シネマ歌舞伎『沓手鳥孤城落月/楊貴妃』中村米吉、中村児太郎 舞台挨拶リポート
映画館で歌舞伎を楽しむシネマ歌舞伎。その最新作として『沓手鳥孤城落月/楊貴妃(ほととぎすこじょうのらくげつ/ようきひ)』が 1月12日より全国公開した。その公開を記念して、舞台挨拶が開催され、本作に出演した中村米吉、中村児太郎の2人が登壇した。
本作は主演の坂東玉三郎が編集・監修も務めており、シネマ歌舞伎として映像作品になったものを観た感想を聞かれると、米吉は「舞台だと幕を閉めたり、舞台を回したりして場面を変えますが、映像だとすぐ次の場面に変わる。しかもカット割りが平面的ではなく、臨場感あふれるカットになっていましたので、本当のお芝居を観ている時よりも人物像がより深くわかるのではと思いました」と話した。
また、児太郎は「映像になるとまた違っていて、玉三郎のおじさまはこんなふうに描きたかったんだと、同じ舞台を(上演当時に舞台袖などで)観ていても新たな発見がありました」とコメント。
2019年の抱負について聞かれると、米吉は「日々を大切に、少しでも去年より前進できるように、一昨年から去年、去年から今年の方がその幅を広げられるように頑張りたいです」と語り、児太郎は「2018年はとても大きい年だった。父(中村福助)が復帰しましたし、(「金閣寺)の)雪姫や阿古屋といった憧れのお役を勤めさせていただきました。今年も猪突猛進で頑張っていきたいです」と答えた。
最後に児太郎は、「本日、海老蔵兄さんの團十郎襲名の記者会見がありましたように、歌舞伎界はこれから新しいことや明るいニュースがたくさんあると思います。そんな時に私たちも歌舞伎界の戦力になれるように、与えられたお役や、いつかやってみたいお役のために稽古に励み、芸道に精進することが今できることだと思います」と挨拶。米吉も「これからご覧になられる作品を、舞台とは違う臨場感や感じ方で楽しんでいただいて、その後に、今度は歌舞伎座など、特に今月はいろんな劇場で歌舞伎の公演がやっておりますので、生の舞台にも足をお運びいただけたらと思います」と挨拶をし、大盛況のうちに終了となった。