市川海老蔵と上方の伝統芸能関係者による「日本の劇場文化 復活祈願祭」レポート
歌舞伎俳優の市川海老蔵と上方の伝統芸能関係者らが、大阪市の道頓堀川で船上イベントを行い、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた日本の劇場文化の復活を訴えた。
会見と船上での式典が開催され、海老蔵、大槻文藏(能楽シテ方観世流)、大槻裕一(能楽シテ方観世流)、桐竹勘十郎、歌舞伎俳優の市川右團次、さらにNMB48のメンバーやOSK日本歌劇団の桐生麻耶、漫才のアルミカン、そして市川ぼたん(日本舞踊)、堀越勸玄(歌舞伎俳優)らが参加。
新型コロナウイルスの影響で厳しい状況の中、「伝統文化の復活に火を付ける」との願いを込め、海老蔵が火の神に扮し、船上に設けられた舞台で舞踊「迦具土之舞」を披露。「劇場文化をさらに愛してくださいますよう力添えをよろしくお願い申しあげます」と口上。イベントの観覧者数は約3000人が集まった。
【コメント】(挨拶順)
市川海老蔵(歌舞伎俳優 )【記者会見・式典参加】
現在、コロナ禍の中で、劇場に携わっている方々や多くの人が大変な思いで日々を生活していると思いますし、劇場に足を運んでくださるお客様が少なくなっている状況ですので、今回の企画を発足させていただいた次第です。
大阪万博が開催予定の2025年は道頓堀に劇場ができて400年目になります。少しでも大阪の伝統文化が、さらに豊かにまた大阪の皆様が伝統文化を楽しんでいただけるよう、今日このようなことを発表いたしました。
この日本の劇場文化復活祭を皮切りに今後の大阪の劇場文化、そして様々な伝統文化、エンターテイメントの発展並びに更なる大阪の発展を切に願っております。
大槻文藏(能楽シテ方観世流/人間国宝) 【記者会見・式典参加】
劇場には活力・元気・夢が詰まっていますので、劇場に足をお運びいただいてこれらをお持ち帰りいただき、コロナをも打ち消していただければと思います。大阪にはたくさんの劇場がございますので、皆さまぜひ劇場に足をお運びいただき、活力をお持ち帰りくださいませ。本日はありがとうございました。
桐竹勘十郎(人形浄瑠璃文学座・人形 三代)【記者会見・式典参加】
今日は素晴らしい秋晴れに恵まれました。
市川海老蔵さんのお声がけによりましてこの大阪で劇場文化を祈念する復活祭を催させていただき本当にありがたいことです。
人形瑠璃文楽は先日10ヵ月ぶりにようやく初日の幕を開けました。
リモートでご覧いただく形も増えてきましたが、やはり舞台芸術というのは生で観るのが一番だと思いますし、感染対策は十分にしておりますので、皆さまの心の落ち着きが戻りましたら、劇場にお越しください。
山村友五郎(日本舞踊・上方舞 山村流六代目宗家家元三代目 )【記者会見・式典参加】
このような機会を設けていただき感謝申し上げます。
立ち方だけでは劇場は成立しません。劇場スタッフに衣裳、小道具、かつらなどの諸々のスタッフもですが、皆様のお力添えがなによりも必要でございます。ぜひとも皆様が足をお運びいただけること、こころよりお待ち申し上げております。
桂福團治(上方落語界)【式典参加】
今はコロナの影響で劇場に足をお運びいただける方が少ないのが現状です。
臨場感があり、空気がまたすばらしい劇場を私たちで作り上げていきたいと思いますし、皆さまにもご協力いただき、上方落語をどんどん盛り上げていきたいと思います。本日はたくさんの皆様にお集まりいただき本当にありがとうございました。
桂米團治(上方落語界)【記者会見・式典参加】
本日は能楽師から噺家にいたるまで序列なしで集まることができました。
大阪の発信の弱さがある中で、東京の市川海老蔵さんにお声がけいただいて、大きな感謝をお礼申し上げたいと思います。
市川右團次(歌舞伎界)【式典参加】
復活祈願祭に多くの皆様にお集まりいただきまして厚く御礼申し上げます。
かつては各劇場が軒を連ねていたものでしたが、現在はコロナ禍で劇場文化が少しずつ減っているような状況ですので、この復活祈願祭をもちまして更なるご発展を遂げるように、そして大阪発で芸術文化が発信できるようにこの祈願祭に参加させていただいたこと心より感謝しております。
白間美瑠(NMB48) 【式典参加】
大阪難波の劇場を拠点として10年間活動してきました。お世話になっているこの劇場で大阪をはじめ日本全国に元気を発信できるようこれからも頑張っていきます。よろしくお願いいたします。
アルミカン(漫才師 松竹芸能所属)【式典参加】
松竹芸能は心斎橋角座という劇場で漫才や寄席を行っております。
少しずつお客さんも戻ってきてはいますが、もっと盛り上がっていけるよう私たち若手芸人が頑張っていきますので、みなさま応援よろしくお願いいたします。
桐生麻耶(OSK日本歌劇団)【式典参加】
このような機会をいただきありがとうございます。
一日も早くこの状況禍が収束し、ただただ純粋に舞台と向き合える日を待ちわびていますし、日本の文化をはじめ、私たちOSK歌劇団を盛り上げていきますので、見守っていただければと思います。
本日はありがとうございました。
市川ぼたん(日本舞踊)【記者会見・式典参加】
みなさまこんにちは。4代目市川ぼたんでございます。
これからもよろしくお願いいたします。
堀越勸玄(歌舞伎俳優)【記者会見・式典参加】
みなさまこんにちは。堀越勸玄でございます。
今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。
【イベントデータ】
『日本の劇場文化 復活祈願祭』
日時:2020年11月3日(火・祝) 13時00分~13時30分
記者発表会:スイスホテル南海大阪 芙蓉
会場:とんぼりリバーウォークイベントエリア (戎橋東側)
乗船者:
一番船/どうじま号
市川海老蔵
二番船/DOTON号
市川右團次、大槻文藏、大槻裕一、桐竹勘十郎、左遣い(文楽)、足遣い(文楽)、山村友五郎、桂福團治、桂米團治、桂米紫(上方落語会)、春野恵子(浪曲師)、一風亭初月(鳴物)
三番船/えちぜん号
白間美瑠・原かれん・新澤菜央(NMB48)、桐生麻耶、赤阪侑子・高橋沙織(アルミカン)
(c)舞踊「迦具土之舞(かぐつちのまい)」(『SOU~創~』より 作:長田育恵)