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堂本光一が新たに挑む「コロナ禍」を経た『Endless SHOCK』の完成形『Endless SHOCK』&『Endless SHOCK -Eternal-』2作品同時上演制作会見レポート

2000年11月、作・構成・演出/ジャニー喜多川、主演・堂本光一で上演された『Millennium SHOCK』で幕を開けて以来、20有余年に渡り『SHOCK』シリーズを牽引し、自らと作品を成長させ続けている堂本光一が、2023年4月・5月の帝国劇場公演で、『Endless SHOCK』本編と、コロナ禍に見舞われた2020年以降も、多くの制限のなかでできる最大限のパフォーマンスを追求して生まれた、本編3年後のストーリーであるスピンエフ作品』『Endless SHOCK-Eternal-』を、同時上演するというかつてない形態に挑むことになった。

これは、同じ劇場、同じキャストで、舞台セットも全く異なる二つの物語を同時に上演するという、世界でも類を見ない試み。作・構成・演出・主演として堂本光一が何故このような斬新な発想をし、実現を目指してスタートを切ったのか。その真意が語られる制作発表会見が1月16日都内で開かれ、作・構成・演出・主演の堂本光一。ライバル役をダブルキャストで務める北山宏光と佐藤勝利。『SHOCK』シリーズに長年出演を続けているふぉ~ゆ~の越岡裕貴と松崎祐介。今回の公演でヒロイン・リカ役として初登場する乃木坂46の中村麗乃。彼らを見守るオーナー役のダブルキャスト前田美波里と島田歌穂が登壇。大きな注目を集める舞台への抱負を語った。

まず質問は、昨年は配信で本編、帝国劇場でスピンオフの『Endless SHOCK -Eternal-』博多座では本編という形で上演されてきた『Endless SHOCK』を今回何故同時上演しようと思うに至ったか?に集中し、堂本光一がその真意と経緯を説明してくれた。

堂本 確かに大変なことなんです。『Endless SHOCK』と『Endless SHOCK -Eternal-』では、セットも違いますし、お客様にはあまり気づかれないだろうというところで言うと、盆回しの方向が違ったり、吊り物の仕込みも違ったりしていますから、特にスタッフの方々には大変なご苦労をおかけすると思います。歌舞伎の世界などではある形だと思うんですが、ミュージカルではあまり聞いたことがない形、スタンスかなと思いますし。それでもやろうと思った理由は、『Endless SHOCK -Eternal-』はコロナ禍のなかで生まれた物語ですが、Eternalという作品を通してSHOCKの世界の全てが昇華されたな、と自分としては思っているんです。ライバル役にしてもそうですし、キャスト全員のそれぞれの思いが完結できるのがEternalかなと思っているので、是非それも含めて、しっかりひとつの作品として皆さんに届けたいなと思ったので、こういった形を取らせていただきました。基本的には昼夜公演がある日は昼が『Endless SHOCK 』夜が『Endless SHOCK -Eternal-』という形で、1回公演の時には『Endless SHOCK 』本編で、という上演になります。まだ公演スケジュールが出せていないので、是非チケットをとられる時にはよくご注意の上で、できれば両方をご覧いたたけたらと思っています。ただ、これで行こう!と決めたのが結構(制作発表会見の)ギリギリだったので、今日(前田)ビバさんと(島田)歌穂さんのお顔を見て、ダブルキャストでお二人が途中で変わるわけですけれども、そういえば歌のキーとか変えてたなと思い出して!(笑)ハモりのメロディーラインとかも違っていましたよね?それ俺がヤバいですね!頑張ります!あー、しまったなぁ(爆笑)でも本当に大変だと思うんですが、切り替えてやっていきたいです。

