衝撃作の舞台化『アーモンド』で2つの役を交互に演じる! 眞嶋秀斗インタビュー
本作は、新型コロナウイルスの陽性者が出たことにより一部の公演を中止する運びとなりました。
公演中止期間は初日・2月25日(金)〜3月7日(月)までとなります。
詳細は公式サイトをご確認ください。
韓国で40万部を売り上げ、13カ国で翻訳された小説『アーモンド』。感情を司る脳の部位、偏桃体(形状が似ていることから、原作内ではアーモンドと表現される)が人より小さく、怒りや恐怖といった感情をうまく感じることができない16歳の高校生ユンジェが、不遇な環境で育ち荒々しく振舞う少年ゴニと出会い、互いを知ることで成長していく物語だ。
日本でも多くの書店員の熱い支持を集め、2020年本屋大賞翻訳小説部門の第1位に輝いたこの衝撃作が、2月舞台作品として生まれ出る。他人の気持ちを心から感じる「共感とは何か?」をまっすぐに問いかける社会派エンタメ作品で、長江崚行と共にユンジェとゴニの対照的な2役を役替りのWキャストで演じる眞嶋秀斗が、作品に臨む前から読んでいたという小説から感じた魅力をはじめ、作品に懸ける想いを語ってくれた「えんぶ2月号」のインタビューをご紹介する。
相当に険しい道が待っているぞと
──大変大きな話題を投げかけた小説の舞台化ですが、作品について事前にご存知でしたか?
小説は読んでいました。表紙の少年のイラストにとてもインパクトがありましたし、コロナ禍でなかなか外出ができない時期に、元々韓国映画の世界が好きだったこともあって、韓国の小説も5、6冊読んでいたんです。これはその中の1冊で、1番ダイレクトに心に響いてきた作品でもあって。文章のリズムが心地良いし、映画のように綺麗にワンシーンが切り替わっていくのも新鮮で、登場するキャラクターもみんな大好きになりました。勿論暴力的な、ちょっとショッキングなシーンもありますが、物語が進んでいくうちにどのキャラクターも気になってきて、この場面であの人はどうしているんだろうと、そこまで考えさせてくれる深い作品でした。
──そうした作品で、実際に感情を持たない少年「ユンジェ」と荒々しい性格の「ゴニ」の二役を、⻑江崚行さんとWキャストで交互に演じると決まっていかがでしたか?
オーディションの時には絶対に役を勝ち取る! という気持ちだったんです。でも現実にユンジェとゴニを両方演じるとなった時には、これは相当険しい道が待っているぞと思ったのも正直なところです。やっぱりユンジェの喜怒哀楽を感じられないということが、本当に全く感じられないのか、そうではないのか。また、ゴニの鋭い目つきや乱暴な言葉の裏に何があるのか、何も理由がなくこんな行動に出るはずがないと思うと、単純に嫌な奴、乱暴な奴だけではないはずだなとか、小説を読んでいる時には物語に没頭して考えなかったことが、いざ演じるんだと思うと無数にでてきたので、心して稽古に臨まなければと思っています。
2人の関係性の変わり方にグッときた
──色々なことを感じすぎる、繊細すぎるということでしたら、それでもまだ想像がつく気もしますが、感じないというのは難しいですよね。
そうなんです。やっぱり人間って感じちゃうじゃないですか。でもそれが脳に障害があるがために感じられないユンジェを演じる以上、本番までにちゃんと彼をわかってあげられたらいいなと思っています。いまマスクを当たり前にしていると、表情がわからない時がありますよね。笑っているのか、怒っているのか迷ったり。でもそういう時期だからこそ、この作品のテーマの、誰かのことを思う、気持ちを伝える、分かりあうことの大切さをより強く感じてもいて。だから本当に今の世の中に必要なことが描かれている作品だと思いますし、(長江)崚行君とは10年来の知り合いで、年下ですがとてもしっかりしているので、協力してしっかりと作っていきたいです。小説を読んでいて、ユンジェとゴニ、2人の関係性の変わり方が本当にグッときたところなので、単純なWキャストではなく、両方を交互に演じる意味もわかるので、お互いがお互いを見て、とことん話し合いながら『アーモンド』の世界をお届けできたら。他にも素晴らしいキャストの方々が揃われているので、全員で頑張っていきますので、是非劇場に見にいらしてください!
■PROFILE■
ましましゅうと〇群馬県出身。2005年ミュージカル『ピーターパン』で初舞台、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン、斬劇『戦国BASARAシリーズ』では伊達政宗役で主演に抜擢。その他の主な出演作として朗読劇『僕らは人生で一回だけ魔法が使える』『結婚しないの!?小山内三兄弟』、ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』『まだ結婚できない男』『KING OF DANCE』『小山内三兄弟シリーズ』、映画『ブラック校則』『たまには、大きな声で』『人狼ゲーム マッドランド』ほか多数出演。
【公演情報】
『アーモンド』
脚本・演出◇板垣恭一
原作◇ソン・ウォンピョン (チャンビ刊)
翻訳◇⽮島暁⼦(祥伝社刊)
出演◇長江崚行 眞嶋秀斗 智順 伊藤裕一
佐藤彩香 神農直隆 今井朋彦
●2/25~3/13◎シアタートラム
〈お問い合わせ〉conSept公式 https://consept-movie.myshopify.com
〈公式サイト〉https://www.consept-s.com/almond/
【構成・文◇橘涼香 撮影◇中村嘉昭】
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