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つかこうへい演劇祭ー没後10年に祈るー『飛龍伝 2020』間もなく開幕! 味方良介 インタビュー

つかこうへいの名作として名高い『飛龍伝』が、『飛龍伝 2020』として7年ぶりに帰ってくる!

東京公演は、新国立劇場 中劇場にて1月29日がプレビュー公演、本公演は1月30日から始まる。(2月12日まで。大阪公演もあり)
初演は1974年で、代表的なつか作品の1つとして『熱海殺人事件』『幕末純情伝』と並ぶ高い評価を受け、1990年に大劇場用の群衆劇として新演出されてから、さらに大きな感動を呼び起こし、以来何度も上演されている。

その主人公で全共闘40万を率いる女委員長の神林美智子役は、初代の富田靖子から2013年の『飛龍伝21』の桐谷美玲まで、名だたる女優たちが演じ続けてきた。今回は欅坂46キャプテンの菅井友香が8代目神林美智子役として出演する。
相手役となる機動隊員山崎一平役にはNON STYLEの石田明、全共闘作戦参謀の桂木純一郎役には『熱海殺人事件』の木村伝兵衛を3年連続務めている味方良介。まさに鉄壁の布陣だ。
その味方良介に、この名作に取り組む思いを聞いた「えんぶ2月号」のインタビューを、別バージョンの写真とともにご紹介する。

本気でぶつかり合うことの凄さ

──味方さんは、『飛龍伝』という作品については?

僕は『熱海殺人事件』をはじめ、つかさんの作品には何本か出させていただいているので、その中で当然のようにこの作品についても話す機会があり、いつか挑戦してみたいなと思っていました。

──内容は全共闘時代の話ですが、どんなふうに受け止めていますか。

時代が変わり過ぎていることもあるし、学生運動自体は僕らの知らない世界なのですが、今の時代に大事なこと、忘れられていることが入っているなと。今の世の中って、表面的なことだけ見て発言したり、それに対して上っ面だけの封じ方をしたり、芯になる、核心になる部分がないなと思っていて。この作品には、人間同士がきちんと向き合って、本気でぶつかることの大切さが詰まっているので、そこを伝えられたらと思っています。

──演じる桂木役は、恋人の美智子を全共闘の委員長に仕立て上げるわけですが、彼女を闘争へと引きずり込む人なので色気も必要ですね。

利用しようとしたけれど利用できなかった、制御しようとしたけれど制御できなかった男で、卑怯な部分も含めて色気が必要だと思いますが、そういう色っぽさという部分では、石田(明)さんとともに歩んで来た数年があるので(笑)。あの人って泥臭かったりとか、地べたを這いずり回ったりするのがすごく似合うんですけど、輝く瞬間はものすごく色っぽいし、誰よりもカッコいい。そういうカリスマ性というか、生まれ持った才能をこの数年間見てきたので、盗んだものがたくさんあります。それをなんとか自分に変換して出せるようにしたいですね。

──石田さんとは作品ごとに立ち位置が入れ替わるような形で、良いコンビネーションを築いてきて、まさに阿吽の呼吸の2人だなと。

闘いではないですけど、「そっちがそのスピードで行くなら、こっちはもっと早いスピードで行くぞ」みたいな。お互いに引かなくて、でも急ブレーキかけてわざと行かせちゃうとか、けっこう体当たりみたいなことをやってます(笑)。

──ほかの出演者も含めて、ある種競い合いの中で作品を高めるという作業をしてきたわけですね。

やっぱり、これくらいでいいやとかこんな感じでいいでしょ、みたいなことではなく、最後には死んでもいいというくらいまでやろうというのは、いつも話してきましたから。今回の『飛龍伝』もそうなればいいなと思っています。

精度を上げて名作『飛龍伝』の世界に挑む!

──今回の美智子役は欅坂46の菅井友香さんですが、毎回いわゆるアイドルの人が座組に参加します。そういう人たちにアドバイスすることがあるとしたら?

