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トム・プロジェクト公演『ソングマン』間もなく開幕! 多田直人・舞羽美海・桑野晃輔 インタビュー

夢を持っていた人も、いま夢を追いかけている人も 
トム・プロジェクトが、2.5次元ミュージカルの舞台で活躍する作・演出家、なるせゆうせいを迎えて送る舞台『ソングマン』が、いよいよ開幕する。3月19日の岩手・一関文化センターからスタート、3月21日~26日には新宿・こくみん共済 coop ホール(スペース・ゼロ)にて上演される。
物語は、かつて一世を風靡したバンドのギタリスト、ヨージが、兄の陽一郎からの依頼で故郷のコーラス部の特別顧問に就任することから始まる。
部員はへっぽこぞろい。ヨージはそんな部員たちに、歌を通して自分の思いを届ける大切さを体当たりで教えていく…。
ヨージと陽一郎、そしてバンド仲間だった小百合と真也という大人4人、そしてコーラス部の生徒5人の姿を通して、音楽の素晴らしさ、仲間や家族、故郷への思いが歌とともに綴られていく。
この舞台でヨージを演じる多田直人、小百合役の舞羽美海、そして真也役の桑野晃輔に、作品と役柄について語り合ってもらった「えんぶ4月号」のインタビューを別バージョンの写真とともにご紹介する。

桑野晃輔 舞羽美海 多田直人

 
真っ直ぐな気持ちを真っ直ぐに出せない人たち
──この作品は主人公のヨージと彼の周りの人たちが「歌」の力で変化していく物語ですが、台本を読んでいかがでしたか?
多田 僕が演じるヨージをはじめ、真っ直ぐな気持ちを真っ直ぐに出せない人たちの話かなと。みんながそれぞれ等身大の悩みを抱えていて、上手に生きられない。でもそういう彼らの悩みが「歌」というものによって浄化されて、それぞれが変わっていくところがいいなと。
舞羽 本当にみんな不器用なんですよね。でもそれぞれ闘っていて、それを見て自分もがんばろうと思えるんです。
桑野 「歌」ってすごい力を持っているなと改めて思いました。ふとした瞬間に耳にした歌詞が、自分の心にストンと入ってくることは自分にもあるし、それで気持ちが前向きになったりする。この作品でも、ヨージの歌が生徒たちの心に響いて生徒たちも変わっていきますが、そういう力が音楽にはある。それは演劇にもあると思うので、この作品がそういう力になるといいなと思っています。
音楽との相乗効果で演劇の良さを伝えたい
──それぞれの役柄ですが、ヨージはいかにもミュージシャンらしい人ですね。
多田 破天荒なんですよね、型破りな元ミュージシャンで。でもあまり型どおりのキャラクターにしたくないですね。僕自身はまったくこういう部分がない人間なので(笑)、だから逆にヨージという人物像をちゃんと作り上げたいと思っています。
舞羽 ヨージってなんかエネルギーがありますよね。
多田 周りに影響を与えていく人ですからね。がんばってエネルギーを出さないと(笑)。
──舞羽さんの小百合は、今の生活に悩みを抱えている女性です。
舞羽 人生に悩む内面的な部分をどう表現していくかが課題だと思っています。かつてのバンド仲間だったヨージへの気持ちや、生活を変えたいという思いを抱えながらも行動にはうつせない中、ヨージとの再会や、「歌」によって励まされて一歩踏み出していくまでの心の変化をちゃんと出したいです。
──綺麗ごとでは演じられない役ですね。
舞羽 生い立ちの部分をなるせさんがしっかり描いてくださったので、それを踏まえたうえで、どう見せていくかを考えたいですね。
──桑野さんの真也は、バンドをやめて実家の喫茶店を継いでいます。
桑野 20代半ばまで夢を追いかけていたけれど、途中でうまくいかなくなってしまう。それは誰しもぶつかる壁で、たぶんヨージに対する嫉妬や葛藤もあったと思うんですが、ヨージと再会して絆を温める中で新しい幸せを見つけていく。僕はちょうど年齢も等身大で、今までは生徒側で出ることが多かったんですが、今回はなるせさんに大人チームに入れてもらえたので、ちょっと余裕を持って若者を見守る存在になれればと思っています。
──間もなく開幕ですが、『ソングマン』の公演を楽しみにしてくださる方へアピールをぜひ。
多田 エンターテインメントでくくれば音楽と映画と演劇はライバルですが(笑)、今回は音楽と手を組んで、相乗効果で歌の素晴らしさ演劇の素晴らしさをわかってもらえる作品を作り上げます。ぜひ観に来てください。
桑野 ザ・青春という作品で、良い意味で青くさいセリフや場面なども沢山出てくるのですが、きっと共感や懐かしさを感じてくださると思います。コーラスを通して音楽の魅力を、このお芝居を通して演劇の魅力を感じていただけたら嬉しいし、皆さんの心に寄り添えるような作品だと思いますので、ぜひ観にいらしてください。
舞羽 夢を持っていた方、今、夢を追いかけている方、そういう方にとって、自分を振り返ったり、この先に繋がったりする作品だと思います。気楽にふらっと立ち寄っていただいて、観終わったとき、歌っていいな、お芝居っていいなと思っていただけたらいいなと思っています。
■PROFILE■
ただなおと○北海道出身。桐朋学園短期大学を経て演劇集団キャラメルボックスに’04年入団。以降、舞台作品を中心に活動するほか、ライブ、落語、ラジオドラマ、ナレーション等多方面で活躍中。最近の出演作品は、『容疑者Xの献身』、『トリツカレ男』、『ラスト・ナイト・エンド・デイドリーム・モンスター』、『ランボルギーニに乗って』など。
まいはねみみ○兵庫県出身。元宝塚歌劇団雪組トップ娘役。退団後は舞台や映像を中心に活動している。近年の主な出演作品は、ミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』、『鬼滅の刃』、『ル・シッド』、『ODYSSEY 2021』、『サラリーマンナイトフィーバー』、『進撃の巨人-the Musical-』など。
くわのこうすけ○兵庫県出身。数々の舞台、ミュージカルに出演し、近年は声優としても活動している。主な出演作品に、舞台『文豪ストレイドックス』シリーズ、極上文學『ジキルとハイド』、『フォーティンブラス』、アニメ『僕のヒーローアカデミア』シリーズ、映画『文豪ストレイドックス BEAST』などがある。
【公演情報】
トム・プロジェクト プロデュース
『ソングマン~翔べ!三ツ矢高校・男子コーラス部~』
作・演出:なるせゆうせい
出演:多田直人 舞羽美海 カゴシマジロー 桑野晃輔 松村龍之介 佐藤祐吾 佐藤智広  石賀和輝 千葉瑞己
●3/21~26◎こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ
〈お問い合わせ〉トム・プロジェクト 03-5371-1153(平日10:00~18:00)
●3/19◎岩手県 一関文化センター 大ホール
〈お問い合わせ〉 一関文化センター 0191-21-2121
〈公演サイト〉https://www.tomproject.com/peformance/songman.html
【文/宮田華子 撮影/岩田えり】

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