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滝沢秀明演出、京本大我主演&音楽『流星の音色』制作発表会見レポート

『エリザベート』、『ニュージーズ』など海外ミュージカル出演を重ね、躍進を続けている京本大我(SixTONES)が主演と音楽を担当し、滝沢秀明が初のミュージカル演出を手がけるオリジナルミュージカル『流星の音色』が、8月2日~17日東京・新橋演舞場で上演される(のち、8月21日~28日名古屋・御園座、8月31日~9月4日京都・南座、9月8日~9日広島・広島文化学園 HBGホールで上演) 。

オリジナルミュージカル『流星の音色』は一年に一度だけ橋が架かる二つの星を舞台に、はじめての恋とそれによって引き起こされる思いがけないドラマを描く、京本大我新橋演舞場単独初主演となる新作ミュージカル。これまで『滝沢演舞場』『滝沢歌舞伎』などで、新橋演舞場で躍動してきた滝沢秀明が、映画『るろうに剣心』舞台『行先不明』など多くの作品で脚本を担当している藤井清美とタッグを組んでミュージカル初演出に挑み、音楽に『Endless SHOCK』『17AGAIN』などの話題の舞台、ミュージカル作品で音楽監督を務める長谷川雄大が参加。主題歌ほか挿入歌の作曲も担当する京本はじめ、豪華キャストが揃った作品を強力に紡いでいく。

そんな舞台の制作発表記者会見が7月16日都内で開かれ、キャストを代表して主演の京本、元宝塚歌劇団雪組トップ娘役として活躍し、退団後も高い歌唱力で次々にミュージカルの舞台に出演している真彩希帆、光GENJIの元メンバーで現在俳優として活躍する内海光司、日本ミュージカル界のディーヴァとして常に大きな存在感を放ち続ける新妻聖子、製作の松竹株式会社山根成之が登壇。公演への抱負を語った。

内海光司 新妻聖子 京本大我 真彩希帆

【登壇者挨拶】

山根 この作品は長年『滝沢歌舞伎』など斬新なエンターテイメントを続けていらっしゃいました滝沢秀明さんがはじめてミュージカルの演出に挑まれる作品でございます。脚本は松竹作品ではすっかりおなじみになりました藤井清美さんにお願いしております。主演はSixTONESの京本大我さん。京本さんはミュージカル作品に数多く出演されていらっしゃいますが、今回は主演と同時に音楽も担当されるということで、主題歌をはじめ劇中歌の作詞・作曲を手がけていただいております。ヒロイン役には宝塚の娘役トップでいらっしゃいました真彩希帆さん。そして光GENJI解散後は多彩な活動をしていただいております内海光司さん。それからミュージカル界で大活躍の新妻聖子さんと非常に魅力的なキャストにお揃いいただきました。この作品には原作がございませんので、STORYも世界観も扮装も音楽も全部日本人のスタッフで一から作り上げる、言うなれば本当にオリジナルのミュージカルでございますので、滝沢さんの指揮の下エンターテイメント性あふれる宝石箱のようなミュージカル作品になると思います。どうぞ皆様ご期待いただければと思っております。よろしくお願い致します。

京本 本日はお足元の悪い中、お集まりいただきありがとうございます。新作ミュージカルということで、僕にとってもなかなか珍しい経験ではあるのですけれども、今回は出演だけでなく、音楽にも携わらせていただくということで、それにあたり一年以上前、制作の段階から関わらせていただいていて、その分思い入れも強いですし、やっとこうして来月皆さんの元に届けられる日が来るんだということがずっと待ち遠しい思いをしていたので、本当に嬉しく思います。ほかにもこんなにも素敵なキャストの皆さんに集まっていただき、毎日の稽古も本当に刺激的にやらせていただいているので、皆さんに今までとはまた違うミュージカル、僕たちの作るこの作品の魅力を届けていきたいと思っています。

真彩 ヒロインのシルウァ役を演じさせていただきます真彩希帆です。オリジナルのミュージカルということで、本当にいろいろなお話あいをしながら、こんな風にやったらいいかな、あんな風にやったらいいかなと、ひとつひとつ丁寧に、演者の皆さんとやっている刺激的な毎日です。まだ自分のなかでは、どんな風にこの役を作っていくかは初日の幕があくまでの戦いなのですが、きっと良いものとして皆様のところにお届けできると思っておりますので、是非楽しみにしていただけたらと思っています。

内海 この度、京本大我くんのお父さん役をやらせていただきます、「京本政樹」です。よろしくお願いします!(爆笑)

京本 違いますよ!

