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『Dramatic Musical Collection 2020 』で共演!東山義久&大山真志インタビュー

男性エンターティメント集団DIAMOND☆DOGS(以下D☆D)の人気レパートリーのひとつ『Dramatic Musical Collection 2020 』が9月16日~24日銀座博品館劇場で上演される。

『Dramatic Musical Collection』は、ミュージカルの名曲を歌い踊る、ショー形式で綴るD☆Dの大人気演目のひとつ。今回の2020年版は、『Dramatic Musical Collection』の通称「DMC」それぞれの頭文字をとった3バージョンで展開される、コンサートを超えたコンサートとなる。更に劇場だけでなく、アーカイブ付の生配信でも全てのバージョンが視聴できる特別の機会だ。

そんなステージに躍動するD☆D不動のリーダー東山義久と、多くの舞台を共に創っている大山真志が、新たな舞台の魅力や、自粛期間を含めたこの2020年上半期に感じた想いなどを語り合ってくれた。

東山義久 大山真志

「DMC」の頭文字に込めた三つのバージョンが楽しめるステージ

──ミュージカルの名曲がD☆Dならではのショーで拝見できる『Dramatic Musical Collection』ですが、今回は更に三つのバージョンがあるということで、それぞれどう内容が変わるのですか?

東山 基本として全体が三部構成になっていて、オープニングからキャストそれぞれの紹介のような形で、ゲストの方を含めてソロもあるパートがまずあります。そこから続く第二部、30分~40分になる予定ですが、その部分が『Dramatic Musical Collection』それぞれの頭文字「DMC」にちなんだバージョン変わりになります。「D」は『Dazzling Edition』で、グランドミュージカルからオフブロードウェイ作品までを織り交ぜた、ミュージカルの名曲を集めていて、僕たちが出演した『ALTAR BOYZ』も取り入れていきます。「M」は『Magical Edition』でファンタジックな曲、夢の国をモチーフにしていて、「C」は『Collage Edition』今年の上半期に、上演する予定が果たせなかった作品がたくさんありますので、そのミュージカルの曲をこのメンバーで歌ってみようと思っています。僕は実際には『ミス・サイゴン』の舞台に立てていないので、迷いもありましたが、こういう時だからこそ披露するべきだという音楽監督の宮﨑誠さんのご意見も頂き「アメリカン・ドリーム」を歌います。ソーシャルディスタンスを意識した舞台作りになりますので、あまり華やかにはできませんが、ソロに近い形で歌わせて頂きます。(大山に)『ALTAR BOYZ』は任せたからな!

大山 えっ!?一緒に出ないんですか?

東山 もう卒業しているし、僕が出ると食っちゃうから(爆笑)任せた!

大山 はい(笑)わかりました!

──それは、全バージョンを制覇したいという気持ちが高まりますね。

東山 「DMC」は過去四回やっていて、博品館劇場さんで上演させて頂くのは二回目なのですが、博品館劇場さんで上演させて頂くようになってから、日替わりのゲストさんなしで、固定メンバーでの上演という形になりました。真志(大山)も過去の作品に出てるよね?

大山 ゲストでは参加させて頂いていますが、メインの固定メンバーとしては今回が初めてです。

東山 ゲストだった?いつでもいるからよくわからない(笑)。

大山 確かに一緒に居過ぎてわからなくなってます!(笑)。

東山 これまでも40曲弱はあったのですが、二幕構成だったんです。でも今、こういう状況ということもあって、休憩を挟まず一気に最後まで行くのと、バージョン替わりがあるので、45曲くらいになりますから、僕たちキャスト以上にミュージシャンの方達が大変なんですけど、楽しんで頂けたらと。

──初のメインキャストとしてはいかがですか?

大山 すごく楽しみです。今回「はじめまして」の方も多いので。

東山 誰と初めて?

大山 泉見(洋平)さんと、あとはD☆Dの新メンバーの方達ともほぼ「はじめまして」です。

東山 皆良い子だよ。

大山 初共演が嬉しいです。法月(康平)とは『ALTAR BOYZ』もですし、ついこの間まで『JERSEY BOYS IN Concert』でも一緒でした。常川(藍里)とも『ALTAR BOYZ』で同じチームでしたし、花代さん(木村)とは去年舞台でご一緒して、仲良くさせて頂いていたので、皆さんと和気藹々とやらせて頂ければと思っています。

──新生D☆Dとしての初「DMC」というのも見どころですね。

大山 皆さん、お幾つくらいですか?

