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【えんぶ2023年4月号特別企画】サウイフモノニ ワタシハナリタイ

現在発売中のえんぶ2023年4月号(3/9発売)にて、

“演劇”の明日のトビラを開く!いま注目のフレッシャーズの方々に「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」というアンケートに答えていただきました。
「“演劇”に限らず幅広い中で」という設定の中、誠実で工夫を凝らしたみなさんからの答えと自作プロフィールをおたのしみください!

谷田部美咲・俳優

撮影:佐久間鑑

そういうものだったわたし

グレープフルーツにがてなの、と言う。3歳の、知人の子ども。甘くて美味しいから大丈夫だよ、とすすめると、暗い顔をして小さくかじった。途端、目をぎゅ〜っとつぶり、頬をブルブルと痙攣させた。苦味が口元から引いたのか、ふぅと息をついて「ごちそうさま」と食べかけのフルーツをお皿に置いた。別の日、風がビュウビュウ吹き荒れるなか、一緒に散歩をした。手を繋いで二人で黙々と歩く。冷たいね、と彼女の顔を覗きこむと、ぽろぽろと涙を流していた。 彼女と別れ、一人になってから考えた。苦いとつらい、寒いと泣きたい。その瞬間の感覚、それこそが自分の全てであること。究極の「今・ここ」に心奪われつつ、大人の私は君を守るよ。

やたべみさき○大学在学中に俳優活動を始め、卒業後は私立の高等学校にて演劇・ダンスを用いた表現教育に携わる。人々の何気ない日常に、演劇が出会う場を作りたいと模索中。絵日記描いてます@misaki_yatabe(Twitter/Instagram)

 

てっぺい右利き・俳優(パ萬)

興味と声量

20歳くらいに気づいた。僕は普段極端に声が小さいらしい。特に言葉の語尾が小さい。小さい頃には言われてなかったから大きくなってからだと思う(歳が)。舞台では台詞があり練習をして自分がこれだと思うところでやっと本番を迎えれるので大きな声がでる。普段は小さなニュアンスに敏感になる。相手が、どうでもよさそうとかケータイの方見てるとか、でも早く話さなければと話すが途中で力無く語尾が消えていく。でもそれだと自分に興味ある人としか喋れない事になる。それは困る。興味の的に僕はなりたい。僕は困っています。

てっぺいみぎきき○1994/9/15 静岡県出身。WCS18期卒業。お笑いコンビ解散と同時期に舞台に出始める。“江原パジャマ”と“細井じゅん”との定期ユニット「パ萬」では公演やルームシェアをしている3人という設定で映像も配信している。特技おなかくねくね。
〈活動予定〉パ萬『真っ直ぐ見てMAEDA』5/4〜7◎下北沢スターダスト

 

奥田一平・俳優(文学座)

上手さと凄さ

稀に客席と舞台の距離感を縮め、3Dメガネをかけた時のように役者が目の前に浮き出してくる感覚を味わうことがある。その時、僕は上手いと言うより「凄い」と感じる。 12年の役者人生の中で4.5回ほどしか体感したことはない。ただ、その凄さに惹かれてしまう。 どうすればそんな凄い役者になれるのか考えた。 「守破離」という言葉がある。師の教えを忠実に型を「守り」、いろんな知識や経験を通じて型を「破る」、そこに独自の考えや技術を取り入れて型から「離れる」。型破りと言う言葉にも似ている。 いつ「自分の芝居」を確立出来るかわからないが、「凄い」と言われる俳優を目指し吸収し、成長していきたい。

おくだいっぺい○1991年5月21日生まれ、大分県出身。これまでの出演作:文学座公演『冒した者』『一銭陶貨』『ジャンガリアン』『熱海殺人事件』他。外部作品:Bunkamura『罪と罰』、ワタナベエンターテインメント『COCOON 月の翳り星ひとつ』など。
〈活動予定〉unrato#9 『Our Bad Magnet』 4/6~16◎東京芸術劇場シアターウエスト

 

荒威ばる・俳優

いらっしゃいまし

昔ながらの喫茶店内。注文したオムカレーの卵を手際よくかき混ぜるママと常連と思しき老紳士の会話が耳に入って来た。紳士「今日もたくさん本買っちゃった。喫茶店で本読むのがさ、一番楽しい」ママ「うん、最高」紳士「本もずっと読んでると疲れるでしょ、そうしたら家帰ってレコード聴くの」ママ「うん、最高ね」話しすぎない紳士と聞きすぎないママ。シンプルで美味しいオムカレー。なにをするにも「やりすぎくらいがちょうどいい」でなきゃ不安になってしまうわたしも、いつかこの喫茶店のように『すぎない』大人になれるのか。ここのママは、いらっしゃいませを「いらっしゃいまし」と言う。この徹底振りを見習いたいと思う。

