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ダンスパフォーマンス『ODYSSEY 2021』で共演! 東山義久・中塚皓平・舞羽美海・宇月颯 座談会

選び抜かれたすべてのダンサーが主役を務め、またアンサンブルとして主となるダンサーに寄り添い、お互いの魅力と個性を生かして創り上げられるダンスパフォーマンスシアター ENTERTAINMENT SUPER DANCE THEATER『ODYSSEY 2021』が、10月6日~13日銀座博品館劇場で上演される。

DIAMOND☆DOGS(以下D☆D)のメンバーを中心に、選りすぐりのダンサーの競演で綴るステージの2年ぶりの上演で、今回は「タイムトラベル」をテーマにした第1幕と、「不思議の国のアリス」をモチーフにした『ODYSSEY』ならではのダンスアクトの第2幕で構成される、盛りだくさんなステージとなっている。

そんな舞台で輝くD☆Dのリーダー東山義久と、全体の構成を統括する中塚皓平、ゲストダンサーの元宝塚歌劇団雪組トップ娘役の舞羽美海、そして同じく元宝塚歌劇団月組で名ダンサーの誉れ高かった宇月颯が、新たな舞台への意気込みと互いの魅力を語ってくれた。

東山義久 宇月颯 舞羽美海 中塚皓平

生と死に向かうコントラスト

──2年ぶりとなる『ODYSSEY 2021』ということですが、お稽古の進み具合はいかがですか?

中塚 はい!鋭意制作中です!(爆笑)

──なるほど!では、いまお話しいただける範囲で、内容について教えてくださいますか?

中塚 1幕は、一人の夢も希望もない男の人がタイムスリップしてしまい、色々な過去にいた偉人、英雄達の生き様、信念に触れて、未来に向かってどう変わっていくのか?というのがテーマになっています。それぞれの場面でゲストの皆さんとD☆Dのメンバーが芯になり、取り上げる偉人、英雄の生涯全部は難しいのですが、その男の人に影響を与えるところをピックアップしてダンスで綴っていくのが大きな流れですね。そして2幕が「ダンスアクト」になっていて、今回は「不思議の国のアリス」をモチーフに、登場するキャラクターや物語の力をお借りして、それがD☆D流にどう変わるかというところを見ていただけたらと思っています。更に最後にはフィナーレとして純粋なショー場面もお見せします。

──それは盛りだくさんですね!

中塚 はい!盛りだくさんにお送りします!

──どなたが、どんな役柄で出演されるのかは当日のお楽しみでしょうか?

中塚 どのくらいお話ししていいのかな?

東山 全部言っちゃっていいんじゃない?

中塚 全部いいの!?(笑)

──あ、では若干小出しに(笑)

中塚 そうですね(笑)。例えば宇月さんにはジャンヌ・ダルクに扮していただきます。ジャンヌ・ダルクと言いますと甲冑を着ているイメージが強いですが、その戦いに行くまでの部分、神の啓示を受けて旗を取る決断をした瞬間までが描けたらいいなと思っています。

──そう伺っていかがでしたか?

宇月 ジャンヌ・ダルクと聞いて皆様が一番にイメージされるだろう戦う部分ではなく、そこに向かうまでの姿がピックアップされているというのは、すごく面白いなと思いました。希望に満ちて決断するところをダンスで、身体表現でどう描いていくのか。振付がまさに明日なので(※取材は9月下旬)とても楽しみです。お話を伺ってイメージだけは膨らんでいますし、私が持っている個性も活かせるようにと考えてくださった場面だと思いますので、希望に向かう姿をお見せできたらと思っています。

中塚 それから舞羽さんにはクレオパトラをお願いしました。クレオパトラは毒蛇に自ら噛ませて亡くなりますが、自分の運命を知って、まっすぐ「死」の方に向かっていく。綺麗なままで死ぬことへの強い思いを見せたいなと。ですのでいわゆる死の象徴と言いますか、蛇の化身と言う存在でリーダー(東山)に出てもらいます。2人のシーンになるのか、もしくはもう何人か出るのかも含めて具体的な制作はこれからですが、宇月さんが「生」に向かっていき、舞羽さんは「死」に向かっていくという、対照的な場面として表現できたらと思っています。

──それは強いコントラストになりそうですが、舞羽さんこの場面については?

