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内博貴が太宰治を熱演!文豪たちの生きざまを描く浪漫舞台『走れメロス』上演中!

内博貴が2年ぶりに単独主演をつとめる舞台、浪漫舞台『走れメロス』~文豪たちの青春~が、9月5日から有楽町のヒューリックホールで上演中だ。(このあと名古屋、大阪公演あり)。

小説家・太宰治の短編小説「走れメロス」が発表されて、今年で80年になる。その太宰治について、親友で作家の檀一雄が書き上げた回想録「小説 太宰治」をベースに、太宰が若き頃の、多くの作家たちとの友情や、彼が愛する女性たちとの愛や苦悩に満ちた波乱の人生を、モトイキシゲキが脚本化、演出も手がけている。

物語は、太宰治が高校を卒業し上京し、東京大学入学後に小説家を目指す中で、井伏鱒二や檀一雄ら数々の文豪との出会い、そして太宰が愛する女たち、小山初代、津島美知子、太田静子、山崎富栄らとの浪漫と波乱に満ちた日々が赤裸々に描かれる。類まれなる小説家としての才能を持ちながらも自身の破天荒な振る舞いが災いして追い込まれながら、井伏や檀ら文豪との友情と信頼に助けられ、短編小説「走れメロス」など数々の名作が生み出されていく背景などを通じ、愛とは何か、友情とは何か、生きるという事は何かを問いかける。

太宰治役を演じる内博貴が文豪の若き日からその死までを熱演。文学にひたむきであるあまり破滅的な生を送ることになる太宰の苦悩や葛藤を繊細に表現。良い意味で人たらしだった太宰の魅力もその甘さのある容姿から伝わり、どこか放っておけない天才の魅力をたくみに浮かび上がらせる

太宰の親友であり、彼を信奉する作家の檀一雄役には室龍太が扮し、実際の先輩後輩という関係もあって、タイトルに象徴される友情の絆を感じさせる。檀一雄役はナレーター的に太宰の生涯を伝える場面も多いのだが、室龍太は説明的な台詞の中でイメージを喚起する力があり、物語を導く役割りをよく果たしていた。

作家仲間で太宰を親身に世話する井伏鱒二役には千原せいじ。豪放磊落な佇まいの中に知的な文士らしさも醸し出し、太宰への父親にも似た愛情さえ感じさせる。その妻の節代夫人役の黒田こらんも、太宰とその妻を見守る懐の深い女性像を作り出し、印象を残す。

太宰を取り巻く女性たちも百花繚乱だ。太宰と共に青森から上京し波乱の人生を送る小山初代役と、太宰と愛人関係になり子を産む太田静子役という正反対な性格の女性二役を、谷村美月がくっきりと演じ分ける。見合いで太宰と結婚する津島美知子役で苅谷瑠衣が素朴な温かみを感じさせ、太宰の愛人でともに情死する山崎富栄には、これが初舞台の山口真帆が体当たり演技で挑んでいる。また太宰が通った銀座のバーのマダム雪子役の湖月わたるが艶やかな彩りを加え、歌も3曲披露してノスタルジックな華やかさを振りまく。そのバーを訪れる山崎富栄の父親役をなべおさみが演じて、娘への愛と滋味を見せる。

この公演の初日前に取材会が行われ、内博貴、谷村美月、室龍太、千原せいじ、山口真帆、湖月わたる、なべおさみが登壇した。

湖月わたる、谷村美月、室龍太、内博貴、山口真帆、千原せいじ、なべおさみ

【内博貴  挨拶】
本日、ようやく、こうして初日を迎えられます。稽古はマスク、フェイスシールド、またPCR検査を2回受け、また本番でも受ける予定で、感染対策を徹底しています。でもコロナがすごく身近になってきたなと。いつ感染してもおかしくないと思って、千秋楽まで気を緩めずにいきたいです。
太宰治役については、以前、『ザ・オダサク』で台詞で「太宰治が~」と何度か言っていて、その太宰治を実際に演じるとは思っていなかった。何か縁があるのかなと勝手に思っています。その『ザ・オダサク』で共演した室龍太と共演することにも不思議な縁を感じるし、感慨深いです。
コロナ禍の時代ではありますが、舞台を見たくてうずうずしている皆さんも多いと思います。万全の状態ですが、「お待ちしています!」と大きな声で言えませんが、きてくださる方のために夢とか希望とか、何か与えるものがあれば嬉しい。来てくださる方、気をつけてお越しください。

【公演情報】
檀 一雄  「小説  太宰 治」原作より
浪漫舞台『走れメロス』~文豪たちの青春~
原作: 檀 一雄 「小説 太宰 治」より
脚本・演出:  モトイキ シゲキ

出演: 太宰 治 ・・・内  博貴
小山初代・太田静子[二役]・・・谷村美月
檀 一雄 ・・・室 龍太(関西ジャニーズJr.)
井伏鱒二 ・・・千原せいじ
山崎富栄 ・・・ 山口真帆
節代夫人(井伏の妻)・・・黒田こらん
小館善四郎(太宰の甥・画学生) ・・・ 吉田大輝
津島美知子(太宰の妻)・・・苅谷瑠衣
芥川龍之介(作家・亡霊)・・・ 原 慎一郎
津島文治(太宰の長兄)・・・藤井びん
山岸外史(作家)・・・ 優志
マダム雪子(銀座のバーのマダム) ・・・湖月わたる
山崎晴弘(美容学校校長)・・・なべおさみ

●9/5~13◎東京 ヒューリックホール東京
〈料金〉9,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京:0570-00-3337(全日12:00~18:00)
●9/22◎愛知 名古屋市公会堂
〈料金〉9,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉中京テレビ事業:052-588-4477(平日10:00~17:00)
●9/25~27◎大阪 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
〈料金〉9,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉キョードーインフォメーション 0570-200-888(平日・土曜 11:00~16:00 )
〈公式サイト〉https://roman-melos.com/
〈公式Twitter〉https://twitter.com/roman_melos

【THEATER LIVEでの生配信】
配信の対象となる公演は、9月12・13日の13:00開演回と17:00開演回。
視聴チケットの販売は、CNプレイガイドにて9月5日、THEATER LIVEでは9月10日12:00にスタート。
予約枚数に達し次第、販売終了となる。なおアーカイブ配信は実施されない。

取材・文/榊原和子 (C)曳野若菜

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