長塚圭史上演台本・演出、江口のりこ主演のミュージカル『夜の女たち』KAATで開幕!
溝口健二監督の映画「夜の女たち」を初めて舞台化する作品、ミュージカル『夜の女たち』が、本日9月9日よりKAAT神奈川芸術劇場<ホール>で開幕する。
本作は、1948 年、戦後すぐに公開された映画「夜の女たち」は、戦後間もない大阪釜ヶ崎を舞台に、生活苦から夜の闇に堕ちていった女性たちが、必死に生き抜こうとした姿を描いた作品で映画の脚本を元に、長塚が上演台本・作詞を手掛け、江口のりこ、前田敦子、伊原六花、前田旺志郎、大東駿介、北村有起哉ほかの出演で、ミュージカルとして描くことで、混沌とした時代を生きていかなければならなかった日本人のエネルギー、生命力を描き出す。
その初日に先駆けて公開ゲネプロが開催され、演出家およびキャスト代表コメントが届けられた。
【コメント】
長塚圭史(上演台本・演出)
劇場に入る直前にピアノの伴奏からバンド演奏になり、そこに照明・音響の調整が重なる、それは俳優にとっても特別な体験でしたし、思ってもみないエネルギーを要する時間でしたが、その分、全てがかみ合っていく瞬間を見るのはとても新鮮で、楽しいものでした。演劇は総合芸術と言われますが、ミュージカルはそれが際立つと思います。
この作品は戦後間もない時代に書かれた作品をベースにしているので、作品から匂いたつものが多くあり、当時の時代背景を調べながら上演台本を書きました。当時の時代の匂いと、その時代に生きた人々が抱えた様々な事情や切実さ、それでも生きていくという生命力をお客様にお伝えしたい、と思っています。
今の世界情勢を見ても、一つの国の中でも色々な考えがあり、一緒に歩むことの難しさを痛感します。人間性をもって共に協調しながら歩むことができればよいけれど、そうはならない。人間は愚かです。でも、だからこそ美しく、面白い。戦後の話を市井の人々にスポットを当てて描いた作品を手掛けた今、そのことを改めて思います。
ある種、暗い時代を扱った戯曲ですが、荻野清子さんの音楽が素晴らしく、音楽と劇が相まって、とても華やかなエンターテインメント作品としてお届けすることができることを嬉しく思っています。
江口のりこ
今はもう、早く初日を迎えたい気持ちです。音楽がとても素晴らしく、振付もおもしろいですし、楽しいシーンもたくさんあります。お客様にぜひ楽しんでいただければと思います。
前田敦子
贅沢に時間を使ってしっかり稽古もさせていただきました。観に来る方たちもどういう作品なんだろうと思っていらっしゃるでしょうし、予測ができないので、そこを楽しんでいただけたらいいなと思います。真っ直ぐな気持ちで初日を 迎えたいです。
伊原六花
やっと初日を迎えられるという気持ちです。いい意味で緊張感をもったまま初日を迎えらますし、カンパニーの結束力も高まっています。出演者としてもKAATシーズンタイトル「忘」にふさわしい、今やるべき作品だと思っています。
ミュージカルという一歩入りやすい形でお客さまにも感じていただけたら嬉しいです。
前田旺志郎
初めてのミュージカルで、芝居の中で歌が流れるということが何度やっても新鮮です。自分の歌もみんなで歌っている歌も他のパートも、頭に残るフレーズ、刺さる歌詞の箇所が毎回毎回違うことが面白くて、いつまでたっても新鮮に音を聞いてお芝居ができることに、ストレートプレイとは違う魅力を感じています。そういう風に自分の曲も毎日、今日はこういうことをやってみようと試行錯誤しながら、本番が始まってからも届ける部分を変えて行けたら面白いと思っています。
大東駿介
ようやく幕が開いて皆さんにこの芝居を体験してもらえることが楽しみです。音楽が素晴らしく、映画が公開された1948年にぜひKAATでタイムスリップしてください。
北村有起哉
この作品がどんな流れになっているのか稽古場では分からなかったですが、いつもはあまり見たくない通し稽古の映像を初めて見て、そうしたら色々な予想外の発見があって、確信を持てた部分、ほっとした部分がたくさんありました。不安な部分もありましたが、長塚君や荻野清子さんがこういうことをやりたかったんだと、改めてチームの一人として誇らしく思えました。初日が延期になりましたが、無理やり慌ててやるよりもぎりぎりまで粘ってリハーサルができて、満を持して、延期した初日から皆さんの前でお披露目できるのはよかったと思っています。
《あらすじ》
戦後すぐの大阪、釜ヶ崎。「日没後、この付近で停立または徘徊する女性は闇の女と認め、検挙する場合があります」と札が立っている。大和田房子は焼け出された後、病気の子を抱えて困窮していた。夫は戦地からまだ帰っておらず、両親や妹・夏子は終戦を迎えたものの消息不明になっている。姑や義理の妹・久美子と同居しながら、着物を売り払ってなんとか暮らしている。そこに届いたある知らせに絶望する房子。その後、ダンサーとなった夏子と偶然再会する。房子、夏子、久美子、3 人の女たちの壮絶な人生と、凄まじい生命力を描いた人間ドラマ。
【公演情報】
KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース
『夜の女たち』
原作:久板栄二郎
映画脚本:依田義賢
上演台本・演出:長塚圭史
音楽:荻野清子
振付:康本雅子
出演:江口のりこ 前田敦子/伊原六花 前田旺志郎 北村岳子 福田転球/大東駿介 北村有起哉
石橋徹郎 中山義紘 入手杏奈 山根海音 篠崎未伶雅 山口ルツコ 小熊綸 加瀬友音
●9/3~19◎神奈川公演 KAAT 神奈川芸術劇場〈ホール〉
〈料金〉S 席10,000 円 A 席9,000 円/平日夜割:6,000 円(9/8,9/15)B 席7,000 円/平日夜割:4,000 円(9/8,9/15)(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
U24 チケット(24 歳以下):5,000 円、高校生以下割引:1,000 円、シルバー割引(満 65 歳以上):9,500 円
※U24、高校生以下、シルバー割引はチケットかながわの電話・窓口・web にて 7 月 23 日(土)より取り扱い(前売のみ、枚数限定、要証明書)
〈お問い合わせ〉チケットかながわ 0570-015-415(10:00‐18:00) https://www.kaat.jp
〈公式サイト〉https://www.kaat.jp/d/yoruno_onnatachi
《全国ツアー》
●9/23~25◎北九州芸術劇場 中劇場
●9/30~10/2◎ 穂の国とよはし芸術劇場 PLAT 主ホール
●10/6◎山口市民会館 大ホール
●10/10◎まつもと市民芸術館 主ホール
●10/14~16◎兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【撮影:細野晋司】
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