舞羽 初めてお話を伺った時は、喜びと同時に大きなプレッシャーを感じました。やっぱりクレオパトラと言えば「絶世の美女」という印象があると思うので、それをどうやって表現したらいいのかなと。でも、いま言ってくださったように華やかなシーンではなく、死を決意した場面だということをお聞きして、それは表現する側としては面白いなと。人間生きていくうえでは様々な葛藤もありますが、その中でも自分で死に向かっていくというのは、ある意味で大変な芯の強さが必要だとも思うので、そこをひと場面の中で表現したいです。今回としさん(宇月の愛称)もおっしゃったように、演じる人のイメージや、やりたい方向性もすごく考えて場面を作っていただけているのがとても嬉しくて。しかも楽曲もオリジナルなんですよね?

中塚 オリジナルです!

舞羽 それもすごく楽しみですし、なんと言っても東山さんと踊れるというのが、私にとってはまさに夢が叶うことなので頑張ります!

東山 宝塚に入る前に、僕が『エリザベート』でトートダンサーを踊っていたのを観てくれていたんだよね?

舞羽 はい!すごく憧れて「私もトートダンサーがやりたい!」と思って!

宇月 トートダンサーがやりたかったの!?

舞羽 そうなんです!一緒に踊りたくて!

──宇月さんは宝塚版のトートダンサー「黒天使」を踊られていますよね?

宇月 そうですね。私は踊らせていただきましたが、みみちゃん(舞羽の愛称)も踊りたかったんだ!

舞羽 はい!

中塚 「20年越しの夢が叶いました」って言っていて。

舞羽 すごく嬉しいです!(全員拍手)

中塚 そして、リーダーには織田信長になっていただいて、背中を見せてもらうと言いますか、トップを走っている人の最後の姿が、僕の演じる男に影響を与える人として出てもらいます。曲も和のテイストではなく、刀は持ちますけれども、基本は「リーダー」というイメージです。

東山 その場面はもう早々に振りがついたのですが、ここには咲哉(木村)も出ていて、彼も大きくなってね。男の渋さを見せるみたいなところだから、咲哉に合うのかなと少しだけ心配だったんですけど、身長ももう周りと変わらないくらい伸びているし、ここでは咲哉の成長も見ていただきたいです。

──いま伺っているだけで楽しみなシーンばかりですが、そうしますと中塚さんはかなり多くの場面に?

中塚 そうですね、でしゃばりな感じで(笑)いろんな場面に出るんです。そうしないと話が伝わりづらいかなと思う部分もあるので。もしかしたらクレオパトラのところにも少し出るかもしれないですし、ジャンヌ・ダルクが教会で神の啓示を受けている時に、その神々しい姿を見ている僕がいたりとか、各ナンバーのスパイスになって出ていけたらと思っています。

ポップでカラフルな『ODYSSEY』流「アリス」の世界

──そこから第二部が「アリス」の世界ということですが、アリスそのもののイメージはどうですか?

宇月 私は昔からあまりプリンセスものには惹かれなかったんですけど(笑)、アリスはとても好きだったんです。小さい頃から一人の女の子が冒険の旅をして成長していくという世界観が大好きで。ですからアリスができるというのはすごく楽しみです。

東山 『ODYSSEY』に、女性に出ていただくのは今回がはじめてなんです。しかも「ダンスアクト」ですから、絶対に女性陣に引っ張っていってもらいたいねと色々候補があがって。その中でアリスだったら、今回のキャストに全てが合致するだろうと。

中塚 「浦島太郎」にしなくて良かったですよね!

東山 いやいや、「乙姫様に、タイやヒラメが舞い踊り~」も考えたんだけどさ(爆笑)。

中塚 行けるかな?とも思った!(笑)

宇月 本当に?(笑)

東山 そうそう。浦島太郎を題材に、コミカルっていうだけじゃなくて、しっかり作ろうかなと思ったんだけど、アリスの方が音楽的にも広がるだろうと。ちょっと浦島太郎だと全部海の中になってしまうからね。プリンセスじゃないってことだったし(笑)。

宇月 あ~(笑)。

中塚 アリスだとキャラクターもいっぱい出てきますしね。

舞羽 私はアリスって謎めいた場面もあるので、子供の頃はちょっと怖くない?とも思っていたんです。でも宝塚時代にアリスのシーンをやったことがあって、またアリスができるという喜びもありますし、今回はアリスそのままではなく、このメンバーでやるからこそのお話の流れが面白くて! なので、2幕は私が前に前にと進んでいく感じになるんですけど、そこも皆様と一緒に共有できるようにやっていけたらいいなと思います。

