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全てのダンサーが主役のノン・ストップステージDIAMOND☆DOGS『ODYSSEY』上演中!

新メンバーを加えて始動した新生DIAMOND☆DOGS(以下D☆D)が、個性豊かな5名のゲストを迎えて綴るステージDIAMOND☆DOGS ENTERTAINMENT SUPER DANCE THEATER 『ODYSSEY』が、銀座の博品館劇場で上演中だ(23日まで)。

『ODYSSEY』は2013年にダンスに特化したショーケースとして上演したステージと同じタイトルでありつつ、「全ての出演ダンサーが“主役”」というコンセプトのもと、新たな音楽、振付、構成をオリジナルにこだわって綴られるステージ。全てのパフォーマーたちのソロパート、アンサンブルパートが融合し、お互いの魅力と個性が舞台上に炸裂するステージとなっている。

一幕は、D☆D7人のメンバーそれぞれと、D☆Dの舞台にはいることの方が自然という存在である長澤風海、法月康平というお馴染みのゲストメンバーに加えて、『ビリー・エリオット~リトルダンサー~』初代ビリー役での鮮烈デビュー以来、舞台活動を続けている木村咲哉、パフォーマンス集団「TRIQSTER」とダンス&ボーカルグループ「RADIO FISH」のメンバーとして活躍中のRIHITO、ミュージカル『Kinky Boots』『プリシラ』等でのゴージャスな舞台ぶりも記憶に新しい浅川文也という新鮮な顔ぶれが加わり、それぞれの個性を炸裂させたシーンが怒涛のように展開されていく。

基本的に衣装チェンジはほとんどなく、誰がメインのシーンかは明確にわかりつつも、全員が次々に場面に加わってくる多彩さで、10場からなるショーが途切れなく続きながら色を変えていく様が見事。出演ダンサー全員が主役であり、全員が瞬時にアンサンブルにもなるというこれだけ個性的な面々が集まっていながらの、個と集団の美が織りなすタペストリーが美しい。D☆Dのボーカル咲山類と新開理雄に法月、更にリーダー東山義久が加わっての歌中心のシーンも効果的で、全体の緩急を高めている。

また、和田泰右とHOMERにRIHITOという組み合わせで、アクロバットパフォーマンスを展開しながら客席にも積極的に入り込んでいく楽しい場面があるかと思うと、中塚皓平と浅川文也がシャープに踊り合い、廣瀬真平が軽やかに宙を舞う姿も心躍らせる。中でも印象的なのが、これまでブレイクダンスのイメージが強かった和田が希望を追い求めるかのような、切ない場面をしっとりと見せてくれたり、中塚がどこかエキゾチックなナンバーを王の風格を持って踊るなど、これまでのD☆Dメンバーから、新たな魅力が鮮烈に見えたことだ。7月に始動したばかりの新生D☆Dが、新メンバーを得たことで従来からのメンバーの立ち位置が確実に変わり、異なる境地へと動き出している、D☆Dの進化が顕著に見えるのが嬉しい。

また、長澤、木村、東山が揃った「SWAN SYMPHONY」では、白鳥の湖がモチーフになっているだけに、三人の役割がスッと入ってくるだけでなく、ダンサーとして、またパフォーマーとしての個性の違いが絶妙な化学反応を生んでいて、濃いドラマ性を伝えながら場面があっという間に感じられたのは圧巻だった。

そんな各場面がノンストップで進む中で繰り広げられる音楽それぞれにも個性がありつつ、どの楽曲も非常に美しいメロディーを持っていることが通奏低音のようにショーをつないでいて、音源だけのサントラCDも欲しいと思わせる音楽監督のTAKAの優れた仕事ぶりも光り、終幕に向けて高まるボルテージに目が足りない!という気持ちに度々陥るステージになった。

そこからの第二幕は、少年の木村が異世界に入り込む…という、今各メディアで隆盛を極めている「異世界ファンタジーもの」に通じる世界観が、D☆Dならではのコミカルさも交えて展開されていく。中学生になりずいぶん大人っぽくなったと思わせる木村だが、やはりこういう世界観でセンターを任されれば、その少年性が際立ってドラマを運んでいく。東山を筆頭に異世界の住人たちが、どんなダンスを繰り広げても踊り負けない少年、というのはなんでも踊れないといけない『ビリー・エリオット』で主役を務めた木村あってこその流れだろう。彼のダンス力に全く太刀打ちできない…という設定なのが、ボーカルの咲山なのもよく考えられていて、俳優としても進境著しい咲山が自虐ネタを誇張して笑わせるのも、実は咲山のダンス力がメキメキと上がっているからこそ。

特に廣瀬の隠し玉だったタップダンスを、木村と鮮やかに披露する場面は全体の華になっていて必見。HOMERの高い身体能力、新開がダンサーとしてもちゃんと見劣りがしない力と、新メンバーの個性も更に発揮されていて、RIHITOの二枚目にもコミカルにも転べるふり幅、浅川のダンスに漲る力強さも、全体に化学反応を持たらし見応えがある。

中でもやはり東山の視線を集める、瞬間、瞬間が絵になる存在は偉大の一言で、思えばこのパートは森新吾の独壇場だった…というワイルドでありつつ可笑しみもたっぷり、というポジションを東山が務めることで新たな魅力が発信され、それがあるからこそ一転、孤高のダンサーぶりが際立つ鮮やかな効果にもなっていた。

フィナーレではその東山が、メンバー全員と少しずつ絡んでいくという趣向もあり、バレエ、コンテンポラリー、タップ、ストリート、ジャズと、様々なジャンルのダンスが盛り込まれつつ、ひとつのショーとして完成している、D☆Dここにあり!のステージになっている。

【公演情報】
DIAMOND☆DOGS
ENTERTAINMENT SUPER DANCE THEATER
『ODYSSEY』
構成・演出・振付◇D☆D
音楽◇TAKA
振付◇植木豪 長澤風海 木野村温子
出演◇東山義久
中塚皓平 和田泰右 咲山類 廣瀬真平 新開理雄 Homer
長澤風海 法月康平 木村咲哉 RIHITO 浅川文也
●9/18~23◎銀座・博品館劇場
〈料金〉9,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉博品館劇場 03-351731003
〈公式ホームページ〉http://theater.hakuhinkan.co.jp/pr_2019_09_18.html

 

【取材・文・撮影/橘涼香】

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