜19:00 年中無休 年末年始を除く)
●10/9・10◎京都 京都芸術劇場・春秋座
〈お問い合わせ〉京都芸術劇場チケットセンター[24時間受付・要事前会員登録] 075-791-8240[平日10:00~17:00]
●10/30◎新潟 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・劇場
〈お問い合わせ〉りゅーとぴあチケット専用ダイヤル 025-224-5521(11:00~19:00/休館日除く)
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