中塚 アリスも様々な描かれ方をしてきていて、ジョニー・デップさんの『アリス・イン・ワンダーランド』の世界観などは独特ですよね。ですから今回もちょっとポップな色合いになればなと。1幕とはガラリと変わって明るく色々な色が出てきて、うまく対比がつくといいなと思っています。あとは咲山類がどこまでダンサーとしてできるか?というのも、しっかりと見ていだたきたいです。

──最近は本当に踊られていますよね。

中塚 はい、もう彼はダンサーです。

東山 好きなんですよね。全然うまくないけど、十数年いるのに(笑)。

──いえいえ、もうD☆Dさんダンサー5人、シンガー2人とおっしゃるけれども、今や全く垣根がないなと。

東山 そうですね。ちょっと書き直しますね(笑)。

中塚 書き直しましょう!

──そして最後にフィナーレもあるということですが、宝塚ではフィナーレがつくのはある意味定番でしたが、改めていかがですか?

宇月 1幕も2幕もダンス中心の作品のあとに、更にフィナーレというのは初めての経験ですが、もう一度盛り上がっていただけたらと。フィナーレの1曲目は東山さんとご一緒で。

東山 僕とゲストメンバーだけの6人で踊ります。

宇月 シーン名が「ダンスナンバー」と書かれているくらいガッツリとダンスで、アリスの世界からパッと変わるので、気合いを入れて最後に向かって踊れるようにしていきたいです。咲哉くんともちょっとだけ踊らせてもらうのですが、私は「はじめまして」でしたが、振付もしてくれて。組んで踊るところもしっかりしていらして、中学生ですごいなと。ダンスの種類も色々なものがあるので、充実した場面になるんじゃないかと思っています。

中塚 みんなの個性で血をそそぎ肉づけしている感じですね。

舞羽 素敵ですよね!私はその「ダンスナンバー」には出ていなくて中塚さんとデュエット・ダンスを踊らせていただくのですが「スカート慣れてるよね?」と言われて「いえ、宝塚を退団して結構経っています!」と言いましたが(笑)、気合を入れてやっていきたいなと思っています。イメージとしてはいなくなってしまった恋人と…というような少し幻想的な雰囲気だとお聞きしたので、「ダンスナンバー」とは全く違うシーンになると思います。デュエット・ダンスの空気感を思い出して頑張ります!よろしくお願いします。

中塚 こちらこそよろしくお願いします!

 

太陽みたいな存在の二人

──伺っていると「早く観たい!」という気持ちが募りますが、せっかくこうして集まっていただきましたし『ODYSSEY』初の女性キャストということなので、東山さん、中塚さんから、宇月さん、舞羽さんの魅力をどう感じていらっしゃるか教えていただけますか?

中塚 僕は宇月さんが宝塚在団中から拝見していて、男役さんのダンスの中でも、足をグッと開いて、誰よりも低く腰が入る、すごく男らしいダンスを踊る方というイメージだったんです。あーカッコいいな、素敵だな!と思っていたところ、いざ直接お会いしたら可憐と言うか。

宇月 可憐じゃないです!

中塚 いえいえ、なんか本当に「あれ?同一人物なの?」と思うくらい、女性になっちゃっていて。

東山 女性になっちゃってってなんだよ!(爆笑)

中塚 いやだから、なんて説明したらいいのかな(笑)、そのギャップがまたすごく素敵だったんですよ!だからこそジャンヌ・ダルクの最初の、純白で可憐なところからやってもらいたい!というイメージになりました。

東山 僕も存じ上げてはいましたし、皓平が言ったように最初は性別云々ではなくて、カチッとしてシャープな感じの人かなと思っていたんです。それが稽古で、もう何曲か踊らせてもらっているんですが、すごく柔軟な方で。男役経験者の方って、どうしても女性っぽく見せないとを意識されるあまりに、トゥーマッチになってしまう時期があったりすると思うんですけど、それが全然なくてごく自然に柔らかく動けていて。でももちろんシャープな動きもできるので、アリスでマッドハッターを踊ってくれますが、そうしたキャパシティの広さが出せるんじゃないかなと感じています。そこはやはりひとつの大きな魅力ですね。ダンスだから声も出さないし、今はこういう状況でマスクもしているので表情も見えないなかで、結局リハーサルでは身体の動きだけで、いま喜んでいるなとか、悲しんでいるなを見ているのですが、そういう時に思ったよりすごく丸みがあるのがとても嬉しい発見でした。

──今日いらしてくださった皆さんに共通していることでもあるのですが、宝塚時代から踊り出すと本当に「瞳泥棒」な方で、目が釘付けになりましたから。

宇月 いえいえ、そんな!

