まんが日本昔ばなし 舞台版『伝説・桃太郎~鬼の絆~』稽古場記者会見レポート
2023年6月7日(水)~11日(日)ヒューリックホール東京にて、まんが日本昔ばなし 舞台版『伝説・桃太郎~鬼の絆~』が上演される。
今作は、50年ほど前に誕生して今もなお幅広い年代に愛され続けている国民的アニメ「まんが日本昔ばなし」を、アニメーション映像を効果的に用いた実写舞台という形でファンタジックな世界観を展開し、昔ばなしが伝える教訓や「人は助け合いながら生きている」という大切さや「親から子、子から孫へ」と伝えていく絆を題材とした人情喜劇となっている。
本番に先立ち、稽古場にて記者会見が行われ、出演者の和田優希(SpeciaL/ジャニーズJr.)、大和悠河、松原智恵子、片岡鶴太郎、黒田こらん、門戸竜二が登壇した。
最初に行われたデモンストレーションでは、まず「日本昔ばなし」のアニメ映像に合わせて、松原智恵子と片岡鶴太郎がその場でアフレコを行った。ナレーションと桃太郎のおじいさんのセリフを片岡、おばあさんのセリフを松原が読み上げると、桃太郎の物語がアニメらしいコミカルさと柔らかさを持って伝わってきた。
続いては、桃太郎役の和田と、鬼・温羅役の門戸による殺陣が披露された。それぞれ役の衣装を着用して、限られたスペースの中で充分迫力のある殺陣に仕上がっており、本番の舞台ではここに音響や照明なども加わってよりダイナミックなシーンになるのだろう、と期待が高まった。
最後に、大和がなぎなたを披露した。赤を基調とした鮮やかな着物姿と、華麗ななぎなた捌きが凛とした美しさを感じさせ、大和の演じる鬼子母神・羽衣がどのような役なのか楽しみになった。
デモンストレーション終了後、登壇者全員が登場し、それぞれコメントを述べた。
【コメント】
和田優希(SpeciaL/ジャニーズJr.)
桃太郎役です。最初に今作のお話しを聞いたときは、思わずマネージャーに「(桃太郎で)合ってる?」と確認してしまいました。誰もが知っている作品の主人公をやらせていただくということで、この公演を通して、桃太郎の魅力の一つである優しさを僕なりにお伝えできればと思っています。
大和悠河
鬼子母神・羽衣役です。私は子どもの頃から「まんが日本昔ばなし」が大好きなので、今回参加できて大変嬉しいです。今作は、桃太郎の話をさかのぼっていくと「古事記」にまでたどり着くという、私の知らなかった桃太郎が浮かび上がって来て、面白くて奥が深いし、人々の思いがこもっている物語なんだな、と改めて思いました。副題にある「鬼の絆」を皆さんに感じていただけるように丁寧に演じたいと思います。
黒田こらん
イザナミの巫女・みやび役です。稽古場は和気あいあいとしていて、とても楽しくお稽古させていただいています。桃太郎の物語には知らなかったことが結構あったんだなと思うような内容で、小さいお子様から大人の方まで楽しめると思います。
門戸竜二
鬼ヶ島の鬼・温羅役です。台本を読んだときに、誰もが知っている桃太郎の話ではないな、と思いました。鬼には鬼になる事情があったり、皆さんの知っている桃太郎の物語とは一味違った話を楽しんでいただけると思います。鬼の親子の情や絆といったものが描かれているところにも注目していただきたいです。
松原智恵子
おばあさん/女の神・イザナミノ尊役です。舞台はものすごく久しぶり(※舞台「マツケンサンバ」以来約25年ぶり)なので、とても緊張しております。皆さんの足手まといにならないように、一生懸命やっていきたいと思っております。
片岡鶴太郎
おじいさん/男の神・イザナギノ尊役です。私もだんだん神がかってきまして、ヨガでずっと地道に神との交信をやっておりましたので、いよいよ神の役が来たかと思いました。まさに今、このイザナミ・イザナギをやるのは、もう日本では松原さんと鶴太郎しかいなんじゃないか。そのコンビがお送りする桃太郎です。
【質疑応答】
──和田さんは初舞台から1年が経ち、再び主演をやることになりました。今のお気持ちはいかがでしょうか。
