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舞台『艶漢』第三夜 間もなく開幕! 櫻井圭登・村田 恒 インタビュー

尚 月地の大人気漫画『艶漢』を原作にした舞台、浪漫活劇譚『艶漢』シリーズ。その第三夜が、4月20日から新宿のシアターサンモールで開幕する。(29日まで。)
「エログロナンセンスな昭和郷愁的アンダーグラウンド事件簿」と銘打たれているように、廃墟のようなバラックが建ち並ぶ不思議な街・幻灯町を舞台に、ミステリありメロドラマありギャグありの波瀾万丈なストーリーを、耽美的な演出で展開するのが見どころだ。
その物語の主人公で柳腰の美少年、傘職人の吉原詩郎役の櫻井圭登。そして第二夜から登場した敵方の佐倉春澄役を演じる村田 恒。2人に舞台『艶漢』第三夜への取り組みを話してもらった。

櫻井圭登・村田 恒

カンパニーとしてギュッとなった第二夜

──いよいよ第三夜ということですが、お二人にとって『艶漢』という作品は?

櫻井 僕にとって初座長の公演でしたから、それが第三夜まで続いていることはとても嬉しいですし、誇りを持っています。歌謡倶楽部も含めて毎年『艶漢』をやらせていただいていることで、自分の中で安心できるところであり、帰ってくるときは絶対に成長してないといけないと思っています。

村田 僕は第二夜からの参加ですが、入る前の印象ではタイトル通り艶やかな世界で、人間模様が面白いなと思っていました。その世界に途中から、しかも敵方の役で入るので、自分なりに新しい風を吹き込めればいいなと。

──入ってみて稽古場はいかがでしたか?

村田 少し構えながら入ったんですが、すごく居心地が良かったです。皆さんプロ意識が高い方ばかりで、特にこの作品は体作りが必要なので、色々教えてもらいました。僕はキャストでは一番年下でしたが、圭登くんも1つしか違わない若い座長で一緒に切磋琢磨できて、そういう中で、作品のためにもこの人を支えたいなと思うようになりました。

櫻井 僕にとっても第二夜は大きな変化があった公演でした。初演の『艶漢』はただ無我夢中でしたから。それから1年半の間に大きな舞台も経験して、第二夜では演出のほさか(よう)さんの指示にも自分なりに挑戦できるようになったし、役者としてのアプローチも増えて、全体もよく見えるようになった。そのことで第二夜はカンパニーとしてもギュッとなりました。村田くんはそこに新しい風を吹き込んでくれて、僕にも刺激になりました。

詩郎と安里、春澄と東雲の関係性が見どころ

──それぞれの役の魅力と演じる難しさは?

櫻井 詩郎って中性的な存在で、男の人もキュンとさせなくてはいけない役なので、外見も大事なので、地道にパックとかボディクリームとか頑張ってます(笑)。それに柳腰になるために筋肉が付かないようにとか、色々たいへんなのですが、すごく素敵な役だと思います。見た目は女性的ですけど、内側には熱を持っていて芯が強い。そういう面を出せる瞬間は楽しいですね。

村田 僕にとって佐倉春澄という役は、今までで一番遠い役で遠すぎて悩みました。綺麗で人懐っこくて、漫画のイメージでいうと声が高いんです。ほさかさんにも「もっとベースの声を高く出して」と言われて、まず高い声を出せるようにして、でも作った声だと芝居していて気持ち悪くなるので、それを馴染ませるのにすごく苦労しました。最終的には自信を持ってやるしかないと振り切ってやっているうちに、だんだん馴染んできました。

──キャラクターとしてもインパクトがありますね。やり甲斐があるのでは?

村田 でも、なぜこういう行動をとるのか僕から見たら理解しにくいんです。親友でも裏切れるとか、物事の優先順位が自分とはまったく違うので。だから何が彼をそうさせているのか、すごく考えました。そして、もしかしたら本当に好きだからこそそうなるのかなと。

櫻井 それは詩郎と安里の関係も同じで、愛と憎の両方なんですよね。そこが『艶漢』という作品の面白さで。

村田 しかも、それを美しく描いているからいいんですよね。

──では改めて第三夜への意気込みを。

村田 第二夜で更に上がってきた作品を、ここで落とすわけにはいかないので、絶対に良い作品にしたいです。そして第三夜では僕の兄の東雲が出てきます。北の座長が満を持して出てきますので、春澄との関係性、そのセッション、そして詩郎たちにどう影響を与えるかを、ぜひ観ていただきたいですね。

櫻井 第三夜ではすごく話が進みます。その展開が見どころですし、詩郎と兄や安里との関係のたどり着く先はどこなのか? そこに注目していただきたいです。

さくらいけいと○東京都出身。主な出演作品は、映画『死んだ目をした少年』、舞台はミュージカル『ハートの国のアリス~The Best Revival~』浪漫活劇譚『艶漢』、『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』、ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』ワールドツアー、『クレスト☆シザーズ』、ミュージカル『スタミュ』、『RE:VOLVER』、LIVE THEATER『Royal Scandal~秘恋の歌姫』、極上文學『こゝろ』など。

むらたひさし○福岡県出身。最近の舞台は舞台『アリスの愛はどこにある』、舞台『プリンス・オブ・ストライド THE LIVE STAGE』エピソード5、舞台『龍よ、狼と踊れ』、朗読劇『予告犯』、劇団時間制作第十八回公演『こっちとそっち』、舞台『君死ニタマフ事ナカレ零_改』 、舞台『OUT OF FOCUS!』など

【公演情報】

浪漫活劇譚
『艶漢』第三夜
原作◇尚 月地『艶漢』/「ウィングス」連載中(株式会社 新書館)
脚本・演出◇ほさかよう(空想組曲)
出演◇櫻井圭登 末原拓馬(おぼんろ)  三上 俊
村田 恒 福井将太 岡田あがさ 堀越 涼(花組芝居)/八神 蓮 ほか
●4/20~29◎シアターサンモール
〈お問い合わせ〉http://www.clie.asia/adekan/

 

【取材・文/宮田華子 撮影/岩田えり】

 

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