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歌舞伎座「三月大歌舞伎」が開幕!

『楼門五三桐』真柴久吉=松本幸四郎、石川五右衛門=中村吉右衛門

歌舞伎座で3月4日、「三月大歌舞伎」が開幕した。(29日まで)
「三月大歌舞伎」は尾上菊五郎、中村吉右衛門、片岡仁左衛門、坂東玉三郎をはじめ豪華出演陣が顔を揃え、春らしい趣向に富んだ演目が揃った、
歌舞伎座は1月から三部制での興行となっているが、3月も引き続き出演者・観客は各部総入れ替え、客席数は 50%を維持して公演を行っている、(第三部は午後8時までに終演)

『猿若江戸の初櫓』出雲の阿国=中村七之助、猿若=中村勘九郎

第一部の序幕を飾る 『猿若江戸の初櫓 』 は、江戸歌舞伎の幕開きをモチーフにした舞踊劇。今から約 400年前、江戸で初めて官許の櫓をあげた、初世(猿若)勘三郎の猿若座(後の中村座)。猿若の機転を利かせた働きが奉行に認められ、芝居小屋の開場が許されるまでが描かれる。猿若と歌舞伎の創始者・出雲の阿国が揃って江戸にやって来るという、楽しい創作を交えた一幕で、中村屋が大切にしてきた作品。中村勘九郎が猿若を快活に演じ、中村七之助が出雲の阿国を溌剌と勤めると、中村扇雀演じる奉行の板倉勝重から「その方たちの勢いで、流行り病を鎮めてくれい!」の台詞には、場内が大きな拍手で包まれた。

『戻駕色相肩』吾妻の与四郎=片岡愛之助、浪花の次郎作=尾上松緑、禿たより=中村莟玉

続いては、常磐津の舞踊 『戻駕色相肩』。春景色の中、尾上松緑演じる赤っ面風の堂々とした姿の次郎作、片岡愛之助演じる白塗りの粋な与四郎、中村莟玉演じる可愛らしい禿が揃うと、舞台は錦絵のような華やぎをみせる。三人がそれぞれ大坂、江戸、京の廓の様子を踊るうち、やがて次郎作と与四郎の意外な正体が明らかになる。古風な大らかさに、奇想天外な趣向も楽しい一幕。
第一部は今の季節に相応しい、春らしく明るい狂言が揃い、場内は晴れやかな雰囲気に包まれた。出演者たちの生き生きとした姿に、客席も華やいだ雰囲気に溢れた。

『熊谷陣屋』熊谷妻相模=片岡孝太郎、熊谷次郎直実=片岡仁左衛門、藤の方=市川門之助

『熊谷陣屋』熊谷妻相模=片岡孝太郎、熊谷次郎直実=片岡仁左衛門、源義経=中村錦之助、藤の方=市川門之助

第二部は、義太夫狂言の名作『熊谷陣屋』で幕開け。源平争乱の時代、熊谷直実の武将としての生き様、戦乱ゆえの悲劇が描かれ、世の無常さ、人生の儚さが胸を打つ重厚な時代物。片岡仁左衛門が、風格と知勇あふれる武将・熊谷直実を演じる至高の舞台。

『雪暮夜入谷畦道 直侍』三千歳=中村時蔵、片岡直次郎=尾上菊五郎

続く『雪暮夜入谷畦道 直侍』 は、雪景色の中、蕎麦屋で演者が実際に蕎麦をすすり、江戸の風情を堪能できる前半から、尾上菊五郎演じる粋な小悪党直次郎と中村時蔵演じる傾城・三千歳の艶やかな色模様が描かれる後半まで、見どころ満載の一幕。幕末から明治にかけて、数々の名作を生み出した大作者・河竹黙阿弥の傑作だ。

『楼門五三桐』真柴久吉=松本幸四郎、石川五右衛門=中村吉右衛門

第三部は、『楼門五三桐』 から。「絶景かな、絶景かな」で始まる大盗賊・石川五右衛門の名せりふで有名な人気の場面。中村吉右衛門の石川五右衛門、松本幸四郎の真柴久吉という配役では、当月が初共演。様式美にあふれ、歌舞伎の醍醐味が凝縮された舞台。

『隅田川』舟長=中村鴈治郎、斑女の前= 坂東玉三郎

『隅田川』斑女の前= 坂東玉三郎 舟長=中村鴈治郎

続いては、舞踊『隅田川』。清元の叙情的な旋律に乗せて、錯乱しながら我が子を求める坂東玉三郎演じる斑女の前の姿に、哀切が漂う幻想的な一幕。玉三郎が『隅田川』を歌舞伎座で勤めるのは初めて。能の「隅田川」をもとにした、幽玄美に満ちた舞台だ。

【公演情報】
歌舞伎座「三月大歌舞伎」
2021年3月4日(木)~29日(月)
※開場は開演の40分前を予定
休演/11日(木)、22日(月)

◎第一部 午前11時~
田中青滋 作
一、猿若江戸の初櫓(さるわかえどのはつやぐら)

猿若 勘九郎
出雲の阿国 七之助
福富屋女房ふく 高麗蔵
福富屋万兵衛 彌十郎
奉行板倉勝重 扇雀

二、戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)

浪花の次郎作 松緑
禿たより 莟玉
吾妻の与四郎 愛之助

◎第二部 午後2時~
一谷嫩軍記
一、熊谷陣屋(くまがいじんや)

熊谷次郎直実 仁左衛門
源義経 錦之助
熊谷妻相模 孝太郎
堤軍次 坂東亀蔵
藤の方 門之助
白毫弥陀六実は弥平兵衛宗清 歌六

河竹黙阿弥 作
二、雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち
直侍
浄瑠璃「忍逢春雪解」

片岡直次郎 菊五郎
三千歳 時蔵
暗闇の丑松 團蔵
按摩丈賀 東蔵

◎第三部 午後6時30分~
一、楼門五三桐(さんもんごさんのきり)

石川五右衛門 吉右衛門
右忠太 歌昇
左忠太 種之助
真柴久吉 幸四郎

Aプロ
二、隅田川(すみだがわ)

斑女の前 玉三郎
舟長 鴈治郎

Bプロ
二、上 雪(ゆき) 下 鐘ヶ岬(かねがみさき)
雪/芸妓 玉三郎
鐘ヶ岬/清姫 玉三郎

〈料金〉1等席15,000円 2等席11,000円 3階A席5,000円 3階B席3,000円 1階桟敷席16,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉チケットホン松竹(10:00-17:00)0570-000-489
または東京は03-6745-0888、大阪は06-6530-0333
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/704/

 

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