お芝居観るならまずはココ!雑誌『えんぶ』の情報サイト。

カムカムミニキーナ30周年締めくくり公演『燦燦七銃士~幕末エクスプレス1867~』上演中!

カムカムミニキーナ旗揚げ30周年の第二弾であり、劇団を立ち上げた八嶋智人&松村武の生誕50年を記念する舞台『燦燦七銃士~幕末エクスプレス1867~』が、10月31日から下北沢ザ・スズナリで上演中だ。(11月9日まで。11月14日・15日に近鉄アート館にて大阪公演)

今回の物語は、フランスの小説家アレクサンドル・デュマの代表作の一つ「ダルタニャン物語」(その第一部がいわゆる「三銃士」第三部が「鉄仮面」)が下敷きとなっている。「ダルタニャン物語」は、主人公の銃士見習いダルタニャンと彼が慕う三銃士アトス、ポルトス、アラミス、また敵方の枢機卿リシュリー、妖婦ミレディ、そしてルイ14世などキャラが立った人物が入り乱れる中世のフランスを舞台に繰り広げられる大活劇。その原作を日本に移し替え、幕末の時代を『猿女のリレー』同様、松村史観と俳優論で読み解いたとも言えるのが今回の『燦燦七銃士』なのだ。

《あらすじ》
1867年。時代が大きく動こうとしていた時。パリで開かれた万博に日本は初めて参加していた。幕府肝入りの日本文化遠征軍。中でも目玉は、当時フランスでのベストセラー「三銃士」を和風に表現しようという、何とも無茶苦茶極まった、名も知れぬ幕末浪士達による「お芝居」の上演だった。

登場人物は、アレクサンドル・デュマならぬ女作者のおでゅまを語り部に、フランス人宣教師や歌舞伎役者、武士や商人そしてラシャメンなどが登場。ダルタニャンと三銃士が闘った自由への戦いを、幕末の混沌の中での芸能者たちの戦いと重ね、そこにさらに2020年コロナ禍の日本の演劇の現状を重ねて映し出す。

物語の展開も江戸からフランスへ飛び、また京都の朝廷や箱根での幕府と官軍の戦いなども織り込むなど、松村作品ならではの演劇的仕掛けが満載で、小劇場スズナリの空間一杯に、日本と世界、演劇と現実、嘘とまことが重層的に絡み合いながら、物語が進んでいく。その中で「芝居」と「役者」の力が時代を照らし、人間の自由とは何か、真の敵とは何かを浮かび上がらせていくところは、前作『猿女のリレー』から通底したテーマでもある。

八嶋智人を中心とする劇団の俳優たちの自在な表現力に加えて、清水宏や今奈良孝行の強烈な個性、内藤大希と池田有希子と谷知恵の新鮮さ(内藤と池田には見事な歌唱力を披露する場面もある)。そんな俳優たちの力をかりて、松村武が困難の時代だからこそ訴える「物語の持つ力」と「演劇の存在意義」が、より一層、豊かに力強く伝わってくる舞台となっている。

【公演情報】
カムカムミニキーナ vol.70
劇団旗揚げ三十周年記念公演 第二弾
『燦燦七銃士 ~幕末エクスプレス1867~』
作・演出:松村武
出演:内藤大希 清水宏 池田有希子 今奈良孝行 谷知恵
八嶋智人 亀岡孝洋 長谷部洋子 田原靖子 未来 渡邊礼 元尾裕介 福久聡吾 柳瀬芽美 梶野春菜 スガ・オロペサ・チヅル 松村武
●10/31~11/9◎ザ・スズナリ
●11/14・15◎ 近鉄アート館
〈料金〉6,500 円[パンフレット付き指定席](全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈公式サイト〉http://www.3297.jp
〈公式Twitter〉https://twitter.com/3297jp

【配信情報】
日時:11月7日13:00/11月7日18:00/11月8日12:30/11月8日17:00
料金:3,800円(税込)
※視聴環境、チケット購入方法や、お支払い方法の詳細について、下記サイトより確認のこと。
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01i449118wd1c.html

 

【取材・文/榊原和子 写真提供/カムカムミニキーナ】

記事を検索

観劇予報の最新記事

草彅剛・主演のシス・カンパニー公演『シラの恋文』ビジュアル公開!
数学ミステリーミュージカル『浜村渚の計算ノート』開幕!
『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』井上芳雄最終日の写真到着&再演発表!
 「池袋演劇祭」まもなく開幕!
加藤拓也の最新作『いつぞやは』開幕!

旧ブログを見る

INFORMATION演劇キック概要

LINKえんぶの運営サイト

LINK公演情報