新トップスター楊琳東京お披露目公演!新橋演舞場OSK日本歌劇団レビュー夏のおどり『STARt』製作発表レポート!
2022年の劇団創立100周年に向けて更に勢いを増すOSK日本歌劇団の新トップスター楊琳の東京お披露目公演である、OSK日本歌劇団レビュー夏のおどり『STARt』が8月5日~8日、新橋演舞場で上演される。
OSK日本歌劇団レビュー夏のおどり『STARt』は、2019年OSK日本歌劇団『STORM of APPLAUSE』でのダイナミックなステージが記憶に新しい、平澤智の作・演出・振付によるOSKにとっては異例とも言える洋舞レビューの2幕もの。新トップスター楊琳、新娘役トップスター舞美りら、千咲えみが揃う新たな時代の「START」。三人をはじめとして綺羅星の如く揃うOSKの「STAR」。そして魅力的なステージに必要不可欠な「ART」とそれぞれの言葉を『STARt』に集約。既に6月大阪松竹座で上演されたステージにはラインダンス、オールドミュージカルメドレー、コンテンポラリーな群舞に加え、コメディータッチのシーン、前トップスターで特別専科に異動した桐生麻耶との魂のバトンリレーにも似た場面も用意されるなど、新トップスター楊琳が全場面に出演する熱気あふれるステージが展開されていた。
そんな作品の東京・新橋演舞場公演に際して、7月都内で製作発表記者会見が行われ、OSK日本歌劇団トップスター楊琳、娘役トップスター舞美りら、千咲えみ、松竹株式会社専務取締役山根成之が登壇、公演へ向けての熱い思いを語った。
【登壇者挨拶】
山根 このような状況の中お集まりいただきましてありがとうございます。大変な世の中ではございますが、松竹の演劇はそれでも頑張って行きますので、どうぞよろしくお願い致します。新橋演舞場で8月5日から8日まで日本OSK歌劇団レビュー夏のおどり『STARt』と題しまして、OSK日本歌劇団の公演をさせていただくこととなりました。松竹では何度かOSKさんの公演を応援させていただいているのですが、今回は特別でございまして、と申しますのがお隣にいらっしゃいます楊琳さんトップスターのお披露目公演ということで非常に大切なものでございます。OSKは2004年から新体制になられまして、その時代を共に歩んだはじめての若いトップスターということになります。OSKさんにとりましても非常に歴史的な公演になると思っております。その楊さんと娘役のトップスターお二人、舞美りらさんと千咲えみさんのお三人で今日は会見をさせていただきます。公演の内容なのですが、非常にダイナミックな構成で評判の振付家・平澤智先生に今回もお願い致しまして、OSKさんの得意のラインダンスですとか、デュエットダンスなど色々ございますが、それ以外にもコンテンポラリーなダンスや、コミカルなシーンなど新しい魅力も取り入れた公演になっておりまして、洋舞のレビューの二本立てが初めてということでもあって、今皆さんの意気もあがっていらっしゃるので、とても良い公演になると思います。どうぞ皆様この公演が成功しますようにお力添えいただけましたらと思います。どうぞよろしくお願い致します。
楊 皆様本日はこうしてたくさんお集まりいただきありがとうございます。この度私、 前トップスターの桐生麻耶よりトップのバトンを引き継ぎ、4月1日より新トップ楊琳として就任致しました。そして私たちOSK日本歌劇団は来年創立100周年を迎えます。何よりも観に来てくださるお客様の為に劇団員一同団結して、今後に向かって歩んで参りたいと思います。精一杯頑張りますのでどうぞよろしくお願い致します。そしてこのコロナ禍の中でレビュー夏のおどり『STARt』の上演を決めて下さった松竹株式会社様、いつも温かく見守ってくださりありがとうございます。この場を借りて御礼申し上げます。今日は皆様に夏のおどり『STARt』とOSKについてたくさんお話させていただきたいので、どうぞよろしくお願い致します。
舞美 本日は暑い中、またこのような状況下の中、お集まりいただきありがとうございます。 楊さんがトップスターに就任され、OSKも新体制となりました。私も心を新たにスタートが切れますよう心を込めて、気持ちを込めて挑みたいと思います。本日はどうぞよろしくお願い致します。
千咲 本日はお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。私は東京生まれ、東京育ちでございます。OSK日本歌劇団の研修所に入所するまでは東京で育ちました。ちょうどOSKをはじめて観たのが今から10年前で、当時は東京公演がなく、私も大阪松竹座まで出向いておりました。ですが今は松竹さんのお力をお借りして毎年こうして東京公演が実現できていること大変幸せに感じております。来月8月夏のおどり『STARt』もたくさんの方に感動とエネルギーと色々な力をお届けして、多くの方に喜んでいただけたら嬉しいと思います。今日はよろしくお願い致します。
【質疑応答】
──楊さん新トップスターとして今の気持ちをお聞かせ下さい。
楊 新トップに就任させていただいて、来年創立100周年もトップとして迎えるということで、ただならぬ責任を感じております。ですがその責任感に押しつぶされずに、どれだけOSKの魅力を発信できるか?ということに集中して全身全霊でまっとうしたいと、いま感じております。
──これからのOSKをどのように引っ張っていきたいと考えていらっしゃいますか?
