GANMI×宝塚歌劇OG『２STEP』に出演！綾凰華×飛龍つかさインタビュー

タカラヅカ・ライブ・ネクストが、宝塚歌劇OGと各ジャンルで活躍するアーティストとのコラボレーションで様々なステージを創出する企画の第一弾、GANMI×宝塚歌劇OG『２STEP』が、5月26日～28日東京・日本青年館ホール、６月2日～4日大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演される。

『２STEP』は、2016年にアメリカ・ロサンゼルスで開催されたダンスの世界大会「VIBE DANCE COMPETITION XXI」で日本チーム初となる優勝を勝ち取ったのを皮切りに、ライブ活動、TVやCM出演、人気アーティストの振付・ライブ演出など、多岐に渡る活動を続け、いま最も注目を集めるダンスアーティスト「GANMI」と、宝塚歌劇団で男役スターとして活躍してきた宝塚歌劇OG7名の精鋭メンバーとの異色のコラボレーションによるDANCE LIVE。

互いに異なる魅力と実績を持つ「GANMI」と「宝塚歌劇OG」のメンバー同士がコラボすることによって、双方の魅力を倍増させ、ダンスの新たな可能性を切り拓く画期的なステージで、この公演の為のオリジナル楽曲も用意される。更にSpecial Castとして参加する元星組トップスター湖月わたるが、自身初となる振付も手掛けるなど、盛りだくさんのかつてないステージが展開されていく。

そんな作品に集結したダンスに秀でた宝塚歌劇OGメンバーの綾凰華と飛龍つかさ。現役時代綾は星組から雪組で。飛龍は花組でそれぞれの男役像に磨きをかけ続けた同期生同士。更に互いに宝塚退団からわずかの間に、元男役としての資質を生かしながら新たな活動に邁進している。そんな二人が、このDANCE LIVE『２STEP』に懸ける思いと、互いの魅力を語り合ってくれた。

宝塚歌劇OGでひとつのチームになれる安心感

──この企画のオファーを受けた時の気持ちから教えていただけますか？

綾　宝塚歌劇団を卒業して間もない頃にお声がけいただいて、その時には自分が卒業後どうしていくか、どうしたいか、という事を自分自身と向き合っている時期だったので、こうした企画で自分に何ができるのか、どんな思いが溢れるかも全くわからない状況でした。

それでも踊れるんだ！踊りたい！という気持ちは強くありましたから、その気持ちに素直に向き合いお引き受けさせていただきました。

飛龍　私も当時まだ自分がタカラヅカ以外の舞台に立つことを考えていなかった頃だったので、戸惑いもありましたが、逆に、宝塚歌劇OGの皆様とご一緒のチームとして舞台に立たせていただけるということに背中を押して頂き、自分としても新たな人生のステップアップにも繋がるんじゃないかと感じられました。ただ、本当にメンバーの皆さんが名だたるダンサーの方々なので、自分がそこに入って大丈夫なのか？と不安に思いましたが、GANMIさんのダンスも拝見して、とても素晴らしかったですし、これはもうとにかく前向きに、ひとつでも多くのことを吸収したい、頑張りたいと思い、踏み切ることができました。

──本当に斬新な企画ですけれども、お二人共宝塚歌劇団を卒業されて早速新たな舞台に臨まれているなかで、この舞台で楽しみにされていることや、やってみたいと思われていることはありますか？

綾　GANMIさんのパフォーマンスには、観ている方を楽しませよう！という情熱がすごくあって、幕が開いてから終演するまで、1分1秒も見逃せないような時間の連続なんです。そのエネルギーや、ダンスに懸ける思いに接して、この気持ちで一緒に作れたらいいなと思いました。ダンスバトルではないですが、GANMIさんと私たちの楽しいダンスセッション、ダンスとダンスで語り合うようなことができたら素敵だなと思っています。

飛龍　今のあやな(綾の愛称)の話でもうどんどん想像が膨らみましたが、素晴らしいダンサーであり、エンターテイナーであるGANMIさんとご一緒できるのは、自分も出演する側なのですが、同じ稽古場でどんな刺激や学びが得られるんだろうと、楽しみでもあります。また、ダンスだけではなくて、宝塚歌劇OGとして歌をお届けする場面もあると伺っているので、そういった角度からもセッションできたらいいなと思っています。

──幕開きから最後までずっと楽しませてくださるというのは、GANMIさんと宝塚歌劇の大きな共通点だなと感じますが、今回Special Castで参加される湖月わたるさん振付の場面もあるとのことで、期待されていることなどは？

綾　わたるさん（湖月）さんが初振付をされるということで、これまで歩んでこられた芸事の路や、感じられてきたことなどが詰まった、わたるさんから生み出された振りを踊れるのは、すごく光栄だなと思っています。しっかりと自分の心でわたるさんの思いを受け取って、大切に踊れたらいいなと思っています。