東山  「瞳泥棒」!

中塚  「瞳泥棒」っていいですね!

──本当に皆さんがそうなんですけど。舞羽さんについては?

中塚 みみちゃんは良い意味で本当に変わらないです。宝塚で現役の時から持っていらっしゃる可愛らしい感じがずっとあって。しかもいつでも元気なんですよ、「おはようございます!」ってひと言から明るくて、それをいただけただけで「よし、今日も頑張ろう!」みたいな感じになるぐらいの可愛らしさで。

東山 本当に元気だよね!いつも晴れやかで。落ち込んだりする時あるの?

舞羽 ありますよ~!

中塚 あるんだ!

東山 ウチの稽古場はいつも男ばかりじゃないですか。それが二人の女性がいると華やかでね。

中塚 助かりますよね!

東山 二人が帰った後は、空気が、もう死んだようになるからね(笑)どんよりして。

中塚 晴天から雷雨って感じ(笑)。

東山 この空気の中からは何もいいものが生まれないっていう感じ(爆笑)。そういう意味でお二人は太陽みたいな存在です。みみちゃんもなんでもできるからね。バレエも踊れるし、組んでも踊れる。僕は今まで女性とデュエットを踊ることはあんまりなかったんですけど、全部応えてくれるんです。だから中塚と二人でやるデュエット・ダンスはちょっと幻想的な感じなんですが、僕と踊る時は少し色っぽい感じになります。色で言うと紫の雰囲気です。

中塚 僕たちの方は、ピンクとか黄色かな?

東山 そうだね。そんなどんな色にも彼女は合わせてくれるんじゃないかなと、すごく期待しています。

メリハリのある稽古場で感じる絶妙の関係性

──では逆に、宇月さん、舞羽さんからご覧になった、東山さんと中塚さんの魅力はどうですか?

東山 僕から言ってください。

中塚 ちょっと!もう困るよ、あとは怖いんだから!

宇月 東山さんはスターです。

舞羽 華やかですよね。

東山 嘘!(笑)

宇月 本当です!一方的に色々な舞台を拝見していたので、いざ隣に立たせていただいたら「あ、東山さんだ!」って。もちろん身体も綺麗ですけど、それ以上にオーラが大きくて!

中塚 態度も大きいですよね(笑)。

舞羽 そういうことが言えちゃう皆さんの関係性が素敵なんです!

宇月 稽古場の空気がすごく良いのは、東山さんがそうなるような居方をされているからだろうなと感じていて。お稽古に入る前はエンターテイメント界のすごい方達だから、ものすごくバシッとしていらっしゃるんだろうと緊張しながら入ったんですけど。

中塚 全く違ったよね?緩くてね(笑)。

宇月 いえ、良い意味で緩めるところと、パッといくところのメリハリがちゃんとある、すごく素敵な雰囲気だったので、楽しく稽古させていただいています。そこに甘えているのですが、甘えすぎてもいけないので。

東山 お二人は大丈夫です!

宇月 ありがとうございます。やっぱり本当にスターでいらっしゃるので、踊らせていただいても新鮮で、光栄だなと思っているので、頑張ります。

舞羽 本当にセンターにいるべき方ですよね。客席から観ていても思っていたのですが、いざ稽古場でご一緒したら、ちょっと(センターから)ズレて立たれていると気持ち悪いと言うか。

東山 すぐズレるからね!(爆笑)。

舞羽 そういう意味ではなくて!(笑)センターにいてください!と思う方です。稽古場で立っているだけで華があるし、ちょっとふざけられるときとの切り換えもすごくて。それこそソロで踊られるところも、さらっと踊るんですけどとてもカッコ良くてすごいなと思います。一緒に組むとエネルギーが伝わって、今はまだまだ引っ張ってもらっていますが、自分もちゃんとそこへ行けるようにと思ってやっています。きっと皆様が想像される通りだと思うのですが、温かいなかにも皆さんが一瞬でシャキッとされる空気感や、関係性が素敵で楽しいです。

