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魂に響くチェーホフの真髄!全編手話による『三人姉妹』 10月に上演!

(Photo) Frol Podlesny

東京芸術劇場では東京芸術祭 2019 参加「芸劇オータムセレクション」作品として、ロシア・ノヴォシビルスクのレッドトーチ・シアターによる『三人姉妹』を、10月18日から 20日まで上演する。ティモフェイ・クリャービン演出によるこの『三人姉妹』は、全編が手話(ロシア手話)で演じられ、本国はじめヨーロッパ各国の芸術祭で大きな話題となった作品だ。

『三人姉妹』はロシアを代表する劇作家アントン・チェーホフにより 1900 年に発表され、『かもめ』、『ワーニャ伯父さん』、『桜の園』とともに「チェーホフ四大戯曲」のひとつとして、ロシア本国のみならず日本においても今なお頻繁に上演される人気のレパートリー。
その名作に30代ながらレッドトーチ・シアターの芸術監督を務めるティモフェイ・クリャービンが挑み、全編を手話で上演するという実験的な舞台を作り上げた。登場人物たちは手話と身振り、表情で会話し、自然音や生活音、人の息遣いやぶつかり合うノイズが舞台を弾ませ、俳優が演技として手話を用いる異色作ながら、芝居が進むにつれチェーホフが描いた人間ドラマの核心が際立っていく。
現代に通じる革新的な演出、フィジカルを極めた熱演を見せる俳優陣、知的な仕掛けに満ちた装置、照明、音響……チェーホフの戯曲の奥底に分け入り、その核心に迫る『三人姉妹』だ。

【『三人姉妹』あらすじ】
プローゾロフ家の三人姉妹は、モスクワ生まれだったが今は軍人だった父の赴任地で寂しい田舎暮らしをしている。長女オーリガは独身の中学教師。次女マーシャは地元の教師クルイギンと結婚している。
三女イリーナは役所に勤め始めたばかり。エリート軍人であった父を失い、跡継ぎとなる長男アンドレイは大学での職を求めて就活中。アンドレイの妻ナターシャは癇癪持ちで、姉妹の乳母や使用人に辛く当たるので、特に繊細な長女オーリガは心を痛めていた。
その町で姉妹の家を出入りするのは父親の仲間だった連隊の軍人たち。次女マーシャはその中の一人、雄弁で哲学的な言い回しを好むヴェルシーニンと逢瀬を重ねている。三女イリーナは二人の軍人、上流階級出身で爵位を持つトーゥゼンバフ、奇抜な言動で変人扱いされているソリョーヌイから求婚されていた。イリーナはモスクワへ戻る望みを込めて、トーゥゼンバフとの婚約を決める。モスクワへ帰ることは、三人姉妹に共通する大きな人生の望みだった。
時が過ぎ、駐留する連隊が街を去る日。長女オーリガは家を出て乳母と学校の寮に住み始めていた。イリーナとの結婚を控えたトーゥゼンバフは、出立を前にソリョーヌイから決闘を申し込まれている。連隊と共に去るヴェルニーシンがマーシャに別れの挨拶に来る。トーゥゼンバフは決闘に向かう。
連隊も、恋人も、婚約者も、全てが姉妹の元を去って行く。その時姉妹は……。

【メッセージ】
ティモフェイ・クリャービン(レッドトーチ・シアター芸術監督/『三人姉妹』演出)
ある日、私は街でろう者が手話で話をしているのを見かけました。そこで何について話されているのか……私には分かりませんでしたが、一方で私は彼らを完全に理解しているという感覚を得たのです。
そこから、手話は劇場において実に多くのことを表現できる道具になるのではないかと考えました。
チェーホフの『三人姉妹』はロシア演劇のバイブルです。そして日本でも多くの観客がこれまで何度もチェーホフの劇をご覧になっていると聞きました。日本の観客の皆さまも、私たちの『三人姉妹』に出会い、新しいチェーホフ劇の側面を発見できるものと確信しています。
私たちが二年にわたる歳月をかけたこの舞台では、俳優たちもスタッフも特別な経験を数多く重ねてきました。その結果、この『三人姉妹』は、とても実験的かつ斬新な舞台に仕上がりました。
この秋に東京芸術劇場で日本の観客の皆さまに観ていただけることをたいへん光栄に思っています。

【公演情報】
東京芸術祭 2019 芸劇オータムセレクション
レッドトーチ・シアター『三人姉妹』
作:アントン・チェーホフ
演出:ティモフェイ・クリャービン
美術:オレグ・ゴロヴコ
出演:イリーナ・クリヴォノス ダリア・イェメリャノワ リンダ・アフメジャノワ ほか
● 10/18~20◎東京芸術劇場 プレイハウス
※上演時間4時間15分・途中休憩あり/ロシア手話上演(日本語・英語字幕つき)/ヒアリングループ作動
〈料金〉一般 6,500円 65 歳以上 5,000円 25 歳以下 3,500円 高校生以下 1,000円(全席指定・税込・未就学児童入場不可)
※65 歳以上、25 歳以下、高校生以下チケットは、東京芸術劇場ボックスオフィスのみ取扱い。(枚数限定・要証明書)
〈お問い合わせ〉東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296(休館日を除く 10:00~19:00)
東京芸術祭チケットセンター https://tokyo-festival.jp/2019/ticket/
〈公演HP〉http://www.geigeki.jp/performance/theater221/

東京芸術祭 2019 芸劇オータムセレクション
●公演関連レクチャー『21 世紀ロシア演劇の挑戦~手話言語が拓く新たなる地平~』
日時:2019 年 10 月 1 日(火)19:00~21:00
会場:東京芸術劇場シンフォニースペース(5階)
料金:500 円(税込)*但し『三人姉妹』チケット持参の方は無料
講師:日向寺康雄(元モスクワ放送チーフアナウンサー、中央大学、早稲田大学兼任講師)
大杉 豊(筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター教授)
〈お問い合わせ〉東京芸術劇場 事業企画課 事業調整係 03-5391-2116
http://www.geigeki.jp/performance/event246/

 

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