松井周作・演出、白石加代子出演、KAAT キッズ・プログラム 2022『さいごの1つ前』開幕 !
KAAT 神奈川芸術劇場では、2011 年の開館以来、現代の舞台芸術シーンを先導するアーティストとの新作創作や、良質な海外作品の招聘等、おとなもこどもも楽しめるキッズ・プログラムを上演してきた。
本年は2作品で、7月に上演された『ククノチ テクテク マナツノ ボウケン』に続いて、作・演出を、本作で自身初のキッズ・プログラムとなる松井周が手がけ、日本演劇界を代表する俳優・白石加代子が主人公を務める、キッズ・プログラムとしては異色ともいえる『さいごの 1 つ前』が、8 月 10 日に開幕した。
白石演じる主人公が、天国と地獄の分かれ道で、生きていた頃の記憶をさがす物語となっている。
【コメント】
松井周:作・演出
子どもたちがとても真剣に、そして楽しそうに観てくれていて、とてもよかったです。
戯曲にも子どもたちとやりとりするところがあって、そこは半分白紙状態のようにしていましたが、白石さんはじめ演者の皆さんが客席を丸ごと包み込む勢いで楽しそうに演じてくれていて、自分の想像を超える舞台になっていました。
子どもが冒険する、ちょっと知らない世界に足を踏み入れることは、ちょっと怖かったり、わくわくしたりする。そういう気持ちが客席にあると、自分もそういう気持ちになって、また新たに冒険しようという気持ちになりました。
半分の世界を俳優が創って、残りの半分を観客が創っている、まさにライブのようになったこともよかったです。物語を書いた私自身が、こんな物語だったっけ、と新しい物語を発見しているような気持ちにもなりました。
コロナ禍で初日を迎えることができたことは奇跡のようなことで、皆さんのおかげだと感謝しています。
コロナであれもしてはいけない、これもしてはいけないという中で、劇場に行って異世界に冒険することを楽しんでほしいと思います。
白石加代子:カオル役
今日はたくさんのお子さんに観ていただいたことをとても感謝しています。
子どもたちと一緒に一つの空間を立ち上げることは初めてです。舞台に立って、子どもたちの姿が見えるととても元気をもらいます。
舞台は、自分で発電機のように元気を出していくものですけれど、客席から大好きなお子さんたちの笑い声を聞くことができ、心身をくすぐっていただいたような楽しい経験でした。
記憶の薄くなった人と、その人を元気づけようとしてあの世とこの世の境目で話をする言葉は、意識のとっても不思議な所へ入っていくようなセリフで、大人も考えさせるような内容ですけれど、何かを潜り抜けて助け合いたいという気持ちは、子どもたちにもしっかりと伝わったと思いました。大人にも子どもにも届く作品だと思います。この舞台がどういう風に子どもたちの心の中に残って、大人になってから思い出してどんな風に感じるか、とても楽しみです。
今日は KAAT の舞台ですごい宝物をいただきました。たくさんのお子様と大人の方に観ていただきたい作品です。
【公演情報】
KAAT キッズ・プログラム 2022
『さいごの1つ前』
作・演出:松井周
出演:白石加代子
久保井研 薬丸翔 湯川ひな
●8/10~21◎KAAT 神奈川芸術劇場<大スタジオ>
〈料金〉おとな 4,500 円 こども[4 歳~高校生] 1,000 円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉 チケットかながわ 0570-015-415(10:00-18:00)
https://www.kaat.jp
〈公式サイト〉 https://www.kaat.jp/d/saigono_hitotsumae
【撮影:宮川舞子】
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