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オリジナルミュージカル『いつか~one fine day』 藤岡正明・皆本麻帆・和田清香・小林タカ鹿・板垣恭一 座談会!

人間ドラマを描き続ける韓国の映画監督イ・ユンギの最新作を原作に、ストレトートプレイからミュージカルまで幅広い作品を手掛ける板垣恭一の脚本・作詞・演出、新進気鋭の桑原まこの音楽による、オリジナルミュージカル『いつか~one fine day』が、4月11日~21日世田谷のシアタートラムで上演される。

オリジナルミュージカル『いつか~one fine day』は、2018年4月に東京芸術劇場シアターイーストで上演された『In This House~最後の夜、最初の 朝~』に続くconSeptのMusical Dramaシリーズ第2弾で、妻に先立たれた保険調査員テルと、昏睡状態の中で心だけ目覚めた目の見えない女性エミの交流を通して、誰の人生にも訪れる別れの絶望と、そこからの再生のドラマを生演奏と共に展開するオリジナルミュージカルとなっている。

そんな作品に出演する藤岡正明、皆本麻帆、和田清香、小林タカ鹿、そして脚本・演出の板垣恭一が、作品へ懸ける想いや意気込みを、今、まさに稽古を終えたばかりの稽古場で語り合ってくれた。

展開されていたのは、藤岡のテルと皆本のエミが初めて出会う重要な場面だったが、びっくりしたのはエミと共に他のキャスト全員がとても愛らしい振付で歌い踊っていたこと。この1場面だけでも、作品の多面的な魅力を感じることができるなか、お話を伺った。

小林タカ鹿 和田清香 藤岡正明 皆本麻帆 板垣恭一

和気藹々とした空気の中で失敗を恐れず挑戦できる

──お稽古もたけなわというところですが、稽古場の雰囲気はいかがですか?
藤岡 稽古場は楽しいですよ!皆明るくて!
板垣 今日なんか卵焼きを作ってきてくれたんですよ。それで遅刻したんだけど(爆笑)
藤岡 家でもうちょっと時間があるなと思って。作品の中にだし巻き卵が出てくるシーンがあるので、「1回作ってくるね!」と言っていたので作りはじめてから「あ、ローストビーフも作ろうかな?」と思い付いてやってて。ふっとそろそろ時間かな?と時計を見たら「ヤバいじゃん!そろそろ過ぎるじゃん!」で、遅刻しました(笑)。
皆本 でもすごく美味しかった、とっても優しいお味で。
板垣 まさか俺が食べる前に全部なくなっているとは思わなかったけど(笑)。
藤岡 ローストビーフもなかったですか?
板垣 ローストビーフもなかった!
藤岡 でも今日のはあまり仕込む時間がなかったから(笑)、また作ってきますね!
板垣 その時は連絡下されば、俺たちもそのつもりで待ってるから(笑)。
藤岡 はい!(笑)でもだからそんな感じで、すごく和気藹々とした稽古場です。
皆本 失敗を恐れずに挑戦できる空間なので、色々挑戦できるのがありがたいです。
藤岡 板垣さんがその空気を最初から作って下さったからね。船長が居易い空間を作って下さっている、それにつきるのかなと。
小林 あぁ、それはそうだね。
板垣 できる方が多いから可能なことなんですけどね。「遊ぼう」って言える。「こういうのが見たい」とオーダーできるメンバーだから、俺も楽しいです。
小林 空気が本当に良いですよね。遊びながらちゃんと締めるところは締めているから。
和田 年齢が様々なんですけど、それぞれのカラーが強烈にあるから、お芝居をしていてもやり易いですし、カンパニーとしても創りやすいし、出し易いですよね。
──先ほど振付とワンシーンを拝見させて頂きましたが、あらすじからは想像ができなかった場面で。皆さんのダンスシーンがあるんですね!
板垣 楽しいでしょう?皆が踊るシーンが欲しいと振付の下司(尚美)さんにお渡ししたら、楽しいシーンになっていって、俺はずっと笑って見てるっていう(笑)。
藤岡 (小林)タカ鹿さんが踊る姿にも注目して下さい!
小林 俺のことはいいから!(笑)

