劇団唐ゼミ☆が唐十郎の『ジョン・シルバー』シリーズ三部作を一挙上演!
劇団唐ゼミ☆が、60~70年代に初演された唐十郎の傑作『ジョン・シルバー』シリーズの三部作を、横浜の海辺に立てたテント劇場で一挙に上演する。このシリーズは、状況劇場によって1965年に『ジョン・シルバー』が日仏会館ホールにて初演、次作は翌年に新宿ピットインで初演されるなど、状況劇場の紅テント以前の作品で、叙情とユーモアそして破天荒な展開が瑞々しくも溢れ出る、アングラ初期の人気シリーズとして発表されてきた。もちろん唐ゼミ☆も2002年以来、多くの唐作品を上演する中で、何度か上演してきたのだが、今回の会場は港町ヨコハマを象徴する日本丸メモリアルパーク。スティーブンソンの冒険小説『宝島』に想を得た唐十郎のアングラ魂の表出にふさわしく、血湧き肉躍る最高のロケーションで“海賊”たちが「〽よいこらさあ」の歌声と共に、冒険の船出に繰り出す! 時もとき「私は前々から、三作をぶっ通しで一気にやってみたいと望んできた」と言う、唐ゼミ☆主宰者で、演出を担当する中野敦之からメッセージが届いた!
【中野敦之(劇団唐ゼミ☆主宰・演出)メッセージ】
初期唐十郎の金字塔、「ジョン・シルバー」シリーズを、海辺の青テント劇場で狂気の一挙上演をします! 日本演劇史上に燦然と輝き、伝説となっている演目こそ、60~70年代に初演された唐十郎の傑作「ジョン・シルバー」シリーズ。スティーブンソンの冒険小説『宝島』に想を得たこの作品群は、いつも「〽️よいこらさあ」のテーマソングを旗印に時代を切り裂いてきました。今回、劇団唐ゼミ☆が総力を挙げて、作者本人もやったことのない三作一挙連続上演を敢行!まさにトライアスロン公演。会場は、港町ヨコハマを象徴する日本丸メモリアルパーク。海賊たちが血湧き肉躍るにふさわしい最高のロケーションに恵まれ、いよいよ船出は迫っています。観てみなければ判らない! 三日間通うも良し、一日のうちに走りきるも良し。想像力の大海に漕ぎ出し、大変なことになってしまおうではありませんか!!
【あらすじ】
第1章『ジョン・シルバー』
片足を失った男「ジョン・シルバー」は戦後の東京で妻の小春と銭湯を営んでいたが、平和な日々に飽き足らず突如失踪、以来、小春は夫を探す旅を続けていた。行き着いた浜辺で小春を見初めた紳士は、シルバーを諦めさせるための賭けをする。ついに紳士に身を任せようとする小春だったが、彼方からシルバーの唄が響きわたり……
第2章『続ジョン・シルバー』
夫シルバーの帰りを待つ小春は、今では紳士の囲われ者となっていた。喫茶ヴェロニカのオーナーとマダムにおさまった二人だったが、夜の生活は屈折に満ちていた。小春は愛車ムスタングを疾走させてシルバーの名を叫び続け、紳士は屈辱の日々を過ごす。近所の商店主たちが組んだグループサウンズ、恋を夢見る少女と万引きおばさん、そして当たり屋一家。ヴェロニカに入り乱れる喧騒の中、またもシルバーの唄が近づいてくる……
第3章『あれからのジョン・シルバー』
かつて夫を捜していた小春は娼婦に身を堕として「春子」となり、闇屋となった紳士のもとで商売をしていた。一方、街には戦争で家族を失った者たちが溢れている。母を亡くした少年・又三郎は大人の男になるために春子を求め、ダンスホールの支配人・花形ミツルは亡き姉の面影を春子に見出す。失った家族に寄せる人々の妄執を一身に受けながらも、シルバーを一心に待ち続ける春子がとった行動とは……
【公演情報】
劇団唐ゼミ☆第29回公演『ジョン・シルバー』三部作 一挙上演
第1章『ジョン・シルバー』
第2章『続ジョン・シルバー』
第3章『あれからのジョン・シルバー』
作◇唐十郎
演出◇中野敦之
出演◇禿恵 重村大介 熊野晋也 津内口淑香 林麻子 米澤剛志 新木遥水 岡村夏希 山本十三 向田真 小山祥平 佐々木あかり 興宮咲月 ちろ 丸山正吾 佐々木覚 たけヒーロー 今井勝法
9/17(火)~23(月祝)◎横浜・日本丸メモリアルパーク内 特設テント劇場 (CタワーとDタワーの間)
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