『笑う門には福来・る祭明治座でどうな・る家康』いよいよ開幕！平野良・蒼木陣・菊池修司・大平峻也　座談会

2022/12/22 観劇予報明治座 , 平野良 , る祭 , どうな・る家康 , 蒼木陣 , 大平峻也 , 菊池修司

多種多様なエンターテイメントの全てを詰め込んだ舞台として、年末の風物詩となっている芝居＆ショーの4時間公演「祭シリーズ」の最新作、『笑う門には福来・る祭明治座でどうな・る家康』が、いよいよ明日、娯楽の殿堂明治座で12月23日に開幕する。（26日まで。2023年1月8日に大阪・梅田芸術劇場メインホールでも上演）。

12年目となるシリーズ新作のテーマは「それでも生きる」。暗いニュースの続く現代だが、それ以上に混沌としていた戦国時代を生き抜いた、平野良演じる徳川家康の生涯を軸に、有名武将たちとの攻防のなかで歩み続けた人々を描く、爆笑必至の戦国青春絵巻が描かれる第一部と、すっかりお馴染みになったキャストたちがそれぞれの役柄にちなんだチームを組んで繰り広げるPOPで、ファンタジックで、キラキラのショーの第二部という、大ボリュームの公演だ。

そんな舞台で主演の徳川家康を演じる平野良と、徳川家臣団の石川数正の蒼木陣、鳥居元忠の菊池修司、井伊直政の大平峻也が、年末恒例の舞台への意気込みを語ってくれた。

大平峻也　平野良　蒼木陣　菊池修司

１回出たら家族として迎え入れてもらえる

──年末恒例の「祭シリーズ」で今年も主演を務められる平野さんから、いまの気持ちを教えてください。

平野　今年はなんといっても一人座長なので、まぁ一番の心配は差し入れの弁当代なんですが(爆笑)。でもそうですね、このシリーズに関しては座長だからどうという感じではなくて、皆で作っていくものだと思っているので、あまり気負いのようなものはないです。ただ、今までは例えば「本能寺の変」ですとか、何かの事件に作品のポイントが当たっていたのですが、今回は徳川家康の一生、ひとつの事件によって成長していく物語ではなく、一人の人物の生涯を描いていくものなので、そこは役者として座長であるということとは関係なく、チャレンジの場になるなと思っています。

──その「祭シリーズ」に今まで感じていた印象や、それぞれ出演される気持ちを教えてください。

平野　(菊池)修司と(大平)峻也ははじめてだよね。このシリーズのことは知ってたの？

菊池　劇場で実際に拝見したことは残念ながらなかったんですけど、もちろんシリーズのことは知っていました。ただ驚いたのが、今回出演させていただくことが決まった時に、どの現場に行っても「祭シリーズに出るんだね！」と皆さんから言われて！こんなにも周知されている作品なんだと改めて感じましたし、そこに初参加できる嬉しさと同時に、身の引き締まる思いで頑張らなければと思っています。

大平　毎年この時期になるとシリーズのことをよく耳にしていて、その度に「平野良くん出過ぎじゃないか？」と思っていたんですけど(爆笑)、伝統ある明治座さんとる・ひまわりさんの「祭シリーズ」に自分が出られるというのがまず光栄です。過去作品の映像も観させていただいて、真面目にものすごく振り切っていて、面白いのにちゃんとカッコいいのがすごいなと思いました。

平野　マジでアウトなのは映像に収録されないんだよ(笑)。

大平　あ、急に無音になっちゃうのはそういうことですか？(笑)

平野　そうそう(笑)。

大平　そうなんですね！じゃあやっぱりまず劇場にいらしていただきたいですけれども、この世界観に参加できるのが楽しみです。

蒼木　僕は今年で3回目の参加をさせていただきます。この「祭シリーズ」って、もちろん役柄ありきなのですが、演じている本人の気質に寄り添った演出をしてくださるので、毎回これまでに出会ったことのなかった自分だったり、あまり他の現場では出ていない自分の一面に気づけたりすることが多かったので、初めて出させていただいたときには、本当に出られて良かったなと思いました。2回目の時には、2回目にしてすでに家に帰ってきたようなアットホームさがあって。

平野　あぁ、確かにね。1回出たらスタッフさんを含めて、家族として迎え入れられている感覚があるよね。

蒼木　そうなんです。すごく心地良い空気で。ですから今年も帰ってこられたのが素直に嬉しいですし、また新しい自分と出会えたらなと思っています。

トリッキーなコメディを書く村上大樹が書く時代劇

──今日お集まりいただいたのが、平野さんの家康を中心とする徳川家臣団の皆様ですが、同じチームのメンバーとしていかがですか？

平野　やはり今回は脚本をはじめて村上大樹さんが書かれているのが大きいですね。元々ちょっと世間を斜に見ているような、トリッキーなコメディを書かれる人が時代劇を書くというのが、まず見どころかなと思っていて。家臣団は特にそのカラーが出てくるんじゃないかと思います。

