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えんぶ新春特別企画 “旬”の演劇人に聞きました!2020!「今年は★◎☀♫だ!」vol.6

内外の混沌さらに深まりそうな2020年の年明け。こんな時だからこそ聞いてみたい!「今年」。その一言から、変化する“演劇”の様相をたのしもう!
えんぶ2月号の新春特別企画を7回に分けて掲載いたします。Vol.6

 

 

 

石橋徹郎(俳優/文学座)

「今年は やさしい気持ち だ! 」

普段芝居を作っているときは、なんだっていいではないかという、緩やかな心構えで取り組んでいる。つもりなのだが、たまに意固地に厳密になってしまうことがある。いや、しょっちゅうあるかもしれない。もしかしたら基本そうなのかもしれない。同時に大雑把だったりもする。というかどっちかわからない。年を重ねて、色んなこと、色んな人、色んな痛さ、色んな知恵、色んな色を知れば知るほど好みが偏屈おじさんになってくる。結果、新しい痛みを体験することになっていたりする。本当に困っている。こだわりっていうのは身勝手でもあるのですね。それらしさを追求したり示すことが肝心だったりするけれど、何かいい喜び方を見つけられたらと思います。日中は難しそうなので、寝る前などに考えてみます。いい夢が見られるかもしれないので。

〈公演情報〉
文学座70周年記念公演
『熱海殺人事件』
4/28〜5/10◎文学座アトリエ
http://www.bungakuza.com/information/

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鎌田順也(劇作家・演出家/ナカゴー)
「今年は 徒歩 だ! 」

楽なのでよく自転車でどこでも移動します。小学生のころからずっとです。ママチャリが好きです。でも、自転車に乗っていると警官によく職質されます。これが地味につらくて落ち込みます。去年、職質された際に自転車の防犯登録の確認と共に持ち物もチェックされて、ポケットから出したガムをみせたら、「(手にとって)これなんですか?」と質問されたので「ガムです」と答えました。たしかキシリッシュとかです。みるからにガムです。ガムをみせたら、これなんですかと聞かれたのでガムです。と答える。こういうやりとりが地味にダメージを受けます。だから、なるべく今年からは歩きます。

〈公演情報〉
ナカゴー本公演
4/29~5/6◎北とぴあ
http://nakagoo.com

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大谷皿屋敷(劇作家・演出家/地蔵中毒)
「今年は 再発行 だ! 」

「半分折れているクレジットカードでも、使える」この事実を皆さんはご存知だろうか? 全人類の中でも「クレジットカードが半分折れてしまった人」、且つ「半分折れたクレジットカードを使ってみようとした人」しか知り得ないこの情報をなぜ俺が知っているのか。それは推して知るべしである。手続きが何よりも嫌いな無頼派である俺は、尻ポケットに直に入れたクレジットを、京王線の軽く腰掛けるタイプのベンチで真っ二つにしても再発行をしない。ICチップが付いてる方さえ残っていればそれはクレジットだからである。しかし、無頼派にも悩みはある。半分に折れたクレジットが利用できるのは「差し込むタイプ」の機器のみで「スライドするタイプ」では、店内にエラー音が流れるのだ。詰まる所、自ずとファミマで買い物ができないということになる。ファミマで買い物はしたい。今年は、無頼派のプライドと便利さを天秤にかける一年になるだろう。

〈公演情報〉

※劇団「地蔵中毒」第十一回本公演『ずんだ or not ずんだ』より

劇団「地蔵中毒」
第十二回本公演 5月初旬予定
https://g-chudoku.jimdofree.com

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池亀三太(脚本家・演出家・俳優/マチルダアパルトマン)
「今年は お祭り騒ぐ だ! 」

2020年はなんだか日本中が浮足立つような大きなイベントが目白押しのお祭り騒ぎなんだと近所の奥様方の井戸端会議でお伺いしました。果たしてそれがどんなお祭りなのかは分かりませんが、近所の奥様方にも喜んでいただけるようなお祭りを僕も2つ企んでおります。まずは2月3月に東京都北区王子で新進気鋭のイチオシ劇団を招聘した『佐藤佐吉演劇祭2020』なるものを行います。一応、実行委員長を務めておりまして、主に神輿の誘導係や神輿の通る道の整備などを努めさせていただきます。そして、5月には我らがマチルダアパルトマンで『マチルダアパルトマンのエキスポ2020』という「3週間いっぱい演劇をやるぞ」っていう意気込みだけは凄い公演を下北沢のOFF・OFFシアターにて行います。そうして5月の終わりには燃え尽きて、夏以降はひっそり都会の喧騒を離れて猫と静かに暮らす予定です。あとはお腹の調子を整えたい(切実)。

〈公演情報〉
マチルダアパルトマン
『マチルダアパルトマンのエキスポ2020』
5/5〜24◎OFF・OFFシアター
http://m-appartement.com

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加藤健一(俳優/加藤健一事務所)
「今年は 感謝の年 だ! 」

♬たった一つの星をたよりに はるばる遠くへ来たもんだ♬という歌があるが、僕も舞台に立ち続けて、ちょうど半世紀の時が流れました。最初は、どこまで行けるか分からないが、とにかく行ける所まで行ってみようと思って歩き始めた役者道ですが、振り返ればよくぞここまでという感じです。50年の長きに渡って応援して下さった皆様にお返し出来る事があるとすれば、より素晴らしい舞台をお見せする事しかありません。一生懸命頑張ります!! 多謝。

〈公演情報〉
加藤健一事務所
『サンシャイン・ボーイズ』
5/6〜17◎下北沢・本多劇場、所沢・京都・兵庫公演あり
http://katoken.la.coocan.jp/107-index-comingsoon.html