楊 本当に魅力的な劇団員がたくさんいるので、私だけではなく、色々な劇団員を知っていただけるように、そしてもっともっと色々なところでOSKの名前を知っていただける、認知度を高めて、全国で、そして夢は大きく語った方が良いと思いますので、世界での公演ができるように、劇団員一同フルパワーで頑張って参りたいと思います。
──二部とも洋舞レビューということですが、その構成についてと見どころをお聞かせ下さい。
楊 二部とも洋舞というのは初めての試みですので、最初は「体力が持つのかな?」などの心配もあったのですが、大阪松竹座で上演させていただいて、結構二部とも洋舞というのも楽しんでいただけるんだなという手応えを感じました。ですから8月の新橋演舞場の東京のお客様にも楽しんでいだたけるように更に、更に頑張っていきたいと思っています。見どころは先ほども言っていただいたようにコメディーやコンテンポラリーもあり、もちろんOSKと言えばと言っていただくラインダンスも見どころのひとつで、全てがちゃんと盛り込まれているので、迫力満点のみどころだらけのレビューショーになっていると思います。しかもみどころだらけのなかで、良い具合に息抜きも入っていて、カジュアルに楽しめる作品になっています。観劇を迷っていらっしゃる方にも、是非ご覧いただきたいと思います。よろしくお願い致します。
舞美 この状況下だからこそという場面がオープニングに盛り込まれていまして、平澤先生はメッセージ性のあるものをいつも作ってくださるのですが、今回とてもストーレートにダイレクトに作ってくださっているので、その部分もお客様に観ていただいて、一緒に感じていただけたらと思います。
千咲 楊さんも盛りだくさんとおっしゃっていましたが、ひと作品で何作品も観たような感覚を味わっていただけるのではないかなと思うほど、一景、一景、一場面、一場面が大きなものになっていると思います。皆さんが知っていらっしゃる曲もたくさんあるので、そういう意味でも楽しんでいだたけるのではないかと思っております。
──100周年に向けてこうしていきたいという思いをお聞かせ下さい。
楊 100周年に在団できているというのは奇跡に近いですし、一方でいまのコロナの状況下もまさかというものなのですが、その中で100周年が迎えられる。それにあたって私がいつも思っているのは100周年がゴールではないんだよ、ということを常に心の中においています。今回の公演もスタートですが、100周年は更に大きなスタート、これから先へとどんどん受け継いで、バトンを引き継いでいけるように、もっともっと自分としても、劇団としても体力をつけていかなければいけないなと感じております。110年、120年、150年と、ずっと続いて色々な方の夢をかなえられるようなそんな存在であり続けたいなといま思っております。
舞美 今回の『STARt』の二部に「1922年からのバトン」という歌詞があるのですが、その時から関わって下さった先輩方、全ての皆様の思いを受け継ぐことが私の責任であると考えております。私自身一人の思いというよりも、全ての方々の思いも背負って舞台に立つことが私にできることですし、それを私だけではなくて、劇団員皆が感じてくれたら嬉しいなと思っております。
千咲 劇団が100年続くというのはとても凄いことなんだなと私はずっと思っているのですけれども、楊さんもおっしゃっていたのですが、自分がこの100周年に在団していることも、言葉が相応しいかどうかわからないのですが、とても強運だなと思っています。来年100年の時に在団している全劇団員がその強運の元に生まれているので、その全員が集結した舞台は本当にパワフルなものになると感じております。ですから責任ある立場として精一杯舞台を務めて、また今後たくさんの方に観ていただける、そのきっかけとなったら良いなと思っております。
──前トップスターの桐生さんから託された言葉、どんなトップスターになって欲しいかなどがありましたら教えて下さい。
楊 「自分らしく笑顔を絶やさずに頑張って」という言葉をいただきました。ですからどんな風にと言うのは、たぶん桐生さんも望んでいらっしゃらないと思います。常に自分らしくと言っていただいていたので。とは言え私らしくというのはまだ模索中なのですが、「笑顔を絶やさず」というのはすごく印象に残っていて、その通りだなと思っています。やはり笑顔ってすごく力がありますし、悲しい顔よりも笑顔を見たいじゃないですか。そこはすごく気をつけています。
──OSKの魅力を発信したいとおっしゃいましたが、お三方が感じているOSKの魅力は?
