conSept 新作ミュージカル『SERI~ひとつのいのち』10月に東京・大阪で上演!
「多様性」の暗闇に光を当てるconSept 新作ミュージカル『SERI~ひとつのいのち』が10月に東京と大阪で上演される。
“君には、どんな世界が見えてるの?”
障害児を異国で育てる苦労、⾃⾝の⼼と⾝体との戦い、友⼈・家族との葛藤、娘・千璃(せり)の誕⽣にまつわる医療裁判、繰り返される娘の⼿術・・・。
原作『未完の贈り物(2012 年刊)』には⺟であり異国の地で働くキャリアウーマンとしての倉本美⾹⽒本⼈の視点から⼿記の形で千璃を取り巻く8 年間のお話が綴られている。
今年、実在の千璃は19 歳になる。今回のミュージカル化では、その千璃⾃⾝が感じたかも知れない事に想像を巡らせ、千璃とその⺟・美⾹、⽗・丈晴の親⼦3 ⼈を通して、⼈と⼈が共感し共存するということの本質について考える。
今回のクリエイターは⾼橋亜⼦×桑原まこ×下司尚実、3人の初コラボとなる。
⾼橋亜⼦は、訳詞家として『ジャージー・ボーイズ』『メリー・ポピンズ』などの著名作品に携わる⼀⽅、近年は『フィスト・オブ・ノーススター ~北⽃の拳~』『銀河鉄道999 THE MUSICAL』などの脚本でも注⽬を浴びているが、conSept のオリジナル作品に初参加。
脚本に⾳楽で寄り添うのは、conSept のオリジナル作『いつか~one fine day』『GREY』で観客だけでなく評論家からも⾼い評価を得た桑原まこ。新たな作家とのコラボでどんな⾳が⽣まれるのか。⽣演奏で紡がれる⾳に注⽬したい。
そして、これまでconSept 作品に振付家として参加してきた「泥棒対策ライト」の下司尚実が、⾃⾝初となるミュージカルの演出に挑戦する。⾃然体な⾝体表現作りに定評のある下司が千璃の⽣きる世界をどう表現するのか楽しみだ。
主演3人は⼭⼝乃々華×奥村佳恵×和⽥琢磨、フィールドの異なる3 ⼈の初共演となる。
ミュージカル初主演でタイトルロールの千璃役・⼭⼝乃々華。振付も担当する下司との⼆⼈三脚で、⽬が⾒えず話すこともできない千璃を、得意とする⾝体能⼒を最⼤限に活かしどう表現するだろうか。
その千璃の⺟・美⾹を演じるのは蜷川幸雄⽒に⾒出され最近では『LUNGS』で好評を得たことが記憶に新しい奥村佳恵。千璃とともに変化していく繊細な⼥性をどう作り上げるのか。
また⼥性⼆⼈を⽀える⽗・丈晴役には主に2.5 次元作品で活躍する和⽥琢磨が、⾃⾝初となるオリジナルミュージカルに挑む。その柔らかな声が作り上げる千璃の⽗親像にも期待が⾼まる。
彼ら3人を取り巻く⾯々には、幅広いジャンルで活躍する個性豊かな俳優陣が集結。
美⾹と敵対する産科医オオクボ役に花組芝居の植本純⽶、オオクボを弁護するセガール弁護⼠役に⼩林タカ⿅、美⾹からオオクボ告訴を相談されるミラー弁護⼠役に樋⼝⿇美、オオクボと美⾹に事情聴取を⾏う書記官役に⾠⺒智秋、千璃に整形⼿術を進める整形外科医役に内⽥靖⼦、オオクボと美⾹の⽰談交渉をを仲介するメディエーター役に⻑尾純⼦、千璃が通う特殊学校の先⽣役には⼩早川俊輔が抜擢された。
《あらすじ》
ニューヨークで暮らす美⾹と丈晴は⼦供を授かった。千璃と名付けられた⼥の⼦。
初めての⼦供に未来への希望と夢に膨らむ⼆⼈だったが⽣まれた⼦供には両眼ともに眼球がなく、知的障害も抱えていた。絶望し途⽅にくれる夫婦。特に⺟である美⾹は⾃⾝を責め、周りの⽬を気にし、そして意思疎通がままならない我が娘に困惑し疲弊していく。
ある⽇、思い詰めた美⾹はマンションの屋上から千璃とともに⾝を投げようとするが、そのとき屋上から⾒下ろしたマンハッタンのある情景を⽿にした千璃が笑う。初めて⽬にした娘の笑顔に触れ、“この⼦と⽣きていこう”と強く誓う美⾹。
しかし、その決⼼の先には終わりが⾒えない千璃の⼿術、夫婦のすれ違い、周囲の⾮難、法廷闘争・・・など想像を絶する難題が幾重にも待ち受けていた。
【コメント】
脚本・作詞:⾼橋亜⼦
この作品は⽣まれつき両⽬の眼球がない少⼥の実話を元にしています。少⼥の⺟が書いた⼿記を読んだ時、胸に刺さった⾔葉がありました。それは「No Eyes」。アメリカで出産した⺟が、娘の障害を医師に宣告された時の⾔葉です。もちろん「眼球がない」ことを告げた⾔葉ですが、私の頭にはもっと広義の考えが巡りました。
⽬を持たないとは何か︖⾒えないとは何か︖たとえ眼球があろうと、⾃分の視点でしか⾒ない⼈、⾒たくないものを⾒ないこと…それもまた「No Eyes」ではないか。そんな観点から、⼈が認め合うことを描く作品にしたいと思いました。
