フリーカル『YAhHoo!!!!』2021開幕!
柏木佑介、浅倉一男、富田麻帆らが出演するフリーカル『YAhHoo!!!!』2021が6月4日に、東京・シアターサンモールにて開幕した。それに先駆け前日にプレビュー公演を実施、Aチーム、Bチーム総勢23人が歌とダンスを交え熱いメッセージを届けた。
本作はナイスコンプレックス初のオリジナル音楽劇として誕生し、今回で3度目の上演。 東日本大震災の原発被害により強制退去させられた福島県浪江町を舞台に、残された動物たちと、故郷に戻れない人間たちの葛藤を、歌と祭と演劇で紡ぐ。
「いつか浪江で上演!」を目指し、今年は東京に加え、福島県いわき市でも上演。震災から10年、風化させないためにも【悲劇】だけではない【希望】の物語を届ける。
物語の主人公・ヤンスケは、震災で死亡し妖怪になってしまった犬。記憶がおぼろげで覚えているのは大好きだった飼い主・優治(まさじ)の顔と「ヤッホー!」という声だけ。優治の帰りを、同じく妖怪になってしまった動物たちと楽しく暮らしながら待っていた。
ヤンスケ役の柏木はご主人様に忠実な犬役を、純粋さと太陽の様な元気さを込めて全力で挑んでいる。転がり、毛づくろいやあくび、自由な様は見ていて頬が緩む。
それに対して、ヤンスケを置いてきてしまったと心に負い目があるもう一人の主人公・優治は、仙台に転校したが浪江町出身でいじめにあい葛藤が続く大人になっていた。しかし婚約者・木蔦(きづた)を愛し愛する者に向き合うため福島を目指すことに。
優治役の浅倉は、肩を落としうつむく弱々しい青年だが、物語が進むにつれて空を見上げるように。愛を信じ、待っていてくれる人がいることで成長する優治を繊細に演じていた。
そんな優治を全身で支える婚約者・木蔦役には富田麻帆。ふるさとが無い木蔦は優治の故郷に対する想いを感じ取り背中を押す。明るくサッパリした性格に優治が癒されていることがよくわかる。富田は抜群の歌唱力と存在感で物語も支える大事な役どころ。そのステージからあふれ出る暖かさをぜひ感じて欲しい。
早乙女じょうじ演じる先輩・草太の力を借りて優治たちは浪江町に入るが…。
そこで待つ奇跡は劇場や配信で体感して欲しい。
さらに舞台ところ狭しと動き回る動物達のシーンにはほっこりしつつ、心の叫びには飼っていた動物を重ねて胸が熱くなることも。
逃げることは負けではない。生きていれば明日につながる。様々な目線のメッセージが込められた本作は、東京・シアターサンモールにて6日まで。また6月12、13日には福島県いわき市チームスマイル・いわきPITでも上演される。
公開ゲネで全員が登壇した。
また以下のメンバーによって舞台挨拶が行われた。
柏木佑介(主演)、浅倉一男、富田麻帆、早乙女じょうじ(福島県出身の人間代表)
安孫子宏輔(福島県出身Aチーム妖怪代表)
渡部大稀(福島県出身Bチーム妖怪代表)
キムラ真(主宰・作・演出・出演)
【コメント】
柏木佑介
この物語は今回「知っていただく」ことがテーマとなっています。見所として今回 Aチームと B チームがあり、これは初の試みで妖怪チームがダブルキャストになっています。グルーヴ感や家族観が違いとても面白いです。全員信頼関係ができていまして、あえて(演技を)固めないで本番を迎えております。その場で生まれたものをすごく大切にお客様に届けるということをみんなが意識していますので、どの公演を見ても違ってお客様には楽しんでいただけると思います。その違いも見ていただけたら嬉しいです。
みんなの熱い想いを聞いてくださってありがとうございます。ただ一つすごく明るいお話です。楽しい物語です。お客様には観て良かった、心が温かくなったと思って帰っていただけたら嬉しいです。僕らはステージに立ってそれを全力でお客様に届けることしかできませんが精一杯届けますので最後まで応援していただけたら嬉しいです。
浅倉一男
このコロナ禍ではありますが、劇場に立てる幸せを感じながらやっております。今回は SNS を使った企画やネット配信もあります。僕自身ネット配信は初めてなのでどういう見せ方をするのかなと思いながらやらせて頂いているのですが、全世界の方々にこの愛を伝えられたらと思っております。2年前の再演から参加させていただきましたが、よりヤンスケとご主人の愛の深さを感じながら演じております。そしてこの2年、木蔦(きづた)役の麻帆ちゃんと一緒に夫婦役をやっているので、理想の夫婦感も伝えられたら。
富田麻帆
本来ならば去年上演したかった『YAhHoo!!!!』ですが今年やっとできます。続投しているメンバーもおりますが新しいメンバーも迎えて、新しい『YAhHoo!!!!』を皆様にお届けできることがとても嬉しいです。 今回配信もありますが最後のお祭りのシーンは写真を撮ってOKということになっています。この試みも『YAhHoo!!!!』としては初めてです。今だからこそできる形で、今回の楽しみ方があると思います。観に来てくださったお客様には、こんな楽しみ方があるとプラスに捉えて楽しんで頂けたら。
2年前はみんなで「ヤッホー」と言えましたが今回はお客様が声を出すことができないので、心の中でたくさん「ヤッホー」と言ってもらえるような作品を皆様にお届けできたらと思います。前回観た方も今回初めての方もさらに楽しめるものになっていると思います。
早乙女じょうじ