藤岡正明

それぞれの役柄へのアプローチ

──そんな稽古が進んでいる中で、演じる役と大切にしていることは?
藤岡 僕は夏目テルという保険会社の調査員で、妻を亡くしていてその傷が癒えないまま職場に復帰した最初に、樋口エミさんという盲目の女性の交通事故の案件を扱う。そのエミとの出会いを通して自分自身を見つめ直していく役どころです。大事にしていることは色々あるのですが、自分自身が変わっていく役ではありつつ、誰かの言葉に対して反応していく、受け手になることが多い役でもあるので、誰かからの影響を受けているということを手放さないようにしています。自分から出ていくことを敢えてしないようにと。
──ある意味で、常に受け身でいようと?
藤岡 そうですね。相手がどういう言い方をするか、どういう想いで見ているのか?に、120%向き合うようにしています…って真面目になっちゃったね(笑)。
皆本 私が演じるエミは幼い頃に施設に預けられて育った盲目の女性なのですが、交通事故に遭い植物状態になってしまう。そんなある日テルに出会い、そこからまた色々なことが動き出していくんです。
藤岡 幽体離脱みたいな状態なんだよね?
皆本 そうですね。しかも目が見えるようにもなって、テルに色々なことをお願いして、様々な経験させてもらうんです。
板垣 でも皆からは見えない。テルにだけ見えていて。
皆本 きっと色々なことがあったに違いない女性なんだけど、そうして様々なことを感じてきた人だからこそ、敏感に察知できることも多いと思うので、いつも笑っていたいなと。もちろん「笑顔」と言っても色々な顔があるとは思うんですが、基本的には笑顔で生きていく人で、また、笑顔で生き直していく人でありたいです。
小林 テルの上司のクサナギを演じます。他の登場人物と比べると、自分の問題にも他人の問題にも1番距離を取っている人物です。それは役柄の年齢的なものでもあるのですが、ある程度年齢を重ねると「逃げるが勝ち」ではないけれども、問題に直接ぶつかっていくのを避けて、時間が解決していくのを待つことを、別に卑怯だとは思わなくなる。だから皆ほどは問題にぶち当たらずに生き延びているという印象があって、それが凄く上手くいっているかどうかはわからないけれども、そうやって生きようとしている人なのかなと思います。
──確かに問題を敢えて赤裸々にしないことは、必ずしも卑怯なことではないですよね。
小林 そうですね。でも若いとそれが受け入れ難いじゃないですか。その辺の距離を取れる年代になっている人物だなと思って演じています。
和田 私はエミの母親役で、とあることが原因でエミを手放してしまうのですが、私はまだ母親ではないし、親に捨てられてもいない。ですから共感できるところが少ない役柄なのではないか?と思っていたのですが、この物語は「長い人生の中でもう1歩を踏み出す」というシチュエーションの人々ばかりの集まりなんですね。人生を通して何かを克服する、新たな1歩を踏み出す瞬間に立ち会える物語だと思うので、私が演じる母親のサオリがエミとどう向き合っていくのか、過去と未来とどう向き合っていくのか?を、私なりに演じてみたいと思って今やっています。

