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全てのダンサーが主役のステージ『ODYSSEY』 東山義久 長澤風海 木村咲哉 インタビュー

 

 

新メンバーを加えて始動した新生DIAMOND☆DOGS(以下D☆D)が、個性豊かな5名のゲストを迎えて綴るステージDIAMOND☆DOGS ENTERTAINMENT SUPER DANCE THEATER 『ODYSSEY』が、9月18日~23日、銀座の博品館劇場で上演される。

『ODYSSEY』は2013年にダンスに特化したショーケースとして上演したステージと同じタイトルでありつつ、「全ての出演ダンサーが“主役”」というコンセプトのもと、新たな音楽、振付、構成をオリジナルにこだわって綴られるステージ。全てのパフォーマーたちのソロパート、アンサンブルパートが融合し、お互いの魅力と個性を生かして創り上げるダンスパフォーマンスシアターとなっている。

そんなステージを創り出すキャストの中から、D☆Dリーダーの東山義久、D☆Dのステージには欠かせない顔の一人ともなっているゲストの長澤風海、ミュージカル『ビリー・エリオット』での鮮烈デビュー以来、D☆Dメンバーとも度々共演している同じくゲストの木村咲哉が集い、新たなステージに向けた意気込みを語り合ってくれた。

東山義久 木村咲哉 長澤風海

全員が真ん中に立って創る、2幕もののステージ

──出演する全てのダンサーが主役というコンセプトでの新たなステージになりますが、まずどのような内容に?

東山 元々2013年に1幕もののSHOW CASE『ODYSSEY』という全員が踊り倒す作品を創っていて、それをもう1回やってみようということから始まりました。今回は2幕ものとして構成していて、1幕はD☆Dメンバーと5名のゲストの方達、それぞれが真ん中に立って自分のやりたいことと、例えば「風海にはこういうのが良いのではないか?」ですとか「咲哉君にはこれが合うんじゃないか?」などの、周りの意見を加味しながら、今創っている最中です。1幕はそういう構成で、色々な国の音楽をD☆Dの舞台らしく、音楽監督のTAKAがアレンジをしてくれています。タンゴとシャンソンを混ぜたような曲や、ジャズとロックを入れたようなテイストの曲など、音楽で皆さんと一緒に世界を旅できるようなものに、という流れですね。

──それはまた、皆さんの個性と共に様々な世界観が楽しめそうですが、2幕については?

東山 2幕はストーリー性があるものになっていて、咲哉君が物語を進めていく展開になっています。とは言っても台詞はありませんし、歌はありますが、あくまでもストーリーを説明する為の歌ではありません。1幕が個々のダンサーの持ち味やスキルを存分に出していく、ざっくり言えばカッコいいものになっていきますから、2幕はもう少しエンターテインメント性がある、明るく楽しく笑って頂くものになればと思っています。1幕45分、2幕50分くらいのボリュームで収まればなというところですね。

──木村さんが参加されるからこその構成にもなりそうですね。

東山 そうですね。2幕は本当に咲哉君を中心にやってもらおうと思っています。

歌も取り入れ、更に広がりを感じてもらえる

──その1幕の中でそれぞれが中心になる場面のことを、お話頂ける範囲で教えてくださいますか?

長澤 僕の場面はバレエ『白鳥の湖』の第2幕の主題をテーマに、TAKAさんに創って頂いた、「SWAN  SYMPHONY」というとても起伏のある4分くらいの曲を使って、僕と咲哉君と東山さんの三人で、それぞれの良い部分を入れたナンバーにしたいと創っているところです。実際の振付はこれからなので、二人の意見も聞きながら曲の展開にあった動きや、構成を考えています。

東山 もう大枠は作ってくれていて、これから三人で稽古するので、きっと二時間くらいで創ってくれるでしょう!(笑)

木村 僕は…

東山 声が変わってる!  大人の声になってる!

木村 (笑)メンバー全員の中で僕が一番年下なのですが、皆さんのダンスの大きさについていかないといけないので、すべての場面で大きく踊りたいと思っています。

東山 タップもやってくれるんです。D☆Dメンバーの中で最年少の(廣瀬)真平がタップが得意なので。

──『ヴァレンタインに逢いましょう』の折に『ODYSSEY』ではタップも披露してくださるというお話でしたね。

東山 そうなんです。真平と咲哉君を中心に、タップを踏むシーンは見せどころになると思います。風海が言った「SWAN SYMPHONY」の場面もすごく素敵で、フライヤーの雰囲気の清涼感が出ればなと思っています。

──東山さんは?