2年経ってまた演じてみて、感じ方が変わったなと思いました。僕のファンの方の中にも東日本大震災を経験した方がいて、10年経ちましたが震災に関する作品は良い作品だとしてもまだ観たくないという方も。でも今回は配信があるのでそれを今回観ますと。いやな気持ちになったら配信は止めることができます。僕ら安孫子、渡部、後田、早乙女、福島県出身ですが、浪江町のことは詳しくありません。浪江町の方がこの作品を観たときにどう思うかと考える事もありますが、僕たちは福島県出身の人間として、この作品に携わることで伝えたい事、伝えられる事、ひとつひとつ責任を持って誠心誠意届けていきたいと思います。この作品がいつか浪江町で上演できるよう、いつかでなく早くできるように記事にしていただいて、それが全世界に届いて、皆さんの力でこの作品が浪江町で上演できるようになったらいいなと思っております。
安孫子宏輔
僕は福島県の福島市出身でして、10年間前、高校を卒業した時に震災を経験しました。作品にもありますが、出身地を胸を張って言えないような状況を僕自身も経験してきて、僕はすぐ上京しましたが悲しいこともいっぱいありました。震災を描いた作品や悲しい作品、事実を伝える作品はとても大切だと思いますが、この作品は“福島って、こんなに楽しいんだよ!”ということを作品全体で叫んでいます。福島県民としてこんなに嬉しい作品はないなあと。そしてこんなに心が熱くなる作品もなくて、東北にゆかりのある役者さんとこんなに芝居ができることも嬉しく思っております。ぜひこのお祭りをたくさんの方に知っていただいて、記事を広めていただき、福島県に人が集まるようになったらこんなに嬉しいことはないです。僕自身この作品のためにできることは全部やろうと思っています。沢山の方に観ていただきたいです。そして劇団ナイスコンプレックスさんがこんなに素敵なんだとうことを皆さんに知っていただけたら。
渡部大稀
僕も福島県出身ですが、あの震災を経験したからこそ心に刺さるシーンやセリフが沢山ありまして、稽古中は食い入るようにそのシーンを見ておりました。このご時世だからこそ、より伝えられる届けられるものがあると思いますので、皆さんと一緒にこのお祭りを盛り上げていけたらと思っております。見所は、お芝居に加え歌とダンスがとても多い作品です。私たち頑張っております! 想いを届けられるように伝えられるように、熱く唄って踊っておりますのでぜひ楽しみにしていてください。
キムラ真
この作品は劇団公演となっております。劇団公演は他と違いまして、初参加の方もいらっしゃいますが僕が大好きなみんなに集まっていただいて、このオリジナル作品を上演しております。僕も東北出身でして、この物語の舞台の浪江町は親父が連れて行ってくれたところです。10年前に震災があって形が変わってしまったそこを舞台に、どうやったら人が戻ってくるんだろう、という想いから始まりました。
震災と言うとは悲しくなったり辛い、しんどかったりありましたけど、僕は10年前から“何々のせい”で、ではなく“何々のおかげで”と考えるようになりました。震災のおかげで人の温かさとか助け合いとか故郷とか、いろんなものに気づくことができました。
10年目で『YAhHoo!!!!』という物語を上演しますが、震災を知らなくてもコロナという現状を知らない人はいません。今年初めて観られる方はコロナ禍という状況を自分に置き換えていただけたらと思います。
コロナのせいではなくて、コロナのおかげで気づいたこと、観ていただいて少しでも笑顔になっていただけたら。
僕はお芝居を20年ぐらいやっていますが、制作会社や劇団さんの横のつながりが薄いんです。でもこのエンタメのジャンルの人全員が同じ気持ちで公演をお客様に届けていると思うんです。演劇は悪くない。劇場は危なくない。エンタメは必要です。
この作品は老若男女問わず楽しめるものになっております。歌って踊って笑って泣いて心が揺さぶられる感動というジャンルはウチが担うので、それぐらいの想いでエンタメ全体でこの状況を笑顔で突破できたらいいなと思って、この『YAhHoo!!!!』を東京といわき市で行ってきたいと思います。ンチューザ役としても頑張ります。楽しんでやりたいと思います。
【公演情報】
フリーカル『YAhHoo!!!!』2021
作・演出・出演:キムラ真
出演:柏木佑介/浅倉一男 富田麻帆 三上俊 松本寛也 早乙女じょうじ 後田真欧(文学座) 赤眞秀輝(ナイコン)
濱仲太(ナイコン)
【Aチーム】
わかばやしめぐみ(おぼんろ) 野口真緒 安孫子宏輔 林千浪(おとな小学生) 石川志織 彩未理加 片山浩憲
【Bチーム】
紅林里美(ナイコン) 夏目愛海 渡部大稀 大久保悠依(ナイコン) 北野くるみ(ナイコン) 早野実紗(ナイコン)
キムラ真(ナイコン)
●6/4~6◎東京 アターサンモール
●6/12・13◎福島 チームスマイル・いわきPIT
〈料金〉
▼東京公演:Nシート(舞台前方エリア席):10,000円 (特典付き)、一般席(指定席):6,500円、プレビュー公演:5,000円
▼福島公演:Nシート(舞台前方エリア席):6,500円 (全キャスト集合写真付き)、一般席 (指定席):4,000円、
高校生以下:1,000円(劇団扱いのみ)※グッズ券千円分付実質無料!
〈チケット取り扱い〉*チケットぴあ *カンフェティ *劇団ナイスコンプレックス
〈お問い合わせ〉ナイスコンプレックス mail:info@naikon.jp
〈ナイスコンプレックス 公式サイト〉http://naikon.jp
【カメラ:鏡田伸幸】
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