和田清香

演劇なんだからお互いに見せ合うしかない

──演出家の目から見て、役者さんの魅力や期待していることは?
板垣 藤岡さんは色々考えてやってくれて、視野が狭くならない人なんです。全体を常に見ていてくれる。僕自身が全体の構成をだいたい作ってからディテールを作るタイプなんです。演出もそうだし、脚本もまずハコ書き(※脚本を書く際におおまかなストーリーをシーン毎に区切って、場面の詳細を書き出していく書き方)を書いてから、全てのシーンの台詞を書いていくんです。だから全体から見て今自分がどこにいるのか、という視点の持ち方、歩みの進め方をする藤岡さんはとても信頼できる方です。それがないといきなり真ん中でワーッて叫び出すからね(笑)。いや、今、そこが真ん中じゃないでしょう?ということもあるから。その点藤岡さんは遅刻もするけど(爆笑)台詞も入っているし。また、その台詞の入り方が7割5分くらいで(笑)、焦り過ぎない距離感が良いですね。麻帆ちゃん(皆本)は身体を張ってやってくれて、色々なものを投げかけてきてくれる人です。僕は演出家として役者が色々な球を投げてくれることを良いと思っていて、その為に稽古しているんだと思っているんです。「この形で行きましょう」ってあらかじめ話し合っても意味がない。「演劇」なんだからお互いに見せ合うしかないんで、今回のカンパニーの皆さんはそれをやってくれる方達だし、その中で麻帆ちゃんは出ずっぱりの藤岡君を振り回さないといけない役だから、更に多めに色々なものを投げないといけないところを、惜しげなくやってくれています。彼女も膨大な台詞があるけれども、それもきちんと入れて準備なさっているし、調子が悪い時は顔に「調子悪い」って書いてあるから(爆笑)、これもやりやすいですね。「はい、今日は終わり!」となる(笑)。
皆本 今日はやります!(笑)。
板垣 シカさん(小林)とは、十数年ぶりにご一緒するのですが、まぁ男同士だから言いますけれど、良い感じに歳を取ってきたなと。
小林 そうですか?若かったですもんね!

小林タカ鹿

板垣 うん、若かったし、基本的にこういう仕事をする人って皆尖ってるから、見せ方がフレームから飛び出してくることが多いんだけど、今回シカさんがそれをクサナギ的に丸めたのか、年齢を経て本人が丸まったのかはわからないけれど、年相応の大人の男になっているのは嬉しいです。クサナギはそういうつもりで俺も書いていて、やっぱり上司になってしまうと全てを引き受けないといけない。一匹狼でいるのとは違うから、そのことを説明しなくてもきちんと表現してくれているのが嬉しいです。清香ちゃん(和田)は「是非母親役で出て」と俺が呼んだ人で「私は麻帆ちゃんと4歳しか違いません!」と何度も何度も激しい抵抗に合いながらね(笑)。
和田 言ってないですよ!1回も言ってない!(笑)
板垣 (笑)彼女に出会った時に歌っているのを見て「すごい歌を歌う人だな!」と思ってご挨拶したんだけれども、その後ご一緒する機会がなく、麻帆ちゃんの舞台をプロデューサーの宋さんと一緒に観に行った時に同じ舞台に出ていたんです。宋さんが「この人良いですよね!」と言うから「すごく良いですよね!」(笑)と言って、更に別途の仕事でお会いしたのち、今回是非に!とお声がけさせてもらいました。歌がすごく良いのがまず大きかったんだけど、人柄も良いだろうと推察できた。俺の言う人柄の良さというのは、自分のことだけでは満足しない人という意味で、そういう人だろうと思って、一緒にやりたかったんです。今回の出番がわりと後半で「好きにやって良いよ」と言ったら、本当に好きなように出たから皆ひっくり返った(笑)そんなに?って(爆笑)
──プレイベントで、皆さんから「おススメ」だと言われていたシーンですね?
藤岡 是非期待して下さい!本当にリアリティーがあるし。
板垣 しかもナチュラルだしね。後半に向かって全体がシリアスにはなっているんだけど、あそこは是非笑って欲しいです。