東山 僕はもちろんダンスも踊りますけれども、法月(康平)君と歌うシーンもありますし、まだメインのシーンはこれからなのですが、今回TAKAがこれまでD☆Dで使ったことのない曲だけで紡いでくれていて、全曲新曲なんですね。その中で「僕に合うんじゃないか?」と創ってくれたものがフィナーレ近くにあって、僕を中心に皆で踊るのですが、僕らしさと、大人の男たちのカッコ良さが出るものになるかなと楽しみにしています。

──そうすると、歌中心のシーンもあるのですね。

東山 僕にはありますし、そして法月君、D☆Dのボーカルの(咲山)類と(新開)理雄もいますから。また、彼らと歌うところもありますので、楽しんで頂けると思います。前の『ODYSSEY』には歌がなかったので、そういう広がりも楽しんで頂けると良いですね。

新鮮で成長も感じられる稽古場

──長澤さんはゲストの立場で…と言いましても、D☆Dの舞台には数多く出演していらっしゃいますが。

東山 新メンバーよりもたくさんD☆Dの舞台には出ていますから!(笑)

──そうですね!新生D☆Dとご一緒されていかがですか?

長澤 やはり新鮮な感じがあります。

東山 三人も変わったらね!

長澤 そう、結構半分近く新しい顔という感じだから(笑)。でもだからこそ新鮮だし、皆さん二十代なので、勢いや元気なところが現場で感じられて、長年一緒にやらせてもらっている僕としては、また良い流れが生まれているんじゃないかなと思っています。新たな感覚の中で僕もどうここに居たらより良いかを考えながらも、TAKAさんも音楽監督でいらしていて、僕も踊ったり、振付をしたりということは変わりませんから、しっかり身体を創ってやっていきたいと思います。

──ご自身の場面以外にも振付はされるのですか?

長澤 まるまる1曲ということではなくても、この8×8をやっておいて、というようなことも出てきているので、必要に応じて皆でという感じですね。

東山 それぞれが主役だし、それぞれがコレオグラファーなので、皆で創っています。今回初めてご一緒させて頂く浅川文也さんなどは、実際に稽古場で踊っていらっしゃるのを見たら、これは振付をお渡しするよりも、自分で創って頂いた方が良いなと思えたのでお任せしました。皆さんのオリジナリティーを入れていって欲しいです。

──木村さんは、先ほど東山さんから声変わりのお話も出ていましたけれど、少し久しぶりのD☆Dとの舞台ですが。

東山 僕たちとは『マクベス』以来?

木村 そうです。

東山 そうすると1年半ぶりか。だいぶ変わったでしょう?「誰?」って感じ?(笑)

木村 「誰?」ってことじゃないですけど(笑)、変わったなとは思います。でも人数は変わっていないし、新しいメンバーの方達もとても優しく教えてくださるので、すごく踊りやすい環境で、僕も頑張らなくてはと思います。

長澤 振り覚えは一番良いんですよ!

東山 良いよね、バッチリだもんね。

長澤 「違いますよ」とか言ってくれるので(笑)、「先生、終わりました!」と言って(笑)。

東山 『サロメ』で初めて出てくれた頃を考えると背が伸びたのはもちろんですが、技術云々ではなく、よくこの雰囲気についてこられるなと!(笑)

木村 楽しいです!踊られている時も「あ、カッコいい」と思うことがたくさんあるので、それを真似したりして、刺激がたくさんあります。

──木村さんご自身舞台経験を重ねてきて、今回はこういうところを見て欲しいというものはありますか?

木村 ダンスは元々やってきたものなので、この公演はダンスが中心にあるので、ヒップホップなど色々なジャンルのダンスで、テイストを変えて踊っているところを見て欲しいです。

長澤 僕は咲哉君とは『サロメ』以来で、2年近く空いていたので、成長がよく見えました。身体のポテンシャルは元々あったのですが、中学生になって身体も更に出来てきて、どんなジャンルの動きにも対応できているので、彼が言った通り大きな動きを意識してこれからお稽古していったら、より勢いが出てくるんじゃないかなと思っています。

「All for One  One for All」のD☆D

──長澤さんが長くご一緒されてきて感じるD☆Dの舞台の魅力はどうですか?

長澤 いつも色々な刺激を受けます。24歳の頃に初めて出させて頂いて以来、毎年のようにご一緒させてもらってきましたが、毎回新しい成長のきっかけを頂けるグループだという思いは常に変わりません。皆が色々なジャンルを経験して蓄えてきたスキルをD☆Dで発信していく、「All for One  One for All」のグループなので、その人たちとご一緒させて頂くことによって、僕自身のスキルもあがってきていますから、それをまた発信していく気持ちで常に舞台に立っています。それは新メンバーになっても変わらないし、教えられるところは教えるし、吸収できるところは吸収していく、というこれまでと同じスタンスで『ODYSSEY』を創っていきたいです。

──そういう長澤さんを迎える側としてはいかがですか?