飛龍　私にとっては雲の上のような存在の方の偉大なトップさんです。ダンサーとしても素晴らしいダンスを第一線で披露し続けている方が、初めて振付をされるという特別な場に恥じないような、見合う自分でありたいと思います。きっと勉強になることばかりだと思うので、一つも逃さずにキャッチしたいです。

──そうした期待が更に高まるフライヤーもできていますが、この撮影は外でされたのですよね？

綾　暑かったよね(笑)。結構酷暑というような時期に撮影したんです。

飛龍　本当に暑い日の外での撮影でしたが、でもだからこそ、この舞台の熱い感じがよく表れているフライヤーになっていると思います。陽ざしに負けない視線でね！

綾　そうそう、太陽に負けないキラキラを出そう！としていたよね。GANMIの皆さんとも初めてお会いしたのですが、皆さん優しくて。

飛龍　撮影中も常に明るくて。この日にソロビジュアルの撮影もしたのですが、GANMIの皆さんが自由に色々な動きをつけながら撮影されていて、流石だなと思いました。どう動けばカッコよく見えるのか？ということをずっと研究してきたので、とても勉強になりましたし、出来るだけ盗みたいと思ったので、負けないように頑張るぞと、気持ちが燃えました。

綾　同じです。すごく気持ちが高まりました！

未知の領域に踏み出すことで自分にとっての「２STEP」も見つかる

──お二人とも退団されてあまり日を置かずに、大きな舞台を経験されていますが、卒業後宝塚歌劇以外の舞台に立って、感じたことはいかがですか？

綾　舞台を愛する人、情熱を持っている人ってこんな大勢いらっしゃるんだ、と感じました。もちろんわかってはいたのですが、それでも直接ご一緒したことによって、改めて認識できたことがたくさんある日々でした。

飛龍　タカラヅカは女性だけで全てを表現する世界ですが、外の舞台では当然ながら男性もいらっしゃって、現役の男役時代にこれを盗みたかったな、と思える男性の迫力に圧倒されました。退団して初めての舞台「李香蘭-花と華-」に出演させて頂き、最初はそういった戸惑いもありましたが、あやなの言う通り、作品や舞台に向かう情熱というものは、タカラヅカと何も変わらないんだ！と気付かされた時、胸に響くものがありました。その情熱が青春のように心地良く感じられたので、また味わいたいと思いました。

──お二人とも新たな舞台で変わらない情熱を感じられたということですが、ご自身が演じるという点ではいかがでしたか？

綾　まず、今まで培ってきたものを大事にしたいという思いは変わりません。私が今日あるのは決して私だけの力ではなくて、宝塚歌劇団という場所で色々な方と刺激をしあって歩んできたからこその今。その時間で得たものは大事にし、感謝の気持ちは忘れずに、そして、また新たな出会い、新たな自分を求めて、次のステージに進んでいくということを大事にしたいと思っています。

飛龍　私は宝塚歌劇を愛して、男役を愛して走り続けてきて、その延長線上でまだ走っているという感覚です。先程お話させて頂いた「李香蘭-花と華-」では、男装の麗人「川島芳子」を演じさせて頂いたので、男役として、今まで自分が培ってきたものをそのまま生かせるお役でした。この『２STEP』にも男役の延長のまま臨むと思いますが、ダンスを通して自分の個性、自分らしさを出せたらいいなと思っています。自分でも未知の領域なのですが、そこに力強くステップを踏み出したいと思います。

──お二人にとって素敵な流れでこの『２STEP』に臨まれるのだなと感じますが、そんなお二人は同期生同士ということで、宝塚音楽学校、そして宝塚歌劇の現役時代と歩んだなか、お互いの魅力をどう感じていますか？

綾　音楽学校の時から「飛龍つかさの男役」というものが確立している人だったんです。そこから伝統の花組に配属されて、「花男」と呼ばれる男役像に果敢に挑戦していく姿は、同期として本当にすごいなぁと思っていましたし、私も頑張らなければと刺激をもらえる存在でした。でも、一歩舞台を降りて会って話すと、とても面白くて、優しいつーちゃん(飛龍)で。ですから卒業を決めたと聞いた時は寂しかったですが、つーちゃんならこれからも果敢に進んでいくんだろうなと思いますし、私も変わらずその姿を見て「自分も頑張ろう」と思っていきたいです。

飛龍　音楽学校時代、1年目を予科生、2年目を本科生と呼ぶのですが、その予科から本科にあがる時のタイミングでお互い委員になりました。試験の成績順に4人の委員が決まるのですが、同期の代表として様々な仕事をします。新しく予科生も入ってくる大変な時期に委員になり、一緒に乗り越えたのが思い出です。当時は本当に色々なことを熱く語り合いましたし、その話からもあやなの宝塚への愛情や、芸事に対する真っ直ぐな姿勢が感じられて、話を聞く度に刺激をもらっていました。常に尊敬している同期ですし、客席から観る舞台姿も大好きです。華のあるビジュアルやスタイルも美しくて、カッコよくて、自慢の同期なので、今回同じ舞台に出られることが本当に嬉しいです。稽古期間も決して長い訳ではないので、１日１日を大切に過ごしたいです。

