ロッシーニのシンデレラストーリー『チェネレントラ』間もなく開幕!
新国立劇場オペラの新シーズン開幕には、ベルカント・オペラの傑作『チェネレントラ』を新制作で上演する。
『チェネレントラ』は、ヒット作を連発したロッシーニのオペラ・ブッファの頂点となる作品で、おなじみのシンデレラの物語が極上のオペラに仕上げられている。物語は変装に次ぐ変装で笑いいっぱいに進み、愉快な重唱、華麗な装飾満載のアリア、早口のアジリタで盛り上がるクライマックスと、ロッシーニの魅力が満載。フィナーレのチェネレントラのアリア「苦しみと涙のうちに生まれ」は、メゾソプラノの絢爛たる名アリアとして独立して演奏されることも多い決定的名曲だ。
演出には、イタリア・オペラの読み込みにかけては随一の演出家、粟國 淳があたる。
構想では、舞台は 1950 年代~70 年代、映画黄金期のハリウッドやチネチッタのような映画スタジオ。『シンデレラ』の物語が、『チェネレントラ』の映画を撮影しようとしているプロデューサーと映画監督がヒロインの女優を探す物語に変貌。ロッシーニが描く、逆境に負けず自分の力で幸せな人生を勝ち取る少女の姿を、ヒロインを勝ち取る女優に重ねて描きだす。
ロッシーニの『チェネレントラ』には、「誰もが自分の力で立ち上がって幸せを掴むことができる」という人生の応援メッセージが詰まっている。魔法に助けられるロマンティックな『シンデレラ』とは一味違う、等身大で賢明な女の子の物語は現代にぴったりで、共感を呼ぶにちがいない。
また映画ファンには堪らない、往年の映画のオマージュがふんだんに散りばめられ、レトロタッチでチャームポイント満載の美術・衣裳も見どころとなる。
タイトルロールのアンジェリーナは、イタリアを拠点に年々成熟を見せる脇園 彩。王子ラミーロには、2020年『セビリアの理髪師』で脇園との名コンビぶりを見せた破格のロッシーニ歌いルネ・バルベラが扮する。
男爵ドン・マニフィコには名ブッフォのアレッサンドロ・コルベッリ、アリドーロにはベルカントの旗手として躍進中のガブリエーレ・サゴーナが登場、軽妙なアンサンブルに期待が募る。
年々勢いにのる新国立劇場のベルカント・オペラ、シーズン開幕を飾る『チェネレントラ』がオペラの楽しさを存分に伝える。
【Story】
第1幕
ドン・マニフィコ男爵の屋敷。男爵の今は亡き後妻の連れ子アンジェリーナは”チェネレントラ(灰かぶり)”と呼ばれて使用人のように扱われ、姉となった男爵の娘クロリンダとティーズベを世話している。心優しいアンジェリーナは物乞いの男に水と食べ物を与える。彼は実は王子ラミーロの家庭教師アリドーロで、貧者に身をやつして王子の花嫁を探しているのだ。従者に扮した王子が屋敷に入り込み、アンジェリーナと一目で恋に落ちる。
一方、王子の従者ダンディーニが王子に成りすまして現れ、一家を城の舞踏会に招く。アンジェリーナも行きたがるがマニフィコが拒む。アリドーロはこっそりアンジェリーナを舞踏会に誘う。城の舞踏会では、姉娘2人が偽王子(実はダンディーニ)を取り合うが、突然現れた絶世の美女(アンジェリーナ)に皆が驚く。
第2幕
城の中。王子姿のダンディーニが出てきてアンジェリーナに求愛するが、彼女は従者を愛しているのだと語る。その言葉を耳にしたラミーロは、早速出てきて求婚する。すると、彼女は腕輪を差し出し、自分を探すよう告げて姿を消す。屋敷に帰った男爵と姉たちはアンジェリーナに八つ当たりする。外は嵐になり、馬車が転覆、乗っていたダンディーニが屋敷を訪れる。王子も次いで現れ、アンジェリーナの腕にもう片方の腕輪を見つけて再会を果たし、城に連れ帰る。王宮では、幸せを手にしたアンジェリーナが父や姉たちを許し、フィナーレの大アリア「苦しみと涙のうちに生まれ」を歌って幕となる。
【公演情報】
新国立劇場オペラ2021/2022シーズン
ジョアキーノ・ロッシーニ『チェネレントラ』<新制作>
全2幕〈イタリア語上演/日本語及び英語字幕付〉
●10/1~13新国立劇場 オペラパレス
予定上演時間:約2時間50分
指揮:城谷正博
演出:粟國 淳
美術・衣裳:アレッサンドロ・チャンマルーギ
照明:大島祐夫
振付:上田 遙
出演
ドン・ラミーロ:ルネ・バルベ
ダンディーニ:上江隼人
ドン・マニフィコ:アレッサンドロ・コルベッ
アンジェリーナ:脇園 彩
アリドーロ:ガブリエーレ・サゴーナ
クロリンダ:高橋薫子
ティーズベ:齊藤純子
ほか
合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
〈料金〉S席27,500円 A席22,000円 B席15,400円 C席8,800円 D席5,500円 Z席1,650円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
※クラブ・ジ・アトレ会員は公演最終日まで上記料金の10%OFF(Z席以外)
※U25/U39メンバーズ優待価格あり:S席5,000円/11,000円で受付中
〈お問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10:00~18:00 ※年中無休/年末年始・休館日除く)
〈公式サイト〉https://www.nntt.jac.go.jp/opera/lacenerentola/