観た人の数だけそれぞれの答えを持ち帰って欲しい

──皆さんから観た「演出家・板垣恭一」の魅力は?
藤岡 色々あるんですが、僕が板垣さんの言葉で1番印象に残っているのは「作品はお客様のものである」ということで。音楽でも演劇でもそうですが、100人いるお客様に、1通りの答えを提示して「この作品はこういうものです」と表明するものもある中で、僕の個人的な想いとしては、100人いたら100通りの答えを持って帰って欲しいんです。その人なりの色や匂いや絵が残って欲しい。板垣さんの言葉の真意にはそういうものがあると思うし、一端幕が開いたら演者の責任で「ショー・マスト・ゴー・オン」でいかなければならないのですが、こうであるべきという考え方をしない方、我々の可能性を信じてくれる演出家ですね。もっと色々ありますが、ひとつ言うとすればそこが大きな魅力です。
皆本 稽古場の空気感がありがたいです。こういう作品だから稽古場の休憩時間などは、すごくしんどくなるんだろうなと思っていたんですけど。
藤岡 思ったよね!この作品の稽古期間はかなりしんどくなるんじゃないかと思った。
皆本 でも全くそんなことはなくて、とても居易い現場を創り出して下さるから。

板垣 俺がそもそも人に命令されるのが大嫌いだから。それで演出家になったんで(笑)、しかも皆大人なんだからだいたいで良いじゃない?「はい、休憩〇分です。はい、行きますよ!」って言うのも嫌いで、はじめる時も「用意、はい!」みたいなのはイヤで、「は~い、やってごら~ん」みたいな(爆笑)。だって俺の間(ま)じゃなくて、役者の間でやるべきだと思うから。本番は俺何もできないからね。本番も俺が「用意、はい!」でやるんだったらそれで良いかも知れないけど、舞台は「シーンNO2行きます!」とかじゃないから。どう演じるかもちゃんと自分で研磨してきて欲しい方で。俺が演じる訳じゃないし、どう演じるかを指示していくくらいだったら、自分で演じれば良い訳で、役者がどう演じてくれるのか?が見たいから。
小林 でもその中でこういうことがしたいんだよ、をちゃんと言葉で伝えてくれる人でもあるから、そこは凄いと思います。言葉にしてどう伝わるか?をちゃんと腐心して作った上で、ここさえ押さえてくれれば、あとは自由にやって良いんだよ、という懐の深さがあります。僕らが「こうか、ああか」と色々なものを試してきながら構築していく作業の面白さもあるし、それが間違っていたらちゃんと言ってくれるという安心感も大きいです。そういうディレクションが全くない方だと「あってるの?これで良いの?」と役者も動揺してしまうんだけれど、そこがきちんとしてくれているから信頼できる方です。
和田 優しい方ですね。とにかく優しい方です。
板垣 ここは必ず書いておいて下さい!(笑)。
和田 ワガママな言い方をすると集中させてくれるんです。「こうですか?ああですか?」とある意味でのけん制をしなくて済む。カンパニーによっては本来不必要なアンテナを張らないといけないこともあるのですが。
小林 あぁ、あるね。
和田 板垣さんは役者に絶大なる信頼を寄せてくれていることが根底にあるので、信じて飛び込んでいけるのはありがたいことだと思っています。

板垣恭一

 