内海 言えって言ったじゃない!(笑)

京本 言ってないですよ!(笑)

内海 父の名前出してって!(笑)

京本 いえいえいえ、ありがとうございます(笑)

内海 僕はストレートプレイばかりやってきてミュージカルは久しぶりなので、1カ月前からバレエ教室に通って備えていました。この『流星の音色』という作品はファンタジー作品なので、その世界観を大事に、一つひとつ丁寧にお稽古している真っ最中です。見てくださった方々に夢を届けられるような、そんな作品にしていきたいと思っています。

新妻 山の星の女王・フローラーリア役を演らせていただいております。シルウァの母という役どころです。内海さんは先ほど、「今日は何も面白いこと言わないからね」と言っていたのに、今日一番の爆笑をさらっていったのでさすがだなと思っております(笑)。オリジナルミュージカルということで、とても素敵なファンタジーになっております。七夕伝説をベースにまるでロミオとジュリエットのような、苦しい切ない恋が描かれており、我々保護者二人は、次の世代にどのような形で未来や夢を託していけるのか、という部分を担っておりますので、大人の方にも楽しんでいただけるようなものを背負いながら、しっかりとお稽古していきたいと思っておりますので、本番を楽しみにしていただけらと思います。

【質疑応答】

──京本さん今日はちょっと緊張されていますか?

京本 そうですね!こうして並んで会見させていただくのも初めてで。いつもメンバーの後ろに隠れて乗り切っているので(笑)。今日は座長をしなければならないということで、プレッシャーを感じています。

──今回は音楽も担当されているということですが、具体的にいまどういうことをされているのですか?

京本 一年ほど前からテーマ曲の制作に携わらせていただいて、ミュージカルなので同じメロディラインを使ったリプライズものだったり、アレンジものだったりというものが作品に登場するので、全部で7曲近くの作詞・作曲をやらせていただきました。今は稽古に入ったので、どちらかというと出演側の立場でやらせてもらっていますが、やりながらも変更は出てくるもので。台本の変更によって歌詞にも変更の必要が出ますし、演出の変更によって矛盾してくるところなどを修正する作業などを並行してやらせてもらっています。

──7曲分の作詞・作曲がもうできているということですか?

京本 そうですね。もう通し稽古なども始まっていますので曲自体は完成しています。この先、ちょっとした細かい修正などは出てくるかもしれませんが、曲の形としては完成しています。

──楽曲制作は、どれくらいの期間でできたのですか?

京本 これは本当にウソみたいな話なので、言うのも恥ずかしいのですが、滝沢くんと今回の舞台についてメールでやりとりをしているときに、突然「大我、今回の舞台で音楽もやってみたら?」と言っていただいて。僕も音楽を作るのはとても好きなので、「ぜひ担当してみたいです」と即答しましたら「じゃあ、なるべく早くテーマ曲を仕上げてほしい」とメールをいただいて。そのときちょうど僕、家にひとりでいて、なんとなくお酒を嗜みながら、じゃあいま遊び半分で作ってみようかなと思って、メールをいただいた夜にピアノを触ってみたら、意外とすんなりといい感じのワンコーラスができて。そのピアノの弾き語りをそのままボイスメモで録って滝沢くんに送ったところ、「これでいこう!」との言葉をいただいたので、音楽担当が決まった日に、テーマ曲も決まりました。そこから詞を書くという部分は、やはり台本が出来上がってからでないとストーリーが細かくわからなかったので、詞の制作は今年の春頃から台本を読み込みながら、作らせていただきました。

──共演者の皆さんはその楽曲を聴いてどういう印象を持たれましたか?