東山 真平(廣瀬)が一番若くて26歳で、だいたい皆30歳前後。

大山 わぁ、若いんだ!

東山 そう、僕が一人平均年齢を上げている(笑)。仕方ないよな!唯一の初代メンバーだから(笑)。

大山 いやもう、それはリーダーですから!

東山 これから、誰がどの場面を振り付けるかも決まっていくところだけど、ステージ上でも密にならないよう考えないといけないから。

大山 あぁ、そこは難しいところですね。

東山 その制約もソロをフューチャーしながら、逆手に取って構成していきたい。実質稽古は一週間で、個々待ち時間も少なくて済むように凝縮してやっていくから、一日五曲ぐらい作らないと間に合わないな。

大山 来ましたね!

東山 ソロは「上手から出て下手に引っ込んで下さい」くらいの指定で、お任せしてね。

大山 個々、自分で固めるということですね。

東山 うん、自由でいいと思っている。

大山 幸いD☆Dさんとの現場は多く経験させて頂いているので、そういうスピード感のある作り方には順応できると思いますから頑張ります!

好きなことに浸る時間は、生きるモチベーションを与えてくれる

──自粛期間も長くあり、おっしゃったように上演が叶わなかった舞台もたくさんありましたから、今回こうしたショーが拝見できることは私達にとっても大きな喜びですが、お二人は自粛期間はどのように?

大山 家から出られなかったので、ただただ映画を観たりしている日々で。これから本当に舞台に立てるんだろうか?という不安も募りました。それだけにコンサートバージョンにはなりましたが『JERSEY BOYS IN Concert』で帝国劇場の舞台に立たせて頂いて、客席の半分ですがお客様が入って下さったのを見た時、エンターテインメントは人が単に生活として生きていく為には必要のないものかも知れないけれども、やっぱり心の安らぎとして本当に必要なものなんだと改めて感じることができました。それくらいお客様が笑顔で、待っていて下さったことが伝わったので、これからの状況もまだまだ予断を許しませんが、それでも「舞台」がなくなることはないと確信できたんです。自分がやってきたこと、これからもやっていくことにはちゃんと意味があるんだと感じられた、その幸せな気持ちをお届けしていきたいです。

東山 僕は三月いっぱい『ミス・サイゴン』の稽古をしていて、ちょうど一幕の稽古が終わるか終わらないかというところで急に休みになって、そのまま演出家も振付家も帰国しなくてはならなくなってしまい、全公演が中止となりました。

大山 そうだったんですね。

東山 それまで20年近く舞台に邁進してきて、三つ、四つの稽古が重なっていたこともあったくらいで、全く休みがなかったんです。それがいきなり何もなくなり、家から出てもいけないと言われても、休日の過ごし方がわからない。観たい映画も色々あったのですが、明日も観られる、明後日も観られるとなると「よーし!この機会にたくさん観るぞ!」という気持ちにもなかなかならなくて。ちょうどこの博品館劇場で、二年前の「DMC」でD☆Dが充電期間を頂くことになり、トシ(小寺利光)とTAKAが卒業して。そこからD☆Dに新しいメンバーを迎えるまでの、D☆Dの充電期間に僕が勝ちとった舞台が『ミス・サイゴン』でした。ですからこの舞台に出ることをモチベーションにやって来ましたし、周りの方々も皆、僕がエンジニアを演じられることを喜んで、盛り上がってくれていたんです。それが急にスパンとなくなった時に、まるでポッカリ穴が空いたようになって。落ちこんでいるのとは違うんですが、何もやる気が起こらないで、しばらくは本当にただただ一日寝て過ごしたりもしていました。でも8月まで『ミス・サイゴン』が続いていたはずでしたから、この時間をどう過ごすかを考えていかなければと次第に思うようになり、D☆Dのオンラインサロンをはじめるなど少しずつ動きはじめました。そんな経緯もあって、今は当初のようなネガティブな気持ちではなく、とてもポジティブな気持ちに切り替わっています。舞台に立って、客席にお客様を迎えられることは決して当たり前ではないからこそ、そしてこの時代だからこそはじまったこととして、今回は全てのバージョンの配信もします。やっぱりこういう事態に見舞われなかったら、ここまで一気に舞台配信の技術が進むこともなかったと思うんです。