蒼木　菊池くんは脚本の村上さんとは一緒に仕事をしているんだよね？

菊池　そうなんです。「劇団番町ボーイズ☆」に入っているんですけど、劇団が発足したばかりでメンバーも外部の仕事などはまだ全くやっていない頃に、1本ご一緒させていただいていて。

平野　村上さんの脚本、演出で？

菊池　そうです、そうです。その頃っていうか、今もですけれど「2.5次元」がすごく流行っている中で、タイトルが「ニーテンナナゴー」だったんです（笑）。

大平　あーそういう感じなんだ！（笑）

菊池　そう、間を取るっていう（笑）とてもぶっ飛んだ話でした。ただ当時の僕は新人中の新人で「舞台って何？」というレベルの時だったので、そこから何年かぶりで、こうしてまた村上さんとご一緒できるのはすごく嬉しいなと思います。

大平　僕は「はじめまして」なんで。

平野　っていうか峻也はみんなとそうなんじゃないの？一緒にやっている人いる？

大平　藤田玲くんとは『刀剣乱舞』で一緒でしたけれど、確かに「はじめまして」の方がとても多いので、蒼木くんが言った「家に帰ってきたような」っていいなと思いました。僕も早くこのファミリーに入りたいです。

平野　うん、ただこのシリーズは独特だからな～（笑）。もう俺はそういうこともあまり感じないんだけどさ（笑）。

蒼木　結局やることは一緒って言うか「一生懸命頑張る」だけ、というのは僕のなかでなんら変わらないんですけど、そのなかの崩し方が独特と言う気はします。

平野　あ、でもね、いまは結構、優等生ばっかりだよ。10年前とかは本当に駄目な大人が多くて！「それはやっちゃ駄目だよ」ってどんなに釘を刺しても絶対にやる（笑）大人のおじさんが多かった！　だから2013年の千穐楽なんて、5時間超えちゃって！

大平　5時間！？　それはアドリブで延びたとかなんですか？

平野　そう、大人たちのアドリブで！もうね、ちょっとおかしかったですよね！

──確かに昼の部が終わって外に出ると、もう夜の部の開場時間になっていたということもありましたよね。

平野　そうそう！（笑）まぁいまはこういう情勢なので、お客様の出入りが重なるようなことは絶対にしていませんけれども、昔なんて本当に、たぶんいつまでもやっていていいもんだと思ってたから（笑）。

菊池　本当ですか？（笑）

平野　31日のカウントダウンをやった時なんて、終わったら朝だったからね。夜10時くらいから公演がはじまって、舞台上で新年のカウントダウンやって、そのまずーっとやっていて、出てきたら朝だった！もうわけがわからなかった(笑)。

大平　それヤバッ！もう僕シレッと帰りますね(笑)。

平野　いやいや、大丈夫、今は意外とちゃんとしてるから！

菊池　なんか面白いですね。

蒼木　その片鱗ぐらいしか僕は知らないから。

平野　そうか～そうだね、今回の危ない大人は谷戸(亮太)さんとかかなぁ(笑)。でもまたそれが面白いんだよね。

芝居の知識がマジでエグい板垣恭一

──そういった方々をまとめる、演出の板垣恭一さんについてはいかがですか？

平野　板垣さんに言われたら、それは守るんですよ。だから稽古中はそれなりにやっているんですけど、本番入っちゃうと自由になっちゃう人が多かったですね(笑)。でも、板垣さんはすごくロジカルな人で、お芝居というものをロジックから教えてくれます。

蒼木　とても学びの多い現場ですよね。

平野　「祭シリーズ」としては一昨年の演出が板さん(板垣)だったんだけど、その時「俺は生まれ変わったんだ」とおっしゃって！　それまでは結構うわ～っと演出されていたんだけど(笑)、「俺も成長したんだ。しっかりと教えるんだ！」って言って一つひとつ全部ロジカルに教えてくれた。

大平　めちゃくちゃ勉強になる！

平野　うん、お芝居の知識に関しては、マジでエグいなっていうくらいだから、現場の稽古がはじまる前に、ワークショップをやることがあるんだけど、例えばミュージカル作品だったら、舞台の構造からストーリーの成り立ちまで全部やってくれるし、質問したらどんなことでも答えてくれる。