──お二人共、退団されると伺った時には「なんでいま、これからという時に退めてしまうの？」と本当に残念だったのですが、こうして新しい魅力を発揮してくださっている姿に接すると、その残念が嬉しさに変わっていきます。そんなお二人が今後やってみたいこと、具体的な作品名などでなくて大丈夫ですので、未来への夢やビジョンを教えていただけますか？

綾　やっぱり宝塚歌劇団を卒業する時は不安でいっぱいだったんです。今まで過ごしてきた大事な、大事な場所から出て一人で歩いて行くことへの不安は、きっと多かれ少なかれ誰しもが感じるものなのでは？と思います。でもその日々があったからこそ、今また新たな出会いや、新たな経験をさせていただけているのがとてもありがたくて、不安感がワクワクに変わっていっていると自分の中でも思いますから、より柔軟に色々なことを経験したいという思いが沸きあがってきています。今回ダンスをさせていただきますし、これまでにお芝居もさせていただいてきて、改めてまたお芝居の楽しさにも触れることができました。また、男役ではなくなった今、新たに歌うことの楽しさを知ったりという日々なので、芸事からは離れられないんだなと感じているので、色々な挑戦ができたらと思っています。

飛龍　私は生まれた時からタカラヅカ一色の人生だったので、そこを卒業すると決めた時に、正直、宝塚歌劇以外の舞台に立つ自分というものを全く想像していませんでした。ですが、私の根底に常にあるのは観てくださるお客様に、幸せな気持ちや夢、希望、明日も頑張ろう！と思える活力をお届けしたいという思いなので、それに携われることをずっと続けていきたいと思っています。今回GANMIさんとのコラボレーションという斬新で貴重なな公演に出演させていただくので、これをきっかけに次の舞台が決まるような、自分にとってもステップアップになるような公演にしたいなと思います。また、これからも舞台に立ちたいと思うことができているのは、本当に幸せなことだと思いますし、ずっと応援し続けてくださっているファンの皆様のおかげだと感謝の気持ちでいっぱいです。その温かい気持ちを裏切らないような表現者としてこれからも挑戦していきたいです。声優などの声のお仕事や、2.5次元の舞台などにも挑戦していきたいです。

──様々なご活躍を期待していますが、まずはこの『２STEP』の舞台を楽しみにされている方達にメッセージをいただけますか？

綾　私自身もこの舞台でどんな存在でいられるのが未知数なのですが、それも含めてとってもワクワクしているので、そのワクワクを形として皆様の心にストレートに届くように踊りたいと思います！

飛龍　宝塚歌劇団卒業後の初舞台で男装の麗人役をいただき、今回は「元男役」のダンサーの一員として出演させていただき、一歩一歩、外の世界の階段を登らせていただいています。その経過の、逆に言えば今しか見られない「飛龍つかさ」を是非皆様に見届けていただきたいですし、新しいダンスジャンルに挑戦する姿からも、観にいらしてくださるお客様に勇気や感動を与えられるように、誠心誠意努めて参ります！

■PROFILE■

あやおうか〇12年宝塚歌劇団入団。星組に配属。期待の新進男役として注目を集め17年雪組に組替え。同年『ひかりふる路』18年『ファントム』で新人公演主演を果たしたほか、『ヴェネチアの紋章』のマルコ、『CITY HUNTER』の槇村秀幸など、重要な役柄を務めて活躍。22年退団後、舞台『刀剣乱舞』禺伝矛盾源氏物語で一文字則宗を演じ好評を得て活躍中。

ひりゅうつかさ〇12年宝塚歌劇団入団。花組に配属。新人らしからぬ堂々とした男役ぶりで注目を集め、17年『邪馬台国の風』で新人公演初主演。バウホール公演『Dream On!』ではメインキャストを務め、『銀ちゃんの恋』の平岡安治など、重要な役どころで活躍した。22年退団後は日中合作音楽劇『李香蘭-花と華-』で男装の麗人・川島芳子を颯爽と演じ今後の活躍が期待されている。

【公演情報】
GANMI×宝塚歌劇OG DANCE LIVE
『２STEP』
振付：GANMI
構成・演出：Sota[GANMI]
音楽制作：櫟原誠[Soymilk Co.]
振付：AYAKO 湖月わたる
出演：
ダンスアーティスト／GANMI
Sota SUN-CHANG kooouya Kazashi
Mr.D shun Dyson Yuuki Ryoga O.S.M AOI
宝塚歌劇OG／宇月颯風馬翔隼海惺矢吹世奈綾凰華飛龍つかさ輝生かなで
Special Cast／湖月わたる
●5/26～28◎東京・日本青年館ホール
〈料金〉S席 11,500円　A席 7,000円
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場　0570-077-039(10:00～18:00)
●6/2～4◎大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈料金〉全席 11,500円
〈お問い合わせ〉梅田芸術劇場　06-6377-3888(10:00～18:00)