大山 本当にそうですよね。

東山 僕も何本か配信で舞台を観させて頂きましたが、視聴料も実際の観劇よりもずっと安価ですし、ものによってはオンタイムが無理でもアーカイブで観ることもできる。それは素晴らしいことだなと思いましたし、こういう形で遠方の方にも舞台を届けられる。新型コロナがなかったら、まずその発想もなかっただろうことが進んだのは、大きな変化だと思っています。シアターコンプレックスさんにも過去作品の『ニジンスキー』や、真志と一緒にやった『イヴ・サンローラン』の映像も提供させて頂いて、こういう形で舞台の力が多くの方に伝えられるようになっていることは前向きに捉えたいです。もちろんコロナの禍はとても大きなものですし、亡くなった方もいらっしゃるし、重症化して苦しんでいる方もいらっしゃる。でもだからこそ進まなければと。それはプロデューサーや演出家任せではなく、役者それぞれが舞台芸術にどう参加していくのか、どう進めていけるのかの自覚と気概を持ってやっていかなければいけないと思います。さっき真志が言っていたように、生きていいくことが「衣食住」であるとしたら、舞台芸術は必要ない。でも美しいものを見る、好きなことに浸る時間は、生きることのモチベーションをあげるために絶対に必要なことだと思います。これだけ情報過多の時代にあって、生の舞台で時間と空間を共有して「またこの人たちの舞台を観る為に仕事を頑張ろう」とか「病気と闘おう」とか、そういう前向きな気持ちを持って頂く為に必要なものなんだと。それは自分が観る側としても感じます。特にこの4ケ月間ずっと考えさせられたのは、何のためにこの仕事をしているのか?この仕事がなくなったとしたら自分に何ができるのか?でした。そこに向き合うと、表現者以外に、自分には他にできることがないんだよね。

大山 僕も同じです。やっぱりこの期間はやる場所がなくなっただけに、役者自身が受け身ではなく、クリエイティブな方向で表現することを考えていった時間だったと思います。皆さん動画配信をはじめたり、絵を描いたり文章を書いたり様々な自己表現を模索していきましたよね。だからこそこうやっていざコンサートを創れるとなった時に「こういうのはどうですか?」というアイディアを、今、役者がたくさん持っていると思うので、皆がそういう知恵を絞っていけば、現場がより充実して面白い作品が増えてくるんじゃないかと思います。

──配信がここまで進んできて改めて、生の舞台と配信は両立するのでは?と感じるのですが。

東山 そう思います。配信は一人で観るだけでなく、ご家族や友人同士で一緒に観ることもできますから「これ買ったから一緒に観よう」と皆さんでご覧になって「私、この人のファンになった!」とか「この人の汗のかきかた尋常じゃないよね」とか、色々な興味を持って頂けると思うんですよ。

大山 そこから「今度はこの人を生で観てみたい!」と思っても頂けますよね。

東山 そうそう「本物の汗を観に行きたい」とかね。

──むしろ舞台に興味を持って頂けるきっかけにもなりますよね。

東山 そういう相乗効果になったらいいですね。

大山 何よりまず観て頂くことが一番ですから、間口が広がるという意味でもとても大きな可能性になってくれると思います。

「こいつ面白くなるな」と直感でわかった

──先ほどからお話が出ているようにご縁の深いお二人ですが『イヴ・サンローラン』での共演なども経て、改めて今お互いに感じる魅力はどうですか?

大山 やはり先陣を切って新しい風を起こしてくれることですよね。例えば大きなオーディションにポンと受かってきたりする。誰にでもできることではないからこそ、その背中を見て一緒にやっていけることが楽しいなと思います。あとは、こんなに一緒にいて緊張しないでいられるのは義さんくらいしかいないので!

東山 失礼な!(笑)

大山 良い意味でですよ!

東山 あぁ、良い意味でね?(笑)

大山 もちろんです!

東山 真志の魅力を一言で言うのは難しいんだけど、D☆Dがそもそもそうなんですが、僕は男性と一緒にいることが多いじゃないですか。『ALTAR BOYZ』もそうだし、この「DMC」の次に出演する舞台『ヒプノシスマイク』もそうなんですが、男ばっかりの舞台がとても多くて。そういう履歴の中で、結構男の人を見る目はついたと自負していて。「こいつ面白くなるな!」というのが直感でわかるんです。D☆Dの新メンバー、真平、理雄(新開)、Homerにもそれぞれ感じているんですが、真志と最初に会った時にもそう感じて。『ALTAR BOYZ』で出会ってから、もう六年近く経ちますがウマも合うし、見つめている方向が同じなんです。僕と同じことをする必要は全くないんだけれども、目指している方向がざっくり例えるなら「北」を向いていることは同じで。真志が汗だくで舞台をやっているのを観ると、ただ「頑張ってたよ」とか「良かったよ」ではなくて、自分がやったらどうなるだろう、と思わせてくれる。自分だったらあれだけのたうち回ってやれるだろうか、と感じさせてくれる存在ですね。今年僕が立てなかった帝劇にも立って。初めてだよね?