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益山貴司(劇作家・演出家・俳優/劇団子供鉅人)

「今年は ヨーロッパでお初 だ! 」
2020年は劇団とは別に、個人のプロジェクトで初挑戦がたくさんあります。弟2人と3人で演劇ユニットを組み、自分の家族のルーツを題材にした作品をロンドンで初上演。そのあと、益山3兄弟のニュー・パフォーマンス・コント(なんだそれ)をひっさげてフランス、ベルギーのライブハウスで初公開(いずれも私の嫁がドラム担当。つまり、ファミリービジネス)。その期間中、ブリュッセルのギャラリーで僕の絵画の初個展を行います。いろんな初をヨーロッパで行うのも不思議なご縁ですが、国際派アーティスト目指してみたりします。ちなみに、英語は中一の二学期レベルです。

〈公演情報〉

『サイダン/saidan』
5/26・27◎The Coronet Theatre(ロンドン)

劇団「劇団子供鉅人」http://www.kodomokyojin.com/

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東憲司(脚本家・演出家/劇団桟敷童子)
「今年は 我慢の年である だ! 」

去年劇団旗揚げ20周年であった。そして、今年はまた新たなスタートの年である。しかし、何かをやると言うより、耐え忍び、我慢する年のような気がする。出不精で人付き合いも下手であるが、今年はなるべく外の世界に出て、色々な人に出会いたいと思う。それと不連続に続けている水泳が、毎日の日課になれば良いのであるが…。それと読書。そして河川散策…荒川、隅田川等々の自転車走行は最高である。思い切り我慢して、思い切り楽しみたいと思う。

〈公演情報〉
劇団桟敷童子
『昼間の月に兎はいない』 6/9~21◎すみだパークスタジオ倉
https://www.sajikidouji.com

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詩森ろば(作家・演出家/serial number)(写真中)

「今年は 日本脱出 だ! 」

オリンピックの時期はできれば日本にいたくないので、海外に出かけたいです。オリンピック開催中は交通機関が混んだり、なにかと不自由になりそうですから。実は、昨年、海外で演劇を観る楽しさに目覚めてしまったので、「今年も」日本脱出だ、ってことになってしまうんですが、また海外で演劇を見まくりたいですね。

田島亮(俳優/serial number)(写真右)

「今年は 大人になる ぞ! 」

自分が大人に差しかかってる気がしています。まだ少年の匂いの残っている青年期から、上の世代の匂いのする大人の時期に変わって行きつつあるのかなと。今年は客演が2本と本公演1本出演するんですが、その中で自分が変わりそうな、たぶん作品と実人生が結びついてくるような気配を感じているんです。そろそろ少年とバイバイしないといけないんだなという予感があって、ちょっと寂しいような、でも楽しみでもありますね。

 

杉木隆幸(俳優/ECHOES)(写真左)

「今年は 仕事三昧にする ぞ!」

仕事三昧の年にしたいですね。今はなんでもやってみたいという気分なので。やっぱり現場で学ぶことが多いし、まだまだ沢山学んでいきたいので。そしてもっと有名になれるように(笑)どんどん仕事したいですね。

〈公演情報〉
serial number
『すこたん!』
6/18~30◎中野ザ・ポケット
https://serialnumber.jp/index.html

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野木萌葱(作家・演出家/パラドックス定数)
「今年は 煩悩炸裂 だ!」

「おまえはいつでも煩悩を炸裂させているだろう」と言われたら「はい、その通りです」と答えざるを得ないのですが、ここ数年はこれでもずいぶん大人しくなったのです。今年は思うまま欲望に塗れてみようじゃないか。結果、血を流しても構わないじゃないか。そんなことを思いながらの新年です。さあ行こうか、パラドックス定数劇団員よ。巻き込んでしまってすまないね。恐れるな。恐れるな。見る前に跳べ。

〈公演情報〉
青年座公演
『題未定(新作書き下ろし)』
6/19~28◎シアタートラム
http://seinenza.com/performance/index.html

 

劇団「パラドックス定数」https://pdx-c.com/

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柳美里(小説家・劇作家・演出家/青春五月党)
「今年は 本屋、劇作家、小説家の三足のわらじを履く だ! 」

2018年4月に本屋「フルハウス」を福島県南相馬市小高区にオープンさせて、6月に四半世紀ものあいだ休眠させていた「青春五月党」を復活させて、9月~10月に『静物画』と『町の形見』を連続上演しました。2019年は、3月に『静物画』東京公演を実現し、10月~11月に新作『ある晴れた日に』を、五反田団の前田司郎の演出で、小高(福島)、盛岡(岩手)、仙台(宮城)で上演しました。と、やったことを並べてみたのは、やれなかったことがあるからです。そう、小説――。わたしは、本屋の開店準備が忙しくなった2017年の秋から現在(2019年11月末)に至るまで、小説を書いていません。これは、由々しき事態です。本屋は出版取次担当者の予想を上回る売上を出しているし、芝居は全ての公演をソールドアウトにしています。しかし、トントンなのです。掛け値なしのトントン。逆立ちしてもトントン。小説を書いて本にして売らないと、ヤバいことになります。今年は、本屋、劇作家、小説家のわらじを玄関に並べて、うまく履き替えてやっていきたいと思います。

〈公演情報〉
7月末~8月半ば「浜通り舞台芸術祭」にて、 新作戯曲2作を上演予定。
『常磐線下り列車(仮題)』演出・額田大志 『境界の城(仮題)』演出・飴屋法水

本屋「フルハウス」https://odaka-fullhouse.jp/

(イラスト◇小野寺ずる)

えんぶ新春特別企画 “旬”の演劇人に聞きました! 2020!「今年は★◎☀♫だ!」vol.7

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