菊池　すごい！

蒼木　とても丁寧ですよね。

平野　丁寧だし、伝えて育てることもお好きな方だから、芝居に関する悩みとかにも向き合って色々教えてくださるから。

菊池　怖くはないですか？

平野　まあ、やっぱり怖い時は怖いよ。30年以上演劇をやってる人っておかしい人がいっぱいいるじゃん(笑)。でも今はもちろん令和だから、この時代に適応しようとみんな頑張ってるけど、1つの世界で長くやっている人って基本的に黒だから！

大平　黒なんだ！(笑)

──この公演についてお話を伺った時に「もうキレません」と宣言されていらっしゃいました。

蒼木　あ、でも板垣さんがキレたところは、僕は拝見したことがないです。

平野　俺も板さんがキレているっていう感じには覚えがないかなぁ。厳しい言葉も投げてくれるし、間違った選択をしたらそっちじゃないよと、厳しく指導してくださったりもするけれど、それは必要なことだしね。

菊池　安心しました！

マジだっていうことは一貫している

──そして、今日の出で立ちが徳川家康を描いた作品だとは、どなたも信じないだろうというものですが(笑)、第二部についてはいかがですか？

蒼木　ヘアメイクをしていただいている時に「今日ってなんの撮影ですか？」って訊かれました(笑)。

菊池　僕はこういうキラキラの衣装も着たことがないですし、なんだか不思議な感じです。「2.5次元」のキャラクターとして色々と身に着けさせてもらうことはありますが、自分のこの顔にこのきらびやかな衣装というギャップが追いつかない。

──いえいえ、とてもお似合いです！

菊池　ありがとうございます！

平野　第二部に関してはちょっとでも照れちゃったり、チャラけちゃったりしたら一気に面白くなくなるんですよ。もうマジでやればやるほど面白いから、めっちゃカッコつけるしファンサもする。

蒼木　振付の稽古からみんな汗だくですよね。

平野　みんな必死だし、カウントが合ってない、ちゃんと合わせよう！とかね。コントだとある程度ゆるいんだけど、ユニット系は真面目にやればやるほど面白いから。

菊池　歌詞だけでも面白いので楽しみです。

大平　楽曲を一番最初にもらった時にびっくりしたくらい素晴らしい出来だったので楽しみですし、大人たちがこういう面白いことを全力で本気でやるって、カッコいいなと。僕も真面目に全力でやっていけたらいいなと思っています。

平野　うん、結局一部の芝居も二部のショーも､マジだっていうことは一貫しているんだよね。

蒼木　そうですね。あと、今日の取材にはこられていないんですけど、同じユニットで安西(慎太郎)くんと一緒にやれるのがすごく嬉しいです。同世代で尊敬できる方でもあるので、このユニットがどうなっていくのかな？がすごく楽しみです。

──ロビーでも、皆さんの缶バッチやアクリルスタンドが出てくるガチャなども毎年大人気ですから、そういった年末の一日を丸ごと明治座で楽しめるというのが素敵なことだと思います。今年の作品も本当に楽しみですが、では最後に開幕を待たれている方々にメッセージをいただけますか？

蒼木　まだまだ世の中が色々と落ち着いていないなか、「祭シリーズ」にまた参加できることが何より嬉しいです。出演させていただくからには、お客様と一緒に笑って新年が迎えられるように頑張りたいと思います。

菊池　僕は今回初参加なんですが、歴史のあるこのシリーズに出られることも嬉しいですし、さっきおっしゃっていたファミリーの一員になれるのかな？ということにもとてもワクワクしています。来てくださるお客様皆さんもファミリーだと思いますので、その空間をご一緒に、全力で楽しめたらいいなと思います。僕も全力で楽しみますし、お客様にも楽しい気持ちを胸に、年末年始の劇場に是非来ていただければと思っています。

大平　個人的な話になりますが、僕は今年のはじめにも明治座さんにお世話になっていたので、一年のはじまりと終わりを明治座さんで過ごし、更に来年の頭も出させていだたくのがとても光栄だなと思っています。その中でもやっぱりこの「祭シリーズ」というものは、色々な方の思いが詰まってここまでたどり着いてきたシリーズだと思いますので、精一杯真面目にふざけて、みんなで和気藹々とできたらいいなと思っています。演出の板垣さんのもと頑張っていきますので、是非楽しみに明治座にいらしてください！

蒼木　ありがとうございました！

大平　よろしくお願いします！

菊池　ありがとうございました！

平野　あの……ワタシがまだ……

三人　あ！(爆笑)

