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昇進を望まないコンシェルジェ?! 舞台『上にいきたくないデパート』間もなく開幕! 今野浩喜×岸本鮎佳 インタビュー

独特の味わいを持つ俳優として活躍中の今野浩喜。彼を主役にした舞台『上にいきたくないデパート』が、8月21日から29日まで、三越劇場で上演される。

主人公は、誰からも好かれるデパートのコンシェルジェ。とにかく平穏な日々を望む彼に、ある日、昇進の話が! 自らの昇進を阻止するために奮闘するが……。ついつい嫌われないように愛想笑いをしてしまう人たちに送る痛快な群像会話劇だ。

脚本・演出を担当し、自ら出演する気鋭の若手クリエイター岸本鮎佳と、主人公を演じる今野浩喜に、作品の見どころや演劇にかける思いになど語ってもらった「えんぶ8月号」のインタビューを、別バージョンの写真とともにご紹介する。

岸本鮎佳 今野浩喜

いい人にも悪い人にも見えるのが魅力

──今回の作品の発想はどんなところから?
岸本 まず三越劇場という会場が決まったことで、実際のデパートの話にしようと。デパートの中の劇場で、デパートの人間関係を描くコメディを上演出来るなんて、どう考えても、これ以上しっくり来ることはありませんから。そして俳優としての今野さんに、こういうアプローチは初めてとか今までにやったことがない役をやってほしいという思いがあったので。

──その役どころが「上にいきたくない」という昇進したくないキャラクターで、八方美人なコンシェルジェだとか?
岸本 今野さんっていい人にも見えるし悪い人にも見えるという、すごく不思議な感じがするんですよね。
今野 僕自身としては、怖いとは言われますが、いい人とはあまり言われないなあ(笑)。年齢が分からないとよく言われますけど。でも僕自身は八方美人では絶対にないです!
岸本 受ける印象が人によって違うと思うんですよ。今野さんが出演されている舞台を色々拝見していますけど、全部印象が違うところが不思議な魅力だと思っています。今回の主人公も八方美人とは言っても、ある人から見たらすごく嫌な人に見えて、別の人から見たらすごくいい人に思える感じですね。

──岸本さんが書く脚本は人物描写が魅力ですが、書くときにどんな工夫が?
岸本 舞台の脚本の場合は、それぞれの役のキャラクターを、A4版1枚ぐらい1人ひとりすごく細かく書きます。たとえ話に出てこなくてもそういうのを書いておくことで、役者へのヒントになるかなと思っています。
今野 演じる側としては、細かく人物描写を考えている時点で信頼できますね。同時に、役者があまり自分で下手なことをしないほうがいいような気もします。
岸本 でも人物描写を細かく設定しているからといって、新しいことを出してほしくないというわけではないんです。あくまでヒントとして出しているだけですから。それに、私は質問をしてくる役者さんには「分からないなら言いますね」と先に答えを出してしまうタイプなのですが、もちろん自分で考えて作り上げることが好きな役者さんもいるのでそういう人にはおまかせすることもあります。人によってそこは変えていますね。

デパート内の劇場という場所で人間関係の面白さを!

─他のジャンルでも活躍中のお二人にとって、演劇の魅力は?
岸本 まず出演者が1ヵ月一緒に稽古をして生まれる関係性があります。そういう空気感が全部舞台に出てくるし、こちらが真剣に作ってきたものが直接お客さんへ伝わるのは演劇ならではだと思っています。やっていて楽しいですね。
今野 私にとって演劇のポジションは、自分の引き出しを増やす場です。引き出しを増やしてテレビドラマでその引き出しを開けて出していく。1ヵ月の稽古期間があることで、自分の出来ないところや、足りないところなどいろいろ言われますから。初めて演劇の稽古に参加した時は本当に稽古が楽しくて、塾へ行っている感覚でした。最近はあまり演出家に言われなくなってきて、引き出しが枯渇してきたので、どんどんリクエストしてほしいです。怖いのは嫌ですけど(笑)。

──最後に見どころを一言ずついただければ。
岸本 デパートでちょっと高級な気持ちになったり緊張したりするところをお客さんにも楽しんでもらいたいです。デパートに入って三越劇場に来るまでのワクワクした感じは期待を裏切らないと思います。出演者も若手からベテランまで豪華です。楽しんで笑ってください。
今野 最初にこの話を聞いた時は、デパートを擬人化したような話になってたらどうしようとか、デパートがスーパーをいじめるみたいな(笑)とか、いろいろ想像しましたが、人間関係とかキャラクターの面白さで観ていただけると思います。ぜひ劇場まで観にいらしてください。

岸本鮎佳 今野浩喜

きしもとあゆか○神奈川県出身。劇作家・脚本家・演出家・女優。演劇ユニット「艶∞ポリス」主宰。2013年、艶∞ポリス第1回公演『美人懺悔』以降すべての劇団公演の作・演出・出演を務める。近年では映像の脚本でも活躍、『Love or Not 』(脚本、フジテレビ2017)、『健康で文化的な最低限度の生活』(脚本、関西テレビ2018)、金曜ナイトドラマ『私のおじさん〜WATAOJI〜』(脚本、テレビ朝日2019)などがある。

こんのひろき○埼玉県出身。スクールJCA6期生。元お笑い芸人として活躍。コンビ解散後は俳優として数多くのテレビドラマや舞台に出演している。「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2012」でベストアクター賞・ファンタランド大賞(人物部門)をダブル受賞。新座市観光親善大使も務めている。近年の主な出演舞台はPARCO&CUBE 20th present 『人間風車』 (2017)、M&Oplays『ロミオとジュリエット』(2018)など。

【公演情報】
舞台『上にいきたくないデパート』
脚本・演出◇岸本鮎佳(艶∞ポリス)
音楽・演奏◇Calmera(カルメラ)
企画・プロデュース◇西丸優子
出演◇今野浩喜/猪野広樹 小松準弥 矢島舞美 能條愛未 和合真一 日向野祥 谷戸亮太  奥村佳代 岸本鮎佳/西丸優子 伊藤裕一/みやなおこ/モロ師岡
●8/21〜29◎三越劇場
〈料金〉顧客席10,000円 通常7,500円 U-25  5,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉サンライズプロモーション東京0570-00-3337(全日10:00〜18:00)
https://www.mmj-pro.co.jp/ueniikitakunai/ 

 

【取材・文/咲田真菜 撮影/友澤綾乃】

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