絢爛たるヴェルディの大作『ドン・カルロ』間もなく開幕!
新国立劇場ではヴェルディの大作でスペイン宮廷を舞台にした愛と葛藤の歴史ドラマ『ドン・カルロ』が、5月20日に開幕する。(23日、26日、29日上演)
ヴェルディ円熟期の傑作で、 王子カルロと王妃エリザベッタの許されざる恋、カルロと父王フィリッポ二世の相克、嫉妬と裏切り、友情などを重厚な音楽で描いた壮大な歴史劇。カルロとロドリーゴの友情の二重唱や、エリザベッタとカルロの激しい二重唱など聴きごたえのある重唱が続き、エボリ公女の「ヴェールの歌」「むごい運命よ」、国王の悲痛なアリア「ひとり寂しく眠ろう」、エリザベッタの「世の空しさを知る方よ」など有名なアリアも目白押し。マルコ・アルトゥーロ・マレッリ演出の舞台では、十字架と牢獄を思わせる壁に囲まれた空間が象徴的に使われ、強大な権威のもとで逃れようのない運命のドラマが描かれる。
国内でも熱狂的支持を受ける名匠カリニャーニの指揮、タイトルロールにイタリア・オペラを中心に華々しく活躍するテノール歌手ジパリ、父フィリッポ二世には新国立劇場ではお馴染みのバス歌手・妻屋秀和、ロドリーゴには『紫苑物語』に主演し観客を圧倒した髙田智宏、エリザベッタにはドラマティックな歌唱が持ち味の小林厚子、エボリ公女にはドラマティックな声とカリスマ性で世界を魅了するアンナ・マリア・キウリという最高の布陣での上演となっている。
※新型コロナウイルス感染症拡大予防対策を講じた新時代の生活様式に基づき、演出の一部を変更して上演。
【あらすじ】
【第1幕】
16世紀中頃。スペイン王子ドン・カルロは、 フランス王女エリザベッタと婚約し、愛し合っていたが、彼女はカルロの父スペイン王フィリッポ二世へ嫁ぐことに。絶望に沈むカルロに、親友のポーザ侯爵ロドリーゴは、圧政からの解放を望むフランドルの民衆を救うよう進言する。カルロはロドリーゴのはからいでエリザベッタと会い、フランドル行きの許しをもらえるよう父に口添えしてほしい、と彼女に頼む。想いが溢れカルロはエリザベッタを抱きしめるが、彼女はその腕をほどく。
【第2幕】
己の美貌に絶対の自信を持つ女官エボリ公女はカルロを愛しているが、カルロに人違いで愛を告白され、彼がエリザベッタを愛していることを知り、怒って復讐を誓う。広場で異端者の火刑が始まろうというとき、フランドルの使者を連れたカルロが現れ、王にフランドルの現状を訴える。拒絶する王に向かいカルロが剣を抜いたため、反逆のかどで投獄される。
【第3幕】
妻に愛されない孤独に打ちひしがれるフィリッポ二世。そこに来た宗教裁判長に、カルロとフランドルへの対応について意見を求めるが、宗教裁判長はロドリーゴこそが脅威だと告げる。エボリの策略で、エリザベッタのカルロへの思いの証拠がフィリッポ二世の手に渡る。王がエリザベッタを罵倒するのを見たエボリは己の行動を激しく悔い、王との愛人関係をエリザベッタに告白する。ロドリーゴは、フランドルを扇動した罪を自分がすべて負って死ぬ、とカルロに別れを告げ、王の部下によって暗殺される。
【第4幕】
サン・ジュスト修道院。フランドルへ発つカルロは、天上での再会を誓ってエリザベッタと別れる。フィリッポ二世と宗教裁判長はカルロを捕らえようとするが、先帝カルロ五世の亡霊がカルロを墓に引き入れる。
【公演情報】
2020/2021シーズン
ジュゼッペ・ヴェルディ『ドン・カルロ』
Don Carlo/Giuseppe Verdi
全4幕(イタリア語上演/日本語および英語字幕付)
上演時間:約3時間30分(休憩含む)
指揮:パオロ・カリニャーニ
演出・美術:マルコ・アルトゥーロ・マレッリ
衣裳:ダグマー・ニーファイント=マレッリ
照明:八木麻紀
キャスト
フィリッポ二世:妻屋秀和
ドン・カルロ:ジュゼッペ・ジパリ
ロドリーゴ:髙田智宏
エリザベッタ:小林厚子
エボリ公女:アンナ・マリア・キウリ
宗教裁判長:マルコ・スポッティ
修道士:大塚博章
テバルド:松浦 麗
レルマ伯爵/王室の布告者:城 宏憲
天よりの声:光岡暁恵
合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
●5/20、5/23,5/26、5/29◎新国立劇場オペラパレス
〈料金〉S席24,200円 A席19,800円 B席13,200円 C席7,700円 D席4,400円 Z席(当日のみ)1,650円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
※高齢者割引、学生割引、そのほか各種割引あり
〈お問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999
WEBボックスオフィス http://nntt.pia.jp/
〈公式サイト〉https://www.nntt.jac.go.jp/opera/doncarlo/