平野　三人共終わらせようとしただろう！ (笑)一応座長をやらせていただいております、平野と申します、よろしくお願いします(爆笑)。久々の一人座長ということですし、しかも一人の人物の生涯を扱うテーマになっております。皆が耐え忍んでいるとても生きにくいこの時代に、戦国時代というさらに大変な時代を耐え抜いた徳川家康の生涯をやるのは、メッセージ性も強いものだなと思っていて。ただしそれを「祭シリーズ」の芝居をはじめて書かれる村上さん、コメディに特化した脚本家が書くということで、第一部ではものすごくパワフルなコメディなのに、きっと皆様の心に残るものができあがると思っています。また第二部は非常に盛りだくさんで、アイドルユニットが多いですから、皆さまには団扇なども頑張って作っていただきたいですし、今回「はじめまして」のお客様や、どんな公演なんだろうと迷っていらっしゃる方には、絶対に面白い、歴史に詳しくなくても面白い作品です、とお伝えしたいです。全く敷居が高くないどころか、敷居なんてくぼんでいるんじゃないか(笑)というくらい入りやすいものになっていますので、是非気軽に遊びにきていただけたらと思っています！

大平峻也　平野良　蒼木陣　菊池修司

■PROFILE■
ひらのりょう〇神奈川県出身。1999年ドラマ『3年B組金八先生』第五シリーズで映像デビュー。2007年から『2.5次元ナビ』のMCを務める。主な出演作は、ミュージカル『テニスの王子様』『お気に召すまま』『さよならソルシェ』『シラノ・ド・ベルジュラック』『憂国のモリアーティ』シリーズ、『封神演義─開戦の前奏曲─』朗読劇『ハンサム落語』シリーズ、舞台『一郎ちゃんがいく。』『源氏物語～夢浮橋～』『インフェルノ』『東海道四谷怪談』『文豪とアルケミスト』シリーズ、『ハイスクール！寄面組』シリーズ、『真・三國無双～荊州争奪戦IF～』など。

あおきじん〇大阪府出身。SUNPLUS結成時加入。主な出演作にテレビ『猫のひたいほどワイド』『究極の男は誰だ！？最強スポーツ男子頂上決戦』ミュージカル『テニスの王子様』舞台『プリンス・オブ・ストライド THE LIVE STAGE』『弱虫ペダル新インターハイ篇～ヒートアップ～』『SENGOKU WARS～RU・TENエピソード2～猿狸合戦』『ゆく年く・る年冬の陣師走明治座時代劇祭』『パタリロ！』日本テレビ開局65周年記念舞台『魔界転生』『幕末太陽傳外伝』舞台『刀剣乱舞』-維伝朧の志士たち- 音楽劇『クラウディア』Produced by 地球ゴージャス舞台「鬼滅の刃」其ノ参無限夢列車など。

きくちしゅうじ〇東京都出身。2015年Smart×Sony Music モデル・タレントオーディション第二弾で準グランプリを受賞し、芸能界入り。劇団番町ボーイズ☆のメンバーとして劇団公演に多数出演するほか、近年の主な出演作に舞台『HELI-X』シリーズW主演、舞台『佐々木の宮野』主演、ミュージカル『薄桜鬼真改』舞台『紅葉鬼』舞台『東京リベンジャーズ』など。

おおひらしゅんや〇東京都出身。13歳の時に芸能活動開始。2009年にドラマ「本日も晴れ、異常なし」で俳優デビューを果たす。2011年にミュージカル『テニスの王子様』出演以降は舞台を中心に活躍するほか、2020年に1stEP『はじまりの詩』で歌手デビュー。TVアニメ『灼熱カバディ』OPテーマ曲を担当。主な出演作にミュージカル『刀剣乱舞』、演劇調異譚「xxxHOLiC」、「終末のワルキューレ」～ The STAGE ofRagnarok ～、『サザエさん』など。

【公演情報】
『笑う門には福来・る祭　明治座でどうな・る家康』
構成・演出：板垣恭一
脚本：村上大樹
出演：平野良
蒼木陣　菊池修司　大平峻也　松本岳
藤田玲（Wキャスト）・松田岳（Wキャスト）
宮下雄也　平田裕一郎　井深克彦　味方鏡介水瀬裕也　小早川俊輔　谷戸亮太　林剛史
久ヶ沢徹　伊藤裕一
山崎静代
安西慎太郎　大山真志
辻本祐樹
原田龍二
浅野ゆう子
●12/23～26◎明治座
〈料金〉S席[1階席・2階席]13,500円　A席[3階席]6,000円（全席指定・税込・未就学児童入場不可）
〈チケット問い合わせ〉明治座チケットセンター　03-3666-6666（10:00～17:00）
●1/8◎梅田芸術劇場メインホール
〈料金〉S席13,500円　A席8,000円　B席4,000円（全席指定・税込・未就学児童入場不可）
〈チケット問い合わせ〉〉梅田芸術劇場　06-6377-3800（10:00～18:00）
〈公演お問い合わせ〉info_lesai-dounaru@le-himawari.co.jp
〈公式サイト〉https://douna-ru.com/