楊 生命力です。OSKは紆余曲折があり、波瀾万丈の劇団なのですが、その時々、その節目、節目で劇団員の先輩方の生命力、根性と言いますか、生きる力が発揮されて今日ここに至るので、私たちの劇団の源はとても強い生命力、パワーだと思っております。なのでOSKが、言葉が適切かどうかわかりませんが、色々な方のパワースポットになれたらなと思っております。この生きる力を観て頂きたい!その力を売りにしていきたいと思います!
舞美 ずばりダンスです。ダンスと胸を張って言いたいという思いもありますし、観てくださっている方からも「さすがダンスのOSKだね」と言っていただけるように日々精進を重ねて参りたいと思っておりますので、やはりダンスは大切にしていきたいと思います。
千咲 私もその魅力に憧れて入団したのですが、やはりレビューの素晴らしさ、いま全世界の人がきっと、歌やお芝居や踊り、華やかさというものを求められているのではないかなと思っております。100年前から作っていて、どんどん今の時代にあったものを先生方が作ってくださいますから、新しい作品にはなっていると思いますが、昔から続いているレビューの伝統というものも伝えていきたいなと思っております。
──大阪公演での感想はいかがでしたか?
楊 6月は大阪で緊急事態宣言がありまして、土日は公演できず平日のみの公演となっていました。ですが正直申しまして幕が開けられるのだろうか?という気持ちもありましたので、まず上演できたことが本当に嬉しかったです。そんな中で平日のみの2回公演、やはり土日しかご覧になれないお客様もたくさんいらした中でも、平日に頑張って時間を工面して観にきてくださる方達がいらっしゃる。自分が思っていた以上にたくさんのお客様がいらしてくださったことに本当に感動しました。ですから自分でこの作品を上演してみてどうだった?というよりも、観に来てくださるお客様がいらっしゃることがここまで嬉しいことなのかと再認識致しました。本当に嬉しくてお客様にも感謝の気持ちでいっぱいになりました。ですから新橋演舞場で土日も上演できることが本当に嬉しいですし、平日二日間も上演できることももちろん嬉しいです。このような状況の中で、こうして記者会見もできて、上演もできる、こんな贅沢があっていいのかなと思うほど、嬉しい気持ちでいっぱいですので、全身全霊、命燃やして頑張ります!
