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熊谷真実・佐藤B作・松金よね子らの出演する『マミィ!』間もなく開幕! 田村孝裕・三津谷亮 インタビュー

田村孝裕の作・演出する新作『マミィ!』が、7月30日~8月8日、赤坂RED/THEATERで上演される。

出演は熊谷真実、佐藤B作、松金よね子らベテランと、三津谷亮、宮﨑香蓮、伊藤桃花という若手たち。女優の熊谷真実は昨年3月に還暦を迎えて、敬愛する作・演出家の田村孝裕の手によって、自分の人生を反映させた作品をと強く願ってこの企画が立ち上がった。

物語は家に帰らなくなっていた父親が、高齢の祖母の危篤を知り数年ぶりに帰宅したことから始まる。穏やかだった家族が軋み始め──。

そんな父を疎みながらもダメなところばかり似てきた息子役を演じるのは若手演技派の三津谷亮。作・演出を手がける田村孝裕とともに、本作について語り合ってもらった「えんぶ8月号」のインタビューを別バージョンの写真とともにご紹介する。

田村孝裕・三津谷亮

コミュニケーションの形が変わる中で時計の針を戻す

──今回の作品はどんな内容になるのですか?

田村 還暦を迎えた熊谷真実さんを祝うための作品で、佐藤B作さんが放蕩を重ねて家に帰らない夫で、B作さんの母であるお祖母ちゃんを松金よね子さんが演じます。真実さんが演じる妻は、夫がいなくても明るくてずっと笑ってて、家族の中では良いお母さんなんです。

三津谷 子供である僕らは、なんでお母さんはそんなに笑っていられるんだろうと母親の気持ちがわからないんです。

田村 でも息子も父親のほうに似てて、母親にこっそり金を借りたり。

三津谷 エーッ、それ初めて聞きました(笑)。自分を棚に上げてというタイプなんですね(笑)。

田村 お祖母ちゃんが母親の誕生日に危篤になって、父親がそれを聞いて帰ってくるというところからお話しが始まります。

──家族の再生についての話なのですね。

田村 コロナの前から企画していたのですが、コロナ禍になってしまったので、自分の中でもう一度咀嚼して考えたとき、疎遠になっていた人たちが身内の病気で集合してしまったらどうなるのか、というのを描きたいと思ったんです。

──三津谷さんにとって家族はどんな存在ですか?

三津谷 僕にとって家族は心の支えです。実家では正月とかお盆とかは家族全員が集まって、お互いの近況を話したり、みんなで墓参りしたり、そういうのが当たり前なので、コロナ禍で田舎に帰れないのがつらいです。

──大家族で育ったのですね。この作品も根底には日本的な家族像がありそうですね。

田村 時代とかコロナとか含めて、コミュニケーションの形が変わってきている中で、ちょっと時計の針を戻すというか、いわゆる家族のコミュニケーションをこの一家がガッととったらどうなるかと。バラバラだった頃の穴埋めみたいな作業を作品の中でやってみたいなと思ったんです。

選択肢を提供し続けないと演劇は衰退していく

──おふたりは以前『漂泊』(15年)という舞台で、演出家と出演者で出会っていますね。そのときの三津谷さんの印象は?

田村 素直な良い子だなと。内容のせいで現場が重苦しい空気もあった中で、すごくオアシス的な存在で助けられました。たぶん裏があるのだろうなと思いながら、裏が見つからないまま終わった(笑)。

三津谷 (笑)あの作品での僕の役、とても評判がよかったんです。それは田村さんの演出と蓬莱(竜太)さんの脚本のおかげで。その頃はまだ本格的な舞台の経験が少なくて、皆さんの中にうまく飛び込めない状態だったんです。でも田村さんは飛び込んでこない人間を突き放さないで、最後まで作品作りを中心に考える方で、助かりました。観にきた関係者にも褒められたり、仲間にもああいう作品に出たかったと言われたり、忘れられない作品です。

──田村さんは役者1人1人をよく見ていると聞きます。

田村 いや、僕自身があまり自分を信用してないし、舞台の上でやるのは役者さんですから、役者さんたちの台本の解釈が違っていたほうが面白い。そういう組み合わせの妙を僕が楽しんでいるので、ああしてこうしてと言わないんです。すべては関係性だと僕は思っていて、この組み合わせだからこういう可笑しさが生まれる、この組み合わせだからこそ生まれる空気がある、そういうものをどう面白く見せるか、そこに重点をおいているんです。

──今回の舞台も田村さんならではの面白さが楽しみです。改めてこの作品への意気込みをぜひ。

三津谷 この状況の中で具体的に目の前に目標があることは幸せだし、現場で作品を生み出すという作業に、前のめりに、周りもちゃんと見つつ、進んでいきたいと思っています。

田村 とにかくやり続けるしかないと思っていて、現場があって役者がいてお客さんがいる限り、やり続けることしか考えない。選択肢をお客さんに提供し続けないと、演劇は衰退していってしまうので。観に来てくださいとはなかなか言いにくい状況ですけど、観に来てくれたらそれに価するだけのものは提供します。損はさせません(笑)。

田村孝裕・三津谷亮 

たむらたかひろ○東京都出身。劇作家・演出家。1998年からONEOR8の全公演の脚本・演出を担当。ONEOR8以外の最近の舞台は、『パークビューライフ』(演出)『たぬきと狸とタヌキ』(作・演出)『不機嫌な女神たちプラス1』(演出)『サザエさん』(脚本・演出)『世襲戦隊カゾクマンⅢ』(作・演出)『ちょっと今から仕事やめてくる』(脚本)『雪まろげ』(脚本・演出)『莫逆の犬』(作・演出)『おもろい女』(潤色・演出)など。

みつやりょう○青森県出身。2000年・2004年と一輪車の世界大会で優勝。男性俳優集団D-BOYSメンバー。2.5次元から小劇場まで幅広く活躍中。近年の主な舞台は、舞台『刀剣乱舞』シリーズ、『文豪とアルケミスト』シリーズ、『マリーゴールド』椿組『かくも碧き海、風のように』PARCOプロデュース『奇子』タクフェス『流れ星』CEDAR『悪霊』東京マハロ『あるいは真ん中に座るのが俺』『お染与太郎珍道中』など。今後の出演作に舞台『ヒミズ』や『異常以上ゴミ未満、又は名もなき君へ』などがある。

【公演情報】
プリエールプロデュース
『マミィ!』
作・演出:田村孝裕(ONEOR8)
出演:熊谷真実 佐藤B作(東京ヴォードヴィルショー) 松金よね子
三津谷亮 宮﨑香蓮 伊藤桃花
●7/30~8/8◎赤坂RED/THEATER
〈料金〉一般/前売5,500円 当日5,800円 25歳以下/前売4,500円 当日4,800円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉プリエール 03-5942-9025(平日11時~18時)
〈公式サイト〉https://priere.jp

 

【構成・文/宮田華子 撮影/友澤綾乃】

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