石橋を叩いて渡らない人の集まりの中で

──この作品を通じてオリジナルミュージカルの可能性を広げていきたいという想いが強いとお聞きしていますが。
板垣 エンターテイメントと言われるものには色々な定義があると思いますが、僕は単純に言うとお客様が楽しめるもの、料理に例えればお客様が食べやすいメニューだと思うんです。カレーライスみたいなものかなと。もし「ミュージカランド」というジャンルが出来たとして、「ミュージカルだよ」と言えば分かりやすいし、そういう間口の広い入口からならお客様はとりあえず入ってきてくださる。そこでどんなジェットコースターに乗せるか。面白いところもあるし、ハードなところもあるし、今回の作品はダイレクトに人の生き死にを扱う芝居なので、ヘビーに感じるところもあるかも知れない。でも必ずその先に進んでいく。そういうことをやりたいと思っているし、そのハードな部分を「社会派」と称して、自分の造語として「社会派エンターテイメント」と言っているんです。というのが、最近、脚本を自分で書くことが多くなっていて、これまでは演出オンリーだったり、人の書いてくださったものに対して意見を言って、書き直してもらう作業をやっていたところから、今、ダイレクトに自分で書いているから、それなら自分で責任を取れるので「社会派エンターテイメント」をやっていきたいなと。と言うのが、これはミュージカルに限らないんですが、現代の日本を描いた演劇作品ってすごく少ないんです。たぶん、現代は扱わない方が良いと思わせる何かがこの国にあるんだと思うんだけど、その空気が少し変わってきているようにも感じるし、やらなければいけないものなんじゃないかと思っていて。もちろんそれを「社会派」とか声高に言わなくてもいいんだけど、今の日本と向き合うことをしていっても良いのではないかな?と。僕は劇場でお客様に笑って欲しいし、泣いて欲しいし、絶対に楽しんで欲しいので、そこは必ず押さえながら、現代に向き合っていきますよ、というのが今回の作品だし、これから追っていきたいものです。
──そんな「社会派エンターテイメント」の第1歩である作品に出演する皆さんから、改めて意気込みをお願いします。
和田 私はオリジナル作品に多く出させて頂いてきたので、毎回思っていることなのですが、固定概念に囚われずに観て頂きたいなと。更に今回の作品は「半径5m以内の話」のような気がしているので、どう見て欲しいというものは一切なく、今、劇場に観にきてくださるお客様が「明日のご飯何食べようかな?」と思うのと、同じような気持ちで観て頂けたらと思います。母親役はやったことがあるのですが、こんなに大きな娘のいる役はやったことがないので(笑)、折角サオリという役と出会ったんだから、しかも私の姉と同じ名前なんです、サオリって。だから色々なご縁も感じるので、人として成長したいと思っています。

小林 芝居に限らず作品というのは、お客様それぞれが勝手に解釈して良いものなので、どんな受け取り方をされても良いと思っていて。特に死生観ってそれぞれ全く違うでしょう?その人の経験や、身近に起きたことによってもどんどん変わっていく。だからよりお客様個々に独自に観てもらって良い作品だと思うし、共感しても反発してももちろん良い。その中で「どう感じた?」みたいなことを、観た人同士で話し合えるようなことが起きたとしたら、すごく面白いですよね。それにはまず観に来て頂かないといけないので、是非多くの方に観て頂いて、その後にちょっと考えてもらえたら良いなと思うので、頑張ります。

皆本麻帆

皆本 ミュージカルはあまり観ない、ストレートプレイしか観ない、という人にも見てもらえたらと。ザ・ミュージカル!みたいなシーンもあれば、がっちり二人芝居のまるでストレートプレイのようなシーンも盛りこまれていて、ここまで振り幅の大きな作品って、私も経験したことがないと思っています。役柄にもとてもやりがいを感じているので、観に来て頂けたら嬉しいですし、絶対に何かを受け取って帰ってもらえる作品だと思うので、感じ方は本当に自由ですから、観に来て欲しいなと思います。

藤岡 この企画に僕の中でタイトルをつけるとしたら「マイノリティの逆襲」だと思っているんです。この題材、この作品をミュージカルにすると決めたプロデューサーも、それに乗っちゃう板垣さんもちょっと頭がおかしい(爆笑)。でもこの現場ってそれだけ石橋を叩いて渡っていないんです。じゃあ、そういう行動に出るのは何故なのか?と言えば、やっぱり風穴を開けたいんです。これをミュージカルとして世に出したいんだ、出さなければいけないんだという想いがあって、この作品の為に尽力している人たちがいる。そこに呼んでくれたことに感謝していますし、精一杯の努力と、自分自身の持てる力で応えたいなと思っています。これは日本のミュージカルがこれから大きく成長していく為の、もしかしたら足掛かりになるような作品、その一端を担っているものなのではないかと思うので、是非観に来てもらいたいし、忌憚のないご意見を頂きたいんです。それによってまた我々自身も、conSeptという会社自身も、日本のミュージカルも新たな1歩を踏み出せると思うので、応援してもらいたいです。特に、僕はこの作品の台本を読んだ時に祖父母を思い出しました。2年前に祖父が亡くなって、今祖母は1人なんですが、本当に空っぽのようになってしまって。それほど祖母は祖父を愛していたんだな、大事な人だったんだなと感じたんです。それでも残された人間は歩いていかないといけない。そんな無情に過ぎる時の中で、せめて誰かと共にその傷を共有しようよと。そういうぬくもりに溢れた作品なので、誰かとの別れを経験している人、このテーマはちょっと辛いなと感じている人にこそ観て頂きたいと思います。是非観て欲しいではなくて、必ず観に来て欲しいです。お待ちしています!