あらいばる○1994年6月11日生まれ。カメラマンの母親とその友達(バンドマン)が雑魚寝する六畳一間の部屋で育つ。なんにもしていなかった高校在学中に「なんかしよう」と思い立ち演劇を始め今に至る。憧れの俳優はふせえり。会ってみたい芸能人は都築響一。
〈活動予定〉活動予定はございません! 荒威ばるのホームページ▼

 

福井夏・俳優(柿喰う客、絶対♡福井夏)

結婚して本名を変えたい。

じぶんはどういう人間になりたいかなあと考えてみたのですが、あまり思いつきませんでした。いや、ほんとはあるんですけど、言ったら怒られそうなことばかりなのでもう、とにかく語りたくありません。なんか最近、じぶんの中から生まれてくるものぜーんぶ怒られるんじゃないかなあとおもいます。昔から怒られるようなことしか思いつかない体質です。ほんとはあまり怒られたくない。怒られたくないし恥もかきたくない。ただ、そういう人間になりたいかと聞かれるとそれはつまんない気がする。とりあえず今は人妻になりたいです。福井夏って本名なんですけど、違うなまえになってみたいかな。

ふくいなつ○柿喰う客という劇団に所属して、7年目。絶対♡福井夏というソロプロジェクトを立ち上げ、プロデューサーと出演を務めています。BLUELABELという事務所にも所属しました。好きなものは焼酎、赤ちゃん、いちご、アイス。日課はブランコに乗ること。 Twitter@ichigomamire72 〈活動予定〉流山児★事務所『キムンウタリOKINAWA1945』『OKINAWA1972』4/6〜23◎下北沢ザ・スズナリ

 

古川路・俳優(TeXi’s)

今の団体で創作を始めて6年目の春になりました。何がどう転んでも常に不満足な性のために先の理想を描くことには不慣れですが、最近は数歩先のことをぼんやりと考えたりしています。 舞台上に居ると、ふと静かな感動が通り過ぎていく一瞬にこちらへ差し伸べられる手を見ることがあります。少し前、その手に、向き合うことを学びました。言葉と身体と、俳優の持てるさまざまを尽くしてあなたに向き合うということ。作品を作っている間に季節は過ぎていき、そのすべての季節には作品が付随していきます。いつだってひとりなことに変わりはないけれど、それでも、差し伸べられた手には向き合っていたいと思います。

ふるかわみち○東京都出身。俳優。TeXi’s所属。幼少期よりダンス公演やイベントに出演し、以来演劇、映像作品に携わる。大学では舞台芸術を専攻し、入学当初よりTeXi’s主宰のテヅカ演出作品に出演。11月にはムニ『ことばにない』後編に出演予定。
〈活動予定〉TeXi’s『夢のナカのモクモク(仮)』12月下旬◎BUoY

 

鈴鹿通儀・俳優

“左のワンポイント”

野球が好きです。競技経験こそありませんが、野球にまつわる文化を愛しています。 投手には中継ぎという役割があり、さらにその中に“左のワンポイント”と呼ばれる職分があります。160キロの豪速球や七色の変化球はないけれど、球の緩急や打者の間を外す特異な投球フォームを駆使して目の前の左の強打者ただひとりを抑えるためにここぞの場面で起用されるワンポイント。「ここを任せるのは鈴鹿しかいない」そういう演じ手になりたい、と10年来思っていましたが、最近は「通ぶってちゃダメだ!自己を定めちゃダメだ!お前はお前の渾身で投げろ!」の気持ちも湧いています。機会が合えば、ぜひ劇場に僕のピッチングを観にいらしてください。

すずかみちよし○中学高校時代に日本ハムファイターズの私設応援団員として全国の球場を飛び回るなどしていたら、大学受験に失敗。2年間に渡るプー太郎生活を過ごしたのち日本大学芸術学部演劇学科に進学。卒業後活動を本格化し、舞台を中心に出演多数。
〈活動予定〉ゆうめい『ハートランド』4/20〜30◎東京芸術劇場シアターイースト

 

