えんぶ新春特別企画 “旬”の演劇人に聞きました! 2022!「今年は★◎☀♫だ!」vol.3
新春特別企画
2022年 “旬”の演劇人に聞きました!
【今年は★◎♫だ!】
2022年の年明け。こんなときだからこそ聞いてみたい!それぞれの「今年」。
その言葉から”演劇”の明日を見つけよう!
えんぶ2月号の新春特別企画を11回に分けて掲載いたします。Vol.3
金子鈴幸 (脚本家・演出家・俳優/コンプソンズ)
「今年は 「男らしさ」 だ! 」
ここ数年、一定数の「男性」の表現者は「フェミニズム」と「ポリコレ」と「ハラスメント」をごちゃ混ぜにして自罰的に苦しくなったり、当惑して逆ギレしているように思える。自分の場合は、「シスヘテロ男性の俺が描くべきテーマなんて、もうこの世にないんじゃないか」と考えていた。しかしある時「これもある種の差別心の裏返しではないか」と気づいた。ウジウジした次元にいつまでも留まっていたくもない。多分に邪なものを含む、自分の「本音」を見つめ、新しい建前との距離感を測りながら、「快い」と思える表現方法を探っていきたい。それは開き直らずに「新しい男らしさ」みたいなものを追求していくことに近いのではないか、と思う。
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蓮見翔 (演出家・脚本家・/ダウ90000)
「今年は ノンジャンル だ!」
2021年は演劇をやりながらコントもやらせてもらっている上に、漫才もやったりした一年で、それを多くの人に面白がってもらえました。この姿勢を崩すことなく一つの枠組みにとらわれず様々なことに挑戦していきたいので、音楽や料理など現状自分たちがやると思っていないことに気づいたら挑戦している状態が理想です。世に出すクオリティにならない可能性もあるかもしれませんが、5年後の準備の年になってもそれはそれでいいことだと思うので各々がなにか見つけられる一年になればいいなと思います。僕もソロキャンプに行ったりしたいです。
〈公演情報〉
ダウ90000『ずっと正月』1/26〜2/6◎シアタートップス
https://twitter.com/daw90000
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東京ドム子 (俳優)
「今年は 日本脱出 だ!」
今年はわたし、台湾に1年ほど留学に行く予定でして、そこでがつーんと全血液を台湾カラーに染めてこようと思ってます! 日本ももちろん、好きなんですけれど、大学卒業すんの? しないの!? という今(現在大学5年生)、いっそ一念発起、憧れだった海外留学しちゃお! っと思い立ったのです。あ、えんぶの連載「東京ドム子の取材簿」は台湾エディションとして継続する予定です! 笑 台湾でも演劇、みるぞー!! やるぞー!!!
〈公演情報〉
ガガ『陽炎(大きな)』 1/28〜30◎カフェムリウイ
https://twitter.com/gaga_theater?lang=ja
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東野良平 (俳優/劇団「地蔵中毒」)
「今年は 恥知らず だ!」
知ってるふりばかり上手くなった。 NHKしか許されず「ハッチポッチステーション」と「天才ビットくん」がエンタメの二枚看板だった少年は「ごっつええ感じ」も「電波少年」も通らず育った。 図らずも「人を傷つけない笑い」で培養された青年と、すぐ芸能人の性器をあれこれする「地蔵中毒」はすこぶる相性が悪い。 そもそも台詞に氾濫する固有名詞の大半を知らない。 稽古場では、知ってるふり。本番も、知ってるふり。知ってるふりして、芸能人を八つ裂きにしてる。そろそろ叱られる気がする。 三十歳過ぎた大人が「知ってるふりすんな!」と稽古場や撮影現場で叱られる。そんな未来が刻一刻と迫っている。 今年は潔く白状しよう。「知りません!」って。アホみたいに。 知らずに終わるのは恥だけでいい。
〈公演情報〉
しりあがり寿presents 新春!(有)さるハゲロックフェスティバル‘22
『サル解放 Libération de Saru』
1/29◎新宿LOFT(有観客&配信)
https://sarufes.com/sarufes22
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白井晃 (演出家・俳優)
「今年は 人と会う!」
この二年間、直接人と会って話をする機会が随分と制約されてしまいました。でも、直接会って話したり空気を感じることで、生まれてくる感覚があるんですよね。ああ、良いなあとか、なんか嫌だなとか。それも含めて直接会ってみると分かる。画面の上で話していても、画面の中の共有項だけで物事が決まっていって画一化してしまう気がするので。直接会って話そう! ですね。
〈公演情報〉
『マーキュリー・ファー Mercury Fur』
1/28~2/16◎世田谷パブリックシアター、2/19・20◎松本、2/23◎新潟、2 /26・27◎兵庫県立芸術文化センター、3/2◎神戸文化ホール、3/5・6 ◎刈谷、3/10・11◎福岡
https://setagaya-pt.jp/performances/202201mercuryfur.html
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マキノノゾミ (劇作家・演出家)
「今年は 晩年 だ!」
というと「え、どこか体悪いの?」とか思われるでしょうけど、そんなことはありません! 今のところは心身ともに至って健康です、はい。要は、これからは毎年そういう「覚悟」で芝居を作るってことです。 さすがに還暦を過ぎると、人生のカウントダウンが始まったという気分になります。今まで「いつかやりたい」と思っていたことも、もう「いつか」なんて悠長なことは言ってられない歳ですもの。 どんどんやる! ガンガン行く! これからのわたしは「総決算」の「集大成」です。ご期待あれ!
〈公演情報〉
MakinoPlay『モンローによろしく』2/3〜13◎座・高円寺1
http://makino-play.net
こちらの記事はえんぶ1/8発売号にも掲載されております。
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