自分にかかる負荷をも笑いながら語る堂本に応えて、それぞれがこの同時上演の形態を聞いた時の思いを語った。

佐藤 去年は配信で収録した本編を1回と、Eternalを2ヶ月帝国劇場でやらせていただきました。今年は2作同時上演ということで、去年の僕だったらちょっと不安な部分を光一くんに見せてしまったんじゃないかと思うんですが、SHOCKを経て鍛え上げられたおかげか、すんなりその2作同時上演を受け入れられたので、本当に光一くんに鍛えられたんだなと思います。Eternalではフライングが少なくなっていたのですが、本編の光一くんのフライングから学びたいなとずっと思っていたので、今年はそれも含めて学んで、そして何よりもより殻を破って、自分でも見たことのない佐藤勝利をお見せできるように、挑んでいきたいと思います。

北山 今回Eternalも同時にやると聞いた時には、本当びっくりしたんですけれども、Eternalは本編の3年後ということで、自分の演じるライバル役の気持ちがどう変わっていくかを、台本と重ね合わせながら自分なりのヒロミツにしていけたらいいなと思っています。『Endless SHOCK』はキャストがギリギリまで自分を追い込んだところでお客様にお届けするんだということを、光一くんの背中を見ながら感じました。1公演終わるごとにスタートに戻って、気持ちがエンディングに向かってどんどん上がっていくのですが、次の日にはまたゼロに戻って立ち上げていく。肉体と精神の強さがないとできないからこそ、やり遂げた時の快感、中毒性も感じました。それを自分の身体で体験できて良かったと思っているので、2022年に博多座で演じたヒロミツを超えられるように頑張っていきたいです。

中村 私は新キャストなのでとても緊張していますが、たくさんの方に長年にわたって愛されている作品に出演できることが本当に光栄です。初めてSHOCKを観たときに、お芝居だけではなくて、煌びやかなショーや殺陣、仲間との絆や愛など色々な要素がギュッと詰まっていると感じました。作品からパワーをもらって、明るく前向きな気持ちになったのを覚えています。自分もこの中で生きてみたいと思いましたから、作品に真摯に向き合って、大切に務めたいと思っています。

前田 三日前に両方を演じることになるというお話を伺いまして、これはまた大変なことだと台本を二つ並べ、頑張らなくてはいけないと思いました。Eternalではコウイチが天国に行った後、仲間たちがどう生きていったかが描かれています。コロナ禍になって一時期は「もう公演ができない」というところまでいったのですが、そこで私と越岡くんと松崎くんたちが「こんなときだからこそやりたい、どんな形でも上演したい」と光一さんにお願いしたんです。そうしたらすぐに光一さんが動いてくださって、出来上がったのがEternalです。本当に素晴らしいものが完成しました。この二つの作品を私の大好きな帝国劇場、あの立派な劇場で一日に二度もやれるというのはすごく幸せですので、舞台人としては本当に今から必死になって稽古をして、新たな気持ちで今年も挑戦したいと思っております。前半は私がオーナー役を、そして後半は島田歌穂さんが演じられますので、頑張っていきたいです。

島田 両方を上演するというのは、なんとなく去年から予感はしていたんですが、やっぱりそうだったのかということで、今ちょっと胸がざわざわしておりますけれども、『Endless SHOCK』の新たな歴史の1ページがまた開かれる、そこに参加させていただけることに、感謝の思いでいっぱいです。昨年の秋『Endless SHOCK』本編に博多座公演で初めて参加させていただいて、伝説の『Endless SHOCK』そして前田美波里さんがずっと守ってこられたオーナー役を演じさせていただくということで、あまりにも大きなプレッシャーに押しつぶされそうな日々だったのですが、座長の光一さんをはじめ、最高のチームワークの皆さんに力をいただいて精一杯務めさせていただきました。今回またこうしてお声がけいただいて、本当に嬉しく思っています。『Endless SHOCK』はありとあらゆるエンタメが盛り込まれている作品だと感じます。様々なナンバーの転換が秒単位でまるでパズルのように見事に行われていくんです。光一さんの素晴らしい演出とスタッフの方々のチームワークにも感動しましたし、こんなに大変なステージでも光一さんが常に変わらず、疲れを見せずに力強く中心に立ち続けてくださることに、この作品にかける思いや気迫、深いものをたくさんいただきました。

越岡 僕らは『Endless SHOCK』も『Endless SHOCK-Eternal-』も経験している。先輩としてみんなを全力でサポートしていけたらと思います。

