岡田利規作・演出による『未練の幽霊と怪物』音楽劇として6月にKAATで上演!
KAAT神奈川芸術劇場では、岡田利規作・演出による『未練の幽霊と怪物』を6月に上演する。(豊橋、兵庫公演あり)
本作品は2020年4月、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、6月~7月に予定していた全公演を中止した。中止から1年、オリジナルキャスト・スタッフで待望の劇場上演を果たすことになった。
本公演は、ザハ・ハディドをシテに描く演目『挫波(ザハ)』、高速増殖炉「もんじゅ」をめぐる演目『敦賀(つるが)』の2演目で構成される。
『挫波』東京五輪招致のため、2012年新国立競技場の設計者としてコンペで選ばれた天才建築家「ザハ・ハディド」。その圧倒的なデザインで脚光を浴びながら、後にその採用を白紙撤回され、ほどなくして没した彼女をシテとして描く。
『敦賀』夢のエネルギー計画の期待を担い、1985年の着工以来一兆円を超す巨額の資金が投じられたものの、一度も正式稼動することなく、廃炉の道をたどる高速増殖炉もんじゅ。もんじゅを臨む敦賀の浜を訪れた旅行者が出会うのは――。
作・演出には、従来の演劇の概念を覆すと評され、手がけた作品は世界90都市以上で上演をかさねるなど、国内外での活躍が目覚しい作家・演出家・チェルフィッチュ主宰の岡田利規。
音楽は32年にわたって音楽監督として維新派に携わり、『NŌ THEATER』を始め、岡田のミュンヘン・カンマーシュピーレで発表した4作品の音楽を手掛けた内橋和久が担当。内橋は即興演奏家としての活動と並行してUA、Salyu、細野晴臣、カルメンマキ等と歌にも積極的に取り組んでいて、本作ではダクソフォン3重奏を軸に、能の囃子方の役を務める。
出演者には、個性的で才能あふれる俳優・アーティストが集った。俳優、そしてダンサーとしても常にその活動が注目される森山未來をはじめ、無二の存在感を放つ片桐はいり、独自の個性で俳優としても活躍目覚しい栗原類、若手実力派女優でダンサーでもある石橋静河、チェルフィッチュ作品にも多数出演し、映画監督としても話題を集める太田信吾が名を連ねる。さらに、シンガー・ソングライターの七尾旅人が出演。類まれな歌い手の七尾が、劇中では謡をつとめ、内橋率いる演奏家とともに音楽劇としての能の根幹を担う。
本作は昨年の中止発表後、カンパニーはリモートで稽古を行い、その成果の一部を映像作品『「未練の幽霊と怪物」の上演の幽霊』としてオンラインで上演。岡田が「劇場が閉鎖している状況下だからこそ演劇の成立要件について考える、そして表現を発表する、という態度の表明」とした作品は、2回のみの上演でアーカイブもなく消えた作品であったにも関わらず、そのコンセプトと内容で大きな話題となり、今後への期待を集めた。その後、リモート稽古を経て完成・出版された戯曲は、本年2月、第72回読売文学賞(戯曲・シナリオ賞)を受賞した。
【コメント】
作・演出:岡田利規
幽霊は、現れるために、場所を必要とします。
そういうわけで、『未練の幽霊と怪物』の上演には舞台が、劇場が必要です。
わたしたちは去年の春、公演中止が決まったあとも、オンライン・リハーサルをやっていました。
延期して上演が行われることを見込んで、コンセプトや、このパフォーマンスに必要な感覚を共有するためのプロセスを踏んでいたのです。たいへん上首尾にいきました。
来る上演に向けて、あとは細部の精度にこだわっていくだけです。
準備は万端です。身体、音楽、空間、言葉。
観客のみなさんが幽霊の出現に立ち会うべく、劇場に来てくださるのを心よりお待ちしています。
【公演情報】
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『未練の幽霊と怪物』
作・演出:岡田利規
音楽監督・演奏:内橋和久
出演:森山未來、片桐はいり、栗原類、石橋静河、太田信吾/七尾旅人(謡手)
演奏:内橋和久 筒井響子 吉本裕美子
●6/5~26◎KAAT神奈川芸術劇場 <大スタジオ>
〈料金〉一般6,800円 U24チケット3,400円 高校生以下割引 1,000円 シルバー割引(満65歳以上)6,300円 (全席指定・税込・未就学児童入場不可)
※U24、高校生以下、シルバー割引はチケットかながわの電話・窓口・webにて4月24日より取り扱い(前売のみ、枚数限定、要証明書)
〈チケット発売〉 4月24日(土)一般発売
※4月10日(土)KAme(かながわメンバーズ)先行発売
〈お問い合わせ〉 チケットかながわ https://www.kaat.jp/ 0570-015-415(10:00~18:00)
〈公式サイト〉https://www.kaat.jp/d/miren2021
●6/29・30◎豊橋公演 穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
●7/3・4◎兵庫公演 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール