屈指の人気を誇る珠玉のオペラ『椿姫』まもなく開幕!
パリ社交界を舞台に、高級娼婦ヴィオレッタの愛と哀しい運命を描いた人気オペラ『椿姫』が3月10日より、新国立劇場オペラパレスで開幕する。
原作はアレクサンドル・デュマ・フィスが高級娼婦マリー・デュプレシをモデルに書いた戯曲『椿の花を持つ女』で、ヴェルディは同時代に生きる女性をヒロインに据え、感情表現に重きを置いた斬新なオペラを誕生させた。
ガラ・コンサートの定番楽曲としてお馴染みの「乾杯の歌」をはじめ、悲劇を予兆する前奏曲、ヴィオレッタの超絶技巧のアリア「ああ、そは彼の人か~花から花へ」、ジェルモンの「プロヴァンスの海と陸」など有名な曲が続く。
今回の演出のヴァンサン・ブサールは色彩にこだわる洗練された舞台に定評があり、この『椿姫』(2015年初演)ではその美的センスを発揮すると同時に、鏡を効果的に用いて心象風景を描出し、男性社会で誇り高く生きる女性の姿を印象付けた。
注目のヴィオレッタには、今シーズン12月上演の『蝶々夫人』表題役を圧巻の歌唱・演技で魅せた中村恵理、アルフレードには同役をローマ歌劇場、フェニーチェ歌劇場、フィレンツェ歌劇場などで歌っているテノールの新星マッテオ・デソーレが登場する。
《ものがたり》
【第1幕】パリ社交界の華である高級娼婦ヴィオレッタは、肺の病で先が長くないことを悟っている。今夜も自宅のサロンでパーティを開催。ガストン子爵が、青年アルフレードを連れてくる。彼は「1年前にあなたを見て以来ずっと恋している」と真摯にヴィオレッタに告白するのだった。ひとりになったヴィオレッタは、今まで経験したことのない、心からの愛の告白に心ときめくが、たかが愛のために享楽的な人生は捨てられない、と我に返る。
【第2幕】アルフレードとの愛を選んだヴィオレッタは、パリ郊外の田舎で彼と静かに暮らしているが、生活費のため全財産を競売にかけようとしていた。それを知ったアルフレードは競売を止めさせようとパリへ向かう。すれ違いでヴィオレッタが帰宅すると、家にはアルフレードの父ジェルモンが。アルフレードの妹の縁談を成立させるため、息子と別れるようジェルモンは頼む。今は彼との愛だけが生きる希望であるヴィオレッタは、はじめ拒むが承諾し、別れの手紙を書いて家を出る。事情を知らないアルフレードは手紙に愕然とし、父が「一緒に故郷に戻ろう」と慰めても聴く耳をもたない。アルフレードは怒りが収まらず、夜会の大勢の客の前でヴィオレッタを罵倒する。彼女は絶望に打ちのめされる。
【第3幕】1ヵ月後。死の床に伏しているヴィオレッタ。そこに、父ジェルモンからすべてを聞いたアルフレードが来て、許しを乞い、パリを離れて一緒に暮らそうと語る。ヴィオレッタは愛する人に囲まれ息絶える。
【公演情報】
2021/2022シーズン
ジュゼッペ・ヴェルディ オペラ『椿姫』
La Traviata/Giuseppe Verdi
全3幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
約2時間40分(休憩含む)
●3/10~21◎新国立劇場 オペラパレス
指揮:アンドリー・ユルケヴィチ
演出・衣裳:ヴァンサン・ブサール
美術:ヴァンサン・ルメール
照明:グイド・レヴィ
ムーブメント・ディレクター:ヘルゲ・レトーニャ
再演演出:澤田康子
舞台監督:斉藤美穂
キャスト
ヴィオレッタ:中村恵理
アルフレード:マッテオ・デソーレ
ジェルモン:ゲジム・ミシュケタ
フローラ:加賀ひとみ
ガストン子爵:金山京介
ドゥフォール男爵:成田博之
ドビニー侯爵:与那城 敬
医師グランヴィル:久保田真澄
アンニーナ:森山京子
ジュゼッペ:中川誠宏
使者:千葉裕一
フローラの召使い:上野裕之
合唱指揮:三澤洋史
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京交響楽団
〈料金〉S席27,500円 A席22,000円 B席15,400円 C席8,800円 D席5,500円 Z席1,650円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10~18時)
〈公式サイト〉https://www.nntt.jac.go.jp/opera/
※U25/U39 優待チケットをS席5,000円/11,000円で販売
https://www.nntt.jac.go.jp/ticket/general/youth-members/
【舞台写真:新国立劇場「椿姫」2019年公演より 撮影:寺司正彦】
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