工藤慎二・俳優

ネクストアクションを起こせる人

私は今社会人一年目を経験しています。くそみそに仕事ができず、周囲の人たちに迷惑をかけております。もうすぐ2年目となるこの3月、より一層の努力が求められています。  働くことの偉大さを噛み締めているそんな年度終わり、間違えて芝居に出ることにしてしまいました。平日は働き、土日は稽古、正直辛いです。稽古は楽しく、喜びに満ち溢れています。が、それとは関係なく体力的にしんどいです。今後は忙しくなさそうな時期のみ芝居に出ます。反省を活かしネクストアクションを起こせる人に、私はなりたい。

くどうしんじ○大学時代に役者経験あり。趣味は散歩。
〈活動予定〉演劇ユニットタイダン『眠りの精』 3/17〜19◎遊空間がざびぃ

 

森川由樹・俳優

ギフト

自分の生き方がすべて乗っかる恐ろしく神聖な場所は、大きな包容力で覚悟と勇気を問い続けてくる。 たくさんの人の、たくさんの想いの先に生まれる奇跡のような瞬間の積み重ねに、幾度となく背中を押され、決してひとりでは見られない景色を見てきました。 芝居をするたびに、芝居が好きになります。 芝居が終わるたびに、もっと芝居がしたくなります。 演劇は宝の山です。 そこを掘れるか、気付けるか、輝けるか。 常に今の自分だからできることを、心踊る方へ、掘り進めて行こうと思います。

もりかわゆき○トム・プロジェクト所属。新国立劇場演劇研修所6期生。新国立劇場『夜明けの寄り鯨』、『ウィンズロウ・ボーイ』、こまつ座『國語元年』、地人会新社『リハーサルのあとで』、梅田芸術劇場『ETERNAL CHIKAMATSU』、名取事務所『少年Bが住む家』など。
〈活動予定〉PLAY/GROUND Creation #5「GOOD COMPANY」(新作/二本立て) SideA『桜川家の四兄弟』 5/19~31◎サンモールスタジオ

 

田中亨・俳優(劇団Patch)

道のりを楽しむこと!

目標や理想像などは時間と共に常に変化し続けていますが、最終的な目的地や着地したい場所というのは僕の中で具体的に決定しています。どうしても事前報告が苦手なので秘密なのですが、表舞台に立ち続けること、海外にも行ってみたい、作り手にもなってみたいの欲張りセットメニューでして、あとはそのプロセスをどう楽しむか…楽しめるか。この世界を存分に生きてみたいと思います!未来にはワクワクしかないです。

たなかとおる○新国立劇場『レオポルトシュタット』演出:小川絵梨子氏。iaku『あつい胸さわぎ』演出:横山拓也氏。辻村深月シアター『ぼくのメジャースプーン』演出:成井豊氏。テレビ朝日 土曜ナイトドラマ「先生を消す方程式。」玉木譲役。NHK 連続テレビ小説「スカーレット」畑山順役。
〈活動予定〉舞台『ブレイキング・ザ・コード』4/1~23◎シアタートラム

 

松本旭平・俳優・モデル

ぜったい売れてみせる!

芸能という道を選び気付けば、19年目を迎えております。売れるとはどこからか。売れたいという言葉を気付けば使わなくなっていた時期もありました。 ですが、僕が日頃お世話になっている横内謙介さんから、早く売れろ売れなきゃいけないと仰っていただき火がつきました。 以前オーディション番組に出演させていただき、そこでの糧を大事にしながら役者「松本旭平」が世の中に広がるように頑張っていきます。よろしくお願いします!!

まつもとあきひら○1994年1月11日生まれ、宮城県出身。わらび座ミュージカル『ジパング青春記 -慶長遣欧使節団出帆』 計192主演公演などの舞台や、サバイバルオーディション「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」に出演。最近の主な舞台に、『SING!!!』、『Sequence』W主演、『ほおずきの家』などがある。
〈活動予定〉未解禁作品あり。

 

高橋なつみ・俳優(サラダボール・ひよこまめ)

心に触れて癒せたら

役と向き合いながら冷静じゃいられなくなるような感情や記憶の蓋をこじあける時、私が演じたものを見た人の何かの傷に触れることを考えます。もしかしたら触れられたくない傷。でも自分が演じた何かがその人に触れたことで癒せることがあるかもしれない。癒せているのかは私には見えないけれど。 ここ数年、学校や企業でコミュニケーションを図るワークショップの現場でアシスタントとして学ばせていただいています。この活動の中で様々な人と傷に出会いながら、何かの力になれたらとの思いがより強くなりました。 視野を広げてゆき、俳優として成長したい思いはもちろん、地域で活動する中で役立てるような人間に成長したいと思っています。