松崎 僕はこのシリーズで、光一くんの次に出演回数が多いと耳にしました。それだけ光一くんの背中を見ているということなので、学んだことをキャストの皆さんや、宏光や勝利に伝えていき、アドバイスできる存在になりたいです。なかでも一番印象的だったのは、光一くんが「公演をどうするか」とカンパニー全員にアンケートを取ってくれたことです。それで僕は「何がなんでもやりたいです」と伝えたら光一くんが色々考えてくれました。だからこそこのコロナ禍をマイナスには捉えず、この時期があったからこそスピンオフが生まれたんだとプラスに考えています。

越岡 光一くんがJr.も含めたみんなにアンケートを取ってくれたんですが、誰一人として「ストップしよう」とは言いませんでしたし、光一くんが『Eternal』という形を作ってくれたことにすごく感謝しています。僕個人としてはEternalのセットもすごく好きなので、こうやって生まれたスピンオフを今年も演じられるのは感慨深いものがあります。

それぞれが感じる『Endless SHOCK』そして『Endless SHOCK-Eternal-』への深い思いが披露され、また堂本からはそれぞれの魅力についても語られた。

堂本 勝利は見ての通りの正統派なので、「自分にライバル役は合わないんじゃないか」と思う部分もきっとあったと思うけれども、そこにあえて立ち向かって、自分の泥臭い部分を探しながら毎日ステージに立つ姿が魅力的でしたね。今年もその探索を続けていって欲しいと思っています。宏光は今までのライバルの誰とも違うアプローチをしてくるのがズルいなと(笑)。研究してきたんだなと感じるので、今回スピンオフのEternalもやることで、宏光が演じるライバルがさらに変わっていくのではと楽しみです。ビバさん(前田)に関してはもう言わずもがなで。カンパニーみんなの母であり、そこにいてくれるだけで包まれるような愛を感じますし、ステージに立たれる時の背筋が伸びる感覚も学ばせていただいています。歌穂さんとは『ナイツ・テイル』でも共演しましたが、その時は台詞のやり取りがほぼなかったんですよね。ですからこの作品で一緒に歌うこともできて光栄です。僕がちょっと「こうしてみたいんですが」と言ったたけで、稽古1回目から完璧に演じてくださって「それでお願いします!」というね。説得力がすごいので、今回はじめてのEternalですが、何も心配していません。麗乃ちゃんは今回が初参加ですが、リカ役は少女から大人に成長していく一番の役どころなので、すごく合っていると感じますから、稽古が楽しみですね。以上です!

このスパッとした言い切り方に、越岡と松崎から「えっ!?僕らは?」というツッコミが入るのもサラッと受け流す堂本の、遠慮がないからこその振る舞いにカンパニーの結束の固さがより感じられるなど、楽しいやりとりが続き、今回はEternalでもショー場面はほぼ本編と変わらず披露され、客席へのフライングも現時点では復活される予定という、嬉しい情報が次々と飛び出した。

最後に堂本から「2023年の『Endless SHOCK』は、本編とスピンオフのEternalの同時上演という形を取らせていただきます。キャスト、スタッフの皆さんにはご迷惑をおかけする部分もたくさんあるかと思いますが、みんなでいっぱい苦労して、その一つひとつの積み重ねがステージ上できっと輝くものになると思うので、是非その輝きをお客様に届けしたいなと思っております。2023年の『Endless SHOCK』にどうか期待していただきたいと思います。よろしくお願いします」との挨拶があり、新たな歴史を刻む『Endless SHOCK』に期待の高まる時間となっていた。

【公演情報】
『Endless SHOCK』『Endless SHOCK-Eternal-』
エターナル・プロデューサー:ジャニー喜多川
作・構成・演出・主演:堂本光一
出演:佐藤勝利、北山宏光(ダブルキャスト) / 越岡裕貴、松崎祐介 / 高田翔、原嘉孝 / 深田竜生、阿達慶 / 中村麗乃、石川直 / 前田美波里、島田歌穂(ダブルキャスト)
●2023年4・5月◎帝国劇場

 

【取材・文・撮影/橘涼香】

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