よりパワーアップして10周年公演を!『ALTAR BOYZ』 良知真次・大山真志 インタビュー
様々なミュージカルを輩出してきたショービジネス激戦区、ニューヨークのオフ・ブロードウェイで、ベストオブ・オフブロードウェイ賞を受賞した『ALTAR BOYZ』。神と司祭に仕えるアルターボーイズたちが、福音の歌とダンスで愛を説き、観客たちの魂を浄化する、客席を巻き込んだライブ感に溢れた傑作ミュージカルだ。
その日本初演から10周年、6回目の上演となる今回は、前回公演から引き続いて登場の「Team GOLD」と、新鮮な顔ぶれが揃った「Team SPARK」の2チーム制での上演が決定。しかもチーム「SPARK」は、ほとんどの役柄がWキャストという多彩な舞台で、3月20日から4月7日まで、パワフルに繰り広げられる。
そんな作品の両チームで、リーダーのマシュー役を演じる良知真次と大山真志が、舞台に懸ける意気込みを語ってくれた「えんぶ4月号」のインタビューをご紹介。
客席と共に創り上げる ライブ感溢れる作品
──『ALTAR BOYZ』10周年ということで、これまでの公演にも長く関わっていらしたお二人ですが、まず改めて作品の魅力をどう感じていますか?
良知 今となってはこういうライブ感覚の作品は、ミュージカル、「2.5次元」も含めて色々ありますが、日本初演の10年前にはこんなスタイルの作品は珍しくて。
大山 あぁ、そうですよね!
良知 お客様が入ってはじめて完成する、一緒に創っていく作品だということが魅力だし、愛されたからこその10周年だと思うんだけど、その中で気づいたら僕は役が変わっていて、周りのメンバーも皆新しくなっていて、僕だけが取り残された「ALTAR BOYZ」という!(笑)
大山 いや、取り残されてはいないけど(笑)。でも初演からずっと演じていらしたアブラハムから今回はマシューですもんね! 正直アブラハムのイメージが強かったので、驚きました。
良知 僕も言われた時には驚いた(笑)。しかもチーム「SPARK」の僕以外のメンバーが全員Wキャストで入れ替わるから、16通りになるんだよ!
大山 あの訊いていいですか? 通し稽古16回やるんですか?
良知 いや、それ無理だろう!(笑) だから今回のチーム「SPARK」は客席だけでなく、舞台上もライブ感満載のものになると思います!
大山 うちのチーム「GOLD」は前回から引き続いての出演なので、すでに絆が出来ているところからスタートしますから、それが深まっていく面白さを感じてもらえるかなと思っているので、そういう意味でも両方を観て欲しいです。
演者の個性が自然ににじみ出る、一期一会の舞台
──マシュー役についてはどう感じていますか?
良知 マシューってチームリーダーではあるんだけど、一番描かれていない役だよね?
大山 そうなんです。マシューだけ過去の話が語られていないんで。
良知 それはつまり全体がマシューの観た世界になっているからだと思うし、『ALTAR BOYZ』という作品自体がそうなんだけど、演者の個性が自ずとにじみ出るものだからこそ、世界中で愛され、スターの登竜門的な作品になったんだろうなと。真志の親しみ易い個性に人が集まるところはマシューにピッタリだし、自分が人見知りなだけに憧れる。
大山 僕は3回目のマシュー役で、バンドメンバーを含めて10人のコンタクトを如何に円滑に取るかは、常に考えてきましたけれど、良知さんはお客様へのアプローチがすごく上手いから、その魅力がマシューで更に輝くと思います。10周年の公演でこれまで関わった皆さんの魂も引き継いでパワーアップして、ハイレベルな大人のお遊びを楽しんで頂きたいですね。
良知 僕はジャニーズJr.でやっていた時にグループを組んでデビューするという夢だけを叶えられずに退めていたので、初演のこの舞台はその夢が遂に叶った! と思えたものだった。グループを組んでCDデビューしていたら、こういう仲間ができていたんだなと。それは感慨深いものだったから『ALTAR BOYZ』が続いていくのが嬉しいし、今回のチーム「SPARK」の組み合わせは2度と観られない一期一会のものになりますから、是非それを楽しみに観にいらして下さい!
大山 チーム「GOLD」共々劇場でお待ちしています!
■プロフィール
らちしんじ〇東京都出身。15歳で芸能活動を開始。舞台、テレビ、映画、アーティスト活動、振付と幅広く活躍中。振付では宝塚歌劇団月組公演「瑠璃色の刻」。主な舞台作品にミュージカル『ドリアン・グレイの肖像』ミュージカル『陰陽師』~平安絵巻~、ライブ・スペクタクル『NARUTO─ナルト─』~暁の調べ~、『ダンスオブヴァンパイア』『ブラックメリーポピンズ』、『黒執事』、『スリル・ミー』、『ロミオ&ジュリエット』、『幕末Rock』『宝塚BOYS』などがある。また今年から、パソナグループ芸能部門エンターテインメントプロジェクトチーム総監督・エグゼクティブプロデューサーに就任。淡路島ニジゲンノモリ親善大使としても活躍。 –
おおやままさし○東京都出身。小学生当時から小椋桂主宰のアルゴミュージカルに参加。09年『テニスの王子様』で千歳千里役として人気を博す。以来舞台、コンサート、映像作品と活躍の幅を広げている。近年の主な舞台作品に『CLUB SEVEN 10thSTAGE』『晦日明治座納め・る祭~将の器~』『CLUB SLAZY-Another world-』ミュージカル『グランドホテル』『クロスハート』『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』Coloring Musical『Indigo Tomato』『キス・ミー・ケイト』ミュージカル『SMOKE』『デルフィニア戦記』ミュージカル『イブ・サンローラン』などがある。6月には『CLUB SEVEN ZEROⅡ』に出演予定。
【公演情報】
10th ANNIVERSARY 『ALTAR BOYZ』
作◇ケビン・デル・アギラ
作詞・作曲◇ゲイリー・アドラー マイケル・パトリック・ウォーカー
台本・翻訳◇北丸雄二
演出◇玉野和紀
出演◇
〈Team GOLD〉 大山真志 法月康平 常川藍里 松浦司 石川新太
〈Team SPARK〉良知真次/金井成大 川原一馬 勧修寺玲旺 北乃颯希 反橋宗一郎 山本隼也 米原幸佑 和田泰右
3/20~4/7◎新宿FACE
〈お問い合わせ〉キョードー東京 0570-550-799(平日11:00〜18:00/土・日・祝10:00〜18:00)
〈公演オフィシャルサイト〉http://www.altarboyz.jp/
【構成・文/橘涼香 撮影/岩田えり】
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