東山 風海がいてくれたらすごく心強いです。良くも悪くもできることとできないことがわかっている間柄なので、こういうことをお願いしたらこう返してくれだろうという信頼感もありますし、迎える以上は何かひとつ上に向かうものを持ち帰ってもらいたいなと思っていますから、さっき言ったできないことと感じる部分にも「今度はこれに挑戦してもらおう」と思ってやってもらっていますね。それはやはり良く出演してくれる法月君等に対しても同じですが、中でも風海はD☆Dのメンバー?くらい一緒にいるから(笑)居てくれたらひとつ成功に近づくと思える人です。また風海自身も一般のバレエダンサーの方だったらやらないだろうと思える発想や動き、展開を持ってくるので、その連続がミュージカル『メリー・ポピンズ』に出演したという流れにもなったと思います。

長澤 それは本当にそうです。

東山 そういう意味では、D☆Dというグループに携わっていなかったら、ミュージカルに興味を持つこともなかったと思うので、僕たちと共にやっていった中から歌や芝居もできたら良いなという欲求を持ってもらえて、形になったことが嬉しいです。ですから多くの人にバレエダンサーとしてだけではなく、表現者としての長澤風海を観てもらいたいし、そのきっかけになるグループのひとつになっていたら嬉しいですね。

長澤 自分でもそれはすごく感じていて、こういう流れでここに関わることがなかったら、振付をしようとは思わなかっただろうし、色々な踊りを踊りたいとか、歌を歌いたいとも思わなかったと思います。それがおっしゃるように『メリー・ポピンズ』という舞台に結実したので。

東山 本当に大きな挑戦だったものね。いつも久しぶりに会うと「最近何やってるの?これ終わったら何するの?」と訊いていて、広がっているなぁと。でもだからバレエダンサーとしては、ちょっと斜めに見られたりもしてるんだよね(笑)。

長澤 何チャラチャラ踊ってるの?と(爆笑)。でもそれをどう結び付けていくかは僕次第ですから。

東山 うん、振り返ってみた時に全てが表現者として良い結果になってくれたら良いなと思う。

──木村さんは『ビリー・エリオット』というそれこそ何でもできなければ!という作品の主演を務められてきましたが、表現者としてとても個性的な東山さんと長澤さんをご覧になって、ここが素敵だなと感じるところなどは?

木村 東山さんは『サロメ』の時、性別の違う役をされていて、それがスッとできてしまうのが凄いと思っていましたし、ダンスも指先まで綺麗で素敵だなと思います。長澤さんは振付もされて8×8などもパパッとできていて、振付もしているのに自分で踊る時にも回転が速い上に綺麗で。僕は振付がすごく苦手なので、カッコいいなと思います。

長澤 うん、でも僕も振付を挑戦させてもらったのはD☆Dがあったからで、森新吾さんが色々演出をされる中で「こういう場面だから、こういう雰囲気で」と色々説明しながらオーダーを下さることで、様々な経験を経たからこそ振付が好きになって。全く別のサイドを使っている感覚ではあるのですが、でも自分の身体を通したものから動きは出てくるので、咲哉君はそれこそ多彩なジャンルのダンスを身体に通していますから、やろうと思えばすぐできると思う。是非挑戦してみて下さい。

木村 はい!

ある意味、新生D☆Dとしての最初の公演

──ゲストの方も多彩でありつつ、新たなD☆Dが様々な挑戦をする場になりそうですね。

東山 新メンバーと共に創ったのは『ヴァレンタインに逢いましょう』一作ですし、あの作品には新吾の追悼もありましたし、卒業したメンバーも来てくれて、ある種のお祭りと言うか、特別なステージでもあったので、新生D☆Dとしてはこれが最初の公演と言っても良いような感覚があります。例えばHomerや真平と僕たちとで踊ると考えた時に何が合うのか。彼らがやりたいことと、僕たちがこれをやって欲しいというものにも開きがあります。風海くらい付き合いが長ければ「絶対こっちをやった方が良いよ」と言えるのですが、新メンバーには本当に彼らがやりたいことをやらせた方が良いのか、そこはある意味我慢させて新しいことに挑戦させた方が良いのか、そのバランスもD☆Dとして探求していかなければならないことのひとつなので、5名のゲストの方の力をお借りして『ODYSSEY』の舞台につなげていきたいです。

──では、ある意味で『ODYSSEY』は新生D☆Dのファースト・ステージでもある?

