”戦争”や”歴史”について思いを馳せさせる名作『パレードを待ちながら』、9月に東京・中野にて上演!
カルガリーで戦時中を過ごした住人たちへのインタビューを元に、ジョン・マレルが描いたカナダの歴史——戦争という「非日常」時の日々——の一コマ。舞台は第二次世界大戦末期のカルガリー。登場するのは出自や職業、家庭環境などにより価値観が異なる5人の女性。彼女たちは、歌やダンス、ユーモアも忘れずにつらい日々を乗り越えようと奮闘していた・・・。1977年の初演以来、カナダ国内はもとより、世界各地で上演され愛されてきた名作が、この秋、中野にあるテアトルBONBONにて上演される。
今回、この作品に挑むのは既成の枠に縛られず、生き生きとした作品を生み出してきた森下知香率いる演劇企画イロトリドリノハナ。本作の重要な要素である音楽(挿入曲アレンジ)には作曲家・ピアニストの谷川賢作、振付には元劇団四季の俳優・ダンサーであり、振付師の松原美智子を迎え臨む。俳優たちはピアノ生演奏やコーラス、ダンスでも魅せながら、5人の女性の人生を生きる!
演劇企画イロトリドリノハナ主宰、演出、マーガレット役(Aプログラム)を演じる森下知香からのメッセージが到着した。
この企画と取り組んで数か月がたちますが、改めて感じるのは……、この作品で描かれているのは「コップの中の戦争」なのだということです。戦争といっても、それぞれの置かれた立場で受け止め方は大きく変わります。戦争=悪、ということは当然、誰もが知っている、はずなんですよ。しかし、現実はそんなに簡単に割り切れるものではない。ある人にとっては戦争=「国を守る」ということが、ある種の生き甲斐になってしまったり、また、平和に対する認識の違いで家族間に亀裂が入ってしまうこともある。この作品は、戦争によっておこる社会の分断を、コップの中=「ミニマムなコミュニティ」の中に落とし込んで、見事に表現している。さまざまな軋轢や諍い、そんな戦時下の「異常な日常」を、時にコミカルに、ざっくばらんに見せつけてくれます。戦争の持つ狂気を、より身近に感じさせてくれる、それがこの作品の一番の魅力だと思います。
そしてもう一つの魅力は、非常にポジティヴでエンタティンメント性に富んでいるということです。シビアな物語なのに、ちっとも深刻ではない。優れた音楽性で観客を巻き込む。観客を飽きさせない工夫にあふれています。ジョン・マレルのマジックに、演る側もワクワクさせて頂いています。
今も地球の向こう側で現実に起きている戦争。みんな気にはなっているけれど、やはりどこか遠い存在と思ってしまっているのではないか。この5人のパワフルで生命力にあふれる女性たちを通して、私達自身が深く考える契機とし、また観る人たちにも楽しみながら一緒に考えていただける、そういう公演を目指しています。
〇あらすじ
彼女たち5人は、同じコミュニティで暮らす隣人同士。
ところが、戦争が長引くにつれて、夫の職業や人種、国に対する考え方の違いなどから、すれ違いが生じていく。やがてジャネットがリーダーを務める国防婦人会の中に、いやな空気が流れ始め……。
それぞれ問題を抱えながらも、決してひるむことなく、時にユーモラスに、しぶとく生きていく女性たち。
「パレード」の向こうに、彼女たちは何を見出すのであろうか――
古き良き1940年代の曲とともにお届けする、カナダ演劇の傑作。
”戦争”や”歴史”について思いを馳せさせる名作、お見逃しなく!
【公演情報】
演劇企画イロトリドリノハナ vol.4
『パレードを待ちながら』
作ジョン・マレル
翻訳◇吉原豊司
演出◇森下知香(演劇企画イロトリドリノハナ)
出演◇
森下知香・重松愛子・赤坂茉莉華(コントロールプロダクション)・田原みずほ・神月叶・ましろうみ
※一部ダブルキャスト(A:森下知香、B:田原みずほ)
〇上演日程
2022年9月
21日(水) 19:00A
22日(木) 14:00A / 19:00B
23日(金) 14:00B / 19:00A
24日(土) 14:00A / 19:00B
25日(日) 14:00B
※一部ダブルキャスト公演です。
〇会場
テアトルBONBON(東京都中野区中野3-22-8)
JR中央・総武線/東京メトロ東西線 中野南口より徒歩5分
〇料金 (全席指定)
前売一般:4,200円 当日一般:4,500円
U22:3,500円(前売当日共) 2キャスト通し券:6,000円
リピーター:1,800円(当日のみ・半券提示)
〇お問合せ
J-Stage Navi 03-5912-0840(平日12:00~18:00)
◆演劇企画イロトリドリノハナ
Email irohana2018@yahoo.co.jp
〇公演特設サイト https://irohana2018.wixsite.com/parade
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