中塚 しっかり調教されていますからね(笑)。

舞羽 咲哉くんが振り付けたところも、じっと食い入るように見ていらして、休憩中にも考えて「あそこはこうしたらいいんじゃない?」とアドバイスされている姿にも、愛情を感じました。

東山 柱の影からじーっと見ている(笑)。

中塚 お父さんみたいだよね!(笑)

宇月 本当に東山さんのそういう姿勢が稽古場を作ってくださっていると思います。中塚さんは宝塚で私がいた月組でも振付されていると伺ったのですが、残念ながら私が退団した後だったので、今回の舞台の取材の時に初めてご一緒させていただきました。そうしたらすごく気を遣ってくださる方で。同年代でもあるので、そんなに気を遣わなくて大丈夫ですから!と思うほどでした。今回は制作から創る部分の芯になっていらっしゃるので、周りをすごく見てくださいますし、しっかりしておられるのかと思いきや、周りの方からはいじられてもいて(笑)。その絶妙なバランスも面白い方だと思っています。アリスのマッドハッターのところも振り付けてくださったのですが、宝塚的な要素もあるマニッシュなジャズで。私はさっき言ってくださったように、宝塚時代もオフはこんな感じで舞台とのギャップがあると言われていたのですが、ここはちょっと宝塚時代に培ったものを出していかないと、と感じています。でも一方で、踊って見せてくださると随所にある力の抜け具合もとても素敵で、それはちょっと宝塚の男役が苦手なところなんですよ、抜けられないというか(笑)。ですからそういう素敵さも勉強させていただきたいなと思っています。

中塚 恐縮です!

舞羽 私も客席から見ている時はダイナミックな方だなと思っていました。リーダーとはまた違った華やかさがあって、いろんなジャンルのダンスを踊られているんだろうなという印象で。今回、振付していただくにあたっても私が不安に感じていることをたくさん聞いてくださいましたし、ご相談もさせていただいたなかで、個性を生かしてより良くなる振りをつけてくださる優しい方だなと。しかも、私ができるまで何回も、何回もやってくださってとてもありがたいです。

東山 でもさ、僕、めっちゃ頑張ってる、めっちゃ大変っていうのをあからさまに出してくるよね(笑)。

中塚 なんで僕が褒められたからってそういうこと言うかな、大人気ないな~(笑)。

──宝塚の振付もとても素敵ですよね。

東山 いや、D☆Dの振りを丸パクリするんです!(爆笑)

中塚 ちょっと待って!それは語弊があり過ぎる!違うんです!初めて宝塚で振付させてもらった時には、D☆Dのメンバーの僕が振付させていただくからには、D☆Dらしさを刻もうと思って、D☆Dが最初にやった『未完成』という公演から2×8だけ敢えて使ったんです!

宇月 素敵ですね!

中塚 ですよね?それを丸パクリって言わないでね!(笑)

──大丈夫です!皆さんわかっていらっしゃいます!本当に中塚さんの振付は宝塚の舞台にもピッタリですから、今回D☆Dさんの舞台に、宝塚で名ダンサーとして知られた宇月さん、舞羽さんが出演される期待は大きいので、今日内容の一端を伺えて、ますますその期待が膨らみました。では最後に、楽しみにしていらっしゃる方達にメッセージをお願いします。

中塚 こういう時だからこそエンターテイメントで、皆様の心が潤っていただけたらと、もう本当それだけを目指しています。僕らから皆様に笑っていただけるように、心が豊かになるようにエネルギーを出しますが、実は皆様からもエネルギーをいただいているので、お互いに明るくなっていけたらなと思っています。是非博品館劇場にお越しください!

舞羽 難しい情勢ではありますが、お稽古が始まってから、あらためて絶対に客席で見てほしいと思いました。私たちのエネルギーがちゃんと届いて、お客様にもその時間を存分に楽しんでいただいて、これからの人生にちょっとしたスパイスとなる作品にできるように頑張ります。劇場でお待ちしています。

宇月 皆さんがお話されたように盛りだくさんの内容で、色々なジャンルのダンスがあり、観ていただいてワクワクするものになると思っています。不安な状況が解消されたとはまだ残念ながら言えませんが、そうした世の中だからこそ皆さんが希望を持てるような作品になると思いますので、楽しみにしていて下さい。

東山 あるようであまりないダンス主体のショー、公演だと思うんです。そういう意味でも稀有なテーマでやっているなというのが『ODYSSEY』の強みだと思うので、そこを是非見ていただきたいです。色々な音楽も全てD☆Dや、このカンパニーのオリジナルなので、皆さんの心に響くナンバー、力になるシーンがひとつでもふたつでもお贈りできれば。ひとり一人が主役であるというのが『ODYSSEY』のキャッチフレーズですから、ダンサー咲山類を筆頭に(笑)、スター同士の競演を秋の夜空に輝かそうじゃないかと。客席の皆さんと一緒にODYSSEYという星座を描きましょう!

