渡辺えり&八嶋智人のドタバタ珍道中『お染与太郎珍道中』いよいよ開幕!
渡辺えり&八嶋智人が喜劇初共演で贈る『喜劇 お染与太郎珍道中』が東京・新橋演舞場にて、2月1日、初日の幕を開ける。(17日まで。2月21日~27日には京都・南座で公演)。
『喜劇 お染与太郎珍道中』は、『与太郎めおと旅』という題名で昭和54年(1979)3月、明治座にて初演された。作家の小野田勇が稀代の喜劇俳優・三木のり平とタッグを組み、落語噺を中心に、さらに歌舞伎のエピソードも加え、大店の箱入り娘とその手代が繰り広げるドタバタ珍道中に仕上げた。
今回の主演は渡辺えりと八嶋智人。2人はさまざまな舞台や映像で、共演しているが、喜劇では今回初共演。渡辺えりは大店の箱入り娘お染、ドジでおっちょこちょいな手代の与太郎を八嶋智人が演じる。
その他の出演に、太川陽介、宇梶剛士、石井愃一、深沢敦、春海四方、石橋直也、三津谷亮、有薗芳記、一色采子、広岡由里子、あめくみちこ、そして西岡德馬と曲者ぞろいの豪華実力陣が顔を揃えている。
【あらすじ】
江戸時代、指折りの大商人、米問屋「江戸屋」にお染(渡辺えり)という箱入り娘がいました。
久兵衛夫婦にとっては一粒種の娘で、わがまま放題に育ち過ぎてのグラマー美女に。
蝶よ花よと、金にあかせての花嫁修業、お茶にお花、お琴に三味線、踊りに料理、更に手習いにと大忙し。
ついでの事に恋の手習いにも精を出して、お出入りの大名・赤井御門守の家中での美男の若侍・島田重三郎(宇梶剛士)と良い仲でした。
ところが、二人の仲を裂く悲しい出来事が起こります。
重三郎が京都藩邸へ転勤という事になったのです。
追い討ちをかけて、赤井家からお染を妾に差し出せとの無理難題を突き付けられました。
お染は、一つには赤井家から逃れるため、また一つには重三郎を追って、京へ旅立つ事になりました。
過保護で親馬鹿の久兵衛夫婦は、お染に付き人まで付けて京都に送り出す事に。その付き人に選ばれたのが手代の与太郎(八嶋智人)、ドジで間抜けでおっちょこちょい、先輩の番頭・同僚の手代・ずっと年下の丁稚小僧まで日頃馬鹿にされている頼りない人物ながら、すこぶるつきのお人好し、無類の忠義者で、年頃の娘と一緒に旅をさせても、間違いも起こらないというのが与太郎当選の理由ですので、男としてはだらしがない話です。
もっとも久兵衛もその点は抜かりなく、出入りの鳶の者、べらぼう半次(太川陽介)をこっそり見張り役で跡を追わせる事にしました。
かくて、お染・与太郎は表向きは夫婦という態を取り、五十三次の珍道中が始まるのですが、世間知らずの娘と頼りない手代の二人旅、騒ぎが起こらぬ訳もなく────。
【取材会見】
初日を前に新橋演舞場にて、渡辺えり、八嶋智人、太川陽介、西岡德馬が取材会見を行い、まずは挨拶から始まった。
渡辺 私の役はハタチくらいの、嫁入り前の江戸時代の大店のお嬢様です。振袖を着て、かんざしを付けています。私は今年 66 歳になったのですが、その役で全編通すというのは生まれてはじめて。ワガママな大店のお嬢様です。
八嶋 大店の丁稚の与太郎を演じます。少しボケたところがあって、みんなからも煙たがれていてもどこか憎めない。えりさん演じる大店の娘と幼馴染のような関係があって。江戸時代というヒエラルキーがはっきりしている中で、とぼけているがゆえにそれを飛び越えてお嬢様と仲良くしていて、道中を重ねていくうちにどうなってくのか・・・。面白おかしく、三木のり平さんがおやりになった役で恐縮しておりますが、丸い眼鏡も作ってみましたし、観ていただければ最後には明るい気持ちになって帰っていただけるのではないかと思っています。
西岡 お染と与太郎が珍道中する間に助けられたり、助けたりする役です。(古今亭)志ん朝さんがおやりになった落語の「柳田格之進」に出てくる、堅い堅い堅物の浪人の役です。あまりにも堅いので、私にはぴったりだなと思って(笑)。楽に楽に堅物をやらせていただきます。
太川 鳶頭で曲がったことが嫌いで短気。でもおっちょこちょい。愛すべきおっちょこちょいを演じられればと思います。
──渡辺えりさんと八嶋さんの二人の珍道中ぶりは?
西岡 このまんま。珍道中(笑)。稽古中ずっとこうでしたからね(笑)。
太川 ずっと稽古場でこんな感じで。八嶋さんがきつい冗談を言うと、えりさんが本気でムッとするんですね。結構まずい状態もありまして(笑)。あまり近づかないようにしていました(笑)。
──緊急事態宣言中ですが、初日を迎える気持ちは?
渡辺 この様な時期は精神的に落ち込むこともあると思うのですが、お客様の精神面を支えたいという気持ちが強くがあります。大声で笑ったり泣いたり感情を表現することで精神面が豊かになっていく。そのために劇場に集まって共有できるという幸せを感じています。
八嶋 最初の緊急事態宣言のときに学んだことがたくさんあって、エンターテインメントは人間らしく生きるために必要なことだと。ではどうすればできるのか、届けることができるのか。色々なガイドラインを学んだ上でこうして初日を迎えられるというのは、人間が人間らしく生きる強さなのではないかと思います。
西岡 病気を克服するには自己の免疫力。免疫力をあげるのは笑いがいちばん。科学的にも医学的にも証明されているのを信じていますので、「笑う門には福来たる」。大いに笑っていただいて免疫力を高めてほしいと願っています。
太川 直接お客様の前で芝居ができることはものすごく幸せです。いらしてくださる客様には感謝の心でいっぱいです。
【公演情報】
『喜劇 お染与太郎珍道中』
作:小野田勇(『与太郎めおと旅』より)
演出:寺十吾
出演:渡辺えり 八嶋智人
太川陽介
宇梶剛士 石井愃一 深沢敦 春海四方 石橋直也 三津谷亮 有薗芳記 一色采子 広岡由里子 あめくみちこ
西岡德馬
●2/1~17◎新橋演舞場
〈料金〉一等席12,000円 二等席8,500円 三階A席4,500円 三階B席3,000円(全席指定・税込)
※新橋演舞場は新型コロナウィルス感染対策として、総席数の49.8%に当たる708席での上演。
●2/21~27◎京都・南座
〈料金〉一等席12,500円 二等席7,000円 三等席4,500円 特別席13,500円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-489(10時~17時)
〈公式サイト〉https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/enbujyo_202102/
舞台写真©松竹
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