野田戯曲『パンドラの鐘』門脇麦・金子大地・緒川たまきらの出演、熊林弘高の演出で来春上演!
東京芸術劇場は、芸術監督である野田秀樹の戯曲『パンドラの鐘』を演出に熊林弘高を迎え、2021年4月14日~5月4日、東京芸術劇場シアターイーストで上演する。
東京芸術劇場は気鋭の演出家・熊林弘高と、充実した共同作業を積み上げてきた。1年に1作か2作程度と、演出家としては寡作で知られる熊林だが、発表するたびに評価を上げ、今や多くの俳優が彼の作品への出演を希望するようになっている。初めて800席超のプレイハウスでの演出作品となったチェーホフ作の『かもめ』(16)やシェイクスピア作『お気に召すまま』(19)で広い空間を効果的に使い、非常に挑戦的かつ魅力的な作品に仕立てた。また今年は日生劇場で行われた三島由紀夫没後50周年企画「MISHIMA2020」にて『班女』(麻実れい、橋本愛、中村蒼)を演出し、高い評価を得た。
熊林が今回選んだ作品は、芸劇の芸術監督を務める野田秀樹作の『パンドラの鐘』。本作は1999年、NODA・MAP第七回公演として世田谷パブリックシアターで初演され、紀伊國屋演劇賞個人賞・読売演劇大賞最優秀作品賞・芸術選奨文部大臣賞(演劇部門)などを受賞した。
20世紀末に、野田本人が演出を手掛けたバージョンと、シアターコクーンで蜷川幸雄が演出をしたバージョンがほぼ同時上演され、二人の演出対決が演劇界を席捲した名作である。「遺跡の発掘」「古代の天皇の殉死」「長崎への原爆投下」などのモチーフを扱い、物語は<現代>と<古代>という2つの時間軸を行き来する。
野田戯曲らしい言葉遊びや複数のモチーフと時間・空間が交錯し、イメージが乱反射する、極めて独創性あふれる作品として、国内外から高く評価されている『パンドラの鐘』。熊林演出では一人の俳優が<現代>と<古代>の登場人物を1人2役で演じる。
出演者は、2015年に熊林が演出した『狂人なおもて往生をとぐ』(作・清水邦夫/於・シアターイースト)に出演し、現在大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK)にも出演中の門脇麦。『腐女子、うっかりゲイに告る。』(NHK)で好演した金子大地。門脇と同じく『狂人なおもて往生をとぐ』に出演した熊林が最も信頼する俳優の1人である緒川たまき。
さらにテレビドラマ・映画・舞台とジャンルを問わず八面六臂の活躍をする松尾諭、2009年にジュノン・スーパーボーイ・コンテストで審査員特別賞を受賞し映像作品に出演するかたわら、2019年にはKAAT神奈川芸術劇場『恐るべき子供たち』にて好演した柾木玲弥。
野田が東京芸術劇場で次世代を担う演劇人の育成を目指した団体「東京演劇道場」から、オーディションで選ばれた木山廉彬、長南洸生、八条院蔵人の3名が出演する。
【あらすじ】
物語の舞台は、太平洋戦争開戦前夜の長崎。歴史の謎に惹かれ、考古学者たちが掘り起こしたのは、土深く埋もれた巨大な古代の鐘。その鐘の姿から、歴史から遠く離れた古代王国と、鐘と一緒に葬られた古代の秘密が浮かび上がる。決して覗いてはならなかった「パンドラの鐘」に記された王国滅亡の謎とは?そして、古代の光の中に浮かび上がった<未来>のゆくえとは?
【公演情報】
『パンドラの鐘』
作:野田秀樹
演出:熊林弘高
出演:
門脇麦 金子大地 柾木玲弥
木山廉彬 長南洸生 八条院蔵人
松尾諭 緒川たまき ほか
●2021/4/14~5/4◎ 東京芸術劇場 シアターイースト
※4月13日プレビュー公演を実施
※ほか びわ湖、兵庫、金沢、水戸、名古屋公演あり
〈お問い合わせ〉東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296 (休館日を除く10:00~19:00)
〈公式サイト〉 https://www.geigeki.jp/performance/theater266/