モーツァルトの傑作オペラ『魔笛』新国立劇場で間もなく開幕!
新国立劇場オペラパレスにて、モーツァルトの傑作オペラ『魔笛』が、4月16日に開幕する。(24日まで)
“ジングシュピール(歌芝居)”として有名な『魔笛』は、愛と冒険のファンタジーで、世界中で多くの子供たちが『魔笛』でオペラ鑑賞デビューを飾っている。
「おいらは鳥刺し」「パ・パ・パ」といった親しみやすい曲、そして夜の女王の歌う超絶技巧のアリア「地獄の復讐はわが心に燃え」など、次々に美しい曲が繰り出される様はまさに音の宝石箱。
現代アートの巨匠ウィリアム・ケントリッジのプロダクションは、素描を用いた神秘的な舞台で、人間の影と光を対比させる素朴な映像美、そして舞台からあふれ出すケントリッジならではの深い知性とポエジーが作品の本質を伝える。一方で、『魔笛』が内包する啓蒙思想に植民地主義を通して光を当て、「善」や「力」についての洞察が込められている。
指揮は名匠オレグ・カエターニが新国立劇場初登場。甘美でしなやかな美声を誇る鈴木准、情感あふれる表現で人気を博すプリマドンナ砂川涼子ら屈指の日本人歌手が集結した。
【ものがたり】
第1幕/森で大蛇に襲われ、恐ろしさの余り気絶してしまった王子タミーノ。そこに夜の女王に仕える3人の侍女がやってきて大蛇を退治し立ち去る。タミーノが目覚めると大蛇が死んでいるのにびっくり。やってきた鳥さしのパパゲーノに尋ねてみると、大蛇を退治したのは自分だと誇らしげに語る。が、それは嘘で、罰として3人の侍女がパパゲーノの口に鍵をかけてしまう。3人の侍女は、夜の女王の娘パミーナの肖像画をタミーノに見せ、邪悪なザラストロにさらわれた彼女を救ってほしいと願う。パミーナに一目惚れしたタミーノは引き受ける。お礼に夜の女王は、タミーノに魔法の笛、口の鍵の解けたパパゲーノに銀の鈴を授ける。
ザラストロの神殿にいるパミーナのもとにパパゲーノが行き、タミーノが助けにくることを伝える。喜ぶパミーナ。タミーノは神殿の門に到着するが、弁者によれば、ザラストロは暴君ではなく賢人で、高慢な夜の女王からパミーナをかくまっているのだという。そしてザラストロが登場。タミーノとパパゲーノは神殿に招き入れられる。
第2幕/タミーノは、徳と正義を得るため神殿で試練を受けることに。これを経れば妻に会えると言わたパパゲーノも、しぶしぶ承諾する。一方パミーナのもとには夜の女王が現れ、ザラストロを殺せ、と命じて短剣を渡す。悩むパミーナに、ザラストロは、神殿では愛だけが暴力に打ち勝つ、と語る。タミーノとパパゲーノの最初の試練は、喋ってはいけない「沈黙」の試練。タミーノはパミーナとも喋れず、次の試練のため彼女と別れねばならない。彼の態度にパミーナは絶望して自殺をはかるが、3人の童子が止める。
その後タミーノとパミーナは再会し、最後の「火」「水」の試練を2人で乗り越える。女房がほしいとぼやくパパゲーノは試練などお構いなしだが、努力は認められ、伴侶のパパゲーナと出会う。夜の女王たちは滅び、ザラストロ、タミーノ、パミーナたちは神を讃える。
※新型コロナウイルス感染症の影響により、公演内容や招聘スタッフ・キャストに変更が生じる場合があります
【公演情報】
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
『魔笛』
Die Zauberflöte/Wolfgang Amadeus Mozart
全2幕〈ドイツ語上演/日本語及び英語字幕付〉
約3時間(休憩含む)
指揮:オレグ・カエターニ
演出:ウィリアム・ケントリッジ
美術:ウィリアム・ケントリッジ、ザビーネ・トイニッセン
衣裳:グレタ・ゴアリス
照明:ジェニファー・ティプトン
再演演出:澤田康子
出演
ザラストロ:河野鉄平
タミーノ:鈴木 准
弁者・僧侶Ⅰ・武士Ⅱ:町 英和
僧侶Ⅱ・武士I:秋谷直之
夜の女王:安井陽子
パミーナ:砂川涼子
侍女I:増田のり子
侍女Ⅱ:小泉詠子
侍女Ⅲ:山下牧子
童子I:前川依子
童子Ⅱ:野田千恵子
童子Ⅲ:花房英里子
パパゲーナ:三宅理恵
パパゲーノ:近藤圭
モノスタトス:升島唯博
合唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
●4月16日、4月18日、4月20日、4月23日、4月24日◎新国立劇場オペラパレス
〈料金〉S席27,500円 A席22,000円 B席15,400円 C席8,800円 D席5,500円 Z席1,620円(全席指定・税込)
新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999(10時~18時)
〈公式サイト〉https://www.nntt.jac.go.jp/opera/die-zauberflote/
【舞台写真/新国立劇場「魔笛」より 撮影:寺司正彦】
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