東山 そうですね。しかも8割くらい新曲なので、良い感じで進めていければ。ですから前回の博品館劇場の舞台よりも、それぞれがD☆Dのメンバーとしての居場所、役割を探していくものになりますね。この間も急に理雄から「リーダー、明日のスケジュールはこうです」とメールが来て「あ、そういうことを理雄が担当しているんだ」とか(笑)。元々D☆Dはゼロから色々なセクションを創っていったんですけれども、まぁ今はゼロからはじめるのではないとしても、一から作り直していくステージにはなるので、頼もしくもありドキドキもしながら、楽しんでいけたら良いなと思います。

──そういうドキドキも懐かしいのでは?

東山 確かに懐かしいと言えば、懐かしい感覚です。

──そうした中から新たに生まれてくる舞台を楽しみにしていますが、では改めて意気込みをお願いします。

長澤 新生D☆Dとゲストの方達と、新鮮な気持ちで新しいものを創っていく感覚をそのまま舞台に乗せることができれば、フライヤーのように清涼感のあるものになると思います。僕も東山さんはじめ、お付き合いの長い方達がいる安心感はもちろんありますが、新鮮な気持ちでどんどん自分自身で挑戦して臨んでいけたらなと思っています。

木村 一番年下で、自分にとってはこれが中学生初の舞台なので、皆さんの足を引っ張らないように、良いダンスやお芝居をお客様に見せられるように頑張ります。

東山 1日1日固めていきながら、これが僕たちのショーだと言えるものを創っていけたら良いなと思っています。クリスマスディナーショーはありますが、D☆Dの劇場公演としてはこの『ODYSSEY』が2019年最後の公演になりますので、是非楽しみに劇場にいらしてください!お待ちしております!

■PROFILE■

ひがしやまよしひさ○大阪府出身。大学卒業と同時にミュージカルで初舞台。『エリザベート』初演のトートダンサーで注目を集める。2003年DIAMOND☆DOGSを始動、リーダーとして舞台構成・総合演出を手掛ける。2013年には肉体表現の可能性を追求する新たなるカンパニー「BOLERO」を立ち上げる等、ジャンルを問わずに活動を続けている。近年の主な舞台作品に『戯伝写楽2018』『宝塚BOYS』『DRAMTIC MUSICAL COLLECTION 2018』『ドリアン・グレイの肖像』『イヴ・サンローラン』『CLUB SEVEN ZERO II』等がある。2020年『ミス・サイゴン』エンジニア役での出演が決定している。

ながさわかざみ〇静岡県出身。クラシックバレエを学びカナダにバレエ留学。オペラカンパニーで活躍したのち、帰国後はバレエの舞台はもちろん、ミュージカル、ダンスショーなど多彩な舞台でその才能を発揮している他、振付も手掛けている。近年の主な舞台作品に『アルジャーノンに花束を』Dramatic Super Dance Theater『サロメ』ミュージカル『メリー・ポピンズ』『ドリアン・グレイの肖像』「アクトカンタービレ scene 2『golden lemonade』~森新吾へのオマージュ~」等がある。

きむらさくや○東京都出身。13年10月~14年1月『ポケモンゲットTV』でオープニングダンサー、テレ東音楽祭『ゲラゲラポーのうた』でバックダンサーを務める。ダンスコンテストの受賞歴も多数。1年を超える長期オーディションを経て17年ミュージカル『ビリー・エリオット~リトルダンサー』世界最年少での日本初代ビリー役に選ばれ、5ヶ月に渡る舞台で主役を務めた。近年の主な舞台作品に『サロメ』『マクベス』『古事記~スサノオと美琴~』『オン・ユア・フィート!』等がある。

【公演情報】
DIAMOND☆DOGS
ENTERTAINMENT SUPER DANCE THEATER
『ODYSSEY』
構成・演出・振付◇D☆D
音楽◇TAKA
振付◇植木豪 長澤風海 木野村温子
出演◇東山義久
中塚皓平 和田泰右 咲山類
廣瀬真平 新開理雄 Homer
長澤風海 法月康平 木村咲哉
RIHITO 浅川文也
●9/18~23◎銀座・博品館劇場
〈料金〉9,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉博品館劇場 03-351731003
〈公式ホームページ〉theater.hakuhinkan.co.jp/pr_2019_09_18.html

 

【取材・文/橘涼香 撮影/岩田えり】

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