■プロフィール

ふじおかまさあき〇CHEMISTRYやATSUSHI(EXILE)を輩出した伝説の「ASAYAN」超ヴォーカリストオーデションを機に01年、Sony Music Internationalからデビュー。05年「レ・ミゼラブル」のマリウス役でミュージカル界に進出。以降、数々の大作ミュージカルに出演し高い評価を得る。17年には「欲望という名の電車」に出演し、ストレートプレイの舞台でも大きな成果を果たした。自らの演劇ユニット「青唐辛子」では、脚本・演出・音楽・出演すべてを手掛けるなど更なる活動が期待されている。近年の主な舞台作品に『ジャージー・ボーイズ』『ビリー・エリオット リトル・ダンサー』『タイタニック』等がある。

みなもとまほ〇01年ミュージカル『アニー』にアニー役で主演。11年『ロッキーホラーショー』で舞台活動を再開し、数多くの作品に出演する他映像作品にも活動の幅を広げている。近年の主な舞台作品にミュージカル『イヴ・サンローラン』『魔界転生』ミュージカル『アメリ』ミュージカル『ツクリバナシ』『ONLY SILVER FISH』等がある。11月ミュージカル『ハムレット』オフィーリア役での出演が控えている。

こばやしたかしか〇97年より劇団ナイロン100℃に参加し、すべての作品に出演。2000年同劇団を退団。01年より劇団ペンギンプルペイルパイルズの旗揚げに参加し、ラジオドラマ「NISSAN あ、安部礼司~BEYOND THE AVERAGE」の主人公、安部礼司(声)役でも人気を博し、杉崎真宏とのユニット、WANTEDを立ち上げ、地方ツアーも展開するなど、幅広い活動を続けている。の主な出演舞台作品にミュージカル『深夜食堂』『ママと僕たち~おべんきょイヤイヤBABYS~』『瞳をとじて、耳とじて』『上を下へのジレッタ』『生は生でも、生搾り』等がある。

わだきよか〇11歳で沖縄アクターズスクールオーディションにてグランプリを受賞し、B.B WAVESのメインメンバーとして様々なコンサート、テレビ番組に出演。シンガーソングライターとしてソロ活動後、ミュージカル等舞台作品に進出。活躍を続けている。主な出演作は、音楽劇『あかい壁の家』韓国現代戯曲ドラマリーディングVol.7『木蘭姉さん』ミュージカル『手紙』ミュージカル『THE APPLE TREE』等がある。

いたがききょういち〇劇団第三舞台を経て演出家に。小劇場、大劇場、ストレートプレイ、ミュージカルと幅広いジャンルで数々のプロデュース公演を演出し多彩な活躍を続けている。近年の主な演出作品に『フランケンシュタイン』『あさひなぐ』『カラフル』『In This House 最後の夜、最初の朝』『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル2018』『カクタス・フラワー』『歳が暮れ・るYO 明治座大合戦祭』等がある。9月~10月『FACTORY GIRL~私が描く物語~』の上演が控えている。

【公演情報】


『いつか~one fine day』
原作◇映画『One Day』
脚本・作詞・演出◇板垣恭一
作曲・音楽監督◇桑原まこ
出演◇藤岡正明 皆本麻帆 佃井皆美 和田清香 荒田至法 入来茉里 小林タカ鹿 内海啓貴
●4/11~21◎シアタートラム
〈料金〉平日19時 7,500円 平日14時・土日 8,500円
「いつか」公式サイト
https://www.consept-s.com/itsuka/

 

【取材・文/橘涼香 撮影/岩田えり】

 

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