つかこうへい演劇祭ー没後10 年に祈るー第三弾 蒲田行進曲完結編『銀ちゃんが逝く』公演中止と「追悼イベント」開催のお知ら
本年7 月10 日に没後10 年を迎える劇作家つかこうへい。その作品を上演する演劇祭は、今年1月の新国立劇場『飛龍伝2020』をオープニングに、7月4 日~27 日の第三弾 蒲田行進曲完結編『銀ちゃんが逝く』公演で、エンディングを迎える予定だった。
だがコロナウイルスの影響を受け、出演者、スタッフ、観客の安全を第一に考慮した上で、演劇祭の制作の継続が困難であると判断し、公演の中止を決定した。
しかし、演劇公演ではない形でも、演劇の火を灯し続けることはできるのではないか…?という考えのもと、つかこうへいの命日にあたる7月10日から3日間、紀伊國屋ホールにて「つかこうへい没後10年 追悼イベント」を行うことを予定している。
主演の銀ちゃんこと倉岡銀四郎には、本年度フジテレビ新春ドラマ「教場」で鮮烈な輝きを放ち、今、最も注目される舞台俳優、味方良介。
ヒロイン小夏には、昨年、日本青年館での『フラガール』の主演で高い評価を受け、今春乃木坂46を卒業、女優として今回の公演が卒業第一弾となる井上小百合。
そして、銀ちゃんのために命をかける大部屋俳優ヤスには、2.5 次元俳優の中でも異色の光を放ち、屈指の演技派と呼ばれる植田圭輔。
この3人が「追悼イベント」にも出演する。
つかこうへい没後10年追悼イベント「朗読 蒲田行進曲完結編『銀ちゃんが逝く』」
このイベントは「リモートによる稽古で、向き合わず、俳優のエネルギーを伝えあう演劇」に挑戦する。
●密閉された稽古場を使用せず、リモートで互いの演技を伝え合うという手法で稽古し、出演者同士の感染を防ぐ。
●劇場では、演者と観客との距離はもちろん、観客同士の間隔を空けて、観客数を半分以下に動員規制する。
●上演時間を1時間以内に設定するために、1本の作品を2部構成に分け、客席を1時間ごとに入れ換えることで換気を徹底し、観客の安全を確保する。
●各所の消毒やマスク着用、次亜塩素酸水の噴霧などの通常の対策は、徹底する。
など、「新しい様式」の公演を実験的に披露する。
【蒲田行進曲とは】
つかこうへいの代表作『蒲田行進曲』は1980 年紀伊國屋ホールで発表された。同年第15 回紀伊國屋演劇賞を受賞。その後、小説として第86 回直木賞を受賞、1982 年映画化され、第6 回日本アカデミー賞を独占した傑作中の傑作である。そして1987 年蒲田行進曲の完結編として発表された『銀ちゃんが、ゆく』は1994 年舞台化され、1997 年新国立劇場小劇場の柿落とし公演として上演された。
【あらすじ】
「新撰組」の撮影が進む東映京都撮影所。
初の主演映画に意気込むスター俳優銀ちゃんが、子分の大部屋俳優ヤスに 自分の恋人小夏を押しつけることから物語は始まる。小夏は妊娠しているのだ……。
ヤスは銀ちゃんに見せ場を作り、小夏のお産の費用を稼ぐために、 危険な「階段落ち」に挑戦する。
しかし、ヤスが命をかけて生まれた娘のルリ子は、不治の病に冒されていた。そして小夏も、心の底からヤスを愛することはできなかった。
銀ちゃんは、自分の貧しく卑しい生まれの血のせいでルリ子が病気になってしまったのではないかと苦悩する……。
そして、新たな「新撰組」の撮影が始まる。
銀ちゃんは「俺の命と引き換えに娘の命を助けてくれないか」と祈る様な気持ちで一世一代の「函館五稜郭の石階段落ち」に挑む。
果たして銀ちゃんの祈りは、娘の病に打ち勝てるのだろうか?
【出演者コメント】
味方良介
こういった形での発表になり複雑な心境です。
誰もが望まない今のこの状況の中で、何が正しくて何がそうではないのかということは僕にはわかりませんが、
今の僕に出来ることはこの選択が全員にとって正しいと思うことです。
「人は幸せになるために生まれてきたのです。」これほど強く、辛い、そして優しいつかさんの言葉が今の僕の背中を押してくれます。いつかまた皆さんと熱く激しく優しい世界でお会いできる日を楽しみにしています。
井上小百合
日本の芸術文化や、エンタメ、人々の心の豊かさまで奪われていくことが、悔しくて仕方ないです。
しかしながら、自分にとっては新たな学びの機会を頂いているような気もしています。
精一杯取り組む所存です。よろしくお願いいたします。
植田圭輔
今回、僕はつか作品に初めて挑戦させて頂く予定でした。
関係者の方々が、なんとか演劇を再開させようと努力されていることに心から感謝致します。
そして演劇を楽しみにされている皆さまのために、たとえ上演の形が変わろうと、いま自分ができるすべてをかけてこの作品に臨みたいと思います。
【公演情報】
つかこうへい没後10 年追悼イベント
朗読 蒲田行進曲完結編『銀ちゃんが逝く』
作:つかこうへい
演出:岡村俊一
出演:
倉岡銀四郎 /味方良介
小夏 /井上小百合
ヤス /植田圭輔
●7/10~12◎東京・紀伊國屋ホール
※今後の新型コロナウイルス感染拡大の状況により、イベント実施を含めて変更になる場合もございます。
また、イベント詳細・チケット販売等に関しては決定次第、公式サイト等にてお知らせいたします。
〈お問い合わせ〉 Mitt 03-6265-3201 (平日12:00~17:00)
〈公式サイト〉 http://www.rup.co.jp/
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