真彩 私はこの曲でデュエットなどもさせていただくのですが、一番に思ったのは、京本大我さんという方のお人柄というか、やはり人が作り出すものにはその人の心が出るものだと思っていますので、とても美しい曲を聞いて、「あ、こういう曲を書く人なんだな」ということが最初の印象でした。実際に歌ってみると、ソロで歌う部分とデュエットで歌う部分でまた表情が違って、今はまだそれを作っている段階ではあるので、この先さらにお芝居を作り込むとどう変化していくのかがすごく楽しみです。

新妻 私の演じる「山の星」の側の楽曲部分は、大我くんが手掛けていないパートなのですが、大我くんが書かれたものは本当にいい曲です。私もこういうプロジェクトに参加するのが初めてで、今回音楽担当には長谷川(雅大)さんと大我くんがいらっしゃって、いろいろな組曲を編曲して、ひとつのミュージカル作品に仕上げていく。曲ごとにコンポーザーが違うというミュージカルも初めてで、「こういうアプローチもあるんだ!」と。それをひとつのお芝居にぎゅっとまとめていくのが役者の役割でもあるのかな、と今回新たな課題に直面しながらやっています。いかんせん「海の星」と「山の星」って、物語の中ではいっさい交わらないんですね。その中で唯一交わるこの若いカップルの特別さが際立つ演出になっているので、稽古場ではなかなか「海の星」と「山の星」は、お互いをうかがい知ることができないので、今度初めて通し稽古がありますから、そこで曲を聞かせていただいたらまた新たな感想が出るかなと楽しみにしています。

内海 とてもバリエーション豊かな曲ばかりで。特に王様をイメージした曲は、ロック調、完全なロックで。そういうのもありかなと思ったり、僕が感じたのは、彼はすごくロマンチストだなということですね。曲を聴いているとそれがイメージとして伝わって、彼が持っている優しさや透明感みたいなものが感じられる気がしますね。通し稽古はまだなので、そこではまた違う感じで聴こえそうなのでそれも楽しみにしています。

──どういうところがロマンチストですか?

内海 佇まいと言いますか、繊細さというところも含めて。(京本に)結構シャイでしょう?(頷くのを見て)シャイだよね!僕も結構人見知りなので、その辺の気持ちがちょっとわかるんですけど、お芝居になると相手の目をちゃんと見ていますから、自分の芯がしっかりしているんだなと感じますね。

──今回が初共演ということですよね

内海 そうですね。

──滝沢さんの演出も初めてですか?

内海 そうですが、大我くんの舞台やライブステージは何度か見せていただいていて、キラキラしたアイドルだなと思っています

──真彩さんは新妻聖子さんが憧れの人で、やはり初共演と伺いましたが。

真彩 夢は叶うなと。しかも私のお母さま役というところが、ミュージカルの世界を目指してきてからの、ご褒美をいただいたという気持ちです。歌声だったり、お芝居の作り方だったりを、こんなに間近で勉強させていただけることに胸がいっぱいですし、少しでも新妻さんから何かいただけたらなと思っています。娘の役なので自然と見つめてつかめたらいいなと思うのですが、今はひたすら見て、聴いて、研究して、勉強させていただいています。

──新妻さんは「お母さま」としては少しお若いのでは?

新妻 滝沢さんから言われたのは、この星は地球ではないし、現代を生きる私たちとは少し違うという設定なので、あまりリアルな時間軸の中で親子の年齢差を意識しすぎないようにとアドバイスをいただいています。でも真彩さんの真っ直ぐな瞳で見つめられると、私も思わず「産んだのかな?」と思うくらい愛しくて。この間の親子のシーンのお稽古の時も、思わず気持ちが入って、涙で歌えなくなってしまったぐらいで、楽しく稽古させていただいております。

──では、京本さんにとって「内海お父さん」はいかがでしょうか。

京本 そうですね、こうして本格的にご一緒させていただくのは初めてで、僕も稽古に入るまでは、「どんな方なんだろう」と緊張していた部分もあったのですが、ムードメーカーと言ったら失礼かもしれませんが、現場をとても明るくしてくださる方で。何よりおしゃれです。稽古着や私服、ちょっとした小物のアイテムなどもとてもおしゃれで。後輩も二人出演しているのですが、その子たちにも休み時間になると気さくに話しかけてくださっていて。内海さんがいなかったら僕だけではとんでもないことになっていたなと思うので、とても助けられています。

内海 今のところは、太字で書いておいてください(笑)。

──内海さんは今回、京本さんの「お父さま役」をされていいますが、京本政樹さんを意識されることはありますか?