⼀⼈の少⼥を巡り、それぞれの視点でぶつかり合い、認め合う⼈々の姿が⾒えてくれば良いなぁと思っています。
作曲・⾳楽監督:桑原まこ
今回はピアノ・ギター・マルチリード・チェロの4 ⼈で⾳を奏でることにしました。変わった編成だと思います。この編成でいこうとひらめきが私に届いた時、理由は⼀緒には届きませんでした。原作と台本を何度も読み、私に挑めるのかと悩む中で、その理由が私に教えてくれました。
「千璃ちゃんがこの作品を観てくれたとき、⾳がカラフルであってほしい」と。⾳楽ができることは
無限にあると信じていますが、どうしたって⾃分以外の気持ちの真実は、その⼈にしかわからないものです。だから最⼤限の想像⼒と優しさを持ってシンプルに。私らしく向き合っていきたいです。
演出・振付:下司尚実
SERI は実在する⼥の⼦とそのご両親のお話です。SERI さんがいるということ、彼⼥が住んでいる場所と⽇本は離れているけれど、同じ地球で私たちは今⼀緒に⽣きているということ。そしてそこに⽣まれた愛を、歌はもちろんですが、⾝体もめいっぱいに使って丁寧に描いていきたいと思います。
私⾃⾝さまざまな縁に恵まれて今ここに⽴っています。彼⼥の過ごした時間を舞台上に凝縮することは難しい作業だと思いますが、彼⼥とご両親が重ねたご縁のように、集まって下さった⼼強いキャスト、スタッフと共にパワフルに挑戦していきたいと思います。
⼭⼝乃々華(千璃役)
はじめまして。千璃役を演じさせていただきます、⼭⼝乃々華です。
以前、同じ原作を題材にしたリーディングミュージカル『ダスク』を観劇させていただいたことがあり、その際には、深く感情移⼊し、今でも鮮明に思い出せるほどの、張り詰めた空気を感じていました。
今回お話をいただいたときはご縁を感じましたが、それと同時にお受けするのに勇気がいりました。決して⽬を逸らすことをせずに、作品に向き合い続ける⼼が必要だと感じています。
両眼性無眼球症という難しい役ですが、想いを届けられるように演じていきたいと思います。
奥村佳恵(千璃の⺟・美⾹役)
私は、ここまで向き合えるだろうか。
分⾝である我が⼦と、パートナーと、家族と、世界と。そして、他でもない⾃分⾃⾝と。
愛おしさも苦しみも、喜びもおそれも、⼼に降りかかるさまざまな思いを受け⽌めきれるだろうか。
誰かの⼼の中を⾒ることなんてできないし、誰もお互いを完璧に理解できない。
だけど孤独だからこそ、他者との繋がりをより温かく感じることができる。
私たちは誰かの存在の延⻑線上で、助け合って⽣きている。
光を⼿にするため、暗闇の中で途⽅もない闘いに挑み続けた美⾹さん。
圧倒的な当事者である彼⼥を、何もかも経験したことのない傍観者の私が演じるということ。
想像して、想像して。⾝体と声と⼼を器にして光を探したいと思います。
和⽥琢磨(千璃の⽗・丈晴役)
丈晴役を演じます和⽥琢磨です。今回の作品『SERI』の台本を読んで、率直に胸が締めつけられました。容姿での優劣や世間に対するみえ、夫婦の価値観、家族を取り巻く普遍のテーマが随所に織り込まれてます。ついつい⽬を伏せがちなものばかりですが、同時にどれも⾝近なものであります。沢⼭の⽅にご覧頂きたいと思える作品に携わることが出来て光栄です。私⾃⾝、久しぶりのミュージカルですが精⼀杯努めたいと思います。ぜひ劇場にお運びください。
【公演情報】
conSept Musical Drama #7 『SERI~ひとつのいのち』
原作:倉本美⾹『未完の贈り物』
脚本・作詞:⾼橋亜⼦/作曲・⾳楽監督:桑原まこ
演出・振付:下司尚実
演奏︓桑原まこ(Key.)、成尾憲治(Gt.)、⼭⼝宗真(Reed)、平井⿇奈美(Vc.)
出演:⼭⼝乃々華 奥村佳恵 和⽥琢磨
植本純⽶ ⼩林タカ⿅ 樋⼝⿇美 ⾠⺒智秋 内⽥靖⼦ ⻑尾純⼦ ⼩早川俊輔
●10/6~16◎東京 博品館劇場
●10/22・23◎⼤阪 松下IMP ホール
〈料金 東京・⼤阪共通〉SS 席11,500円、SA席10,500円、A席9,000円、C席7,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
主催者最速早割先⾏︓6 ⽉4 ⽇(⼟)~19 ⽇(⽇)
⼀般発売︓8 ⽉27 ⽇(⼟)~
〈お問い合わせ〉info@consept-s.com
〈公式サイト〉 https://www.consept-s.com/seri/
〈公式Twitter〉https://twitter.com/consept2017