舞美 私も松竹座の舞台に立てることがまず奇跡のようで、感謝の言葉でいっぱいでした。私はダンスが本当に大好きで、今回色々な場面に出させていただいているので「踊ってる!生きてるな!」と思いながら毎日過ごしておりました。いままでも精一杯やってはいたのですが、いまもう一度見直すと、ここはこうしたかったな、今度はもっとこういう風に踊りたい!というものがいくつもいくつも思い浮かぶので、今から新橋演舞場の舞台に立ちたくてうずうずしている、そんな状況です。
千咲 大阪松竹座を経て、舞台の幕が上がって、お客様がいらして、初めてこの公演が完成したと言いますか、はじまったんだ!というのが一番でした。お稽古中に私がちょっと悩んでいることがありまして、演出の平澤先生にご相談にいった時に「大丈夫だよ!お客様が入ったら自然に正解がわかる」と言っていただき、幕が上がったら本当にその通りだな!と。反応も直に感じられますし、当たり前のことでもあるのですが、お客様がいらっしゃるから舞台って成り立つんだな、と思ったのが大阪での感想でございます。ですから新橋演舞場も一人でも多くの方に観ていただけたらと思います。
──1幕のラストはOSKがこれまで挑戦したことのないダンスだそうですが、お三方にとってどういうところが一番挑戦でしたか?
楊 私は今回全景全場面に出させていだたいたので、そこは挑戦でした。場面場面で作りあげるものの色が全然違うので、そこを如何に自分の中でチェンジできるか。さっきの場面に出ていた楊琳じゃない楊琳を次の場面でご覧いただけるか?というのは自分のなかでの挑戦でした。
舞美 いまお話しいただいた1幕ラスト、コンテンポラリーの中での私の挑戦と致しましては、いつもOSKは群舞をご好評いただいていて、全体美として揃えることを追求することが多いのですが、今回は平澤先生も揃えることに重きを置くのではなくて、自分がどういただいた振りを捉えるか、自分が感じたものをそのまま表現して欲しいとおっしゃられていて。その景も、振りを自分がどう表現するかをとことん追求したいと思って、私はちょっと囚われてしまうところがあるのですが、自分の心を解放してそのナンバーに乗せて表現できたらなと思っていますので、そこは挑戦だなと感じています。
千咲 私個人の挑戦と致しましては、1曲丸々英語の歌を歌っていて。本当に個人的な挑戦なのですが、なかなかOSKで1曲全て英語の歌詞でということは、なくはなかったと思いますが、たぶん今まで少ないんです。それをさせていただいたことによって、丸々1曲英語で良いのだったら、日本の方以外の海外の方にも伝わることが今後あるんだろうと思って。ですから英語の歌ももちろんですが、色々なことに挑戦していきたいと思いました。
──では最後にお客様へのメッセージをお願いします。
千咲 8月の夏の暑さに負けない、熱い、熱い、舞台になっていると思います。いまこのような状況下ですが、多くの方に観ていただいて、皆さん日頃色々と我慢していることや気持ちを、そのひとときだけでも忘れていただけるそんなパワフルで明るい作品になっていると思います。限られた4日間ではございますが、全身全霊で舞台を務めたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
舞美 先ほどもお伝えしたのですが、この状況下だからこそ観て頂きたい作品だと自信を持ってお伝えすることができます。千咲ちゃんも言いましたが、この夏の暑さに負けないような熱い、熱い情熱を持って舞台に挑みたいと思います。そして私たち劇団員と皆様と素敵なはじめの第一歩を踏み出せればと思います。よろしくお願い致します。
楊 今二人が言った通りで、この状況下だからこそ観ていただきたい、私たちからお伝えしたい思いがたくさんございますので、それを是非劇場に足を運んで感じていただきたいと思います。そして夏に負けずにと言いますか、夏をもっともっと熱い夏にできるよう、劇団員一同一丸となって皆様にパワー、生きる力を感じて、私たちと一緒に夏を楽しんでいただきたいと思います。どうぞまずは是非1回観ていただきたいと思いますので、皆様のご来場を劇団員一同お待ち申し上げております。どうぞよろしくお願い致します!
【公演情報】
OSK日本歌劇団 レビュー夏のおどり『STARt』
作・演出・振付:平澤智
出演:楊琳 舞美りら 千咲えみ 他OSK日本歌劇団
●8/5~8◎新橋演舞場
〈料金〉S席(1、2階)9.500円 A席(3階)5.000円
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹 0570-000-489(10時~17時)
〈OSK公式サイト〉https://www.osk-revue.com/
〈新橋演舞場HP〉https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/enbujyo_202106/
※感染症対策に伴う販売座席情報は松竹ホームページhttps://www.shochiku.co.jp/ 要確認
【取材・文・撮影/橘涼香】
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