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宝塚星組『1789─バスティーユの恋人たち─』開幕!囲み取材レポート!

宝塚歌劇団が2015年に日本初演を果たした傑作ミュージカル待望の再演である、宝塚星組公演三井住友VISAカードシアター スペクタクル・ミュージカル『1789─バスティーユの恋人たち─』東京宝塚劇場で開幕した(8月27日まで)。

『1789─バスティーユの恋人たち─』は、様々な話題作を生み出し続けるドーヴ・アチアとアルベール・コーエンにより2012年にフランスで初演され、大ヒットを記録した作品。2015年に小池修一郎の潤色・演出で宝塚歌劇月組公演として初演され、のち東宝ミュージカルとしても二度の上演を重ねている、フランス人の視点で描かれたフランス革命の物語を、小池が日本人にも親和しやすい、革命期を生きた様々な階級の人々の群像劇として構築した作品で、当代一の歌唱力を誇り、フレンチミュージカルの申し子とも称されるほど、数々のフレンチミュージカルに出演してきた星組トップスターの礼真琴が、父親を理不尽に殺され単身パリに出て革命思想に目覚めていく主人公、ロナン・マズリエを。時の国王ルイ・16世と王妃マリー・アントワネットの第一子である病弱の王太子、ルイ・ジョゼフの養育係として王室に仕え、立場の違いから許されぬ恋だとわかりながらロナンと恋に落ちていくオランプをトップ娘役の舞空瞳が務めるのをはじめ、星組の強力なメンバーがエネルギーにあふれる作品を展開している。

そんな公演の初日を前に通し舞台稽古が行われ、星組トップスター礼真琴と舞空瞳が囲み取材で公演への抱負を語った。

【礼真琴、舞空瞳挨拶】

礼真琴 無事宝塚大劇場を終えて東京までやって参りました。梅雨だった宝塚とは違い東京の暑さに驚いておりますが、暑さに負けないくらいもっと熱い舞台をお届けできるように、暑苦しい舞台になるように(笑)頑張りますので、よろしくお願い致します。

舞空瞳 大劇場を終えて東京公演も1回、1回強いエネルギーを持って駆け抜けて参りたいと思いますので、最後までどうぞよろしくお願い致します。

【質疑応答】

──お言葉通り熱い舞台稽古でしたが、作品の見どころについてお二人からそれぞれお願いします。

 本当にたくさんあるのですけれども、やはり楽曲、1曲、1曲の壮大さというところ、一度観たお客様の耳にも残るような素敵な音楽ばかりなので、全員のコーラスと共にインパクトを与えられたらなと思っております。

舞空 礼さんもおっしゃったように曲のエネルギーもすごく感じるのですが、礼さんはじめお一人おひとりのキャラクターの持つ生きるエネルギーみたいなものが集結したパワーを、私も演っていても日々感じるので大切にしたいと思いますし、少しでもお届けしたいなと思います。

──礼さんご自身の念願の演目と伺っていますが、実際に演じてお役柄で大切にしたいところ、また最後のデュエットダンスを踊る時の心情をお聞かせください。

 月組さんの初演を拝見した時から作品の素晴らしさに感動していた1人なので、この機会をいただけたことはとても光栄です。でもいざロナンと向き合ってみて、ロナン自身もたくさん葛藤しているのですが、私自身もロナンを作っていくなかで、色々な葛藤をしながら作っていきました。やはりロナンの持つ諦めない、しつこい(笑)、製作発表の時にも申し上げましたが、雑草魂みたいなものを(演出の)小池(修一郎)先生からも何度も言っていただきましたので、暗くなって落ち込んで悩んでいる暇があったら、とっとと立ち上がって前に進めよ!という農民パワーみたいなものが奮い立たせているのかなと思います。最後のデュエットダンスは今回のロナンとオランプの役を、そのままつないだような振付をつけていただいています。本編のなかで身分の違いから二人に壁が出来たところから、それをぶち破って結ばれていくという、ストーリー性のある場面にできたらなと思っています。

舞空 オランプはかなり突拍子もない行動にいきなり出るキャラクターではあるのですが、そこに自分を乗せていくのが難しいところでもありました。でも小池先生からもロナンと立場や境遇は違っても、同じだけの強いエネルギー、揺るがない思いみたいものを持っている女性だと言っていただき、礼さんの作られるロナンの熱いエネルギーを間近で感じるので、オランプの中でもそんな燃え滾るようなパワーを日々新鮮に培っていきたいなと思っています。デュエットダンスは現世、物語のなかでは結ばれることができなかったけれども、礼さんのおっしゃったようにストーリー性のある振りをつけていただいたので、心を大切に躍らせていただきたいと思っています。

──ここを観て欲しいというお気に入りのシーンとその理由を教えてください。

 それは1時間くらいかかりますけれども(笑)、本当にたくさんあるんですよ。すべての場面で。そのなかでも、ロナン・マズリエという役柄が主人公なので、民衆のパワーというものを軸に観ていだたきたい…(舞空に)ごめんなさい。

舞空 いえいえいえ(周りから温かな笑い)

 もちろん貴族も自分の人生を真っ直ぐ生きていますけれども、民衆が濃く描かれている作品ですので、そこを観つつ、ラストのロナンが白い衣装でせりあがってきてからの「悲しみの報い」という曲は、それぞれが激動のフランスの時代を生きてきた、更に先に向かって、ロナンとは違いみんなは生きていく。その魂の叫びみたいものが込められた一曲になっています。そこは貴族も民衆も分け隔てなく、全員がひとつのものに向かって踊って歌っているところなので、集大成として感じて噛みしめていただけたらと思います。

舞空 大好きなところがありすぎて選ぶのは難しいのですけれども、今回2幕で礼さんの新曲があって(※「愛し合う自由」)、いつも間近で聞かせていただいているのですが、本当に礼さんの心からの叫びというか、諦めない気持ち、諦めなくていいんだよ!と言ってくださる強い気持ちを、肌で、全身で感じて心が震える大好きな場面です。

なお、公演レビューも後日掲載の予定です。お楽しみに!

【公演情報】
宝塚星組公演
三井住友VISAカード シアター
スペクタクル・ミュージカル
『1789─バスティーユの恋人たち─』
Le Spectacle Musical ≪1789 – Les Amants de la Bastille≫
Produced by NTCA PRODUCTIONS, Dove Attia and Albert Cohen
International Licensing & Booking, G.L.O, Guillaume Lagorce
潤色・演出:小池 修一郎
出演:礼真琴 舞空瞳 ほか星組
●7/22~8/27◎東京・東京宝塚劇場
〈料金〉SS席12,500円 S席9,500円 A席5,500円 B席3,500円
〈公式ホームページ〉https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2023/1789/index.html

 

【取材・文/橘涼香 撮影/岩村美佳】

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