お芝居観るならまずはココ!雑誌『えんぶ』の情報サイト。

KAAT 『ラビット・ホール』ビジュアルと公演日程発表!

KAAT 神奈川芸術劇場では、ピューリッツァー賞戯曲部門受賞作『ラビット・ホール』を、2022年2 月 18 日(金)~3 月 6 日(日)に上演するが、そのビジュアルと公演日程など詳細が発表された。

『ラビット・ホール』 は、は新芸術監督に就任した長塚圭史により導入されたシーズン制の1年目のテーマ「冒」というテーマにそった企画で、幸せな日常と未来を突然奪われながらも、深い悲しみから一歩を踏み出そうとする家族の物語。デヴィッド・リンゼイ=アベアーによる戯曲で2007 年にアメリカのピューリッツァー賞戯曲部門受賞、2010 年にはニコール・キッドマン自らのプロデュース・主演により映画化もされ、数々の賞に輝いた。

かけがえのない息子を事故で亡くし、深い苦しみと悲しみの中にある夫婦。同じ痛みを抱えながらも関係がぎくしゃくしてしまう2人と、彼らを取り巻く人々が微妙に変化していく日常をきめ細やかに描いている。

演出を手掛けるのは、2017 年『チック』(翻訳・演出)で第 10 回小田島雄志・翻訳戯曲賞、第 25 回読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞し注目を集め、数々の話題作を世に送り出してきた小山ゆうな。繊細な本作をどのように演出するのだろうか。

また今回の公演では、テレビドラマなどの脚本を手掛ける脚本家に上演台本を依頼し、翻訳劇を現代の日本人に響く活きた言葉に磨き上げることにより、リアルな会話で物語が語られることを目指し、ドラマ『クロサギ』『紙の月』や、連続テレビ小説『まれ』など映像作品の脚本家として活躍する篠﨑絵里子が上演台本を手掛ける。

出演者には、魅力あふれる実力派キャストが集結した。
事故で失った息子の面影に心乱され苦悩するベッカ役を、映画・ドラマ・舞台と幅広い活躍で存在感を示している 小島聖。
ベッカの夫・ハウイー役を、声楽家としてオペラデビュー後、俳優としてミュージカル・演劇と数々の舞台で活躍を見せる田代万里生。
ベッカの妹イジー役には、映画・舞台などでその個性が光る占部房子 。
二人の母ナット役には、確かな演技力で実力派女優として舞台・ドラマ・映画で活躍し続ける木野花。
夫妻の息子を車で轢いたジェイソン役にはドラマ・CMでみずみずしい演技で注目を集める新原泰佑。

【あらすじ】
ニューヨーク郊外の閑静な住宅街に暮らすベッカとハウイー夫妻。
彼らは8カ月前、4歳だった一人息子のダニーを交通事故で失いました。ダニーとの思い出を大切にしながら前に進もうとする夫のハウイー。それに対し、妻のベッカは家の中にあるなき息子の面影に心乱されます。そのような時にベッカは、妹イジーから突然の妊娠報告を受け戸惑い、母のナットからは悲しみ方を窘められ、次第に周囲に強く当たっていきます。お互いに感じている痛みは同じはずなのに、夫婦・家族の関係は少しずつ綻び始めていました。
ある日、夫妻の家にダニーを車で轢いたジェイソンから手紙と彼が書いたSF小説が届きます。会いたいというジェイソンの行動に動揺を隠せないハウイーですが、ベッカは彼の描いた手紙や小説を読み、彼に会うことを決意します。

【コメント】
小島聖
最近思い立って開かずの段ボールを開けた。
体に沁みている記憶もなんとなく形(物)を残しておかないと消えてしまうのではないかといろなカケラを残していた。もちろん開けたことで蘇った記憶もあるし見なくとも刻まれている記憶もある。けれど考えてみればこの段ボールを開けることはほとんどない。
ならば物としてはいらないと思い切って処分した。
そうしたら風が吹いた。
大切だと思っていた物は小さくなったけれど、私にとっての大切さは変わらない、それでいい。
ベッカもそうなのではないか、とふと思う。
ベッカとハウイーはお互いに大切な宝を失った悲しみの受け止め方が夫婦とはいえ違い、傷つけ傷つく。8ヶ月では到底整理なんてできないけれど、答えのない日々に小さなあったかい風が吹いたらいいなと今は思っています。

田代万里生
これまでミュージカルで非日常を演じることが多かったのですが、今回初めて、家族のごくごく日常的な生活を描いた作品に出演させて頂くことになりました。描かれるのはどこにでもいるような普通の家族の日常ではあるものの、真実は小説より奇なり。不思議の国のアリスでお馴染みのラビット・ホールというタイトル通り、日常のすぐそばには、簡単には抜け出せない非日常なパラレルワールドが潜んでいます。初共演となる小島聖さんと共に演じるのは、8ヶ月前にわずか4歳の息子を交通事故で失ったばかりの夫婦。癒えることのない哀しみと人はどう共存して生きていくのか、僕自身の「明日」も、この作品で少し変わっていくような気がしています。

【公演情報】
KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース
『ラビット・ホール』
作:デヴィッド・リンゼイ=アベアー
上演台本:篠﨑絵里子
演出:小山ゆうな
翻訳:小田島創志
出演: 小島聖 田代万里生 占部房子 新原泰佑 木野花
●2022/2/18~3/6◎KAAT 神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉
〈料金〉一般6,800円 一般・平日夜割6,000円 U24 [24 歳以下]3,400円 U24・平日夜割3,000円 高校生以下割引1,000円 シルバー[満 65 歳以上]6,300円 シルバー・平日夜割5,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
*U24、高校生以下、シルバー割引はチケットかながわの電話・窓口・WEB にて 12 月 18 日より取り扱い(前売のみ、枚数限定、要証明書)
〈一般発売日〉12 月 18 日(土)
〈お問い合わせ〉0570-015-415(10:00~18:00 年末年始を除く) https://www.kaat.jp
〈公式サイト〉https://www.kaat.jp/d/rabbithole2022

●2022/3/12・13◎兵庫公演 兵庫県立芸術文化センター  阪急 中ホール
〈お問い合わせ〉芸術文化センターチケットオフィス0798-68-0255(10:00~17:00 ※月曜休/祝日の場合翌日)

記事を検索

観劇予報の最新記事

草彅剛・主演のシス・カンパニー公演『シラの恋文』ビジュアル公開!
数学ミステリーミュージカル『浜村渚の計算ノート』開幕!
『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』井上芳雄最終日の写真到着&再演発表!
 「池袋演劇祭」まもなく開幕!
加藤拓也の最新作『いつぞやは』開幕!

旧ブログを見る

INFORMATION演劇キック概要

LINKえんぶの運営サイト

LINK公演情報