これから女優になりたいとか、俳優の道に進んで行きたいとか思っている人が、つかさんの作品に出ると、初めは思い描いてきたことと違うみたいに思うかもしれません。「私こんなことがしたかったんじゃない」ってがっかりしたり。ただ、グループや他の世界で勝ち上がってきた人にはパッションがあるので、そういう人は必ず稽古の中で、演劇の凄さとかこの舞台をやる意味にちゃんと気がつくんです。ここ数年の『熱海』でも色々な出自の若手が出演していますが、その若者たちが演劇に浸かり、どんどん成長していって、千秋楽を迎えたときには「ここで終わるのは悔しい。もっとやりたい」と。稽古は裏切らないということを証明してくれました。とくにつかさんの作品はそういうパワーをすごく持っているんです。

──岡村(俊一)さんの演出も、俳優としての本当の生き方をつか作品を通して伝えている気がします。

これをやれる人生とやれない人生とではすごく違いますから。もちろんやらなくたって売れる人は売れるし、生き残っていく人は生き残っていく。でもこれを経験することで、後の人生がすごく楽になる、すごく豊かになる。つか作品を嫌いだという人がいてもいいし、僕も最初はファンが減ったりしましたけど(笑)、でもやれたことは今の僕にとっては大きな財産になっていますから。

──そういうつか作品との出会いの中で、味方さんは俳優として大きく成長したと思いますが、このカンパニーだからこその良さは?

グループ感というか、昨年も『熱海』の公演と同時に『銀幕の果てに』の稽古をしていたんですが、4人で公演の2時間を一緒に過ごして、本番終わって、「行く? 行かない? 行こうか」って『銀幕』の稽古をはじめて。やるからには誰よりも声を出そう、みたいなバカさがあって(笑)。そのあとも一緒に飲んで、ああでもないこうでもないとまた話し合って。

──劇団ではないものの、やりたいことや目指す方向が揃っているからこそできるのでしょうね。

ここまでくると劇団ですよね(笑)。こんなに同じ人たちと毎年毎年公演を打つことなんてないですから。劇団でそこに毎回客演が来るみたいな(笑)。

──つか作品の常打ち劇団ですね。そういう意味では日本の演劇史の中にきちん足跡を残しながら、沢山の俳優を育てていると思います。最後にこの『飛龍伝2020』を観に来る方たちにメッセージを。

『飛龍伝』は僕にとっては今回が初めてなので、また新しい作品に触れられる嬉しさがあります。お客さんにとっても待ちに待った作品だと思うので、その期待値に応えられるように、稽古して稽古して休んで飲んで稽古して(笑)、いつもカンパニーでやっていることを、丁寧に繰り返していったら、きっと良い答えが出るだろうと思っています。初めて『新・幕末純情伝』をやったときよりも、『熱海殺人事件』をやったときよりも、僕自身、精度は上がっていると思うので、その成果を『飛龍伝2020』で見せたいですね。

みかたりょうすけ〇東京都出身。俳優として舞台を中心に活躍中。近年の主な出演作品は『リメンバーミー』『MOJO』『ウエアハウス~Small Room~』『ミュージカル 黒執事』『熱海殺人事件』『Take Me Out』『新・幕末純情伝 FAKE NEWS』『LADY OUT LAW!』『ラヴ・レターズ』『銀幕の果てに』『世界の終わりに君を乞う。』『怜々蒐集譚』『奇子』『HAMLET-ハムレット-』『フラガール』などがある。

【公演情報】
ニッポン放送開局65周年
つかこうへい演劇祭ー没後10年に祈るー
『飛龍伝 2020』
作◇つかこうへい
演出◇岡村俊一
出演◇菅井友香(欅坂 46) 石田明 味方良介 細貝圭 小柳心 久保田創 小澤亮太
須藤公一 大石敦士 吉田智則 ほか
●1/30~2/12◎新国立劇場 中劇場
〈料金〉S 席 9,500 円 A 席 7,500 円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉 Mitt 03-6265-3201(平日 12:00~17:00)</span
●2/22~24◎COOL JAPAN PARK OSAKA TT ホール
〈料金〉 9,500 円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉 キョードーインフォメーション0570-200-888(10:00~18:00)
http://www.rup.co.jp/

 

【構成・文◇宮田華子 撮影◇岩田えり】

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