 

■PROFILE■ 

ひがしやまよしひさ〇大阪府出身。大学卒業と同時に初舞台。『エリザベート』のトートダンサーで注目を集める。2003年DIAMOND☆DOGSを始動、リーダーとして舞台構成・総合演出も手掛ける。2013年には肉体表現の可能性を追求する新たなるカンパニー「BOLERO」を立ち上げてドラマ性のあるダンスステージを創り上げる等、ジャンルを問わずに活躍している。主な出演作に【舞台】『CLUB SEVEN –ZERO Ⅲ-』『ALTAR BOYZ』『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -シリーズ、『モーツァルト…オレは誰だ!!』『ELF The Musical』、『ODYSSEY』ミュージカル『イヴ・サンローラン』『DRAMATIC MUSICAL COLLECTION 2018』『戯伝写楽2018』『サロメ』『エジソン最後の発明』『レ・ミゼラブル』等。

なかつかこうへい〇千葉県出身。3歳からモダンバレエを始め、数々のダンスコンクール受賞歴をもつ。2007年DIAMOND☆DOGSに加入。長身を生かしたドラマティックなダンスに定評がある。D☆D外での活動も多岐にわたり、2020年はストレートプレイ作品『グッバイ・エイリアン』で草月ホール主演。近年は宝塚歌劇団の振付も手掛け、振付家としても活躍中である。主な出演作に【舞台】MWvol.4『グッバイ・エイリアン』『ODYSSEY』Asaka Manato concert 2nd『MANA-HOLIC』劇団TEAM-ODAC『浮遊するfitしない者達』『DRAMATIC MUSICAL COLLECTION 』『Flamenco マクベス』『Romale ~ロマを生き抜いた女カルメン~』『サロメ』『WILDe BEAUTY ~オスカー・ワイルド、或いは幸せの王子~』等。

まいはねみみ○兵庫県出身。07年に宝塚歌劇団入団。2011年雪組トップ娘役に就任。2012年東京宝塚劇場公演『JIN─仁─』『GOLD SPARK─この一瞬を永遠に─』の千秋楽をもって退団。以後、映画、ドラマ、舞台で活躍。近年では『ダンス オブ ヴァンパイア』サラ役、『ピーター・パン』タイガー・リリー役、舞台『鬼滅の刃』珠世役など。映画『マザー』『超高速!参勤交代』『大コメ騒動』ドラマ『新法廷荒らし 猪狩文助』『早子先生、結婚するって本当ですか?』『プリンセスメゾン』など。

うづきはやて○埼玉県出身。2004年宝塚歌劇団入団。キレのあるダンスで頭角を現し、09年『エリザベート』新人公演でルキーニ役に抜擢、翌年の『ジプシー男爵』新人公演で初主演。演技・歌・ダンスの三拍子揃った実力派男役として活躍した。2018年『カンパニー』『BADDY』で退団。退団後の主な出演作に、ACT×DANCE『Double Flat』『笑う男』『Live Airline』(主演)、Tabloid Revue『rumor~オルレアンの噂~』『紅-ing!!』『ブレイン・ストーム』『Run For Your Wife』『エリザベートTAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』(ルキーニ役)『ル・シッド』など。

【公演情報】
ENTERTAINMENT SUPER DANCE THEATER『ODYSSEY 2021』
構成・演出・振付◇D☆D
音楽◇la malinconica TAKA
振付◇長澤風海 木野村温子
振付協力◇DANIEL
出演◇DIAMOND☆DOGS(東山義久 中塚皓平 和田泰右 咲山類 廣瀬真平 新開理雄 Homer)
DANIEL 長澤風海 木村咲哉 HILOMU
舞羽美海・宇月颯
●10/6~13◎銀座博品館劇場
〈料金〉9,000円(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉博品館劇場 03-3571-1003
〈公式ホームページ〉
http://www.hakuhinkan.co.jp/theater/archives/event/entertainment-super-dance-theaterodyssey-2021

 

【取材・文/橘涼香 撮影/岩田えり】

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