内海 え?どうなんだろう(笑)。でも、今回共演するずっと前の話なのですが、京本さんの舞台を観にいかせてていただいた時に、楽屋で少しだけお話させていただいたことがあるんです。そのときに、「うちの大我、頼むね」って言われたんです。でも当時は接点もありませんし、ほぼ会わないし、と思っていたのですが、こうしていま共演させていただいているのには不思議なご縁を感じますね。

──滝沢さんの初のミュージカル演出作品に主演する心境は?

京本 滝沢秀明くんとは『One!』という舞台、滝沢くんの半生を描く作品で、日生劇場での舞台だったのですが、そこで滝沢くんの少年期役をやらせていただいたのが僕の初舞台だったんですよ。そういうご縁もあり、そこから『滝沢演舞城』だったり、『滝沢歌舞伎』だったりに、約7年にわたり出演させていただく機会がありまして、そこで女形だったり、時代劇のシーンもいただいたり、歌唱シーンもいただいたり、色々なチャンスをいただいて。自分としても舞台人としても経験を積ませていただいたので、滝沢くんには感謝しかなくて。今『滝沢歌舞伎』はSnow Manが引き継いでいますけれども、僕もいつか滝沢くんに「恩返し」というにはまだ早いかもしれないですけれど、滝沢くんとまた、できればずっと経験を積ませていただいていた新橋演舞場で、自分が座長として大きく戻ってこられたらなという夢をぼんやりと描いていたなかで、こんなに早く新橋演舞場で、滝沢くんの演出で舞台に立たせていただけることが、すごく光栄なことというか、僕としてはめちゃくちゃびっくりしたことでした。滝沢くんには『少年たち』やほかの作品でもたくさん演出していただいていますけれど、 今回稽古場でより滝沢くんの信頼感というか、間違いなく導いてくださるので、その安心感のもとやらせていただいていて、毎日稽古を積んでいます。この作品の魅力だったり「これは間違いなくみなさんにきゅんきゅんしていただける作品になるな」という確信が日に日に増しております。

──テーマ曲はすぐに出来たとのことでしたが、今の修正作業も含めて全体的には苦労していますか?それとも湧いて出てくる感じでしょうか?

京本 本当に期限を決めていただかないとやれない人間で(笑)。テーマ曲はすぐにできてしまったので、そこでちょっと調子に乗ってしまったというか、「余裕じゃん!」みたいな感じで そこからの制作がちょっと滞っていたんですけど。他の曲だったり、他の歌詞だったりというのは、今年の春頃、5月前後には仕上げてほしいと言われまして。グループとして上半期はツアーをやらせていただいていたのですが、家だとどうしても作詞作曲がはかどらなかったので、ツアーに向かう道中というか、新幹線の中だったり飛行機の中で、イヤホンで曲を聴きながら歌詞を書こうと思って。その7曲の歌詞を移動中に書き始めたんですけど、帰り着くまでの約2時間半くらいの間で3、4曲の詞が仕上げられたりもして。自分としての言葉じゃないからこそ、「リーパ」という僕が演じる役として書くからこそ、ちょっと俯瞰的に詞を見られたり、逆にすごく感情移入して書けたりして。書き始めるまではすごく腰が重かったんですけれど、はじめてみたらすごくすらすら書ける瞬間もあって。それは僕にとってとても貴重な経験でした。

様々な質問に答えるなか、会見は和やかに終了。公演への期待を高める時間となっていた。

【公演情報】
オリジナルミュージカル『流星の音色』
演出:滝沢秀明
脚本:藤井清美
音楽:京本大我 長谷川雅大
出演:
京本大我(SixTONES)
真彩希帆
内海光司
新妻聖子 ほか
●8/2~17◎東京・新橋演舞場
〈料金〉1等席14,000円 2等席9,500円 3階A席5,500円 3階B席3,000円 桟敷席14,500円
●8/21~28◎名古屋・御園座
〈料金〉S席14,000円 A席9,500円
●8/31~9/4◎京都・南座
〈料金〉1等席14,000円 2等席9,500円 3等席5,500円 桟敷席14,500円
●9/8~9◎広島・広島文化学園 HBGホール
〈料金〉S席14,000円 A席9,500円
〈公式サイト〉https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/202208_enbujo/

 

【取材・文・撮影/橘涼香】

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