たかはしなつみ○福島県いわき市生まれ。地元のハワイアンズで踊るフラダンサーを見て舞台に憧れ、いわき総合高校で演劇に出会う。四国学院大学に進学のため香川県へ。卒業後は四国を拠点とする劇団『サラダボール』に所属し、昨年ユニット『ひよこまめ』としての活動も開始。
〈活動予定〉サラダボール『サド侯爵夫人』24/2/8〜18◎こまばアゴラ劇場

 

中村彩乃・俳優(安住の地)

さがす俳優

ちいさいころから優しい人に憧れをもっている。今の私は俳優をすることで、その憧れに少しずつ近づけるのではないかと活動している。 演じることは、他者がもつ価値観や想いといった繊細な領域に近づく行為だと思う。共演者・登場人物・観客、それぞれに領域があり、それを踏み越えないように、でもできるだけ近づく。演劇をつくる場では、領域に近づく離れるの検証を何度もおこなう。繰り返しそのようなことをしていると、極稀に、他人にふれたり何かを交換できたり震えあったりできる。私はそういった瞬間に人の温かみを感じ、優しさについて考える。人間らしい優しさとは何かをさがし続ける俳優、人になりたい。

なかむらあやの○舞台俳優。1994年生まれ、奈良県出身。京都を拠点とする“安住の地”の代表を務めながら、俳優として出演。また所属団体の他に外部出演多数。大学では教育学を専攻し、その経験を経て現在は演劇ワークショップ講師や中高生に向けた指導等もおこなっている。
〈活動予定〉安住の地『いきてるみ』5/26~28◎調布市せんがわ劇場

 

松﨑義邦・俳優(東京デスロック)

プロ余計極めスト

何かを目指すと、そのために余計なものを排除してしまう気がするので、正直なところ何も目指さないでいたいと思ってはいますが、強いて言えば、誰かと一緒にものを作り続けている自分を想像します。 目指すというか、そこにある欲求は子供の頃から変わりません。秘密基地や消しピン(消しゴムで戦う遊び)のコース作りが今は演劇に変わっただけです。ものづくりから生まれる“もれ”が私にとっての幸せでした。 大人からしたら余計なものだったと思います。今ももしかしたらそうかもしれません。これからも余計なものを作り続け、余計なものに一つ一つ触れたり、思いを馳せたり、いろいろ試したりして、むしろ余計を極めたいと思っています。

まつざきよしくに○1994年島根県生まれ。左投げで箸は右手。子供の頃から引越しが多く小学校は4校通う。工業高校卒。大学進学を機に上京。2015年より劇団「東京デスロック」メンバーとなる。自主企画もたまに。
〈活動予定〉泊まれる演劇『雨と花束』5/19〜7/30※休演日あり◎HOTEL SHE, KYOTO(京都府京都市)

 

北村由海・俳優(劇団扉座)

ジイシキカジョーと付き合いつつ、、

文章を考えるのは苦手であります! 私は今、旅公演中で乗りうちバラしを繰り返しているところなのであります! 気付けば提出期限が目の前に。 宿題を残したまま明日学校へ行かねばならない絶望的な気分です。それでも書くならイイこと言いたいと必死に考えました。 『ジイシキカジョー』私は正にこれです。 雨にもマケるし風にもマケます。めちゃくちゃ自分をカンジョウにも入れます。 そういう訳で私は捻くれておりますが、いろんな人に出会うこと、私自身は頑固でそうそう変わることは出来ないかもしれないけれど、川に落ちてる石みたいにゴロゴロ流されていろんな形に変わればなと思います。

きたむらゆみ○生まれは京都で育ちは福岡。両親は人形劇の仕事をしており人形と共に育つ。2016年劇団扉座入団出演作品『最後の伝令 菊谷栄物語』『神遊 ―馬琴と崋山―』等、外部出演『スマホを落としただけなのに』『フランケンシュタイン-cry for the moon-』
〈活動予定〉劇団扉座『Kappa~中島敦の「わが西遊記」より』(仮題) 5/13・14◎厚木市文化会館(小ホール)、5/17~28◎座・高円寺1

 

みなさんの 「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」 教えてください!

「“演劇”に限らず幅広い中で」お答えください。演劇関係者でなくてもかまいません。4月上旬にえんぶHP「演劇☆キック」に掲載いたします。投稿はこちらからどうぞ▼


https://forms.gle/U5FWXZowVHkigFvX8

投稿の締切は3/31です。

※ちなみに、宮澤賢治「雨ニモマケズ」の全文は青空文庫(https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/45630_23908.html)にてご確認いただけます。

 

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