大山 初めてでした。

東山 やっぱり男女問わず舞台を、ミュージカルをやっている人が数多いる中で、なかなかできることではないから、今回の「DMC」に法月も含めてそういう経験をした人がいてくれるのは面白いし、年齢的にもこれからの時代を支えていく一人になるんじゃないかと思っているので、頼もしいですね。

──そんなお二人の共演に期待が膨らみますが、では改めて舞台を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。

大山 コンサートなので色々な世界観を楽しく観て頂けると思います。自粛期間中を含めて今心が疲れてしまっている方に、この作品を観てもらえたらきっと晴れやかな気持ちになって頂けると思います。舞台をご観劇頂ける方には「DMC」全バージョンのセット券もありますし、各バージョン全てでLIVE配信もあります。それぞれ異なった内容になっているので、全てご覧頂けるとより楽しめると思いますので、全バージョンをご覧頂きたいです。

東山 僕自身は二月の博品館劇場公演以来の舞台になりますから、半年分の色々な思いを「ゴージャスヴォイスが紡ぐ、珠玉のミュージカル・ショー」に乗せて、ゴージャスなお客様と共にお届けしたいと思います。全バージョンが本当に異なるカラーのものになりますから、是非その違いも楽しんで頂きたいです。劇場でお待ちしております!

東山義久 大山真志

■PROFILE■

ひがしやまよしひさ○大阪府出身。大学卒業と同時にミュージカルで初舞台。『エリザベート』初演のトートダンサーで注目を集める。2003年DIAMOND☆DOGSを始動、リーダーとして舞台構成・総合演出を手掛ける。2013年には肉体表現の可能性を追求する新たなるカンパニー「BOLERO」を立ち上げる等、ジャンルを問わずに活動を続けている。近年の主な舞台作品に『戯伝写楽2018』『宝塚BOYS』『DRAMTIC MUSICAL COLLECTION 2018』『ドリアン・グレイの肖像』『イヴ・サンローラン』『CLUB SEVEN ZERO II』DIAMOND☆DOGSENTERTAINMENT SUPER DANCE THEATER『ODYSSEY』『ELF The Musical』Dramatic Super Dance Theater『モーツァルト‥‥―オレは誰だ!!―』等がある。

おおやままさし○東京都出身。小学生当時から小椋桂主宰のアルゴミュージカルに参加。09年『テニスの王子様』で千歳千里役として人気を博す。以来舞台、コンサート、映像作品と活躍の幅を広げている。近年の主な舞台作品にミュージカル『イヴ・サンローラン』『CLUB SEVEN ZEROⅡ』ミュージカル『SMOKE』ミュージカル『ラヴズ レイバーズ ロスト─恋の骨折り損─』ミュージカル『Indigo Tomato』『明治座の変 麒麟にの・る』ミュージカル『BODY GUARD』ミュージカル『JERSEY BOYS IN Concert』等がある。

【公演情報】
『Dramatic Musical Collection 2020』
構成・音楽監督◇宮﨑誠
演出・振付◇D☆D
出演◇泉見洋平 東山義久 大山真志 法月康平 常川藍里 木村花代
DIAMOND☆DOGS /中塚皓平 和田泰右 咲山類 廣瀬真平 新開理雄 Homer
●9/16~24◎博品館劇場
※各バージョン回詳細は公式サイト参照
〈料金〉9.500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
DMCセット券(公演パンフレット付)28,500円(博品館1F TICKET PARKのみ取扱)

配信オンライン視聴券 3.500円(税込)
(チケットぴあのみ取扱 https://w.pia.jp/t/dmc2020-pls/

〈お問い合わせ〉博品館劇場  03-3571-1003
〈公式サイト〉http://theater.hakuhinkan.co.jp/pr_2020_09_16.html

 

【取材・文/橘涼香 撮影/岩田えり】

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