和田 舞台出演も主演も2回目で、舞台歴としてはだいぶ浅いですが、せっかくいただいた大きな役なので、全力で臨ませていただきたいと思っています。
──座長の和田さんを、他のキャストの皆さんはどのように見ていますか。
大和 さっき年齢を聞いてびっくりしてしまったんですが、すごく落ち着いていてしっかりしているので、これからお稽古をしていく中で桃太郎がどうなっていくのか楽しみです。
門戸 吸収力がすごいです。やっぱり人前にたくさん立っていることが、こういうところに出るんだなと思います。さっきも立ち回りの最中に、草履が脱げそうになったところをうまく対応していて、すぐにそんなふうにやれる人はなかなかいませんからちょっとびっくりしました。それぐらい飲み込みが早いです。
和田 ありがとうございます。普段グループの中だとポンコツ扱いされることが多いので(笑)、褒められ慣れてないのでちょっと暑いです。めちゃめちゃ嬉しいです。
──松原さんから見た和田さんはいかがでしょうか。
松原 だんだん良くなってきているんです。稽古の最初の頃のセリフはあんまり良くなかったんですけど……。
一同 (爆笑)
松原 でも回を重ねるごとにちゃんと声も出て、良くなってきています。まだまだこれから稽古を頑張っていきましょう。
和田 ありがとうございます。松原さんはどこまでも優しすぎます。
──片岡さんと松原さんは神様役ということで、どのような役作りをしていますか。
片岡 松原さんは役作り、何かしていますか?していないですよね?
松原 そのままですね。
片岡 松原さんは本当に超天然ですから、そのままで神様みたいな方で、何にも演じる必要はないというふうに思っています。私も、このところ貧乏神役をやったり新興宗教の教祖役をやったり、神がかっちゃっていて、もう神様そのものですから(笑)。松原さんと2人のシーンは、2人がいるだけでなんとなく神々しく映ると思いますので、役作りしないでそのままいきたいと思っています。
──最後に和田さんから意気込みをお願いします。
和田 桃太郎をやらせていただくということで、桃太郎の優しさや、何ものにも立ち向かっていく勇ましさに重きを置いて演じていく中で、動物だったり、鬼だったり、神様だったり、人間だったりと、相手によって態度を変えない、分け隔てないところが桃太郎の魅力だと思っていますので、ぜひそんなところに注目してご観劇いただければと思います。
【公演情報】
まんが日本昔ばなし 舞台版『伝説・桃太郎~鬼の絆~』
原作協力:『まんが日本昔ばなし』(愛企画センター)
上演台本・演出:モトイキ シゲキ
音楽: 鎌田雅人
配役/出演
吉備の国 桃太郎:和田優希(SpeciaL/ジャニーズJr.)
鬼子母神<阿曽母>: 大和悠河
吉備の国 犬次郎<犬飼健(忠実で勇敢)>:小西貴大
吉備の国 猿吉<猿楽森彦(知恵と道案内役)>: 花園直道
吉備の国 キジ姫<留玉臣(勇気の声)>: 小越春花(NGT48)
赤鬼:田代大悟
青鬼:石井智也
妖っ子 カスミ:谷田ラナ
イザナミの巫女 みやび<黄泉醜女>:黒田こらん
鬼<温羅>:門戸竜二
おばあさん/女の神 イザナミノ尊:松原智恵子 〔特別出演〕
おじいさん/男の神 イザナギノ尊:片岡鶴太郎 〔特別出演〕
●6/7〜11◎ヒューリックホール東京(東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11F)
〈料金〉 9,500円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
〈お問い合わせ〉公演事務局 https://supportform.jp/event(平日10:00~17:00)
〈公式サイト〉https://mukashi-banashi.jp/
〈公式Twitter〉https://twitter.com/muka_bana_jp
【取材・文/久田絢子】
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